2024/10/23

ポーランドの民族衣装の木製人形

今年の三月に訪れたアーディングリーのアンティーク・フェアでは、間近に迫る私の誕生日用に、P太からプレゼントを買って上げると言われていました。メインのプレゼントは未だ何にするか決めていませんでしたので、それとは別に誕生日に何かプレゼントをしたいと言われていたのです。それで一通りフェアの会場を見渡して、最終的に買って貰う事に決めたのが、このポーランドの民族衣装の木製人形です。

195060年代にポーランドで製造されたらしい、英語では俗にPolish wooden peg dolls」と呼ばれる木製人形は、現在中々人気のコレクタブルズとなっています。私もフリマやチャリティショップで安いのを見掛ける度に購入し、アンティーク・モール等で結構高く売られているのを見掛けても、つい気になってチェックします。この人形は前回(11)のアンティーク・フェアでも目撃し、この手の人形のポーランドの民族衣装の中では未だ見た事のないタイプで、状態も良いので惹かれていました。ポーランドの代表的な女性の民族衣装としては、良く中部のŁowicz ウォヴィチの衣装が紹介されますが、これは北東部の衣装のようです。

スカートとエプロンは、同じ厚手の味のある織り生地。スカートの中には、白いドロワーズを履いています。この手の人形の靴は、白ソックスに赤い靴が本体に直接ペイントされているのが多いのですが、これは黒い編み上げブーツになっています。

ひょうきんと言うか小ズルそうと言うか、何とも愛嬌のある表情をしています。長いプラチナ・ブロンドの髪は、三つ編みにされています。首には、ビーズのネックレスまで着けている細かさ。

頭には、鳥の羽とレトロ可愛い造花で飾られた筒状の黒い帽子を被っています。

この黒い帽子の背後からは、カラフルな長いリボンが何本か垂れ下がっています。

リボンの一本は穴だらけなのが唯一残念ですが、これは化繊地なので虫食いではなく、タバコ等の火の子が飛び付いて溶けた痕のようです。

何より注目すべきは、オリジナルのタグが残ったままだと言う事。これでどの場所のどの工場で製造されていたかも分かるので(今は存在しないだろうけど…)、中々貴重な存在です。 

wooden pegとは木製の洗濯ばさみの事で、peg dollは原始的な木製人形、つまり木偶と言えます。しかしこのポーランド人形は、こんな素朴な造りながら、手足の付け根の関節が動く点は優秀で、手を上げたり座らせたりする事が出来ます。また、自力で立たせる事も可能です。

頭は、元から少し横(向かって右)向き。手足は回るのに首は回らない仕組みで、ずっとこの横向きのままです。

今改めて見ても、やはり買って貰ってかなり嬉しい人形です。なのに、昨年の12月頃から帰国までの3月の記憶がすっかり抜け落ちてしまい、この人形も同じ日のアンティーク・フェアで自分用に買ったルーサイトのインタリオのブローチも、イギリスに戻るまで全く憶えていませんでした。




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