昨年の九月に、夫婦で初めて訪れたバッキンガムシャーのNT(ナショナルトラスト)の庭園Stowe ストウで、ここに到着した時から最も気になっていた建造物Gothic Templeゴシック教会にやって来ました。勿論ゴシック時代に建てられた物ではないし、教会として使用された事もないとか。ついでに言うと、特にゴシック様式にも見えません。
しかし、一際目を引く絵になる建物なのは確かで、二階のバルコニーからは360度の眺めが楽しめるそうです。ガラス窓から内部を覗くと、椅子が乱雑して荒れているように見えました。
ゴシック教会から少し下った場所に、この庭園の東側の建造物のもう一つのハイライト、Palladian Bridge パラディアン様式の石橋が湖に架かっています。
パラディアンとは、16世紀のイタリア人建築家アンドレーア・パッラーディオが生み出した建築・デザイン様式。古代ギリシャやローマ時代の古典主義の復古で、イギリスでは18~19世紀に流行し、ジョージアン様式と被る部分もあります。
この屋根付きの石橋は、天井にも凝った装飾が施されています。
歩けど歩けども、敷地はまだまだ広い。湖の端に、アオサギが居ました。
ここから湖沿いに西へ向かうと出口に通じますが、我々は更に東へ少し進み、Chinese Houseと言う、建築家ウィリアム・ケントがデザインした中国風の庵を見学しました。これが、ここの他の建造物に比べると、正直べニア板で出来たプレハブのような粗末な見た目でして…。
外壁には、胡散臭い事この上ない東洋風の絵画と、「何か漢字のような」デタラメが装飾されているし、東洋人としては見ていて居たたまれません。
しかし、当時の西洋人(しかも有識人)の東洋感を示す遺物としては、歴史的には貴重な資料だとは思います。
この後湖沿いに西へ進むと、更にTemple of Friendshipと言う神殿が見えました。19世紀に火事で損傷を受け、廃墟化して崩れ易くなっています。
太陽の位置が随分動いて陽光が変わった為、到着した時とはストウ・ハウスがまた違った姿に見えます。
NTの出入り口部分に戻り、かなりの距離を歩いて小腹が空いたので、カフェでクリームティーを頂く事にしました。「アップル・クランブル味」と言う季節限定(←イギリスでは非常に珍しい!)の特製のスコーンが一個だけ残っていて、それと普通のレーズン入りスコーンを二人で分け合う事にしました。
こちら、P太の盛り付けたスコーン。クロテッド・クリームの上にジャムが乗って、美味しそうに見栄えがします。
一方私のスコーンは、ジャムを先に塗ってしまった為に見事にメチャメチャ…。勿論味は同じなんですけど、こう言う所にも性格が出るもんでお恥ずかしい限り💦
ところで、この現在のNTの出入り口部分は、元はNew Innと言う旅籠でした。
何故貴族の邸宅内に旅籠が存在するのか疑問でしたが、ストウは既に18世紀の造園時から一般公開されていた為、わざわざその訪問者の宿泊滞在用に建てられたそうです。
建物の内部には、当時の様子が再現されていて見学出来ます。
干してある布巾に、説明書きがプリントしてある面白い展示方法。イギリス人は、こう言った工夫ある見せ方は得意なようです。
左にチャンバーポット(おまる)が置いてあり、もしかしてこの流し台で汚物も処分したのか?? 洗濯と一緒のシンクは止めて欲しい。
帰り際に、公道に接した門近くから振り返ってCorinthian Archを眺めました。これでも未だ全ての庭園の建造物を見た訳ではなく、見逃した物もありますが、正直最早食傷気味です。まるで金持ちテーマ・パークのようで、金満過ぎて私には感性的に余りピンと来ない庭園でしたが、高低差をたっぷり歩いて良い運動にはなりました。

