2026/08/25

アクア&クリア・ラインストーンのスプレイ型ブローチ

 

六月のArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアで、次に買ったのはこのビンテージ・ブローチでした。今まで何度も見掛け手に入れて来たスプレイ型ですが、これはアクアマリン色とクリアにはっきり分けたコントラストが目を引きます。この配色と配置には、妙に惹かれました。 

特に、弓なりに沿って平行に三列に並んだクリアのラインストーンの部分が印象的で、流れ星や噴水のようにも見えます。

円型のワイヤーの上にほぼ整列したアクア色のラインストーンも、スプレイ型としては異例の配置です。

言ってしまえば、1950年代から60年代に掛けて流行した、スペース・エイジやアトミック・エイジと呼ばれるスタイルっぽいと思いました。確かに、製造年代は同じ頃のはずです。しかし、そんなスタイルの家具なら多く出回っていたようですが、はっきりとそれを意識させるジュエリーを見るのは初めてかも知れません。


少なくとも、手に入れるのは初めてかも。多分見掛けたとしても、こんなラインストーンが煌めくようなデザインじゃない限り、気に留めず今まで見落としていた可能性はあります。在り来たりなスプレイ型ながら、身に着ける抽象画のような遊び心と若々しさが感じられるブローチです。

 

 


2026/08/24

風車の丘の町サクステッド 2

 

 

二年前の八月に、全くの気まぐれで唐突にエセックス州のThaxted サクステッドと言う古い市場町を訪れ、天気が悪い日だったのにも関わらず、興味深い建築物や街並みの良さに魅了されました。それで昨年の八月の快晴の日に、再び訪れて見る事にしました。

前回も今回も町の無料駐車場に車を停めましたが、その脇にあるチャリティショップは開いていた事がありません。外に置かれて雨晒しにされているのは、商品なのか、それとも寄付品と称して打ち捨てられたゴミなのか…? 

やはりイギリスの風景は、さんさんと陽の光が当たってこそ絵になります。 

町の中心に在る15世紀築の白い漆喰壁のギルドホールも、青空に映えて見えます。上階へ行く程床面積の広い建物なのが、インパクト強し。ドイツなんかだと、昔は一階の床面積で納める税金の額が決まったらしく、出来るだけ安く抑える為に時折こう言う建築物が残っています。

そしてこの日は実際に一階のピロティ部分で、出店数は4,5軒なものの骨董市が開催されていました。

更にこの日は、ギルドホールの内部が無料公開されていました。八月末の公休月曜日のある週末な上に快晴で、夏休み最後の絶好の観光日和だったからだと思います。

興味深い建築物の様子が観察出来るだけでなく、町の歴史の博物館にもなっています。

今では産業が跡形もなく残っていませんが、実はサクステッドは中世にはカトラリー製造の英国の中心地だったそうです。イギリスの料理自体は伝統的にアレですけど、何故かカトラリーには非常に拘る文化で、肉料理用と魚料理用をわざわざ分ける等、やたら種類だけは増やして複雑化させていました。

また、イースト・アングリアだけに羊毛産業も盛んで、毛織物もこの町の重要な産業であったようです。このギルドホールは、それら職人や商人達の協会や商会所でした。 

この部屋のかつて暖炉だった部分には、このギルドホールをミニチュア化したドール・ハウスが飾られています。 

建物を再現するだけでも大変なのに、内装も隅々まで拘って作られています。


左から2,3番目の人物二人がやけにリアルに作られている、…と思ったら、他の来館者がガラスに写り込んでいるだけでした~。偶然、丁度縮小率がどんぴしゃりで…。 

この町に住んでいた事のある作曲家のホルストについてや、地元で発掘された考古学品等も展示されています。サクステッドは中世に繁栄しただけでなく、元々古代ローマ時代の道上に発展した居住区が元になっていて、ここではそれ以前の新石器時代や青銅器時代の痕跡も発見されています。 

このドアの形、非常に歪んで全く長方形でもなければ平行四辺形でもないのが、写真でも分かりますか?

アンティーク&コレクタブルズとして人気の高い、ムーアクラフトの絵皿も。

ギルドホール内部の見学を終え、この並びの一軒で料理用リンゴを無料で配っていたので、一袋頂いて来ました。

一年前に夕食を食べて美味しかった、老舗旅籠兼パブの「The Swan 白鳥亭」の昼間の姿。

教区教会脇の独特なアルムズハウスは、生憎この時間は逆光になってしまいました。中央に見える風車には、唯一通じている遊歩道が結構長いので、今回は行きませんでした。 


パージェティング建築は、やはり多く見掛けます。右隣の水色の壁もパージェティングです。


窓枠の下に、ちょこんとブタさんのレリーフ。もしかしてこの家がかつて肉屋だったからとか、それとも単に豚は富の象徴だからなのか。

風見鶏ならぬ風見猫の乗った家。猫がシルエットだけの風見なら市販されていますが、これは御手製のようで良い味が出ています。

再びギルドホールの前に戻って来ると…、ややっ、この紅白の衣装の人達は、モーリス・ダンサーズではないか。

実はサクステッドは、伝統的にモーリス・ダンスでも有名な町なのだそうです。中々ダンス自体は始まらず、名残惜しくこの町を去りました。

…が、車で再びこの前を通る時に、やっとダンスが始まっていました。いつも思うのですが、モーリス・ダンスの女性の衣装は素敵。

左端の男性、めっちゃ高く垂直飛びしています!


