2026/06/18

フィッギオ・フリントの「トール・ヴァイキング」のクリーマー

 

イギリスの自宅に戻ってまず私が出掛けたかった場所は、いつもの地元のフリーマーケットでした。冬期は閉鎖中だった郊外の牧草地でのフリマが、既に再開していました。 

最早フリマやチャリティショップ等でビンテージの食器類を買う事はすっかりなくなりましたが、北欧や中欧の陶器で好みのレトロなデザインを見掛ければ一応買う事にしています。しかし、そんな北欧や中欧のビンテージも、ここ数年はとんと見掛けなくなりました。ところがその日のフリマでは、久しぶりに北欧ビンテージ陶器が売られているのに出会いました。

ノルウェーを代表する陶器メーカーFiggjo Flint フィッギオ・フリントのTor Viking トールヴァイキングと呼ばれる人気のデザイン・シリーズで、 デザイナーはこの時代のフィッギオの象徴的なTuri Gramstad Oliver トゥーリグラムスタッドオリヴァー。 

アイテム的にはクリーマー、即ち大き目のミルクピッチャーです。持ち手部分が大きめに取られて使い勝手の良い、無駄の一切ないフォルムですが、下部に浅く溝の入っているところにちょっとだけ遊び心が。 

私も好きなデザインですが、最初は安かったら買おう位にしか思っていませんでした。久々に出会った北欧ビンテージ陶器で好みのデザインなのに、何故そんなに消極的だったのか⁈…かと言えば、既に同じ物を持っていると思ったからです。

それで1ポンド以下だったら買おうと思いましたが、値段を聞くと5ポンドと言われました。ほんじゃさいならと去ろうとすると、幾らなら良い?と聞かれました。 

ダメ元で半額以下の2ポンドと言いましたが、売り主は2.5ポンドならどう?と聞いて来ました。いや、2ポンドじゃなきゃ買わないと伝えると、閉店間際だったせいか、相手が折れて2ポンドで買う事が出来ました。

家に帰ってから確認した事には、既に持っているのは、やはりフィッギオのビンテージのクリーマーでトゥーリデザインでも、 Astrid アストリッド」と言う別なシリーズでした~。フォルムと大きさは全く同じで、同型を使用しているようです。

トゥーリのデザインでは、この「トール・ヴァイキング」は「マーケット」や「ロッテ」の次位に好きなので、見逃さなくてつくづく良かったと思いました。 

背の高い大き目のクリーマーだから、グレービー(肉汁)・ソース・ディスペンサーとしても使用出来、また花瓶としても使う事が出来ます。

 

 

 


2026/06/17

モーリス車創業者の邸宅ナフィールド・プレイス 1

 

昨年の今頃、庭園の美しい季節の晴れた日に、NT(ナショナルトラスト)が管理するWilliam Morris ウィリアム・モーリス(モリス)の邸宅Nuffield Place ナフィールド・プレイスを夫婦で訪れる事にしました。と聞いてP太は、「じゃあ、きっと古風な花柄の壁紙でいっぱいだったりする家なんだね!」と言いましたが、…そのウィリアム・モリスとはちゃいます。ここで言うウィリアム・モリスとは、自動車メーカーMorris モーリスの創業者の事です。

ナフィールド・プレイスは、オックスフォードシャーの風光明媚なChiltern Hills チルターン丘陵地帯の中の農村に在る20世紀築のお屋敷です。

専用駐車場から屋敷へ向かう途中、まずはモーリスの妻が運転したモーリス車Wolseleyが車庫でお出迎え。今でもちゃんと走るそうです

彼女はBradley Road ブラッドレイ通りに面した正門を、一度車から降りて自分で開けるのが面倒だった為、屋敷の北側をぐるっと回り(因みに北は刑務所)、裏側から入る自動車道を作らせたそうです。そのボロボロになったコンクリート舗装道が、現在のNT駐車場の脇に残っています。

室内見学の開始時間まで未だ少し時間があった為、先に庭園を見学する事にしました。

ここの庭園は、モーリス家に残る写真を元に再現されているそうです。 

一見特に特徴のある庭には見えませんが、典型的な英国式庭園として楽しむ事が出来ます。20世紀初頭に流行だった、アーツ&クラフツ形式にデザインされているそうです。 

18世紀に生まれた自然に出来るだけ近い風景式庭園を元として、19世紀には寄り田園的な素朴さを求めた「コテージ・ガーデン」が生まれ、その頃にジェイキル女史の色彩計画も造園に取り入れられたので、今日我々日本人が思い浮かべるイングリッシュ・ガーデンと言えば、正にその時代に確立したと言えます。

こちらは、日当たり抜群の屋敷の南側。敷地は4エーカー(16,000)有り、庶民にしてみれば十分贅沢な広さですが、NTに多い宮殿級の豪邸の、ギリシャ風の彫像が立ち並び噴水のあるような形式的庭園に比べたら、一般人の庭造りの参考にならない大きさではありません。

南側には、こんな風に段差があります。

段の上には、濃い緑の生垣に沿って宿根草花壇が伸びています。丁度、英国式庭園を象徴する花々が見頃でした。

屋敷のすぐ側のロック・ガーデンは、モーリス夫人の特にお気に入りだったとか。 

高山植物等のロック・ガーデン向きの植物は、乾燥を好み多肥や過湿には弱い為、花壇を岩と砂か砂利で特に底上げする必要があります。

南東には、割と近年植えられたらしい紫葉スモモの並木があります。春には、桜に似た花が見事に咲くそうです。北東側には、キッチン・ガーデン()があるようです。 

また、敷地は森に囲まれていて、春にはその森の中でブルーベルの絨毯が楽しめるそうです。

この施設には飲食コーナーはない為、屋外に移動式のワゴン・カフェが設けられていました。

西側へ続く小径のパーゴラの蔓バラは、未だ十分育っておらず少し寂しい状態。

こちら屋敷の西側には、一番大きな花壇があります。この時も、庭師さんがせっせと作業中でした。

西には池の残骸が残っていますが、今は使われていません。

モーリス夫妻はこの庭をこよなく愛し、庭師任せではなく実際にあれこれと好みに合わせて細かく指示して作らせたそうで、家庭的な雰囲気の十分感じられる居心地の良い庭園でした。