2025/11/18

ウェセックスの旅 シャフツベリーの「黄金坂」

 

昨年の秋に訪れたドーセット州のShaftesbury シャフツベリーで、続いて前から来てみたいと思っていたGold Hill ゴールド・ヒルを訪れました。 

場所は、町の中心部に面する町役場と14世紀築のセント・ピーター教会の丁度裏(南)側。

少しわくわくするような、階段のある細い小路を通って行きます。

また、町役場の西脇の更に細い急な小路を通って行く事も出来ます。

この通りはシャフツベリーのシンボルで、また「英国で最もロマンティックな景色」として全国的にも有名です。Hillと言う単語は、丘だけでなく坂道をも意味します。すなわち、ここは黄金坂。

中高年以上のイギリス人なら、この景色を見ると自動的にドヴォルザークの「遠き山に日は落ちて(新世界より)」が脳内再生されるそうです。 

何故なら、イギリスでは知らない人の居ないパン・メーカーHovisのテレビCMが、かつてここで撮影されて長らく放送され、ブラスバンド演奏の「遠き山に~」のBGMと共に頭に焼き付いているからだとか。

…と思ったら、Hovisの巨大食パンの張りぼてが、丘の頂上に設置されていました。 

この食パンは、イギリスらしく募金箱になっています。募金は、坂の景観保存に利用されるそうです。

坂の上には、小規模ですがアンティーク・ショップも在ります。

こちらの特注ベンチは、脚の高さが坂の勾配に合わせてあります。 

実は坂の丁度真ん中辺りの家が修理中で足場が掛かっていて、出来るだけそれを避けて撮影している為、絵葉書のような眺めにはなりませんでした。更に、アジア人の二人の若い女性観光客が、しばらく通りのド真ん中でお互いを撮影し捲っていて、邪魔だ~早く去って~と夫婦揃って心の中で叫んでいました。

多分勾配は30度以上の物凄く急な坂な上、昔ながらのボコボコした石畳で、更に苔むしている事からしょっちゅう湿って滑り易い訳で、天気が悪ければ恐らく歩くのは命懸けな程です。 

こんなに急では車も登れないだろうと思いきや、案の定車の通行は坂の途中までで、坂の上半分は車立ち入り禁止になっています。 

この通りに並ぶ家は、確かにどれも良く手入れされています。幾つかは、18世紀以前の建物だそうです。  

しかし夏期には観光客でごった返してうるさいだろうし、前庭スペースは皆無な上に車では近付けないし、雰囲気は抜群に見えても住むのにはそれなりに覚悟が要りそう。 

こちらは、坂の一番下の家。坂の終わりは、Layton Laneや St James Streetと呼ばれる通りに繋がります。

逆光で見辛いのですが、家並みの反対側は崖で、市外壁に名残りのような厳つい石垣になっています。

坂はほぼ南北に延び、家並みは東側のみに連なっています。なので、撮影するには西日が家並みを照らす夕暮れ時がベスト。この為にも、この町には一泊旅行で訪れて、遅くまで滞在したいと思っていました。




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