2026/08/10

20世紀築のジョージアン様式の館ヒントン・アンプナー 4

 

昨年夫婦で初めて訪れたハンプシャー州のNT(ナショナルトラスト)のお屋敷&庭園「Hinton Ampner ヒントン・アンプナー」では、西側のテラスが庭園の最大の見所になっていますが、テラスとは屋敷を挟んで反対側の東に在るインフォーマルなウォルド・ガーデンとキッチン・ガーデンは、私にとっては更に魅力的でした。

印象的な木製の塔を持つ古い教会が、絵になる借景になっています。

この教会も、館からすぐに行けるので訪れてみました。最初は邸宅付属の礼拝堂かと思いましたが、単に村の教区教会が隣接しているだけだそうです。


13世紀築ですが、ウィリアム一世のイングランド征服以前(つまりサクソン時代)の部分も残っているそう。内部は特に私の興味を引く物は見付けられませんでしたが、祭壇部分の細長い窓枠の有名作家に寄るモダンなステンド・グラスが目に留まりました。 

一方、ヴィクトリア時代のラファエル前派顔のステンド・グラス。ヒントン・アンプナーの最後の当主ラルフ・ダットン卿は、この教会に眠っています。 

再びウォルド・ガーデンに戻りました。

この頃は丁度去年の今頃ですが、既にイングリッシュ・ラベンダーのエッジが短く刈り込まれていました。イギリスではラベンダーの花期が長く冬の初めまで咲き続けますが、こうすると秋に再び蕾を沢山付けるのか??

この繊細な色合いのコスモスにはウットリ。黄掛かったサーモンピンクに、微妙に青味掛かったオーキッドピンクが混じっています。

ありふれた風露草ですが(イギリスではほぼ雑草)、これだけ群生させると見事。

細かい地味色の花の紫陽花の仲間も、群生させると見応えがあります。 

華やかさのあるダリアは、盛夏の英国式庭園では欠かせません。  

我が家の庭では、何度植えても他の植物に駆逐されてしまうガウラ。背が高く、結構見栄えがするのになァ。 

一方壁際では、プラムが鈴なりに実っています。


姫リンゴも、枝が重く垂れる程この通り。イギリスでは、生食には向かない姫リンゴをジェリー(果汁だけのジャム)やチャツネ、果実酒に利用するそうです。

果樹の枝を壁や塀等に沿わせて出来るだけ平面に誘引し伸ばすフルーツ・ウォール(エスパリエ)は、伝統的にイギリス人の得意技。小面積で効率的に栽培出来、また壁の反射熱で果実の糖度が上がる効果もあるそうです。

キッチン・ガーデン(菜園)と言っても、野菜だけでなく切り花も育てています。 

これらの花を惜しげなく利用し、豪邸に相応しいゴージャスなアレンジメントをふんだんに飾る事が出来ます。

イギリスのキッチン・ガーデンで良く見掛けるアーティチョークは、丸花蜂に大人気。 

帰国前の早春に、このサルヴィアの仲間「ペインテッド・セージ」の種を庭に直撒きしましたが、 やはり育ちませんでした~。


畑では、既にでっかいカボチャが実っていました。ハロウィーンに活躍するんだろうなあ。

ここの庭園は、確かに中々魅力的でした。季節を変えて、また訪れてみたくなりました。




2026/08/09

エナメル塗装の薄紫色の花のネックレス

 

六月の猛暑の日に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、屋内ですら物色している内に大量の汗をかき、背負っているバックパックの肩紐さえ汗でびっしゃり濡れて来ました(うう…)。バックパックは撥水加工の素材ではなかったし薄めの色だったので、これでは汗染みになるんじゃないかと心配しました。 

屋内会場の一つどれでも1ポンドのビンテージ・ジュエリーを売るストールでは、このネックレスも真っ先に選びました。ビンテージ・ジュエリーの中でも、ネックレスで良いと思われるデザインに出会う機会は、ブローチよりずっと少ないからです。

花や葉を中々細かく模った台座が艶のあるエナメルで塗装され、更にピンク色の小さなラインストーンが鏤められています。ラインストーンだけとかエナメル塗装だけよりも、やはり二つ組み合わさった方が、質感に奥行きと充実感が出て魅力的に見えます。

女性らしい可憐なデザインですが、渋めの薄紫色と草色のエナメルが甘さを抑え、尚且つ上品で控え目な優しさを感じさせます。 

ラインストーンとエナメル塗装の台座は三つだけ連なっていて、後はチェーンのみでペンダントと呼ぶ方が相応しいかも知れません。しかしチェーンも少しだけ凝ったデザインなので、物足りなくは見えません。普段使いするのには、大袈裟過ぎないこれ位のボリュームが便利なはずです。


 

2026/08/08

20世紀築のジョージアン様式の館ヒントン・アンプナー 3

 

昨年夫婦で初めて訪れたハンプシャー州のNT(ナショナルトラスト)のお屋敷&庭園「Hinton Ampner ヒントン・アンプナー」では、館内を見学した次に庭園を見て回ります。 

今まで来ようと思わなかったこのヒントン・アンプナーに、何故昨年行ってみようと思ったかと言えば、別のNTの庭園Mottisfornt Abbey モティスフォント・アビーで少しお話した女性が、庭園好きなのでモティスフォントは勿論、ナイマンズやこのヒントン・アンプナーにも毎年訪れると言っていたからです。

