貴重な古代ローマ時代の古墳群を見る為に昨年夫婦で訪れたケンブリッジシャーのBartlow バートロウ村には、もう一つ訪れる目的がありました。この村の教区教会が、小さい古い教会マニアにとってはかなり魅力的なのです。
多くの教会は、主に鐘楼としての塔を持っています。イギリスのノルマン様式の教会は大抵四角柱の塔、ゴシック様式は尖塔ですが、この教会の塔は円柱形なのがまず目を引きます。
ドイツやバイキングの文化の影響を受けていると言われる円柱搭を持つ教会は、イギリスには数える程度しか残っておらず、その多くはノーフォーク州とサフォーク州に集中しているそうです。ケンブリッジシャー州に残るのは二つだけで、その内の一つがこれと言う訳。
この教会は、正式名をChurch of St Mary, Bartlow バートロウの聖マリア教会と言います。11世紀にクヌート王に寄って建てられたとの伝承を持ちますが、現在の建物の大部分は14世紀築。
15世紀の壁画が残っているのも、この教会の魅力です。
壁画は、三つの主題に分かれて描かれています。まずは、魂の秤量をする大天使ミカエルの図。つまり地獄行きかどうかを、魂の重さで計って審判しているのです。
こちらは、幼子イエスを肩に乗せて激流を渡ったと伝えられるセイント・クリストファー(聖クリストフォロス)。それ故、子供の守護聖人的に親しまれています。この絵は、全体がはっきりと残っています。
最後は、竜と戦うセイント・ジョージ(聖ゲオルギオス)。聖ジョージはイングランドの守護聖人なので、イギリスでは良く目にするお馴染みのモチーフですが、生憎ほとんど竜しか残って見えません。これのみは南からの日差しが当たる北壁に描かれている為、日に焼けて退色したのかも。
イギリスの教会のステンドグラスは、多くが19世紀に修復、または新しいデザインに交換されました。この祭壇のステンド・グラスは図案が美しく、確かに19世紀作の物に見えます。
一方この教会の他の窓は、単なる無色透明ガラスに交換されているように一瞬見えます。
が、実は最上部のガラスは、古い(多分中世の)ステンド・グラスが再利用されています。古い小さな教会で、つい見逃し勝ちな部分です。
毛むくじゃらの怪物のような顔が混じっていますが、もしかしたらライオンのつもりかも知れません。
外壁にも、気持ち悪いガーゴイルが幾つかあって好み。 しかし、少なくとも人間には見える造形なので、比較的新しい時代の制作だとは思います。
墓ウォッチングもしましたが、このエンパイヤ・ステート・ビルのような、アール・デコ調の金属製の墓標が一番独特で目を引きました。
「何故この十字架には米国ドルマークが付いているの~?」とP太も疑問に思いましたが、実はドルマークと違いSの字に掛かる線は三本。同じマークを教会内部でも見掛けたので、もしかしてこう言う家紋だったりするんだろか??
確かに、私にとっては十分興味深く見応えのある教会でした。とは言え、正直この教会を訪れる為だけにこの村へ来るのは、我が家からの距離的に贅沢過ぎます。しかし偶然P太の買い物のついでで、貴重な古代遺跡も同時に見学出来るとあって、こうして訪れる事が出来たのだからラッキーでした。
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