2026/09/14

英国風景式庭園の最高傑作ストウ 3

 

 

昨年の九月に、夫婦で初めて訪れたバッキンガムシャーのNT(ナショナルトラスト)の庭園Stowe ストウで、ここに到着した時から最も気になっていた建造物Gothic Templeゴシック教会にやって来ました。勿論ゴシック時代に建てられた物ではないし、教会として使用された事もないとか。ついでに言うと、特にゴシック様式にも見えません。

しかし、一際目を引く絵になる建物なのは確かで、二階のバルコニーからは360度の眺めが楽しめるそうです。ガラス窓から内部を覗くと、椅子が乱雑して荒れているように見えました。

ゴシック教会から少し下った場所に、この庭園の東側の建造物のもう一つのハイライト、Palladian Bridge パラディアン様式の石橋が湖に架かっています。

 

パラディアンとは、16世紀のイタリア人建築家アンドレーア・パッラーディオが生み出した建築・デザイン様式。古代ギリシャやローマ時代の古典主義の復古で、イギリスでは1819世紀に流行し、ジョージアン様式と被る部分もあります。

この屋根付きの石橋は、天井にも凝った装飾が施されています。 

歩けど歩けども、敷地はまだまだ広い。湖の端に、アオサギが居ました。 

ここから湖沿いに西へ向かうと出口に通じますが、我々は更に東へ少し進み、Chinese Houseと言う、建築家ウィリアム・ケントがデザインした中国風の庵を見学しました。これが、ここの他の建造物に比べると、正直べニア板で出来たプレハブのような粗末な見た目でして…。

外壁には、胡散臭い事この上ない東洋風の絵画と、「何か漢字のような」デタラメが装飾されているし、東洋人としては見ていて居たたまれません。

しかし、当時の西洋人(しかも有識人)の東洋感を示す遺物としては、歴史的には貴重な資料だとは思います。

この後湖沿いに西へ進むと、更にTemple of Friendshipと言う神殿が見えました。19世紀に火事で損傷を受け、廃墟化して崩れ易くなっています。 

太陽の位置が随分動いて陽光が変わった為、到着した時とはストウ・ハウスがまた違った姿に見えます。 

NTの出入り口部分に戻り、かなりの距離を歩いて小腹が空いたので、カフェでクリームティーを頂く事にしました。「アップル・クランブル味」と言う季節限定(←イギリスでは非常に珍しい!)の特製のスコーンが一個だけ残っていて、それと普通のレーズン入りスコーンを二人で分け合う事にしました。

こちら、P太の盛り付けたスコーン。クロテッド・クリームの上にジャムが乗って、美味しそうに見栄えがします。

一方私のスコーンは、ジャムを先に塗ってしまった為に見事にメチャメチャ…。勿論味は同じなんですけど、こう言う所にも性格が出るもんでお恥ずかしい限り💦


ところで、この現在のNTの出入り口部分は、元はNew Innと言う旅籠でした。

何故貴族の邸宅内に旅籠が存在するのか疑問でしたが、ストウは既に18世紀の造園時から一般公開されていた為、わざわざその訪問者の宿泊滞在用に建てられたそうです。 

建物の内部には、当時の様子が再現されていて見学出来ます。

干してある布巾に、説明書きがプリントしてある面白い展示方法。イギリス人は、こう言った工夫ある見せ方は得意なようです。 

左にチャンバーポット(おまる)が置いてあり、もしかしてこの流し台で汚物も処分したのか?? 洗濯と一緒のシンクは止めて欲しい。

帰り際に、公道に接した門近くから振り返ってCorinthian Archを眺めました。これでも未だ全ての庭園の建造物を見た訳ではなく、見逃した物もありますが、正直最早食傷気味です。まるで金持ちテーマ・パークのようで、金満過ぎて私には感性的に余りピンと来ない庭園でしたが、高低差をたっぷり歩いて良い運動にはなりました。


 

 

