昨年の今頃、アニメ「進撃の巨人」が完結しました。既に原作漫画は読んでいたから物語の結末は知っているし、番組の時間的にもたっぷり取られているので、アニメで酷く改変される事もなく安心して見られるだろう…位に期待して最終回を見ました。が、予想を大きく上回る良い出来で、思いがけず漫画終了時以上にしばらく進撃ロスに陥ってしまいました。原作から大筋は変えられていないものの、作者自らシナリオを書き換え、寄り納得出来る結末に改変されているのです。主人公のエレンが告白する「オレのようなありふれた馬鹿が巨大な力を持ったから、こんな惨劇が起こってしまった」みたいな意味の台詞は、思わず膝を叩きたくなる絶大な説得力。何より現在の実世界の様々な惨事の根本にも共通していて、物凄~く考えさせられます。
そして、アニメ開始当初からテーマ・ソングを手掛けて来たLinked Horizonのエンディング・ロールの曲は、エレンとミカサのデュエットで始まると言う、ファンにとってこれ以上ない反則級の演出。配信用に前後編を25分程度に分けた構成バージョンにも、それとは別のリンホラのOPとヒグチアイのEDが付いていて、こちらも限定版には勿体ない程の出来の良さなのです。「最後のテーマ・ソングはまたリンホラにして欲しい」とのファンの声は良く聞いていましたが、正直激変した今の進撃の世界感には、最早リンホラは合わないんじゃないかなーと思っていました。しかし流石Revoさん、ちゃんとバッチリ合うのを作って来た~!! 映像も、ぴったり合っていて見事。一方EDの方は、シンプルで童話的な映像にアレンジされていて、このまま「みんなのうた」で流して欲しい雰囲気です(NHKだし)。二番が更にエモいので、是非フル・バージョンで聞いて欲しい歌です。
今までアニメって原作絵が動いて喋る位にしか認識していなかったのに、声優の演技、効果音、BGM含む音楽の威力に改めて感服した次第です。元々ミカサ役の声優さんは原作者も絶賛でしたが、後半にミカサが余りにも雄々しく成長すると、正直石川由衣さんの声が余り合わないように聞こえて来ました。しかし、この木の下のラストシーンでは、秀悦なアニオリの演出も加わり、ミカサの演技は最高の出来でした。
そんなラストのミカサを、東洋人バービーをカスタムして再現してみようと思いました。この頃にはミカサは少女ではなく20代の大人の女性なので、バービーでも表現出来るかもと思ったのです。このヘッドは、前に一度リペした事のある最も安価なファッショニスタの和顔バービーで、再度顔を消してリペしています。フェイス・プリントを取り去ると、このヘッドのモルドは、バービーとしては一番整っているのではと思える程優秀な造形です。
ただし、あくまで目口等は型押し通りにリペしなくてはならない為、アニメや漫画の顔そのままと言う訳にはやはり行きません。唇も、全く彩色無しと言うのは変です。ミカサにしては口が大きく仕上がり、実写版(今だ見た事はない!)の水原希子を思い出させます。初期の巨人化で暴走したエレンに付けられた頬の傷も、描き加えています。
漫画やアニメのキャラでは先の尖った毛束が定番ですが、これをドールで実現するとなると相当厄介です。そもそも、訓練兵に入団時、エレンから立体機動装置使用時の支障になると言われ、ミカサはジャンに褒められた直後の黒髪をあっさり切りましたが(それ故にエレンはジャンから一層嫉妬される)、何故前髪は切らんかったとモヤモヤしました。この前髪こそ邪魔過ぎて、視界を遮って戦闘に不向きなんじゃあといつも気になっていました。
東洋人バービー用のMTM(通称ヨガ・バービーと呼ばれる可動式)ボディも、わざわざこの為にアマゾンで購入しました。出来れば中古で安く入手したかったのですが、一般のバービーのMTMボディさえ中々手に入らず、まして東洋人バービーの肌色に合うMTMボディは、この先も出会わないだろうと思ったからです。
MTMボディじゃなきゃあかんと思ったのは、エレンとの想い出が深い、彼の遺体(の一部)が眠る木の下に座るシーンを再現したかったせいですが、実際には膝を折り曲げて座らせるのは安定が悪くて苦戦しました。そして結局、「あの木」等の背景に使えるミニチュアはほとんど用意出来ず。墓代わりは、庭にある石で誤魔化しましたけど。
二次元の服装を立体化するのもやはり大変で、この基本中の基本のような白シャツでさえ、バービーのMTMボディに合う型紙の持ち合わせはなく、自分で寸法して作成しても中々上手く行かずトホホでした。
進撃の女性キャラの私服は、ロング丈タイト・ラインの細かいプリーツ・スカートが多く、実際質素な服装と言う設定なんでしょうけど、天然素材の無地の布で作ると、例え苦労してプリーツを畳んでも、ドール用にはどうも貧乏臭くて地味過ぎになりそうでした。そこでチュールのスカートにした為、妙に今時っぽい恰好になりました(笑)。このプリーツ付きチュール・スカートは、百均屋の多分日焼け防止用のアームカバーを利用しています。スカートの下には、脚を曲げ易いようにスリット入りのライナーを付けました。
作品中のこのシーンのミカサは、本当はスリッポンのようなローカットの靴を履いています。しかし服装的にもバランスが良く、立たせ易いと言うだけの理由で、勝手に編み上げブーツに変更しています。
丁度今、完結編の映画も三週間限定で公開されていて、ニューヨークではミュージカルも上演されていて、海外向けアニメ配信サイトCrunchyrollでは常に人気上位に君臨し、進撃の人気は衰える気配がありません。間違いなく原作漫画としてもアニメとしても傑作の一つに数えられる作品で、ファンを続けて来た事を誇らしく思う程です。
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