2026/08/08

20世紀築のジョージアン様式の館ヒントン・アンプナー 3

 

昨年夫婦で初めて訪れたハンプシャー州のNT(ナショナルトラスト)のお屋敷&庭園「Hinton Ampner ヒントン・アンプナー」では、館内を見学した次に庭園を見て回ります。 

今まで来ようと思わなかったこのヒントン・アンプナーに、何故昨年行ってみようと思ったかと言えば、別のNTの庭園Mottisfornt Abbey モティスフォント・アビーで少しお話した女性が、庭園好きなのでモティスフォントは勿論、ナイマンズやこのヒントン・アンプナーにも毎年訪れると言っていたからです。

それで、ヒントン・アンプナーの庭園も、多分結構魅力的なんだろうなと思った訳です。前にも書きましたが、財力をこれでもかっと見せ付ける豪華屋敷には余り興味がないし、内部見学は一度で十分ですが、庭園が楽しめる場所は何度でも訪れたくなります。

ここの屋敷は南北に長く、東側が正面玄関の入り口となっています。 

ここは、屋敷の南側。NTの写真で見ると、睡蓮でいっぱいの華やかな池になっていますが、この時は単なる水が濁ってきちゃないプールでした。


更にその先に、ひっそりとした(と言うか地味な)フォーマル・ガーデンがあります。

南西には、窪地のsunken garden=沈床庭園があります。この時は、子供向けのイベント会場になっていました。ある程度大きなNTは、イースターや夏休み、ハロウィーン等に子供向けのアトラクションを開催しますが、何処も似たような物ばかりで変わり映えが無く、内容的にも余程小さな子供しか楽しめそうもありません。日本の場合、子供の絶対数が少ない為、多分親御さんや大きなお友達も釣れるような工夫を心掛けるのでしょうね。

 ここの庭園のハイライトは、日当たりと眺めの良い、高低差がある西側のテラスのようです。 

まず建物に沿って、宿根草のボーダー花壇が続いています。

傾斜は階段式になっていて、中段はこんな感じ。

キノコ型?に綺麗に刈り込まれたトピアリーが並び、奇妙な風景に。 

その先は、もこもこと歩き出しそうな形に刈り込まれた針葉樹の並木になっています。 

この石塀で出来た溝は「ha ha」と言い、イギリスのお屋敷の庭園で良く見掛ける物で、塀や壁を建てて視界を遮る事無く家畜の庭への侵入を防ぐ工夫です。


テラスの先には、最後の当主ラルフ・ガットンが愛したサウスダウンズの風景が見えます。

歩き廻って一息付き、NTのカフェでアイスクリームを食べました。この日もイギリスとしては相当暑かったらしく、私はマンゴーのソルベ(シャーベット)を選びました。 

しかし暑さで言えば、極度の乾燥と水不足のせいで、今年の方が昨年よりずっと厳しいように感じます。 




2026/08/07

オレンジ・ミスト

 

今回の一時帰国で、ドール用の浴衣向けの布地は特に仕入れて来ませんでしたが、浴衣に合いそうだと思った百均手拭いなら買って来ました。素材は綿とポリエステル混で、キャン★ドゥで手に入れたように思います。 

晒のような粗い涼し気な布目で、しかし糊はビシッと利いていて解れにくくなっている所が、ドールの浴衣を仕立てるのにピッタリそうだと思いました。

この柄の場合は方向の縦横は関係ありませんが、手拭いだから基本的に柄は縦長になっているはずで、その点もドールの浴衣を仕立てるのに適しているのではと思います。 

雰囲気的には子供っぽい浴衣になり勝ちだとは思ったので、モデルはリカちゃんのような22㎝ドールの方が問題無く似合いそうでしたが、柄の大きさ的には絶対に27㎝以上のドールの方が生きると思いました。

momoko DOLLの中でも幼さの残るこの「冬のバス停」なら、着こなしてくれるかなあと。 

1960年代のフラワーパワーのようなジオメトリックな花柄で、色も正にその時代を象徴するオレンジと黄色、そしてオリーブ・グリーン。

撮影して見ると、このプリントのインクが透けそうな粗い布目の生地の上でもしっかり発色するよう、かなりにマットな所も気に入りました。 

スウィンギンな浴衣なので、帯や飾りもカジュアル・ポップに纏めようと思いました。

ちょっと渋めの強い色地の大きな水玉地の帯で引き締めた上で、ふわふわチュールのキッチュな帯飾りと髪飾りを合わせています。 

帯の結びは、こんな風にしました。作れる結びのバリエーションが少ないもんで(とほ~)、せめてリボンを加えて少しだけ盛っています。

リボンもやっぱり水玉地にして、端にビーズが揺れます。

ウッド・ビーズのハンドルのバッグには、ビンテージの刺繍テープをプラスしました。

ところで背景布の柄が、うるさ過ぎて邪魔? 山小屋風チャリティショップで手に入れたインテリア用の分厚い麻混ファブリックなんですけど、果物いっぱいの美味しそうな柄で、つい使いたくなりました()

皮を剥いたオレンジなんて、どちらかと言うと温州みかんに見え、ぷりぷりで水々しそうに描かれています。 

しかし、エルダー・ベリー(西洋ニワトコの実)らしき物が描かれている点は、英国製ならではのデザインです。

若い頃の和装は、この年代でしか出来ない遊びや冒険、「外し」に勇敢に挑戦するか、それとも若いからこそ伝統柄で純粋な和風でばっちり決めるか、どちらも捨て難いところです。