2026/09/13

ピンクのバラのルーサイトのインタリオのイヤリング

いつもの日曜日開催のフリーマーケットで、古いジュエリーを幾つか売っているストールがありました。多くはイヤリングで、ビンテージだからイギリスでもピアス式ではなくクリップ式です。その中に、私の大好きなル―サイトのインタリオのイヤリングがあり、一組50ペンスとの事で買いました。

直径は2㎝強。ルーサイトのインタリオのイヤリングを買うのは、これで二度目です。前回は青い花のモチーフでしたが、今回は砂糖菓子のようでレトロな蛍光掛かったピンクのバラです。

丁度少し前にアーディングリーのアンティーク・フェアで購入したルーサイトのインタリオのブローチと、まるでお揃いのようで嬉しくなります。 

クリップ式のイヤリング金具は、ピアス穴を持っていても決して着用出来ない訳ではありません。しかし長時間着ければ耳朶が痛くなり、また不意に外れて落とし失くし易いと言う短所があります。 

ピアス式の金具に改造出来ない事はないのですが、そうするとビンテージとしての見た目の魅力は明らかに半減する為、着用して楽しむよりコレクションとして楽しむ事を重視して、このまま取って置くことにしました。




2026/09/12

英国風景式庭園の最高傑作ストウ 2

 

昨年の九月に、夫婦で初めて訪れたバッキンガムシャーのNT(ナショナルトラスト)の庭園Stowe ストウで、二つの湖の周囲を歩きながら、やっと丘の上のお屋敷Stowe Houseに到着しました。

しかしここ、実はNTの管理ではないので入館は出来ません。陶器メーカー「ポートメリオン」の創始者が創立した全寮制の私立学校の所有になっており、内部見学するには別料金が必要です。

湖の対岸から見上げた時には、館の前に沢山の人が群がって見えましたが、この日は父兄を呼んでの学校のBBQ大会があったからのようで、この時には既に終了していました。 
この庭園で園芸種の花が植えられているのは、せいぜいこの館の周囲位。 

ここから南方を眺めると、最初に見学した正門が遥か遠くに小さく見えます。随分歩いて来た訳ですが、これでも未だコースの中間地点です。

校舎自体はストウ・ハウスの西側に立ち、宮殿級の館に比べると地味に見えますが、本当はこれだけも相当贅沢な建物です。イギリスの私立学校の学費は、インターナショナル・スクール並みか、それ以上と言われています。

館から、我々は庭園の東側を歩き廻る事にしました。 

東の方が狭い谷があって地形の変化に富み、歩いていて楽しく思えました。

まず目に入って来たのは、Captain Grenville’s Columと言う記念碑。館の主コバム子爵の甥で、戦死したトーマス・グレンヴィル海軍大佐を追悼する為に建てられました。海軍だった為、側面には錨のマークが付いています。


ここの庭園の必見の一つが、このTemple of British Worthiesで、言わば英国偉人神殿です。

家主が偉人と思う人物の銅像が並べられていて、シェイクスピアやエリザベス一世、ジョン・ミルトンやニュートン等は納得が行くものの、中には相当主観的で奇妙な選択の人物像も混じっています。

実はこのストウ、かなり政治的な庭園でもあり、当時の首相ロバート・ウォールポールの長期政権への反対姿勢を所々で強く主張しています。

ここから再び丘を登って行くと、またしてもギリシャ風の神殿Queen’s Templeがあります。しかし他の神殿と違い、ここは中が屋内として使用可能な造りになっています。コバム夫人が夏のアフタヌーンティーを楽しむ為に建てられたそうです。

この場所は庭園内の最高地点に近く、地上からでも既に眺望良好。

ここから更に東へ行くと、園内で最も背の高い建造物で展望台にもなっているLord Cobham’s Pillarが聳え立っています。コバム夫人が夫の追悼として建てた記念塔で、展望台からの眺めはさぞかし抜群のはずですが、この日は強風の為か閉鎖されていて登れず無念。



