2024/02/29

パディントン・ベアのギフトバッグ・セット

 

日本でちょっとしたお裾分けやカジュアルな贈り物を渡す時に使う、ギフトバッグやぽち袋と言った柄付きの紙、またはビニールの袋(セット)が、イギリスには存在しません。そもそも文具の文化がまるで発達しておらず、種類も魅力も乏しい国なのですが、例外的に子供の誕生会に招待したお友達へのお返し&お土産用のギフトバッグ・セットなら、パーティー用品売り場で必ず売られています。当然子供向けのデザインで、男児用なら主にヒーロー物、女児用ならプリンセス柄とかばかりで、大人が使っても可笑しくないような気の利いた物は滅多にありません。

しかし、この山小屋風チャリティショップで出会ったパディントン・ベアのギフトバッグ・セットは、元はそんな子供の誕生会向けなのにも関わらず、中々可愛いと思いました。

サイズは、ハンドルを除くと葉書位。マチはたっぷり目で、4㎝位あります。紙袋、タグ、麻紐が8個ずつセットになっています。紙袋のデザインは、両面同じ。タグのみにパディントンが描かれ、裏面は宛名を書き込むスペースになっています。パッケージにバーコードが印刷されている中国製で、ビンテージと呼ぶ程は古くない、とは言え最近の物でもない中途半端な古さです。

正直言って造りも紙質も、凄く雑で粗末です。しかし、紙袋をパディントンのトランクに見立て、荷札風のタグで封をする仕組みは可愛いと思います。何より、デザインにパディントンを使用しているのが稀! 

本国イギリスでさえ、パディントンのキャラクター・グッズなんて子供用、しかも乳幼児用、または外国人観光客が多い場所の土産物店位でしか見掛けません。男児&男性用はマーベルや映画のアメキャラか日本のゲーム、アニメ柄、女児&女性用はディズニーの姫柄の商品が溢れ、パディントンとかピーター・ラビットとか、もっとイギリス独自のキャラクターを活用しろよ…と常々思います。

モデルを務めるパディントン君の縫いぐるみと言うか人形は、ちょっと古い韓国製。今巷で出回っている中国製より、遥かに良く出来た造りです。その内、ドールと共演させようと買いました。

 

 

 


2024/02/27

ツイードの見本生地

 

秋頃に山小屋風チャリティショップで、こんな端布の詰め合わせを買いました。全部で10枚入っていて、1パック50ペンスだったと記憶しています。

どれも一枚B6用紙程度の大きさで、羊毛製の粗織りの生地です。端にはファイリングしたような穴が大抵二個開いており、恐らく元はツイードの生地見本帳に挟まっていたのであろうと思われます。

ツイードは元々スコットランドが発祥で、かつてはボーダー地方のツイード川流域で盛んに製造されていたそうです。

今でもスコットランドにはツイードのチェーン店があり、お土産に良さそうな小物も売っているようですが、2年前のスコットランド旅行の際は、生憎立ち寄る時間は全くありませんでした。

日本人がツイードと聞いて真っ先に想像するトラッドでシックな生地だけではなく、かなり華やかで大胆なデザインも混じっています。

勿論、ドール服に利用出来るかもと思い買いました。多くは1/6ドールには生地が厚過ぎ、模様が大き過ぎ、織りが粗過ぎで、例えそうじゃなくとも厚みと面積的に複雑な物は作れそうもありませんが、ショールかケープ、ミニのタイトかラップ・スカート位なら何とかなりそう。

で、作ってみました。シンプルですが、こう言うアイテムはドールのコーデに何かと役に立ちます。織り地は本格的だから、見た目は良さそうです。

これらの生地の中では比較的薄手だったので、裏地を付けていますが、もっと厚いツィードなら、バイアス・テープでパイピングした方が賢明だと思います。織った後に水通しでもしてあるのか、目が粗いのに意外と解れ易くはありませんでした。ショールかケープとスカートを揃いで作るのには、一枚の布の面積が足りません。

このリカちゃんは、姪から譲り受けたキャッスル製お人形教室のリカちゃんの内の一体です。私の好きな茶色い瞳のリカちゃんで、元々甘い幼目のお顔をしていましたが、髪質が結構傷んでいました。それにテイストが、既に持っているキャッスル製お人形教室の金髪+細い三つ編みリカちゃんと、結構被っていました。

