2026/10/07

セルロイドのブーケのネックレス

 

夏のフリーマーケットで、今まで見た事のないタイプのビンテージ・ネックレスに出会いました。いえ、もしかしたらアンティーク・モールやフェアでは、高く売られている商品としては今まで見た事があるのかも知れませんが、少なくともフリマで見るのは初めてでした。値段は3ポンドとフリマとしては高めで、値引きにも応じて貰えませんでしたが、その日は収穫が少なく予算も残っていたし、珍しい仕様なのにモールやフェアと比べれば高くはないと思い購入しました。 

葉に見立てて型抜き&形成したセラドン・グリーンの樹脂パーツを二枚重ね、その上に同じく樹脂製のカラフルな花をブーケ状に乗せ、合計七つ繋げたデザインです。

この花は、直径3㎜程度に抜かれた小さな円を、絶妙に重ね合わせてるだけで、ちゃんと花に見える所が何気に凄いと思います。砂糖菓子を連想させる、レトロなパステル色も魅力。 

花はバラを模っているようですが、縁がギザギザになった葉は余りバラっぽくはありません。この円型の花びらとラインストーンを組み合わせたビンテージ・ジュエリーなら、今まで何度か見掛けた事がありますが、樹脂だけで構成してあるのを見るのは初めてでした。

留め具も、また今まで見た事のないタイプです。正直外れ易いんじゃないかと不安な造りなので、これは後から付け替えるかも。

このブーケの樹脂はセルロイドのようで、脆く壊れ易い素材に見えます。この仕様で綺麗な状態で残っている事自体が珍しく、それ故に今まで見掛けた事がなかったのかも知れません。ネットでは似た物さえ見付けられませんでしたが、製造年代は1930~40年代頃じゃないかと推測しています。フリマで売っていた50歳代位の女性の話では、彼女のおばあさんの持ち物だったそうで、長年大事に仕舞われていた事が伺えます。樹脂製だから少し玩具のような懐かしいキッチュさもあり、昔ならではの奥ゆかしい優雅さも感じられるネックレスです。




2026/10/06

クローランドの修道院 1

 

昨年の十月に夫婦で、リンカンシャーの南端の町Crowland クローランドの英国唯一の川無し橋、トリニティ橋を見学に訪れましたが、我が家からかなり遠いこの場所に、わざわざ橋だけを見に出掛けた訳ではありません。この町には見応えのある修道院が残っている事を、予め調べて知っていたからです。

修道院は、橋からすぐ東側に在ります。修道院と言っても、例に寄って16世紀にヘンリー八世の修道院解散法で強制解散させられた為、その一部が教区教会として残っています。 

その為イギリスでは数多くの修道院の廃墟や遺跡を見る事が出来る訳ですが、ここは現役の教会と同じ位の大きさの廃墟部分が、正に豪快に隣り合っている眺めがドラマティックで圧巻!

このCrowland Abbey クローランド(大)修道院は、聖母マリア、聖バルトロメオ、聖グスラックに捧げられています。その中でもGuthlac グスラック(グトラックやガスラックとも)は、ここならではの聖人です。

グスラックは、7~8世紀のアングロ・サクソン時代の、元はマーシア王国の王家の血を引く優秀な戦士でしたが、戦いに嫌気がしてこの地に住み付き修道生活を始め、地域貢献と厳格な信仰を貫いた隠者でした。この修道院には、Guthlac Rollと呼ばれる彼の生涯を描いた12世紀の絵巻写本が残っています。

グスラックの助力で王位に付く事が出来たマーシア国のエゼルバルド王は、8世紀初頭にグスラックを称えて彼の庵の在ったこの場所に、死後ベネディクト会の修道院を創建しました。

言い伝えに寄れば、グスラックは湿地の中で島状になった古墳に住んでいたらしいので、この場所が古墳だったと言う事なのでしょうか?? 

その後、デンマーク軍の破壊や火災等に遭い、現在残っている建物は主に12世紀に再築された初期ゴシック様式です。典型的なゴシックの特徴で、西側ファサードには凡そ等身大の精巧な彫像が壁龕(ニッチ、壁の窪み)に残ってずらりと並んでいます。この内のどれかが、グスラック像のはずです。  

西ファサードから入り口を潜ると、身廊だった場所に出ます。右手の現在の教会の身廊として使われているのは、元々は北側廊だったそうです。

19世紀末に描かれた絵画では、昔はこの部分も墓地として使用されていたようです。東端の低い壁は、かつて内陣障壁だった部分です。

つまりこの先に、教会堂の本殿とも言える内陣が在った訳ですが、今は遺跡すら無く墓地になっています。

このノルマン様式の特徴を残すアーチの梁部分なんて、良くこれだけで残っているなと思えますが、多分近代の技術で何か補強している事を祈る。 

元は床が低かったのか、柱の礎石は地面より一段低い場所に立っています。

残された廃墟からだけも、さぞかし荘厳なゴシック建築であったであろう事が想像出来ます。




 

 

 


2026/10/05

アール・デコ調フリンジ・ラインストーンのブローチ

 

八月のフリーマーケットで、小さなビンテージ・ブローチを買いました。縦4×横2㎝位で、最初はクリップ式イヤリングの片割れかと勘違いしたようなボリュームです。

その上ラインストーンの色は無色透明だけで地味めですが、揺れる連爪のフリンジが中々魅力的だと思いました。 

実際にこれがイヤリングで、両の耳朶で揺れると、アクセサリーとしてもっと素敵だったかもと想像します。

本当にアール・デコ時代の製造かどうかは分かりませんが、デザイン的にはアール・デコ調です。

中心の一つだけ大きなドロップ型のラインストーンが、透明度が低く余り綺麗に見えないのは残念。これは、ラインストーン自体の裏フォイルが濁っているからのようです。