昨年、イギリスの秋には珍しく二日連続で天気が良いと予報された時があり、当日が近付きいよいよ現実味が出て来たので(※イギリスの天気予報はコロコロ変わって信用出来ない)、泊まり掛けで旅行に出よう!とP太が突如言い出しました。こう言う突然の提案でもすぐに対応出来るよう、この季節の一泊ならここ、この時期の二泊ならこっち方面と、常に旅行の大まかなプランを立ててストックしていますが、…流石に前日の夜に言われるのはキツイわい。
一応主婦の端くれとして、この日までにこの食材は使い切らなければならないとか、食料を無駄にしない献立の計画等も立てていたりするのですから。少なくとも今は宿の予約はしてから出掛けるのが昔よりはマシなものの、…で、今回ネットで宿を探して予約を入れたのは前日の午前0時近く(苦笑)でした。
この時期の一泊旅行の行先には、迷う事無くウィルトシャーとドーセットとサマーセットの州境辺りを提案しました。我が家から日帰りでも行けない距離ではありませんが、色々見て回るのには一泊は必要だったのです。そして、秋ならではの目的もありました。サクソン時代の王国の一つWessex ウェセックスが治めていた地域なので、今回の記事は「ウェセックスの旅」と題します。ウェセックスは西サクソンの意味で、東北地方を今だ「みちのく」や「奥州」と呼ぶ事があるように、今でも度々使われる単語です。
この方面へ行くには高速道路クラスの早い道路が全くなく、所々一車線になった国道クラスA303号線を通り時間が掛かりますが、この道にはちょっとした楽しみがあります。ソールズベリーの北辺りで、車内からでも世界遺産ストーンヘンジを眺める事が出来るからです。その他にも、この周辺は古代遺跡の宝庫となっています。
最初の目的地は、Dorset ドーセット州の北東端のShaftesbury シャフツベリーと言う町でした。丘の上の歴史の古い町で、一度だけ夜間に車で通過した事はあり、街並みが素敵で一度訪れてみたいと思っていました。
其処で真っ先に目指したのは、Park Walkと呼ばれる展望台になった公園。
シャフツベリーは高台に立つ町で、南側はほぼ崖のように切り立っており、見晴らしが抜群になっています。
そのPark Waikのすぐ北側には、かつての修道院が在り、今は博物館と庭園として一般公開されています。夏期以外は週末のみオープンしていて、生憎入れませんでした。
11世紀にイングランド王、ノルウェー王も兼ねていたデンマークのクヌート王(「ヴィンランド・サガ」に登場する超美形の王様のモデル。CV:小野賢章)は、この修道院で亡くなったそうです。
到着した時は雲が多めでしたが、雲の隙間から差し込む太陽の光線、いわゆる「Jacob’s
Ladder ヤコブの梯子」が一つの丘だけを照らして、まるで有難い何かが降臨して来そうな神々しい眺め。
その内、晴れて来ました。この町の南側には、美しいドーセットの丘陵地帯が広がっています。
この丘陵地帯には、鉄器時代のヒルフォ―ト(丘砦)も点在しています。ドーセットには英国最大のMaiden Castleを始め、歴史的に貴重で見応えのある要塞遺跡が多く、以前NT(ナショナルトラスト)の雑誌で特集が組まれていました。
こちらは、南東のMelbury Downsと呼ばれる方面。Zig Zag Hillと言う九十九折りの坂が在り、バイクや車の飛ばし屋にとっては絶好のスポットになっているようです。
南西の麓には、教会の塔が見えます。通りの名にもなっている、St.James Churchです。
町の横たわる丘の西端には城跡(本当に土地だけ。廃墟すら無し)も在り、夕陽を眺めるのに格好の場所だそうです。
本当にいつまで眺めても飽きない風景ですが、続いて町の中を散策します。
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