そこで三つ編みパーマをしてから、長さをカットしました。PWのCCS 23AW momokoみたいな髪型を目指したので、細かくきつ目に頭頂部まで三つ編みしました。

前髪もカットし(オンザ眉毛好き)、ついでにマットだった唇もりぺし、少しアイシャドーを入れて、我ながら凄く好みのリカちゃんになりました。狙ってそう作った訳ではありませんが、耳脇の髪をかき上げて耳出しになっている所も気に入っています。

髪のちりちりは直りませんが、その内CCS 23AW momokoに倣ってボブにするするつもりです。まあカットはいつでも出来ますが、何せ人間と違って一度切ると生えて来ませんので、しばらくこの長さで遊ぼうと思います。

ボーダー・シャツ+チュール・レースのスカート+エンジニア・ブーツは、ドールにさせるのは大好きなスタイルで、ついつい選んでしまいます。

 


2024/02/25

肉だけハンバーグ!

予め、本当に我ながら美味しいのですが、写真の方はてんで不味そうに見えるのをお許し下さい。子供の頃から、ハンバーグは自分で作っていました。合挽肉と牛乳に浸したパン(orパン粉)と炒めた玉ネギと卵を混ぜる、日本で御馴染みのレシピのヤツです。イギリスで暮らし始めてからも、P太が希望するのでハンバーグは良く作ります。イギリスで合挽は売っていないので、肉はビーフだけです。ところが、これが何度作っても日本のより明らかに不味かったのです。つなぎの量を調節したり、イギリスの不味い食パンからフランスやイタリアのパンに換えたりしましたが(これは多少効果あり)、やはり肉自体がぱさぱさゴワゴワ硬くて不味い。スーパーマーケットのパック売りとは言え、一応最も高品質の牛挽肉を使っているはずなのに何故?? …とある日、脂肪分の少な過ぎる牛挽肉を使っているせいだと気付きました。イギリスでは牛挽肉は、脂肪分5%、15%、20%、もっと脂肪が多いお徳用(多分50%近く。色が限りなく白っぽい)と売られていて、今まで健康の為に脂肪分5%のを使っていました。

しかし牛肉にとっては、霜降り肉が有難られるように、脂肪分も旨味の大事な要素です。それで15%の牛挽肉に換えてハンバーグを作った所、たちまち問題が解決されました。

更に、肉を食べるのに余り熱心でない私ですが、ハンバーグに限って言えば、つなぎ無しのほぼ肉だけ!が一番美味しいと言う結論に至りました。そりゃ贅沢かも知れませんけど、ステーキを食べるよりは経済的ですし、ステーキより失敗が少ないとは思っています。ステーキの美味しさは肉そのものの質に大きく左右され、また焼くタイミングだけでなく食べるタイミングも重要です。日本で一時「経済的だがステーキの気分は味わえる」と少し話題になった「ぱっかんステーキ」、要はアレを丸めたような物だと思って下さい。安いステーキとして食べるよりは、少し贅沢なハンバーグとして食べる方が、私としては美味しい気がします。

 

材料のだいたいの目安です。ハンバーグ4個分

牛挽肉、または合挽肉:400500

卵:一個

トマトピューレ、またはケチャップ:大さじ2程度

顆粒コンソメ:大さじ1程度

赤ワイン:大さじ13

片栗粉:大さじ2程度

胡椒、ナツメグ、パプリカ・パウダー:好きなだけ

 

肉自体にしっかり味付けした方が美味しいと思います。片栗粉以外の材料を、良く混ぜます。ナツメグは絶対お勧め。おろしニンニク、細かく刻んだチャイブやイタリアン・パセリ等のハーブを混ぜる事もあります。上の写真は牛挽肉750gを使っていますので、卵二個を入れています。ハンバーグ7個分にしました。

赤ワインを混ぜると、牛肉の風味各段増し、レストラン・クラスのハンバーグになります。赤ワインが無い時は、私はこんな秘密兵器を使います。ジェリー・タイプの赤ワイン味スープ・ストックで、少々のぬるま湯で溶き、冷ましてから肉種に混ぜます。

玉ネギのシャキシャキした食感を楽しみたいと、生の玉ネギみじん切りを混ぜる人がいますが、私は生や生っぽい玉ネギが嫌いで持っての他。レンチンして透明になったみじん切り玉ネギを、冷ましてから混ぜる事はあります。しかし、予め飴色に炒めておいたスライス玉ネギを、食べる直前に焼いたハンバーグの上に乗せる方が好みです。

