昨年晩秋に夫婦で訪れたPeak District ピーク地方国立公園で、宿泊地のCastleton キャッスルトン(キャッストン)を去った二日目の目的は、まずはVale of Edale イーデル谷を訪れる事でした。イーデル谷はキャッスルトンの北西、マム・トアの裏側に位置する谷で、イギリスの風景のカレンダーの写真にも度々使われる程の景勝地です。
谷の中心村落、Edale イーデルを目指します。しかし、途中車の止められる景色の良い場所で度々撮影する為に駐車するので、そう遠くないのに中々到着しないのは言うまでもありません。
ところで、疑うことなき観光大国イギリスで、混み過ぎて寄り付けないような人気の観光地は、大雑把に二つに分けられます。一つは、国際的に知名度が高く海外の観光客が押し寄せる場所=①。そしてもう一つは、海外では余り知られておらず、外国人が訪れる事はほとんど無いものの、イギリス在住者には絶大な人気を誇る場所=②です。
前者①はコッツウォルズやストーンヘンジ、大聖堂都市カンタベリーやソールズベリー等。後者②はドーセットの海岸、ヨークシャー・デールズ、ウェールズの山岳地帯、そしてこのピーク地方等です(※湖水地方はどちらにも被る)。↑写真は多分マム・トアの裏(北)側で、裏から見ても目を引く姿をしています。
①の混雑が夏に集中しているのに対し、後者は特に混むのは休日とは言え、天気さえ良ければ一年中混みます。②に訪れる人は地元近辺在住のアウトドア・スポーツ愛好者が多いので、天気が良いと分かればサクッとすぐに出掛けられるからです。しかも、アウトドア人口自体が、恐らく日本より遥かに高いイギリス。
そんな訳でこのピーク地方は、日本どころか同じ英国でも南東部では余り知られていないものの、マンチェスターやバーミンガム、シェフィールド、またその周辺の人口密度の比較的高い地域に囲まれている為、手軽に楽しめる自然として絶大的に人気があり、特に天気の良い日は非常に混みます。しかも自然愛好者とは言え、残念ながらマナーの悪い、意識の低い人も多いように見受けします。
主要道路Edale Road 脇の駐車場に車を止め、其処から北方面の行き止まりの村に歩いて入って行きます。
こんな人家も疎らな、自動車道は丘にぶつかって行き止まりの辺鄙な場所とは言え、実はイーデル村には鉄道駅が在り、しかもマンチェスターとシェフィールドを結ぶ主要路線なので、比較的列車の本数が多いのです。こんな寒い季節の平日なのにも関わらず、本格的なトレッカーが続々と下車して来ます。
そのトレッカーの為のカフェやパブも、村内に幾つか用意されています。
やっぱりピーク地方は、イギリス人には凄い人気なんだなあ。十分広く見えた村の入り口の駐車場も、あっと言う間に満杯になってしまうそうです。
駅の側には、その名もRambler(=ぶら歩きする人) Innと言うパブ兼旅籠が。ここもいつか泊まってみたいねと夫婦と話していましたが、後から調べると、人気なのかB&Bにしちゃ結構宿泊料が高い。
周囲の山(丘)並みににばっちり溶け込む、古風な教会も在りました。
道路際では、何故かニワトリが放し飼い。幾ら交通量が少ないとは言え、全く車が通らない訳ではないのだから、その内ミンチにされるぞ。
ここが村の中心のようで、小学校や昔ながらのパブが在ります。赤い電話ボックスは、珍しく現役です。イギリスでは、少しでも田舎へ行くと携帯電話の繋がらない、または繋がりにくい場所が今だ多い為、公衆電話は未だ必要なのでしょう。
このパブ名は、我々が宿泊したキャッスルトンの宿の名前とほぼ同じです。
実はここ、National Trailと言う長距離遊歩道の、イギリスで最初に設定されたPennine
Way ペナイン道の南端の公式始発点なのです。
ペナイン道は、イングランド北部の中央に連なるペナイン山脈(…と和訳されているが原名に「山脈」の単語はナシ。実際イングランドに山無いし)を南北に横断する長距離遊歩道で、このピーク地方国立公園、ヨークシャー・デールズ国立公園、ハドリアヌスの城壁、ノーサンバーランド国立公園を通過し、北端はスコットランドとの国境まで続いています。
トレッカーが続々とやって来たのは、恐らくその遊歩道がお目当てだったようです。ペナイン道の全長を制覇する体力と気骨の有る人は中々居ないでしょうが(何泊掛かるのだろう??)、ピーク国立公園内のSnake Pass位までは皆歩くつもりなのではと思います。ペナイン道は、この村から左手(西)に伸びています
村の最奥(北端)は、グランピング場の私有地らしく利用者以外は立ち入り禁止。
我々は、右手(東)の谷を下る遊歩道を進んでみました。結構谷が深い。
こんな小川に架かった木橋を渡ります。
生憎村の中からの眺望は意外と余り良く無かったのですが、ここからは心地良い丘陵地帯と田園風景を広々と楽しむ事が出来ます。
遊歩道は、石敷になって丘へ続いています。我々はここで引き返し、駐車場に戻りました。
駐車場から反時計回りに湾曲しながら南下し、マム・トアの麓の峠道を通って県道クラスのB6061号線に出ます。丘の北斜面は未だ霜が解けず、気温の低さを物語っています。
このイーデル谷の九十九折りの道路の、カレンダーの写真に使用されるようなドラマティックな風景を眺めるのには、本当はマム・トアの頂上かその真下の峠あたりがベストなのですが、生憎道路脇の僅かな駐車スペースは既に全て塞がっていて、車を止める事は出来ませんでした。
しかし前回存分に楽しんだので、良しとします。
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