2022/11/02

お顔の良いマトリョーシカ

 

フリーマーケットで、中々好みのマトリョーシカに出会いました。実際にソヴィエト時代製かは分かりませんが、典型的なソ連タイプではあります。赤、黄色、黒を基調とした彩色に、胴部には大胆な花柄が施され、頭部には不思議な渦巻き模様がスタンプされています。

身長約15cmと割と大きなサイズで、定番のマトより心持ち太めの体型に見えます。

気に入った点は、ソ連タイプの素朴系だからと言うだけでなく、お顔が少しだけ典型と違っているし可愛いからです。決して巧みな絵付けではありませんが、睫毛の長いぱっちりした円らな瞳は憂いを秘め、媚びた笑顔でもないのに性格と品の良さげな愛らしさがあります。黒い髪の毛が真ん中分けではなく、斜め分けな点も変わっています。

中に入っているマトは6つで、全部で7個セットです。彩色やニスが剥げていたり、本体が大きくひび割れていたりと、全体的に状態は余り良くありませんが、全ての人形が揃っています。

一番外側の大きな人形はちょっと目を引く顔をしているのに、中の他の人形の顔は、拍子抜けする程スタンダードな特徴のない絵付けをされています。

フリマやチャリティショップで見掛けるマトリョーシカは、今やペレストロイカ以降の華やかな彩色のケバ系が主流で、しかもコレクターが多いアイテムと知られているから、値段も3ポンド以上と結構高目に設定されています。こんな地味なソ連タイプは、今後益々貴重になって行く物と思われます。


0 件のコメント: