二年前の八月に、全くの気まぐれで唐突にエセックス州のThaxted サクステッドと言う古い市場町を訪れ、天気が悪い日だったのにも関わらず、興味深い建築物や街並みの良さに魅了されました。それで昨年の八月の快晴の日に、再び訪れて見る事にしました。
前回も今回も町の無料駐車場に車を停めましたが、その脇にあるチャリティショップは開いていた事がありません。外に置かれて雨晒しにされているのは、商品なのか、それとも寄付品と称して打ち捨てられたゴミなのか…?
やはりイギリスの風景は、さんさんと陽の光が当たってこそ絵になります。
町の中心に在る15世紀築の白い漆喰壁のギルドホールも、青空に映えて見えます。上階へ行く程床面積の広い建物なのが、インパクト強し。ドイツなんかだと、昔は一階の床面積で納める税金の額が決まったらしく、出来るだけ安く抑える為に時折こう言う建築物が残っています。
そしてこの日は実際に一階のピロティ部分で、出店数は4,5軒なものの骨董市が開催されていました。
更にこの日は、ギルドホールの内部が無料公開されていました。八月末の公休月曜日のある週末な上に快晴で、夏休み最後の絶好の観光日和だったからだと思います。
興味深い建築物の様子が観察出来るだけでなく、町の歴史の博物館にもなっています。
今では産業が跡形もなく残っていませんが、実はサクステッドは中世にはカトラリー製造の英国の中心地だったそうです。イギリスの料理自体は伝統的にアレですけど、何故かカトラリーには非常に拘る文化で、肉料理用と魚料理用をわざわざ分ける等、やたら種類だけは増やして複雑化させていました。
また、イースト・アングリアだけに羊毛産業も盛んで、毛織物もこの町の重要な産業であったようです。このギルドホールは、それら職人や商人達の協会や商会所でした。
この部屋のかつて暖炉だった部分には、このギルドホールをミニチュア化したドール・ハウスが飾られています。
建物を再現するだけでも大変なのに、内装も隅々まで拘って作られています。
左から2,3番目の人物二人がやけにリアルに作られている、…と思ったら、他の来館者がガラスに写り込んでいるだけでした~。偶然、丁度縮小率がどんぴしゃりで…。
この町に住んでいた事のある作曲家のホルストについてや、地元で発掘された考古学品等も展示されています。サクステッドは中世に繁栄しただけでなく、元々古代ローマ時代の道上に発展した居住区が元になっていて、ここではそれ以前の新石器時代や青銅器時代の痕跡も発見されています。
このドアの形、非常に歪んで全く長方形でもなければ平行四辺形でもないのが、写真でも分かりますか?
アンティーク&コレクタブルズとして人気の高い、ムーアクラフトの絵皿も。
ギルドホール内部の見学を終え、この並びの一軒で料理用リンゴを無料で配っていたので、一袋頂いて来ました。
一年前に夕食を食べて美味しかった、老舗旅籠兼パブの「The Swan 白鳥亭」の昼間の姿。
教区教会脇の独特なアルムズハウスは、生憎この時間は逆光になってしまいました。中央に見える風車には、唯一通じている遊歩道が結構長いので、今回は行きませんでした。
パージェティング建築は、やはり多く見掛けます。右隣の水色の壁もパージェティングです。
窓枠の下に、ちょこんとブタさんのレリーフ。もしかしてこの家がかつて肉屋だったからとか、それとも単に豚は富の象徴だからなのか。
風見鶏ならぬ風見猫の乗った家。猫がシルエットだけの風見なら市販されていますが、これは御手製のようで良い味が出ています。
再びギルドホールの前に戻って来ると…、ややっ、この紅白の衣装の人達は、モーリス・ダンサーズではないか。
実はサクステッドは、伝統的にモーリス・ダンスでも有名な町なのだそうです。中々ダンス自体は始まらず、名残惜しくこの町を去りました。
…が、車で再びこの前を通る時に、やっとダンスが始まっていました。いつも思うのですが、モーリス・ダンスの女性の衣装は素敵。
左端の男性、めっちゃ高く垂直飛びしています!
ここの教区教会の墓地ではこんな墓石も見掛け、この墓に眠る主はモーリス・ダンスに捧げる人生だったんだな…としみじみ思いました。
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