ここの教区教会の墓地ではこんな墓石も見掛け、この墓に眠る主はモーリス・ダンスに捧げる人生だったんだな…としみじみ思いました。




2026/08/23

トパーズ系ラインストーンの花型ブローチ

 

六月のArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、このビンテージ・ブローチも買いました。

花型と言うかバースト型と言うか、点対称の配置になっています。点対称型はやはり安定が良く、使い勝手が良いので重宝します。ラウンド型だけでなく、細長いマーキス型のラインストーンも使用している所が、ちょっとシャープなアクセントに。中央には、ラインストーンではなくラウンド型のビーズが嵌め込まれています。

色味は落ち着いたトパーズ色系で纏めてありますが、中央近くのみAB加工のラインストーンを使用して、少しだけ華やかさが加わっています。

実はマーキス型の一つの石が無くなっていて、形も大きさも全く違うラウンド型の石が三つ無理矢理枠に詰め込まれています。色味だけはあっていて、遠目には割と気にならないのが意外で、結構上手く誤魔化したもんだと思いました。少なくとも、枠が空いたままになっているよりは目立ちません。

形が同じでも色が明らかに異なるラインストーンで補充するより、場合に寄っては色味を優先にした方が良い時もある、と考える機会を与えてくれました。



 

2026/08/22

サクステッドでの夕食

 

二年前の八月、突然の思い付きでエセックス州の古い市場町Thaxted サクステッドに立ち寄った為、帰宅が予定より大分遅くなってしまいました。そこで、突如この町で夕食を済ませてから帰る事にしました。何度も言いますが、イギリスでは外食が日本の23倍は料金が掛かる為、誕生日等のイベントでもない限り、また確実に美味しいと思える店以外は滅多にしません。しかしこんな雰囲気の良い歴史的な町では、多分大丈夫であろうと思えたのです。

我々が選んだお店は、教区教会の向かいに立つ、恐らく町一番の老舗旅籠兼パブの「The Swan  白鳥亭」。


新しく快適に改装されていますが、黒光りする木組みの柱や梁に非常に年季が入っていて、元は相当古い建物である事が伺えます。

サクステッドは観光に人気の町のようで、また夏休み中だった事もあり店内は賑わっていました。宿泊客の多くも、丁度ここで夕食を取っていました。

まず前菜として、定番のマッシュルームのフライのタルタル・ソース付きのフライを二人でシェアしました。パン粉が非常に細かく油切れが比較的良い為、ヨーロッパの揚げ物は大抵カラッとしていて余り重くありません。

メインとしては、私は鮭のソテー+ホランデーズ・ソースとポーチド・エッグ付きを注文しました。贅沢で繊細なマヨネーズとも言えるホランディーズ・ソースも鮭には定番で、私も家で作りますが、前にも書いた通り、ポーチド・エッグを自分で作り美味しいタイミングで食べるのが、家ではかなり難しいのです。

そもそも、ほぼ卵黄ソースのホランディーズに、更に卵を添えるなんて、普通は家庭では考えません。でもエッグ・ベネディクトにあるように、やっぱりこの組み合わせは溜まらないんだよなあ。

一方P太は、ペストのリゾット乗せスズキのソテーと言う、他のパブでは見た事のない料理を選びました。ペストとはバジルとナッツとチーズを磨り潰したソースで、すなわちジェノベーゼです。香り高い濃厚なリゾットと、香ばしく焼き上げた淡泊な魚の組み合わせは抜群で、おまけにホタテの貝柱が乗っています。 

しかし! ここ数年の流行で盛り付けに付いて来る生の豆苗は、やはり美味しくないんだよ…。パセリの代わりで、単なる彩と思っているのかも知れませんが。

更に、デザートも頼んで二人でシェアしました。ニューヨーク風(レア・タイプ)のチーズ・ケーキはイギリスのパブのデザートに良くあるメニューですが、ここのはスコットランドのバター・ビスケット、ショートブレッドが台になっているのが少し変わっています。 

そして、パブのデザートであるパイやプディングには、大抵アイスクリームか無糖生クリームを添えるのを選べますが、私達は必ず生クリームを選びます。デザート自体がガッツリ甘く、それに更にアイスクリームを添えては、甘ったる過ぎて食べ進めなくなってしまう可能性が高いからです。


ここのチーズケーキには、バターたっぷりのショートブレッドが添えられているから尚更です。選択は正解で、量も二人で丁度良く美味しく頂けました。

食べ物はどれも美味しく雰囲気も良く、いつもながら我々の飲食店を見る目に狂いはないと自負しています()。 

もしこの後帰宅してから夕食を作るとなると、空腹過ぎてやはり大変だったら、この日の突然の外食は有難く思えました。また、この季節の日没時間自体はかなり遅いので、夏に暗くなるまで外出している事は余りないから(宿泊しない限り)、黄昏時の古い街並みを眺める事が出来たのも稀な機会で、良い思い出になりました。