材料が良く混ざったところで、片栗粉を混ぜ更に捏ねます。イギリスでは、コーン・スターチを使っています。デンプンを混ぜる事に寄り、焼いても肉汁が逃げるのを防ぎ、中がふっくら滑らかジューシーになります。

このハンバーグは焼くと面積は縮んで高さは膨らむ為、もっと平べったく形成するべきでした。バンズに挟むのなら尚更です。いつも多目に焼き、残りは冷凍保存して昼食やお弁当等に利用します。

イギリスでは、ハンバーグは「burger バーガー」と呼ばれ、つまりハンバーガーの略で、必ずバンズに挟まった状態で提供されます。ファーストフードとしてだけでなく、パブ等でもきちんとした食事として食べられます。そう言う場所のハンバーガーは、パテ(ハンバーグ自体の事)は美味しくとも、ちょっと前まではバンズが悲しい程不味いイギリスのパンでした。しかし今は、バンズにブリオッシュやチアバッタと言った外国のパンを使用するようになった為、飛躍的に美味しくなりました。

我々も、この日は薄いサンドウィッチ用のパン(トーストするとカリカリでほぼピザ生地のよう)に挟んでバーガーにしました。ハンバーグの上には、フライパンに残った肉汁に、予め炒めておいたマッシュルームと、ブイヨンで溶いたトマトピューレを混ぜて煮詰めたソースを乗せています。この日の付け合わせは、ステム・ブロッコリー(スティック・セニョール)とクミン・シード入りのキャロット・ラぺ。この時は正直ソースが緩過ぎ、手掴みではなくナイフとフォークで食べました。

一方この日の付け合わせは、シーザーズ・サラダ擬きとサツマイモを焼いた物。

パン無しでソースだけ+チップス添えの場合もありますし、照り焼きソースと目玉焼き乗っけで御飯と一緒に和風で頂く事もあります。良くインスタで「夫、大絶賛!」と言うレシピの動画を見掛けますが、正直「見ず知らずの君の夫が絶賛でもねえ」とか冷めた目で見ていました。しかしこれは本当にP太が「レストラン・クラス~」と大絶賛で、まあこれだけ肉を使っていれば当たり前かとも思います。

 

 

 




2024/02/24

激怒する白鳥を激写

 

良く散歩に行く近所のヴィクトリア時代のお屋敷跡の庭園だった湖()で、番の白鳥を見掛けるようになりました。

以前この湖では、一羽だけ白鳥の若鳥を見掛けましたが、いつの間にか姿を消しました。もしかしたら、その若鳥が伴侶を連れて戻って来たのかも知れません。

この白鳥は、コブハクチョウと呼ばれる種類で、ヨーロッパの鳥の中では最大です。冬にシベリアから日本に飛来する、オオハクチョウよりも大きいそうです。そして、冬だけではなく通年この国で見掛けます。

英語名は「Mute swan 無声白鳥」で、鳴き声を滅多に出さない為に付いた名前だと思います。


そんな白鳥の番が、のんびり湖畔を散歩していましたが、一羽が湖に戻って行った直後、残された片方がいきなり羽を広げました。

散歩中の中型犬(リードを付けていない)が、突然白鳥目掛けて駆け寄って来たからです。恐らく若い無邪気なワンコで、「わーい大きい鳥さん♪ 遊ぼーよ」と興味津々で近付いたのだと思います。

陸地で白鳥が怒って羽を広げるなんて初めて見たものだから、こちらも驚きました。顔も、平常と違って明らかに怒っています。

羽を広げるとデカさ倍増で迫力だし、猫みたいに「シャーーーッ!!」と怒鳴るんだあと意外でした。犬の方も、威嚇されてスゴスゴ引き下がったから良かったものの、白鳥は優雅な見た目とは裏腹に凶暴だし強力だから、人間の骨位は折ります。もし戦ったら、明らかに犬に勝ち目はなかったと思います。皆様も、イギリスではむやみに白鳥に近付いたりしないようお気を付け下さい。

日本より遥かに動物に対して寛大なイギリスとは言え、いくらリード着用必須の注意書きが掲げられていても、リード無しで犬を散歩させる身勝手な飼い主が多いのも事実です。ここではこの後すぐに様々な水鳥の雛でいっぱいになるのだから、配慮して欲しい物です。