2026/06/03

飯坂温泉の絶品ラヂウム玉子

 

カレーライスには、必ず茹で卵を添えたい派です。それが温泉卵なら、尚嬉しい。

好物のポークカレー温玉乗せを食べる影山飛雄の図

卵料理は概ね好きですが、その中でも温泉卵は私にとっての最高峰の食べ方です。しかし、実際に家で温泉卵を作るとなると中々難しい物です。今までネットに紹介されている簡単に失敗なく作れる方法(レンチン利用や保温マグ等)を色々試したものの、自分で加熱する場合は食べるタイミングも重要で、結局どれも上手く行きませんでした。それで温泉卵は、出来合いの市販品を買って来るのに限る、と言う結論に至りました。

福島の実家に帰省する度に必ず買う物の一つに、「飯坂温泉のラヂウム玉子」があります。飯坂温泉は福島市の北西にある全国有数&福島県屈指の温泉街で、日本で初めてラヂウム(放射能)泉が発見された事でも知られているそうです。その泉質を利用して作られた温泉卵が、創業明治11年の阿部留商店の「ラヂウム玉子」です。飯坂まで行かずとも、県中部のスーパーマーケット等でも普通に買えます。 

絶対に長年変えていないのに違いない、しゃりしゃりとした薄紙のレトロな包み紙のデザインも魅力。この包み紙のお陰で、冷蔵庫に保存していても、普通の卵と間違える事はありません。実家の近所のスーパーでは、この赤い包み紙版しか見掛けませんが、卵の種類に寄って青と黄色紙も存在するそうです。

ラヂウム玉子の特徴は、普通の温泉卵より黄味も白身も若干固形に近いと言う事。黄味はトロリとソースのように流れる事は無く、ねっとりまったりの箸で摘まめるギリギリの硬さ。白身は、ぷるぷるのジェリー状です。


このほんの少~しだけ長い火の通り具合が、私には正に丁度良く最高に美味しく感じます。特選の高品質な卵を使用していて、黄味が甘く感じる程濃厚です。

普通の市販の温泉卵と違い、このパックには出汁醤油は付属していないので、自分でつゆを掛けて頂きます。白だしでは塩分が強過ぎてしまうから、久原のあごだし等つゆの素が最適です。

この卵を毎朝楽しみたいが為、普段は自宅では出来ない和風の朝食を、わざわざ実家では用意したくなります。勿論御飯のお供としてだけでなく、麺類に乗せても良し、シーザーズ・サラダ等に加えても良し。

ついでに製造元の阿部留商店のHPを覗いてみたら、オンラインショップにはこのラヂウム玉子だけでなく、専用のつゆや福島名物のイカニンジン、包み紙のレトロなロゴがプリントされた「ラヂT」シャツ各種も販売されていました。このTシャツ、かなりイケてるので欲しくなるなあ。




2026/06/02

水色ラインストーンのリース型ブローチ

 

三月初旬のArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、友達への誕生日プレゼント用にこのビンテージ・ブローチも買いました。

直径は約3㎝で、葉をあしらったリース状の台座に、水色系のラインストーンと極小のマーカサイトが嵌め込まれています。

この水色のラインストーンが、アクアマリン色とも違い若干緑味掛かって深みがあり、少し変わったニュアンスのある魅力的な色合いなのに惹かれました。 

マーカサイトは爪留めではなく接着ですが、マーカサイトの欠けが一つもないのは結構珍しいと思いました。  

ピューター製っぽいリース状の台座も、ありそうでなかったデザイン。裏面のピンの原始的な形態から、20世紀初頭の製造なのが分かります。 

小ぶりながらも全体的に重厚感と存在感があるクラシカルなデザインで、今回友達へ贈ったビンテージ・ブローチの中では、自分的にはこのブローチが一番気に入っています。

結局その日のアンティーク・フェアで、友達への誕生日プレゼントのビンテージ・ブローチはこれだけ集める事が出来ました。冬の間はアンティーク・モールへ行く機会も中々なく、それまでプレゼントが揃えられないのを焦っていましたが、たった一日でこれだけのビンテージ・ジュエリーを見付けられるのは、やはりアンティーク・フェアならでこそだと思います。




2026/06/01

カロチャ刺繍の半袖ブラウス

 

母の葬儀の後の実家での遺品整理では、大量の衣料品も待ち構えていました。と言っても、母が介護施設に入所するや否や、弟夫婦が既に大方処分してしまっていたので、納棺の際に添える母のお気に入りの服を選ぶのにも困った程でした。母は衣料の手入れもまるで無頓着で、大抵はシミが付いていたり虫食いがあったりと傷んでいない物の方が珍しかった為、残った服も結局ほとんど処分するしかありませんでした。 

そんな中、このハンガリー刺繍のブラウスをゴミ袋の中で見付け、奇跡的に状態は良かったのを確認し、自分で引き取る事にしました。

どう考えても、かつて私や姉がハンガリー旅行をした際に、母にお土産として買い贈った物でした。襟元と袖に、ハンガリー南部のカロチャ地方特有の刺繍が入っています。

カロチャ刺繍では今まで長袖ブラウスしか持っていなかったし、十分オフショルダーに見える長めのフレンチ・スリーブも、ゆとりあるシンプルなフォルムも、今時の日本の普段のファッションに合わせて可笑しくないデザインだと思いました。 

ブラウス自体の素材は、乾き易く皺になりにくいポリコットン。その反面、毛羽立ち易い素材なのは難点です。襟開きがたっぷり取られ、透かしもふんだんに施されて涼し気なので、着心地的にも夏にぴったりです。

ちょっと肌寒い季節なら、こんな風に重ね着しても。ボトムは、デニムのワイド・パンツなんかを合わせたい気分です。首に掛けているコットン・パールのネックレスも、母の遺品から引き取った物。姉からの母へプレゼントで、軽いからと喜んで使っていました。

ハンガリーは今でも伝統手工芸を重んじる国で、地方毎に異なる個性豊かな刺繍が残っています。その中でも華やかなモチーフ、鮮やかな色彩、凝った大胆なカットワークを施したカロチャ刺繍は、マチョー刺繍と並んで国を代表するフォークロアです。

ステッチは普通のサテン刺繍ですが、ハンガリー独特の刺繍糸でふっくら立体感が出るように縫われています。

 こちらは、袖の刺繍部分。 

このブラウスの刺繡には、カロチャを象徴するはずの赤の糸は使用されていません。母は赤が嫌いだったし既に年配だった為、この少し落ち着いた色合いのを私達姉妹は母用に選んだのだと思います。カロチャ刺繍には、この他青系のグラデーションや白だけで纏めた物も存在し、かなり印象が変わって見えます。