2026/09/11

ヴィクトリアンな着物

 

数カ月前に山小屋風チャリティショップで、好きな布地メーカー「RoseHobble」の薄手綿生地を買う事出来ました。ヴィクトリア時代に流行したバラと勿忘草の組み合わせで、いかにもイギリスらしい古典的な柄です。

 

ただし、1/6ドール用の服としては柄が大き過ぎ飛び過ぎで、また全幅×1m位はある大きな布だから、購入した時点では背景布専門になるだろうと思っていました。

 

しかし後から、この布でドール用の着物なら仕立てても面白いかもと思い立ちました。

 

布地は全体的に結構皺になっていたので、頑張ってアイロン掛けをしました。

 

良く見ると、地色が生成りと言うよりは薄~いベージュ色なのが、またクラシックで素敵な布です。更に綿サテンのような適度な光沢があり、益々着物に向いていると思いました。

 

実際に仕立てて着付けてみると、確かに厚みさも張りも1/6ドール用の着物に理想的なようです。

 

例え西洋の柄でも、これなら伝統的で正統派な着付けに合いそうですが、どうせならと、少しヴィクトリア朝の雰囲気を意識した着こなしに挑戦してみました。

丈を短めにして、裾からフリル・レースを出しています。このレースは着物裾に直接縫い付けたのではなく、腰巻スカート風に別に作って重ね着しています。 

 

その方が、後からも色々と着付けに役立つ時が来るだろうと思ったからです。

 

一応、洋装の時のロング・タイトスカートとしても履けるように、全体をレース地で作って背面にスリットを入れています。きっと、この腰巻スカートの黒版も欲しくなりそう。

 

自分で和装に合わせるのは初めての、キャノティエも作ってみました。厚紙の芯を入れています。

 

ポンドで接着して組み立てるだけでも良かったのですが、補強の為に縫う事にしたら、内側が針を通し辛くて大変でした。 

 

このキャノティエも、色んな種類で作っておくと、コーディネイトに役立ちそうです。

 

帯は、リカちゃんからの使い回し。帯締めのみ、新たに加えています。

 

このキャッスルで買ったレースのパラソルは、柄の素材が柔らか過ぎてうにょーんと曲がっているし、閉じていても持たせるのさえ一苦労です。

 

開閉出来る点は偉いのですが、開いた状態でドールに持たせるのは、後ろで何かで支えない限りほぼ不可能。

 

ところで、背景に使ったバラのイングリッシュ・ローズ「ロアルド・ダール」が、写真では色が強過ぎて見え、返ってドールより目立っている事にちょっと驚いています。

 

写真ではオレンジ色に近く見えますが、実物はクリーム・イエローなのです。香りも強く、撮影中もティー系の芳香が始終強烈に漂って来ました。 

 

ヴィクトリアンと聞くと、フルレングスのドレスで優雅にゆっくり歩く時代を想像しますが、この着物は内股でしずしず…ではなく、ブーツで颯爽と闊歩して欲しいイメージです。

 

momoko DOLLの中で、この「ヒースの妖精」のモモコさんを長い間登場させていないのが気になっていました。

 

と言っても彼女がモデルとして使い辛いと言う事は全くなく、単に似合いそうなアウトフィットを長らく作っていないかっただけです。

 

その点この着物は、着こなせるのは断然彼女であろうと自分では見込んでいました。

 

金髪ならでこその、着物の着こなしのように思えます。

 

キャノティエも、意外と着物と違和感ない。まあカンカン帽なら、良く着物(大正時代から男性着物には定番だった)や浴衣と合わせますからね。カンカン帽は、言わばキャノティエの麦藁帽版ですから。

 

テーマを替えてみるだけで、着物って本当に幅広い可能性を持っていて、色々な表情を見せるのだと実感します。自分はまだまだ頭が固いけれど、もっと発想を柔軟にして、奥深い着物の着こなしの魅力(ドールだが)を追求して行きたいと思います。