夏のフリーマーケットの去り際に、この古い木製引き出しを1ポンドで買いました。余り機能的&実用的には見えないし、正直凄く惹かれた訳ではありませんでしたが、ドール撮影の背景にも使えるかもと思ったからです。
各引き出しに裁縫道具のアイテム名が書いてあり、お裁縫道具入れだったのが分かります。状態は割と良好で、一番右上の引き出しの前板のみ少し上部が欠けています。
背面板上部に穴が二つ開いていて、壁に掛けられる仕組みだったのも分かります。しかし針とかピン(待ち針)を、この引き出しにダイレクトに仕舞うのは危険だし取り出し辛いのに違いありません。引き出しの大きさに合った針山を、中にセットして置くとかなら使えそうです。
底には単に「外国製」とだけ書かれていますが、多分1950年代頃の日本製だと睨んでいます。敗戦の荒廃や賠償支払いで国が貧しく、外貨を躍起に稼がなくてはならなかった時代に、輸出向けに大量に(しかし農村等で家内制手工業でちまちまと)作られた製品のように見えます。
引き出しには、ウッドビーズのような赤い丸い取っ手が付いていて、可愛いアクセントになっています。また、引き出しの前板の四隅は、まるで焼き板に見えるように濃い色がが吹き付けられています。
なのに、引き出しの花柄がテキトウ過ぎて、一体何の花を表しているのか判断出来ない物も。一応、アウトラインは軽く彫られている凝りようなんですけどね。せめて、取っ手を避けて花を描けなかったのだろうか??
今まで手に入れたビンテージや民芸品の木箱は、主にチェストをミニチュア化したような蓋式だったので、ベンチ代わりにドールを座らせるのには好都合でしたが、背景にはなりませんでした。
このビンテージの木製引き出しには、やはりビンテージのお人形が一番しっくり来るだろうと思い、ビンテージのタイニーベッツィーマッコール程相応しいモデルは居ないと登場して貰いました。引き出しの高さ的にも雰囲気的にも、少なくとも背の高い大人っぽいドールでは合わないと思います。
今回のべち子ちゃんには、黄色いカントリー・ドレスを着せました。スカートの丈が、希望したより大分短く仕上がってしまいました。そのせいか、本当はかなり胴長短足なべち子なのに、結構脚が長くスタイル良く見えます。
ドレスはエプロンを重ねる前提で作っているので、エプロンがないとやはり物足りなく感じます。
べち子の膝の関節は独特な造りで目立つから、膝を隠す為にドロワーズも作りました。
ミニチュアのお裁縫道具セットのバスケットも用意しましたが、…そうだ、このべち子は股関節が壊れていて曲がらず、座らせる事すら出来ないから、このバスケットを抱えさせる事も出来ないんだった!と後から気付きました。
それでも、どうしてもべち子に裁縫道具を持っているようにポースを取らせたくて、強引に工夫してみました。
糸巻きは画鋲のピンを抜き取った物に糸を巻き付け、その画鋲のピンにビーズを貼り付け、針山として丸い包みボタンに差しています。このドールのサイズの待ち針にしては、まるで千枚通しのような太さですけど。
このべち子の股関節を動くように修理出来ないものかと検索しましたが、70年以上経っている製品なので、素材自体が劣化して脆く、返って修理時に破損する可能性が高いと出て来て、ひえ~絶対私には無理‼と諦めました。
しかし現在のドールに比べると、その割には目立って変色もせず、良く素材がここまで保たれているとは思います。今のプラスティック製品なら、寿命は1~2年以内も珍しくありませんから。
ビンテージのべち子をイギリスで見掛けたのは、後にも先にもこれ切りだったので、お迎えして良かったと思います。その後トナー社の黒髪べち子もお迎えしましたが、やはりビンテージならではの独特な雰囲気とは違って見えます。
股関節は曲がらないし、髪型は変にクセが付いて直らないし、手描きの下睫毛が長過ぎておばーちゃんの皺のようにも見えますが、このビンテージのべち子のノスタルジックな愛らしさは無双です。