それで、ヒントン・アンプナーの庭園も、多分結構魅力的なんだろうなと思った訳です。前にも書きましたが、財力をこれでもかっと見せ付ける豪華屋敷には余り興味がないし、内部見学は一度で十分ですが、庭園が楽しめる場所は何度でも訪れたくなります。

ここの屋敷は南北に長く、東側が正面玄関の入り口となっています。 

ここは、屋敷の南側。NTの写真で見ると、睡蓮でいっぱいの華やかな池になっていますが、この時は単なる水が濁ってきちゃないプールでした。


更にその先に、ひっそりとした(と言うか地味な)フォーマル・ガーデンがあります。

南西には、窪地のsunken garden=沈床庭園があります。この時は、子供向けのイベント会場になっていました。ある程度大きなNTは、イースターや夏休み、ハロウィーン等に子供向けのアトラクションを開催しますが、何処も似たような物ばかりで変わり映えが無く、内容的にも余程小さな子供しか楽しめそうもありません。日本の場合、子供の絶対数が少ない為、多分親御さんや大きなお友達も釣れるような工夫を心掛けるのでしょうね。

 ここの庭園のハイライトは、日当たりと眺めの良い、高低差がある西側のテラスのようです。 

まず建物に沿って、宿根草のボーダー花壇が続いています。

傾斜は階段式になっていて、中段はこんな感じ。

キノコ型?に綺麗に刈り込まれたトピアリーが並び、奇妙な風景に。 

その先は、もこもこと歩き出しそうな形に刈り込まれた針葉樹の並木になっています。 

この石塀で出来た溝は「ha ha」と言い、イギリスのお屋敷の庭園で良く見掛ける物で、塀や壁を建てて視界を遮る事無く家畜の庭への侵入を防ぐ工夫です。


テラスの先には、最後の当主ラルフ・ガットンが愛したサウスダウンズの風景が見えます。

歩き廻って一息付き、NTのカフェでアイスクリームを食べました。この日もイギリスとしては相当暑かったらしく、私はマンゴーのソルベ(シャーベット)を選びました。 

しかし暑さで言えば、極度の乾燥と水不足のせいで、今年の方が昨年よりずっと厳しいように感じます。 




2026/08/07

オレンジ・ミスト

 

今回の一時帰国で、ドール用の浴衣向けの布地は特に仕入れて来ませんでしたが、浴衣に合いそうだと思った百均手拭いなら買って来ました。素材は綿とポリエステル混で、キャン★ドゥで手に入れたように思います。 

晒のような粗い涼し気な布目で、しかし糊はビシッと利いていて解れにくくなっている所が、ドールの浴衣を仕立てるのにピッタリそうだと思いました。

この柄の場合は方向の縦横は関係ありませんが、手拭いだから基本的に柄は縦長になっているはずで、その点もドールの浴衣を仕立てるのに適しているのではと思います。 

雰囲気的には子供っぽい浴衣になり勝ちだとは思ったので、モデルはリカちゃんのような22㎝ドールの方が問題無く似合いそうでしたが、柄の大きさ的には絶対に27㎝以上のドールの方が生きると思いました。

momoko DOLLの中でも幼さの残るこの「冬のバス停」なら、着こなしてくれるかなあと。 

1960年代のフラワーパワーのようなジオメトリックな花柄で、色も正にその時代を象徴するオレンジと黄色、そしてオリーブ・グリーン。

撮影して見ると、このプリントのインクが透けそうな粗い布目の生地の上でもしっかり発色するよう、かなりにマットな所も気に入りました。 

スウィンギンな浴衣なので、帯や飾りもカジュアル・ポップに纏めようと思いました。

ちょっと渋めの強い色地の大きな水玉地の帯で引き締めた上で、ふわふわチュールのキッチュな帯飾りと髪飾りを合わせています。 

帯の結びは、こんな風にしました。作れる結びのバリエーションが少ないもんで(とほ~)、せめてリボンを加えて少しだけ盛っています。

リボンもやっぱり水玉地にして、端にビーズが揺れます。

ウッド・ビーズのハンドルのバッグには、ビンテージの刺繍テープをプラスしました。

ところで背景布の柄が、うるさ過ぎて邪魔? 山小屋風チャリティショップで手に入れたインテリア用の分厚い麻混ファブリックなんですけど、果物いっぱいの美味しそうな柄で、つい使いたくなりました()

皮を剥いたオレンジなんて、どちらかと言うと温州みかんに見え、ぷりぷりで水々しそうに描かれています。 

しかし、エルダー・ベリー(西洋ニワトコの実)らしき物が描かれている点は、英国製ならではのデザインです。

若い頃の和装は、この年代でしか出来ない遊びや冒険、「外し」に勇敢に挑戦するか、それとも若いからこそ伝統柄で純粋な和風でばっちり決めるか、どちらも捨て難いところです。

ただし特に前者の場合、和装の基礎を分かった上でじゃないと、単なる無知な着付けだと一発で見破られてしまいそうです。着物警察おばさんに捕まって説教されるのは厄介だし、やはり若い内から何事も経験を積んで置くのに限るんだろーなあとは今更思いました。