八月にP太が、「ドーセットの海岸」に行きたいと言い出しました。我が家から日帰りで行くには遠く、いつも人気で非常に混み、特に夏休み中は混み過ぎて近付けないと常日頃から言っているのに、それでもやっぱり行きたいと言い張り、無理矢理ドーセットに向かう事になりました。しかし、移動中のポーツマス北部辺りでナビを見たら、案の定ニュー・フォレスト国立公園内を通過するA31号線は絶望的な渋滞で、諦めるしかありませんでした。代わりに向かったのが、ハンプシャーのメオン谷にあるWickham ウィッカムと言う古い市場村です。その予想外に突然訪れたウィッカムのアンティーク・モールで、今まで見た事のない惹かれるキツネのフィギュリンに出会いました。
勿論、惹かれて購入したのはキツネ好きのP太です。高さは約15㎝で、キメの細かい独特なストーンウェア=炻器で出来ているようで、ずっしり重みがあります。
イギリス人は昔からフィギュリンが好きだし、キツネのモチーフも好きで、キツネのフィギュリンは結構あちこちで見掛けますが、ストーンウェア製に出会うのは初めてかも知れません。
ふっさりとした尻尾やくるりと振り向いたポーズが、キツネの特徴を良く捉えて愛らしく、毛並みまで繊細に表現されています。
何より、円らな瞳のお顔が優しくて可愛い。フィギュリンもドールと同じで、顔が命だとはP太も心得ています。
フィギュリンの底には、Wildlife Series ワイルドライフ・シリーズ, Purbeck Englandのサインがあります。
調べた所、パーベック・ポッタリーと言う1966年にドーセットのWestbourneに創立した窯元の製品で、元々はPoole Pottery プール・ポッタリーのデザイナーだったRobeert Jeffersonがデザインを手掛けているそうです。道理で、陶土がプールのこのシリーズに似ていると思いました。この陶土はPurbeck Ball Clayと呼ばれ、実際にIsle of Purbeck パーベック半島で産出されるそうです。
ストーンウェアはチャイナ=磁器とアースンウェア=陶器の良さを併せ持ったような素材で、緻密な形成にも向きながら、ナチュラルな堅牢さが魅力です。絵付けや彩色ではなく、主に土そのものの色合いや質感を楽しみます。しかし有名なウェッジウッドのジャスパーウェアのように、繊細で華麗な雰囲気のストーンウェアも存在します。
このパーベック・ポッタリーのワイルドライフ・シリーズには、他にも魅力的なキツネのフィギュリンが幾つかあるそうですが、今まで見掛けた事がありませんでした。全国展開のプールに比べ、生産数自体もずっと少なかったのだと思いますが、もしかしたら地元ドーセット東部では出会える機会があるのかも知れません。
偶然立ち寄ったドーセットの隣ハンプシャーのウィッカムで、これに巡り合えてラッキーでした。キツネのフィギュリンとしては、ソ連製のと並んでP太のお気に入りだそうです。