2026/06/20

Pookie Boo BonBon「Bloomin’!」ドール

 

2年前に一時帰国した際、誕生日プレゼントとしてこの人形を姉に買って貰いましたが、予約して届いたのが私のイギリスに戻った後だったので、2年近くも姉に保管して貰い、今回の帰国でやっと引き取る事が出来ました。

ファッション・ドール・メーカーのアゾン・インターナショナルと、ドール作家キノコジュースとの合作のオリジナル・ドール・シリーズ「Pookie Boo BonBon プーキー・ブー・ボンボン」の第二弾で、「Bloomin’ ブルーミン!」と言うデザイン名です。 

私にとっては中古人形以外では、初めてのドール・アイ(入れ目)のファッション・ドールです。……いや、違った。特価だけど、タイニー・ベッツィー・マッコール「ジャパニーズブロッサム」が先でした。

アゾンでは入れ目でも描き目(プリント)でも、基本的に瞳の大きなアニメや漫画顔のドールを製造販売しています。しかしこの「プーキー・ブー・ボンボン」のシリーズは、やはり瞳の大きな漫画顔とは言え、ヲタ男に媚びていない、ファッション性の高い可愛さなのが一目で気に入りました。

普段はアニメ顔のドールに興味が無い姉も、この人形の可愛さは認めています。

チャーム・ポイントは「ぷっくりほっぺとリップ」で結構肉感的?なはずなのに、全くえっち臭くもバタ臭くも野暮ったくもならない造形が、絶妙に上手いなあと感心します。

そもそもアゾンの1/6ドールは、大抵顔の凹凸の型押しが余りなく、特に口はプリントだけでミニマムに表現している場合が多いので、実物を見ると物足りなく感じる事があります。その点この人形は、ソフビ製でアニメ顔ながらキャスト・ドール並みのリアリティと充実感があり、ファッション・ドール好きを満足させます。

実際にデフォ服がまた、この上なくお洒落で凝っていて、ウットリする程可愛いのです。

イメージを変えて三通りに着回し出来、着せ替え人形好きの心をガッツリ掴んでいます。ついでに外箱のデザインも可愛くて、どーしよう捨てられない💦

このドールのシリーズは、顔・髪・アウトフィットが可愛いくて全部欲しくなりますが、この「ブルーミン!」と外跳ね赤毛に50年代風の赤い水玉ワンピースを着た第一弾「POLKADOT LADYBUG」は、特に欲しいと思いました。

それにしても、プーキー・ブー・ボンボンとはまた、長ったらしくて呼び辛い名前だわい…と思いましたが、一応略して「ボンボンちゃん」と呼べとの事です。

同シリーズには、既にお友達ドールの「Swing スウィングちゃん」も存在して発売されていますが、それぞれの人形が服装は勿論、髪型も髪色もフェイス・デザインも全く変えて販売される為、ボンボンちゃんとどう造形が違うのかは良く分かっていません。(AI先生の答えはキャラクター設定の違いだけとの事)

今回は今まで作ったクラシカルな、しかもやけに子供っぽい服装をさせてしましたが、テーマ通りのレトロ・ファッションも、カジュアルでモードな服装も問題なく似合うと思います。 

ただし、色白な上に髪、瞳、リップも微妙なニュアンス・カラーで、くすみ色系の繊細な色合いの服はばっちり着こなしそうな半面、キツイはっきりした原色系は難しそう…。 

そう言う事も踏まえて、このボンボンちゃんに似合うお洒落なアウトフィットを考えて作らなきゃと思います。




2026/06/19

モーリス車創業者の邸宅ナフィールド・プレイス 2

 

昨年の今頃、ナショナルトラストの管理する、自動車メーカーのMorris モーリスの創業者のウィリアム・モーリス(モリス)の邸宅「Nuffield Place ナフィールド・プレイス」を夫婦で初めて訪れました。 

先に庭園を見学し、続いてお屋敷の中を見学します。

この館は、1910年代に海運王Sir John Bowring Wimbleの依頼でOswald Partridge Milneに寄って設計され建てられましたが、海運王が亡くなると彼の未亡人に寄って売却され、1930年代にモーリスに買い取られました。

