2026/06/16

チェコ・ビーズの花束ブローチ

今年最初に訪れた三月初旬のArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、最後の最後にこのブローチを買いました。先に見掛けて、現金が余ったら買っても良いな位に思っていました。 

大して古くもないし珍しいデザインでもないのですが、値段はフリマ並みでした。それに、実際に使い勝手が良いブローチと言うのは、案外こんなタイプだと思ったからです。 

全体的な直径は約4㎝で、シャワー台の上に様々な形のガラスビーズがブーケ状に、テグスでしっかりと括り付けられています。 

これらは、皆チェコのファイヤー・ポーリッシュ・ビーズのようです。ビーズが大き目で立体的に盛り上がっている為に光が通ってキラキラ輝き、また青系の涼しげな色合いが透明感を高めています。

今回のアンティーク・フェアは、開催日の二日間とも快晴でした。にも関わらず、やはり出店数は減少して行くばかりで不景気ぶりを反映しています。客の多さは変わらずに賑わって見えますが、売り場面積が縮んでいるのに客の密度は変わらないのだから、結局買い手も減っているようです。

ビンテージ・ジュエリーの収穫には満足でしたが、今回の最大の目的である友達への誕生日プレゼント用としては、本当はいつものビンテージ・ジュエリーの他にメインになるべき物を探していました。しかし、買えない値段どころか生憎見掛けさえしませんでした。元々友達が好みそうな北欧デザイン風のビンテージやモッズ時代のレトロ物は少数派なのですが、その手のアイテムを得意としていた専門店自体を見掛けなくなりました。




2026/06/15

ぷかぷか三春駒

 

実家に帰省の際に姉は、これも私の為に三春町で買って置いてくれました。福島県を代表する郷土玩具・会津の赤べこの、ソフビ版カプセルトイ「ぷかぷかべこ~ず」の、福島県民のソウル・ドリンク「酪王牛乳」とのコラボ版「酪王あかべこ」の、もう一つの福島県の代表的な郷土玩具・三春駒とのコラボ版です。五種コンプリートは「三春の里田園生活館」でしか入手出来ないそうで、わざわざ出向いて買っておいてくれたのだそうです。

とは言え、念の為私が頼んで買って貰った訳ではありまへん。可愛い事は確かに可愛いんですが…、どう考えてもイギリスの生活に必要な物ではないし、問題は結構嵩張るコレを、一体どうやってイギリスに持って帰るか?でした。他にも姉は、暖か~いダウンとかパーカーとか非常に嵩張る物を沢山私の為に買って置いてくれて、全ては到底荷物に入らないと訴えると既にお冠だった為、姉の特に自慢の品のこれを、持って帰らない訳には絶対行かないだろうと、イギリスに戻る日程が近付くに連れジワジワと焦りました。

そもそも嵩張るのは、コンプリートはこんなパフェを入れるような容器に入って売られていたからです。結局容器は処分し、ビニール袋に入れてから荷物の隙間に詰めました。

五種類の中身は、まずは伝統柄の三春駒の黒と白。高柴デコ屋敷の彦治民芸が監修している為、ソフビ製ながら忠実に、尚且つ可愛く再現されています。見比べて見ると、単に色違いではなく、模様もあちこち異なっています。

酪王牛乳とのコラボは、この三種。左からいちごオレ、カフェオレ、牛乳です。 

酪王牛乳はカフェオレが美味しいと全国的に有名ですが、実は私は福島県に住んでいた時でも余り酪王のカフェオレを飲んだ覚えがありません。私が専ら飲んでいたのは、その後姿を消した「レモンホワイト」。お隣栃木県では一般的なレモン牛乳の、福島県版だったそうです。つい最近復活したと聞き…、うう、飲みてえ。

この同封されていた栞に寄ると、酪王牛乳を生産している酪王協同乳業の母体は、1975年に事業拡大の為に福島県内の幾つかの乳業が合併した出来た会社で、その中の一つに「三春牛乳」がありました。三春牛乳の瓶には三春駒がプリントされていて、今見ると渋さとレトロさがイカス。 

白い三春駒のお尻って、こんなピンクだっけ?と思いましたが、本物を確認すると、経年で色褪せたのか確かにピンクっぽい薄紫色でした。

郡山駅で赤べこバージョンも見ましたが、三春駒の角張っているボディのほうが、丸っこいフォルムの赤べこより、パック入り酪王牛乳のイメージを的確に伝えているように思います。


 

 

 

2026/06/14

バート・ヴィンプフェンのお土産ブローチ

 

三月に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、去り際近くに、この古いキッチュなお土産ブローチも買いました。見掛けるといつも気になる、ドイツ語圏に良くある、多分チロリアン・ハット等の登山帽に着ける為の典型的なスーベニール・ブローチです。今でも現地で金属製なら売られていると思いますが、一昔前まではセルロイド等のこんなプラスティック製も多く出廻っていました。

