昨年の今頃の休日、何処かへ夫婦で出掛けたいけれど、曇りの冴えない天気なので初めての場所は避けようと、今まで何度も訪れた事のあるNT(ナショナルトラスト)のBodiam Castle ボディアム城を訪ねる事にしました。
イギリスに中世からの城は多く残れど、ここのように完全に近い保存状態で、しかも古城はどちらかと言うとEH(イングリッシュ・ヘリテイジ)の得意分野だから、NT管理で一般公開されている古城は割と珍しいのです。
Moated=堀池に囲まれた城や御屋敷も、イギリスでは珍しくありませんが、ここの池は水面が低くなった堀の底に水が溜められている訳ではなく、また幅が非常に広い為、まるで古城が水面に鏡のように映り、また湖の上に浮いているような独独の景観に見えます。
どちらかと言うと、ここはフランスのシャトーっぽいかも。
堀池の中には、巨大鯉がいっぱい。人が水辺に近付くと、餌を貰えると思って寄って来て貪欲に口を開けます。
中島に立つ城の中へ入るのには、NTの駐車場とは反対の北の丘側に回ります。
城門へ続く木橋の欄干には、不思議な色合いのバンティングが飾り付けられていました。十月なので、ハロウィーン向けの特別イベントが絶賛開催中だったからのようです。
規模が大き目のNTでは、毎年こう言った季節的な子供向けイベントが熱心に開催されます。城門の天井にも、何だか怪しい(と言うか正直安っぽい)照明が。
堀の外からは完璧に残っているように見えるこの城は、実は内部は廃墟になっています。古城にダンジョンやゴーモン部屋は付き物なので、ここは立地的に如何にもハロウィーンにはぴったりの雰囲気のはずです。
ところが、イベント自体は子供の中でも相当小さな子供、しかもほぼ幼児のような年少向けのユッル~い雰囲気。
NTのイベントは何処もこんな感じで、微笑ましいと言えばそうだし、子供騙しと言えばその通りです。これは箒乗り訓練所。と言っても、飛び方を教えて貰える訳ではありません。
ドラゴン・ディスコ…。稚拙な動画のドラゴンと一緒に、単に廃墟の中で躍るだけ。
NTのイベントの中には、これ子供でさえ面白いだろか?と思える物も多いのですが、例え大人向けであっても日本人が楽しめるような気の利いた娯楽は少ないイギリスなので、きっとイギリスの子供には十分楽しいのでしょう!
作る&用意する事自体は、かなりの力作に思えます。
城の塔は、既に赤竜に侵略されています。
魔女鍋に見立てた本物の城内の古井戸。左奥には怪しい人魚、他の壁穴にはコウモリの目玉とかユニコーンの糞とか、魔女鍋の材料入りの瓶(張りぼて)が並べらています。
ハロウィーン専用の顔嵌めも…。やっぱ魔女鍋は、箒と並んで魔女には必須アイテムなんですね。
顔ではなく、目鼻嵌めです。
黒猫の顔がやたら長くて、まめきちまめこさんのイラストのようだと思いました。
一方こちらは、常設の中世風顔嵌め。道化師と吟遊詩人。
姫と騎士。絶対わざと弱ぶっているような(笑)。
これはハロウィーン用ではなく、この城には本当にコウモリが住んでいて、日中は眠っているので静かにしてネと言うサインです。
魔女のコスプレではなく、ここで時々見掛ける中世の衣装のスタッフさんです。
数年前から一般公開用に整備された、城の南塔には登りました。
相変わらず天気はイマイチですが、ここからの眺望が良い事は確かです。
城の北側の丘の斜面は、ブドウ畑になっています。斜面が南向きな上、太陽光が堀池に反射して倍増する為、ブドウの栽培には理想的な立地のはずです。
張り出した塔から堀池が真下に見える覗き穴の方が(多分矢や石を落とす昔の攻撃用に作られた)、私にはハロウィーン・イベントより余程恐怖でした。ここから体ごと落ちると言う事はないでしょうけど、もしウッカリ腕時計やスマホを落としたら…と考えると身震いするのです。
お城の前では、イギリスらしいシャイヤー馬(世界最大級の重種馬)を見掛けました。もしかしたら別料金で乗せて貰えるのか? それとも単に近所の農家の人達が労働させているだけ?
どちらにせよ、私には緩いハロウィーン・イベントより、こっちの方が古城に相応しくて魅力的に見えました。