モーリスは、それから亡くなるまで30年間ここで暮らしました。 多分その後も夫人は住み続け、NTに寄贈されたのは2012年です。

室内は、アール・デコ時代の装飾に再現されています。 

まずは、玄関脇には待ち合い室が在ります。室内に入ってすぐに洗面所があるのは、良い工夫です。

待ち合い室のテーブルの上に置かれた新聞まで、わざわざ当時の物を探して来る凝った演出ぶりです。大きな煙草入れも置かれ、モーリスはヘビー・スモーカーだったので、交友関係も喫煙者が多かったのではと想像します。この奥に、ビリヤード室があります。


家中のあちこちで見掛けるスコッチ・テリア犬のモチーフは、この館のシンボル。子供の居ないモーリス夫妻が、実際に好んで飼っていたからだそうです。

ハイランド・テリアの人気に押され、最早イギリスでさえスコッチ・テリアを見掛ける機会は余りありません。たまに見ると、想像以上にモップ味溢れる姿は毎回迫力があって驚きます。

19世紀以前築のお屋敷は、幾ら贅を尽くした豪華絢爛さでも、文明が違い過ぎて設備や機能的に古過ぎ、最早人間の生活感が感じられない不気味さがありますが、その点この屋敷は今でも十分住み心地が良さそうに見えます。

左上のピッチャーは、スージー・クーパーの作品だそうです。他で見た事のないデザインで、レアなのかも。

こちらも、もしかしたらスージー・クーパーだったりして。 

調度のセンスは、全体的に悪くありません。繊細な貝の彫刻は、多分ベツレヘム製。 

ウィリアム・モーリスと妻エリザベスは、始終仲は良好だったようですが、寝室は別にしていました。

それが返って、夫婦仲の良さの秘訣だったのかも知れません。念の為、隣り合った二つの寝室は、バスルーム付きのサンルームで繋がってはいました。これは、其処から見下ろした庭園。

こちらは、夫ウィリアムの寝室。彼はヘビー・スモーカーな上にケチだった為(※ガイド・スタッフの弁)、部屋の壁がすぐにヤニで黄ばむ事を知っていて、予め黄色掛かった壁紙を選んだそうです。

そしてこの寝室のクローゼットの一つを開けると…、じゃじゃーん、秘密の工具部屋になっていました! 思い付いたアイディアを、例え夜中であろうとすぐに試さずには居られない質だったのでしょうか。

モーリスは若い内から自転車修理店を起業し、その後バイクの製造、車の製造と事業を拡大して行き大成功を収め、ついには英国最大の資産家の一人になります。しかし、エンジニア魂はいつまでも持ち続けたようです。

この工具部屋には、彼自身の胆石か何か体の一部??も飾ってありました。恐らく、好奇心自体が並外れた人物だったのだと想像します。

元々機械類に関心が深かったのか、当時としては最新で相当な贅沢品だったと思われる電機製品が、館中のあちこちに置かれていました。

この館には、裁縫室もあります。地元ボランティアが集い、館中のカーテン等を制作するそうです。

ここは客室かな? ベッドの下にチャンバー・ポット(おまる)が置いてありますが、1930年代には必要なかったはず。実際この館には、快適そうで近代的なトイレもちゃんと備え着けてあります。 


これは何かと言うと、「鉄の肺」と呼ばれる金属製の陰圧人工呼吸器。当時猛威を奮った感染症ポリオ(小児麻痺)で呼吸困難に罹ると、首から下を一生この機械の中に入れて呼吸を補助する以外には、生存出来る道がありませんでした。モーリスは(ケチとは言え)、この機械開発・製造の活動には多額の寄付を惜しまず生涯支援し続けました。

ショップへ続く階段の壁には、モーリス車のミニカーが飾ってありました。 

モーリスの功績は国に認められて貴族の称号を与えられ、最終的にはナフィールド子爵の位を授かります。しかし子供が居なかった為、この爵位は一代で断絶します。 

モーリスは20世紀前半のイギリスで最も成功した実業家の一人でしたが、最期まで開発者精神を失わず、この館からは慎ましやかで堅実的な暮らしぶりが感じられました。イギリスの他の特権階級のお屋敷とは一味違う、非常に興味深い邸宅でした。この立地は、同じくNTGreys Court グレイズ・コート10㎢程度しか離れていないので、時間と足(交通手段)が十分あれば、両方訪れる事が推奨されています。