ワイン樽の上には黒猫、脇に飲んだくれオヤジがしゃがみ込んでいるデザインから、ワインの産地のブローチでもある事も分かります。黒猫が居るのは、「黒猫(シュヴァルツェ・カッツ)の座った樽は最も出来が良い」と言うドイツの言い伝えを意味しているのかも知れません。下部のワインのボトルも含むと、縦の長さは約6㎝。

ワイン・ボトルは透明感のある異素材で、ぶら下がっている仕様が面白いと思いました。このボトルにはかつてはラベルが貼ってあったようですが、今は剝がれて僅かに形跡が残っています。また黒猫の尻尾、葡萄蔓の一部も欠けて無くなっています。 

この手のブローチは、主にその場所を訪れた記念品として買われるので、必ず地名が入っています。ただし、ブローチ自体は多くが同じ場所で生産され、地名のみ刷り替えて販売されているようです。このブローチには、酒樽にはハイデルベルクのラベルが貼ってあるもの、中央にはBad Wimpfen バート・ウィンプフェン」と記されています。Badは温泉(保養地)の意味で、ドイツ語圏には似たような地名が沢山あります。一体どの辺なんだろう?と地図で確認してみると、…「ここ新婚旅行で立ち寄った町じゃん!」と言う事が思い出されました。


私達夫婦の新婚旅行は、自家用車でヨーロッパ中部各地を三週間掛けて、ほぼ行き当たりばったりにちょこちょこ廻るロード・トリップで、凡そ新婚旅行らしくない物凄く楽しい旅でした。バート・ウィンプフェンは、ハイデルベルクで一泊した後、エーベルバッハ村(※青池保子ファンの聖地)を横切ってネッカー川沿いの古城街道を南下する際、車窓から高台に魅力的な古城が見えた為、急遽気まぐれに立ち寄った町です。後から知った事には、「ドイツで一番シルエットの美しい町」と呼ばれているそうです。

ほとんど忘れ掛けていた、そんな偶然ほんのちょっとだけ立ち寄った町の事を鮮明に思い出させてくれ、やはりこのブローチを買って良かったと思いました。

 

 

 


2026/06/13

梅雨晴れ散歩

一時帰国の為にしばらくブログを書いていなかったので、書くのが一際面倒な旅行・お出掛け記事を再開するのは中々やる気が出ませんでしたが、ドール記事はそれ以上にやる気が出ませんでした。決してドル活自体に飽きた訳ではなく、早くお人形遊びを始めたい気持ちはムズムズとありました。 

しかし、何せ撮影が面倒臭いのだけは身に染みて憶えていて、取り掛かる気になれなかったのです。非常に暑かったり、逆に天気が悪くて暗過ぎたりと、ドール撮影に向かない天候が続いた言うのもありました。しかしこのままでは、いつまで経ってもやる気が起きない為、まず着火剤代わりに一着ドール服を縫ってみる事にしました。

型紙は、日本ヴォーグ社の「Licca」最新刊「リカちゃんはおしゃれモデル」の春夏コーデのワンピースを利用しています。ノースリーブで簡単そうに見えたので選びましたが、シンプルで装飾も全く無いからこそ布の魅力がモノを言うと思い、返って布選びには時間が掛かってしまいました。この形の服の場合は子供っぽい柄だとお洒落じゃないし、布のしなやかさや風合いも大事だと思いました。 

この布は数年前にフリマで購入したカット生地で、以前浴衣を作った生地の色違いです。張りがあり過ぎると思い、裁断する前に水通ししましたが、余り効果はありませんでした。張りがあるのはノリではなく目の詰まったプリントのせいだったので、ついでに針通りの縫い心地も余り良くありませんでした。

型紙を見た時から肩幅が広過ぎるように思いましたが、案の定フレンチ・スリーブ気味に仕上がりました。

しかし、ハイウェストもスカートの丈の長さも流石はばっちり決まり、デフォルト・ボディでも十分大人っぽく見え、あえて可動式ボディに替えずデフォルトのままにしています。布柄の渋さも、我ながら丁度良かったような。 

返って六枚剥ぎのキャップの方が、パーツが多くて縫うのは面倒でした。心配した通り、歪んでるし不格好だし! タカラトミー社製の良く人形に付属されているビニール製のキャップを被せて、手っ取り早く間に合わせても良かったのですが、気に入った色の持ち合わせが無かったのです。

マキシ丈のワンピースにスポーティな厚底スニーカーとベースボール・キャップを合わせる、今の日本で良く見掛けるスタイルは私も好きです。が、こんな格好をするのは、実際には体型隠したい&日焼け怖いオバサンだけっすよね…。リカちゃん及びもう少し年上の10歳代の子は、こんなズルズル長いスカートなんて、まず履かないのでは。

