毎年この季節になると、ウェスト・サセックス州の観光農場Turley’s Farm タリーズ・ファームで「Shocktober Fest ショックトーバー・フェスト」なる物が開催されます。南ロンドン辺りを走る二階建て路線バスのラッピング広告にもデカデカと宣伝されているから、否応無しに目に入ります。
ショックトーバー・フェストとは、有名なミュンヘンのビール祭りに引っ掛けた単なる造語で、実際に行った事は勿論ないけれど、多分ハロウィーンに向けたお化け屋敷イベントだと思います。今サイトで確認したら、ヨーロッパ最大のホラー・テーマパークと謳っていました。そんな緩~いオヤジギャグ的な名前の割に広告のイラストはガチ怖くて、毎年見掛ける度に夫婦で笑っています。
しかしこの造語から、ドール向けに南ドイツやオーストリアの民族衣装ディアンドルの闇深き版を作ってみようと思い立ちました。が、問題は布地です。この所ずーっと黒い手芸素材を集め続けていますが、それだけでは十分ハロウィーンらしくもゴスっぽくもならないと言う事は重々分かっています。
イギリスは言わばゴスの本場なので、それらしいプリント生地も売られてはいますが、何せ布地の値段が高いから、禍々しい柄の生地をわざわざ高いお金を出して買おうとはどうしてもなれません。おまけにゴス柄には蛾とか混じって描かれているし、そんな布、手に取りたくもねーわ。
やむを得ず、山小屋風チャリティショップで最近手に入れた、オドロオドロしい柄の端布を使ってみました。綿サテンのような光沢もあって柄的には十分合うのですが、残念ながらインテリア用の布なので、ドール服にとっては厚みがあり過ぎるのです。
それで出来るだけ縫い代等の厚みを抑えたり、見返しを付けなかったり、スカートのギャザーをギリギリの量にしたりと、ディアンドルの形に仕上げる為には色々工夫せねばなりませんでした。厚みと張りがある生地な分、スカートはパニエやドロワーズ無しでも十分膨らみます。
モデルには、未だデフォ服しか着せた事のなかった「Bratzillaz ブラッツィラズ」のヤスミナを採用。このディアンドルはモモコのサイズで作っているので、彼女にはかなり大き目なものの、地雷どころではない地獄メイクが、上手い具合にこの衣装には未だ足りない毒々しさを補足してくれました。
このドザエモン色リップを変えようかと考えた事もありますが、今ではこの色のままで正解‼と思っています。やはりゴスは、こう言う邪悪メイクじゃなくっちゃあ。こんな化粧の人、イギリスでは実際普通に見掛けるよ。
ドール・アイの原点のような、シンプルな義眼も良き。今西洋のファッション・ドールで、日本の二昔前の少女漫画のようなイケてないデザインの入れ目人形が増えて来ていて、修正不可能なのでプリント・アイより返って厄介な中、このシンプルさがいーのにとつくづく思います。
ボディの可動域は中々良く、手を顔に寄せたり手前で組ませたり出来る点は役に立ちます。肘膝の関節は硬めですが股関節は緩めで、更に頭がデカいから安定が今一つ悪く、立たせるのは少し苦労します。
アウトフィットのフォルムは、残念ながら全く思い通りに仕上がりませんした。
ディアンドルには、胸を胴衣で出来るだけ押し上げて強調したエッチ臭いタイプもあり、イカれたホラー祭りには絶対そっちが相応しい!と目指してはみたものの、型紙制作からしてかなり難しく…。もっとも、このドールのバストは控え目過ぎて、押し上げる程も無いんですけど。
肩を出すデザインにはしたかったから、いつものようにディアンドルとブラウスを一体化させなかったのも、自分で勝手に難易度を上げてしまいました。
大き目の服なら問題ありませんでしたが、身体にぴったりフィットする服の場合、やはりモモコとのサイズの違いが大きく出てしまいます。同じ27㎝ドールの括りではあるものの、上半身はモモコより短く細く出来ています。
ディアンドルのブラウスは、基本的に実物もこんな丈短ヘソ出しになっています。胸は出来るだけボリュームを出し、ウェスト部分はもたつかさせずに出来るだけ細く絞って見せる工夫だと思います。
ディアンドルには、本来白タイツ(ロングソックス)に大抵黒のHaferlschuheハーフェルシューと言う伝統的な靴か、フラットなバレエシューズやメリージェーンを合わせ、普通ブーツは履きませんが、毒々しさを増す為に「ディセンダント」の悪魔ブーツを履かせました。
もっとも現代は着物でもブーツを合わせたりするので、今はディアンドルにも色んな「外し」や新しい着こなしを楽しむ事があるようです。このブーツ、同じメーカーだし同じ爪先立ちデカ足なので、すっかり相互性があるもんだと思いましたが、実は良く合っていません。
帽子は、ブラッツィラズのメイガーナのデフォルトを拝借。単に頭に乗せているだけですが、盛り上がったヘアアレンジの隙間に、上手い具合に差し込む事が出来ました。