ただし特に前者の場合、和装の基礎を分かった上でじゃないと、単なる無知な着付けだと一発で見破られてしまいそうです。着物警察おばさんに捕まって説教されるのは厄介だし、やはり若い内から何事も経験を積んで置くのに限るんだろーなあとは今更思いました。 




2026/08/06

20世紀築のジョージアン様式の館ヒントン・アンプナー 2

 

昨年の今頃夫婦で初めて訪れた、ハンプシャー州のNT(ナショナルトラスト)のお屋敷&庭園「Hinton Ampner ヒントン・アンプナー」で、続いて二階を見学します。

廊下にも、収集品の食器類が所狭しと飾られています。 

ここはラルフ・ダットンの寝室で、彼の一番のお気に入りの風景である、サウスダウンズの田園風景を眺めるのに最適な部屋になっています。

こんな豪華な四柱ベッドなのに、ベッドカバーがイギリスらしい素朴なヘキサゴン・パッチワークなのが微笑ましいと思いました。

豪華屋敷では、つい浴室に注目してしまいます。どんなに物語や映画の中のような御屋敷でも、浴室が旧式で使い辛そうだと現実に戻れるからですが、流石にここは1960年代築なので、十分モダンで快適そうです。特に、浴槽の真上の天窓が素敵。

ダットン卿は独り暮らしだったはずで、他の寝室は客室だったと思われます。 

どの部屋も、それぞれ意匠が凝らしてあります。

そして、あちこちにブルー・ジョン石の装飾品が置かれています。 

石象嵌テーブルの上に、まるでメトロノームのような形のブルー・ジョン石のオブジェが。 

こちらは、貝で出来た立体モザイク画…?  

姿見の枠に東洋風の竹の使われているのが、返って面白いと思いました。  

多くのイギリスの裕福者のカントリー・ハウス同様に、第二次世界大戦中は、ここも寄宿学校として使用されました。市街地から遠く離れているので、疎開の為だったと思われます。 

ダットン卿の美術収集品は、莫大な財力があったからとは言え、庶民には全く理解出来ないレベルのセンスではなく、興味深い物も多く楽しめました。 

ラルフ・ダットンは生涯独身で直接的な後継者が居なかった為、死後この館は彼のコレクションと共にNTに寄贈されました。しかし例え子供が居たとしても、引き継ぐのが必ずしも有難い訳ではないどころか、負担になる事の方が多いだろうし、親の趣味に理解があって収集品の全てを手元に残し続けたとは思えません。返ってこうして今でも大事に展示され沢山の人に鑑賞して貰っている方が、コレクターにとっては本望だったかもと想像します。現在亡くなった父母の遺品が、まるで彼等の生きていた痕跡を全て消し去りたりが為のように、根こそぎ処分されている(しかも母が存命だった頃から)自分の実家を考えると、尚更そう考えます。




2026/08/05

エナメル塗装+アクア系ラインストーンのブローチ

 

六月の記録的な猛暑の日に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェア最大の屋内会場に、中古アクセサリーを山積みして一個どれでも1ポンドで売っているストールがありました。その屋内会場では、1ポンド均一の中古アクセサリーを売るストールが毎回幾つか出店しますが、大抵はビンテージではない単なる現代の中古品も多く混じり、石が欠けているorピンが無くなっている等の難有がほとんどで、またネックレスやペンダントが酷くこんがらがっている為、漁るのが一苦労です。しかし其処は、ほとんどがビンテージで魅力的なデザインが多く、更に状態も概ね悪くなく、ここは絶対に見逃してなるものか~と思いながら漁りました。 


しかし選んでいる最中、余りの暑さに汗がポタポタと滴り落ちて来て…、やっべーなと即座に汗を拭き水分を補給しました。私の場合は、汗って灼熱の日差しの下を歩いている最中よりも、返って一休みして立ち止まった時にドドッと溢れ出て来る気がします。日差しのない屋内会場でさえ、通気がない分相当暑かったのは確かです。風は結構強かったので、結局この猛暑の日に一番快適だったのは、屋外の木陰の売り場だったかも知れません。

色々悩んで絞ってさえ、最終的にそのストールで合計八つもビンテージ・ジュエリーを買いました。その時真っ先に選んだ一つが、このブローチです。

爪留めではないし、確か同じ型の台座の色違いを既に持っていたか、見掛けた事があるように思いました。つまり大して高級ではない、大量に出回っていた廉価品だったのかも知れません。しかし、そんなうだるような暑い日には、見るだけで気温が下がるようなこのブローチの涼し気な色合いが、殊更印象的で魅力的に映りました。

ラインストーンは青味掛かった不思議な色の上にAB加工で、氷のように輝きます。 

ラインストーンだけでなく、葉型の台座にも青系の塗装が施されています。ラインストーンとエナメル塗装の組み合わせって、充実して見えるので私は好きです。地金がマットに近い銀色なのも、涼し気に見えます。 

近付き過ぎて撮影してみたら、ブローチの上に不思議な編み目模様が映り込んで…、遂にパラレル・ワールドでも覗き込んでしまったか?と一瞬思いましたが、 単なる近くに置いた扇風機のネット・カバーでした(笑)。

天地は多分縦長で、リボンのようなループが上、茎のような部分が下になると思っています。試しに横長にしてみると、やはり縦長の方が素敵に見えます。しかし、着けたい場所に好きなように着けて良いのがブローチです。