イギリスには当然梅雨はないのですが、記録的な熱波が去った今、丁度日本の梅雨みたいな雨続きの天候になっています。おまけに六月とは思えない程寒く(最高気温14度とか)、実際にはこんなノースリーブで居るのは耐えられません。街では、ダウン・コートを着ている人さえ結構多く見掛けました。

グレー×白の眼光鋭い猫ちゃんは、最近フリマで買ったシュライヒ製。リカちゃんにとっては相当なデカ猫ですが、肉球まで描かれて流石に良く出来ています。

本当は三毛猫と二体買ったんですけど、あろう事か三毛は失くしてしまいました。バッグの奥底に仕舞い込んで、他の何かを引っ張り出す時に多分一緒に飛び出て、零れ落ちてしまったのに気付かなかったようです。

着火剤のお陰か、ドール服作りと撮影は何とか意欲が出て来た…と言うか、やり方の勝手を思い出しました。私の場合、余りにやる気が出過ぎて、頭の中がそればっかりになるのも困りものです。




2026/06/11

イースト・アングリアのパージェティング建築

 

 

昨年訪れたエセックス州のほぼ北西端の町Saffron Walden サフロン・ウォルデンは、かつてサフランの産地として栄えた古い市場町だけあって、今も立派な歴史的な建物が沢山残っていました。

その中でも特に独特で目を引き興味深いと思ったのが、外壁の漆喰にレリーフ状の模様を施した建物でした。

教区教会に近いChurch Street 教会通りには、この町では特に一見の価値がある見事な建物が並んでいます。 

この町へ来る前に訪れたBartlow バートロウ村の旧郵便局の建物でもこんな外壁模様を見掛け、今までも主にイースト・アングリアで度々見掛けて気になってはいました。


サフロン・ウォルデンの町のHPに寄れば、これは「pargeting パージェティング(pargettingや wall pargetingとも綴られる)」と呼ばれる建築技法で、16世紀に国王ヘンリー八世の命でサリー州の城館Nonsuch Palaceノンサッチ・プレイス(息子のエドワード六世が生まれた場所)を装飾する際にイタリアから輸入された、「stucco スタッコ=化粧漆喰」と言う技法が元になっていると伝えられています。

それ故、16世紀から17世紀掛けてイングランドで広まって行きました。しかし、19世紀末のアーツ&クラフツの懐古主義が持て囃された時代にも、人気が復活しました。


ここでは漆喰の色のみですが、この上にカラフルに彩色されている場合もあるそうです。サフロン・ウォルデンの町立博物館では、パージェティングの作成方法が詳しく説明されているようです。

かつて馬車が潜ったアーチの内側の、側面の壁にもパージェティング。 

こんな小路に面した僅かな部分(右下)にさえ、ちょっとだけパージェティング。 

パージェティングは、石灰の漆喰、またはモルタルが乾かない内に、木型で判を押して作成します。

または、櫛を使っても模様付けするそうです。 

しかし、これ程盛り上がっているレリーフだと、もっと深い型か手作業で立体化しているように見えます。

モチーフは幾何学模様の他、植物や鳥、動物が多いらしいのですが、上部の花に群がっているのは鳥?魚??

人物を表現した場合、造形の稚拙さが極まって面白コワイ。芸術家ではなく当時の職人が作成すると、こんな造形になったようです。

 …何故か脚…。いや、きっと何か意味は込められているはずです。

イースト・アングリアでも特にサフォーク州とエセックス州に多く見られると言われ、これは明らかにイギリスでは貴重なフォークロアです。イースト・アングリアの古い町を訪問する際は、外壁に是非注目してみて下さい。


 



2026/06/10

水色ラインストーンのフィリグリー・ブローチ

 
三月に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアでは、このクラシックなブローチも買いました。

好きな1930年代のチェコスロヴァキア製のフィリグリー・ブローチで、美しく状態も良く、値段も手頃だったから購入しましたが、買った時点では未だ誰用にするかは決めていませんでした。横4.5㎝弱と小ぶりだから姉の好みではないし、友達の好みとも違いそう…。と言う訳で、最終的に自分用にしました。

全体的には小さ目なものの、細かい透かし金具を立体的に重ねた凝った意匠で、ラインストーンの輝きが美しい、魅力的なビンテージ・ブローチなのは確かです。

この水色のラインストーンが、アクアマリン色とも違う少しだけ緑掛かった濃い目の、独特な色なのにも惹かれました。どちらかと言うと、ブルートパーズ(あれは大抵は染色した物らしい)の三色の内の、「スイスブルー」に近いかも知れません。 

中央の一番大きな石は、実はオープンバックなのですが、買った時には埃が溜まっていて曇り、しばらくそうとは気付きませんでした。裏面の僅かな隙間から掃除するのに、ちょっとだけ苦労しました。