昨年の三月の自分の誕生日に夫婦で訪れたWaltham Abbey ウォルサム(ウォーザンとも日本語表記される)修道院で、修道院教会の内部を見学した後は、続いて教会の周囲を歩いてみます。
その前に、教会の外壁を観察。フリント石(火打石)の黒いガラス質面を市松模様風に配置するのは、イギリスの教会では良く見掛ける装飾方法です。
ノルマンではなくゴシック時代の作に見えますが、崩れて良い具合に(?)不気味さが出ています。
こちらの髭面男は、中世に流行したグリーンマンかも知れません。自然信仰由来でキリスト教には無関係のグリーンマンですが、教会の装飾にも結構登場します。
何故サル??とか、キリスト教らしくないモチーフを発見するのも、教会建築見学の楽しみの一つです。
ハロルド王の墓は、教会の東側に在ります。 手前の十字架は、一般人の墓。
一応ここがハロルド王の墓と言う事になっていますが、良くある事で、長い年月の間の修道院の改装の度に遺体が移動されたり、修道院自体が閉鎖されたりで、本当にこの場所が埋葬地である確証はなく、これはあくまで記念碑だそうです。発掘調査が行われたかどうかは分かりませんが、遺体の一部位は眠っているのかも。
そもそも政敵である敗者の遺体を、自ら建てた所縁の深い教会に埋葬し、その後教会を最新式に改築するのは、この暗黒の時代としては圧遇過ぎるのでは?と疑問でした。実際ギョーム公(後のウィリアム征服王)はハロルド王の遺体を海に捨てろと言ったとか、遺体と同じ重さの金と交換に引き渡して欲しいと申し出たハロルドの母の願いを拒否したとの記録が残っているそうです。
他にもハロルド王の墓の伝承地は幾つかあり、また日本の源義経の伝説同様に実は戦死せず生き延びて、チェスター、カンタベリー、またはチチェスターで隠者として余生を過ごしたとの言い伝えも残っているそうです。
修道院跡地は広々とした公園&庭園になっていて、当時を物語る建築物は石塀位しか残っていません。
教会の他に、唯一の修道院の名残りと言えば、この西門位。
ここにも、無残に崩れたガーゴイルが。
門の建物では、オーブ写っちゃったし💦
修道院の残骸は、塀とかにリサイクルされています。
予め調べて知ってたとは言え、見応えばっちりの修道院教会に比べ、ハロルド王の墓と修道院跡地は拍子抜けする程シンプルでした。これもまた、長い歴史の流れを感じさせました。