昨年の早春、お天気はイマイチだけど出掛けたい休日があり、こんな冴えない天気の日は自然よりは街が良かろうと、未だちゃんと訪れた事のないPortsmouth ポーツマスを目指す事にしました。が、車でポーツマスが近付いて来た手前で、Hailing Island ヘイリング島への道案内を見掛け、ヘイリング島って全く聞いた事がないとP太が興味を持ち、急遽立ち寄ってみる事にしました。
島と言っても、本土とは浅瀬を挟んで離れているだけで簡単に行けます。島と本土は、一本の橋のみで繋がれています。まず、この橋近くで車を止めてみました。
波は全くなく潮の香りもなく、ついでに流れもないので水は相当淀んでいるようで、海とは言え全然清々しい景色ではありません。また、その周囲には氾濫原となる草原が広がっていて、正直言って荒涼とした眺めです。
岸に貝が混じっているのを見ると、辛うじて海水だとは分かります。が、レンガやコンクリ片等のゴミも多い。
島の土地は、想像した通り見事に真っ平。海水上昇のリスクは、非常に高いと思われます。概ね牧草地で、住宅は南に集中しています。
橋の近く(島の北部)に古民家が数軒あっただけで、他の家屋は全て戦後に建てられた、中途半端に古い味気ない家並みと言った具合でした。
そもそも、ここ本当に人が住んでいるの?と思える程、人の気が少なく活気もなければ生気も感じられません。夏期には海水浴客で混むだろうから、もしかしたら家屋の多くは、その為の宿泊施設やサマーハウス(夏の別荘)、または年金者向け住宅や介護ホームなのでは?と思える程でした。実際、キャンプ場やキャラバン・カー向けのホリデー・パークは非常に多く見掛けました。
ビーチの目の前には、店舗の魅力が薄いイギリスでさえ、特につまらなそうな軽薄そうな店が何軒か並んでいました。↑写真は、ビーチの駐車場近くの草間彌生っぽい寂れたオブジェ。
アンティーク屋が一軒だけあり、昼食後に覗いてみようと思いました。しかし、近くの駐車場でお弁当を食べていたら、閉店時間は4時と記してあるのにも関わらず、この直後の1時位で店仕舞いしちゃうし。
人が少ない分、浜辺をゆったり散歩するのには最適な場所…と思いきや、シーズン・オフでさえ無料で利用出来る駐車場が全くないのです。イギリスでは何処でもいつでも見掛けるはずの、犬の散歩にも余り出会わなかったし。
浜辺は小石浜で、波で偏ってしまうせいか、トラックが移動させて豪快に巻き散らしていました。スピードも速く近付くのは極めて危険で、おちおち浜辺散歩も出来ません。
ポーツマスのランドマーク、Spinnaker Tower スピンネーカー・タワーが見えます。
海の向こうの山並みは、ワイト島かも知れません。ここから眺めると、確かに山のように高く見えます。
興味を引く物が見当たらなかったので、気まぐれに島の南西端のフェリー発着所へ行ってみました。
ここから歴史的な港町ポーツマスは、目と鼻の先。しかし、ここに橋は無い為フェリーで渡ります。
入り江に浮かぶ人工岩礁は、第二次世界大戦時のbunker 掩体壕のようです。
イギリスの南海岸は、いつの時代も軍事の要でした。眺望抜群のPorts Down ポーツ・ダウンと呼ばれる白いチョークの小高い丘の上には、ヴィクトリア時代の堡塁が並んでおり、幾つかは今も英国軍に使用され、他は博物館として一般公開されていたり、脱出ゲームの娯楽施設だったりするようです。
干潟の側にも、第二次世界大戦の掩体壕が残っています。イギリスでは、割とあちこちで今だ見掛けます。
この干潟は、野生動植物の豊富な自然保護区にはなっているようです。
P太の希望でマリーナへ行ってみましたが、本当に単なる個人のヨット(イギリスでは所有している人が結構多い!)の保管・発着所で、観光マリーナではありませんでした。
最後に、もう一度島と本土を繋ぐ橋の側で停車しました。
対岸には、古城Warblington Castleが見えます。今は農場の敷地内に在るそうで、一般公開はされていません。
この門は、かつて島に鉄道が通っていた線路の橋の遺物。
本土側の丘の上のこんもりした森は、「Dead Man’s Copse 死人の森」と言う名前が付いていて、朝鮮戦争で戦死したハンプシャー州出身の兵士達の鎮魂慰霊の為に植樹された人工林だそうです。…にしても、もう少し名前を考えられなかったのか。
結局この日は、ヘイリング島を一周しただけで終わってしまい、最初の目的地であるポーツマスは訪れずに家へ帰りました。何故わざわざ一周したのかと言えば、行けども行けども面白くなかったからです。今までこの島の事を話に聞いた事がなかったのは、話題になるような要素が全くなかった為のようです。
思ったよりは天気が良かったので、今写真を見返すとそれ程悪くは見えませんが、ぶっちゃけ思い出すだけで欠伸が出そうな程退屈な場所でした。今でもこの近くを車で通過する度に、P太と二人で「ヘイリング島って見事につまらなかったね~」と苦笑します。たった一日とは思えない程充実したお出掛けがある一方で、こんなにつまらない場所へのお出掛けの日もあるさ!
しかし、場所そのものが退屈だっただけで、途中の車窓の景色を楽しんだりお弁当を食べたりと、お出掛け自体は決して行って損する程だった訳ではありません。兎に角、この場所は我々の興味を引く物はないと確信出来ただけで、もう二度と訪れるべきではないと学習出来たのだから、行った甲斐はあると思う事にします。