昨年の今の季節、夫婦でエセックス州の古い市場町Thaxted サクステッドを訪れた後は、この日の目的はエセックスの田舎を楽しむ事だったので、やはり昔ながらの家並みを残す雰囲気の良い村と言われている、その近くのFinchingfield フィンチングフィールドを訪れました。
イギリスに良くある、村の中心に広々とした緑地(イベント会場やクリケット場になっている場合が多い)が設けられた村ですが、其処に車で入って来て少しギョッとしました。凄いオートバイ&ライダーの数!
この日は丁度何かバイクの集会でも開催されているのかと思いきや、それらしきサインも全く見当たらず、単にバイカーにとって人気の場所なのだと思います。
しかし、もし毎週末この状態だとしたら、住民は嫌でしょうね。村の規模を考えたら、完全に「オーバー・ツーリズム」です。しかもバイク野郎は大抵騒音が大きければ大きい程カッコイイと思っていますし、排ガスも臭いと来たもんだ。(…しかしヴェスパは好き)
自動車も多く停まっていますが、住民の自家用車も多いようです。 どちらにせよ、イギリスでは当たり前の、歴史的な街の中心部でも路上駐車が許されていたり、景観の要のド真ん中に駐車場が設けられている光景は、ドイツを始め中欧の人にとっては驚きなのだそうです。イギリスは伝統的に景観保護の進んだ国なのに、そう言う部分は全く気にしないのが意外です。
ここは観光に人気の村なのは確かなようで、規模の割に飲食店が多くありました。丘に囲まれた立地で、一番高い場所に教会が立ち、古風な風車も見え、一番低い場所には中心の緑地と小川が流れ込む池があり、レンガ造りの橋が架かっている所も絵になります。
また、この村にも15世紀築の木組みのギルドホールが残り、外壁はやはりパージェティング。生憎公道に面した側は、逆光で装飾が良く見えません。
ギルドホールの入り口は、こんな建物の下を潜った反対側にあります。
反対側は陽当たりが良く、パージェティングが良く観察出来ます。やたら横に長い建物で、かつては教会付属の男子学校も兼ねていたそうです。
ギルドホールの内部は、博物館として一般公開されています。小規模ですが、村の歴史や昔の暮らしの様子が、デジタル資料をふんだんに使用して詳しく説明されています。
サンプラーの制作は、 ヴィクトリア時代の10,11歳頃の女児にとって、刺繍の技術と文字の読み書きを習う重要な学習教材だったとか。
この地は古代から居住区となっていたようで、出土品も色々と展示されています。
この丸い石は、村の民家の庭から出土した古代ローマ時代の石臼。これを発見した時は、きっと砲弾だと思って焦ったでしょうね。直径は25㎝位で、差し込んだ木の棒(復元品)をガチャガチャ回して穀物を粉にします。
こんな麦藁細工が、かつてはここの伝統工芸だったそうです。やはりイギリスにも昔は存在したんだな、フォークロアってやつが。
この村には、「101匹わんちゃん」の作者で女優、実業家、劇作家でもあったDodie Smithドディー・スミスが住んでいた事があるそうです。
ギルドホールの二階は図書館や集会場になっていて、こんな半端なく古い建物なのに、エレベーターもあり非常にモダンに改装されているのが印象的でした。
ギルドホールの直ぐ裏には、教区教会と墓地があります。搭の段が、微妙にズレているのが気になる。
正式名は「St John the Baptist Church 洗礼者聖ヨハネ教会」と言い、12世紀に建立されました。搭や身廊には、ほぼ築造時のままの部分が残っています。
西側玄関のアーチが典型的な「ノルマン・ジグザグ」で、ノルマン様式の教会の特徴を良く伝えています。
サクステッド教会程は多くはありませんが、外壁には好物の、造形が原始的過ぎてキモ怖面白い中世の石像が幾つか見られます。
塔のかなり高い部分にあったので、肉眼では確認出来ませんでしたが、写真で拡大してみて初めて知った事には、鼻の穴の余りのデカさに驚愕(爆)。
やはり裕福な地域だったらしく、村の規模にしては立派な教会です。
内部には、例の麦藁細工の大作が飾られていました。
これは16世紀の貴族の夫婦の墓所で、パーベック産大理石の棺の蓋に嵌め込まれた銅板墓標の像は、当時の服装の貴重な資料となっているそうです。面白い事に、1.5ポンドを払うとこの銅板墓標を擦る事が出来ます。何故わざわざ有料なのか、そんなに摩りたい人が存在するのか、もしかしたら日本の撫で牛のように御利益があると信じられているのかは謎ですが、無暗に触らせないで劣化を防ぐ策である事は確かだと思います。 この墓所は先に妻が亡くなった際に設けられ、後に夫が亡くなると一緒に納められるはずでしたが、その後夫は再婚した為、片側が実際に埋まる事は決してなかったと記されています。
昔は日本でも夫婦一組が墓石の単位だった場合が多く、うちの先祖の墓地には、夫と前妻&後妻の三人分の戒名が一つの墓石に記されているのが幾つかあり、それも何だかなぁと子供心にも思いながら眺めていました。
内部にも、キモ怖面白い彫像が幾つか見られました。 単なる装飾ではなく、あくまでアーチの梁を支えるブラケットとして機能しているようです。
教会に置かれた説明書には、更にキモ怖面白い彫像の見所が記されているんですけど、場所は明記されておらず(自分で探せと)、多くは小さいので見付けるのが大変です。
このイラストからして、味が滲み出ています。左下は、犬が犬を抱えている所ではなく、司祭がブタを抱えている様子と説明されています。誤解を招く表現なのは、実際にそのように作られているからか、絵のレベルなのかは、実物を発見出来なかったの為に分かりません。
念の為、私が掲載しないだけで、やはり何処の教会にも、心が洗われるような神々しい美しさの装飾も、ちゃんとあるんですよ…。
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