2024/09/30

ビーズ刺繍のクラッチ・バッグ

 

いつものフリーマーケットで、ビンテージと呼ぶには古さが少し足りないパーティー・バッグを、幾つか並べて売っているストールがありました。その中で一番装飾が凝って魅力的だったのがこのクラッチ・バッグで、未使用のようで状態も悪くありません。しかし、ビーズ刺繍は良く見掛ける色合い(モノトーン+金か銀)で、然程珍しいデザインでもないと思いました。それに、姉もビンテージ・バッグはしばらく要らないと言っていました。そう思いながら手に取って眺めていると、売り主の女性が「それは20ペンス(40)よ」と言います。と言われれば、買うつもりはなかったけれど、見逃す手はなくソッコー買いました。

ビンテージっぽくは見えるものの、実は結構新しい製品かも知れません。既製品ですが、造りは総手作業のようで、丁寧で繊細なビーズ刺繍です。

蓋部分の表面と同じ柄とは行きませんが、裏面にもビーズが縫い付けられています。

縁は一瞬コードかブレードに見えますが、これも極小のビーズ刺繍。このバッグ一つに、夥しい数のビーズと気の遠くなるような手間が掛かっています。

サテン地で中面はこんな感じ。蓋部分と共にジッパーが二箇所付いていて、造りはしっかりしています。

中面に残っているラベルから、インド製ではないかと思います。そう言えば、売っていた女性もインド人らしかったように思います。

日本で今人気のインド刺繍のリボンの魅力を思えば、インドでこんな美しいビーズ刺繍のバッグを作っているのも、全く可笑しくないように思います。

 

 

 


2024/09/27

ツイン団子ヘアーのruruko

これ以上rurukoは増やさなくてもいいや~(好みの金髪の男の子以外)と思っていましたが、今年一時帰国した際、アゾン池袋店でこのツイン団子頭のるるこの実物を目にしたら、青い瞳の色が吸い込まれるように美しく、急にどうしても逆らい難くなってしまいました。

昨年発売された「Fresh ruruko 2305」と言いまして、元はボーダーのオールインワン&フットウェア無しのシンプル仕様で発売されていました。

ボディは通常のピュアニーモXS特別仕様ではなく、Fresh ruruko 2207 PSbl同様にオビツ22㎝を使用しています。ピュアニーモ・フレクションと違い手首が曲がる点はマルなものの、首が傾けないし安定しません。もしかしたら、付属のリングを問い付けると解決するのかな。

髪色も眼の色も薄いせいか、フレッシュ(普通)肌なのに色白の肌色に見えます。瞳のコントラストが強過ぎて、写真ではちょっと目つきが怖くなりますが、実物はもっと優しく見えます。 

髪型は、正確には長い髪をお団子ヘアーに纏め上げている訳ではなく、浅田真央リカちゃんの髪と同様の造りで、然程長くない髪をクルクルに巻いて、トップ近くでツインテールにしてある仕組みです。多分髪をほどくと妙なバランスになるだろうから、今後も髪型を変えずにずっとこのままのつもりです。

元気いっぱいのイメージのこのるるこには、まずカラフルなパンツ・スタイルを着せてみたいと思いました。型紙はHANON arrangementからで、上下とも園芸部のruruko用に作ったアウトフィットと同じです。

ラッフル襟のブラウスをポップなマルチカラーの水玉柄の生地で作ると、かなりイメージが変わって少しアルルカンのようになりました。

ミニ・シルクハットやビスケット・バッグを加えて、それっぽさを強調。緑色のクマは、園芸部のrurukoと無意識に被ってしまいました。

正直ラッフル襟の付け方が下手過ぎて、近影でお見せしたくない…(苦笑)。言い訳をすると、襟の布地を二つ折りにしている為、生地が厚過ぎて見返しの縫い代が十分に折り曲がらないせいです。

HANONさんの型紙は、基本的にリネンやローン生地等の薄い柔らかい生地用で、縫い代幅が少な目に設定されているから、厚手の生地で作る場合は、予め少し大き目に切り取る方が良さそうです。

このるるこは、前髪が光り過ぎて白飛びし易いものの、顔写りは良いようです。落ち着いた色合いのフワフワ女の子らしい服装もばっちり似合うはずなので、今後はデザインを色々考えて作って着せて上げたいと思います。


 

2024/09/25

ピーコック・ブルー色カボションのフィリグリーのブローチ

 

私が単独で一時帰国している三か月間は、当然夫婦で出掛ける事が出来なかった為、その期間を取り戻すかのように、夏の日が長い間は熱心に夫婦で外出しました。天気の良い日は自然の中でトレッキングかNT(ナショナルトラスト)の庭園を訪れましたが、天気の悪い日の娯楽と言えば専らアンティーク・モール巡り。その日も小雨模様の天気だったので、昔の倉庫の続きの建物にアンティーク・モールが集中している為、雨が降っていても比較的移動し易いSawbridgeworth ソウブリッジワースを訪れました。

姉の誕生日が近付いていたので、プレゼント用のビンテージ・ジュエリーを買い足すのにも良い機会でした。其処で今回買ったのが、このフィリグリーのブローチです。

フィリグリーのブローチも今まで姉用に何度か買いましたが、これはちょっと未だ見た事のない魅力的なタイプだと思いました。四隅のラインストーンは良くあるサファイヤ色ですが、中央のスクエアのカボションが、少し緑味掛かったピーコック・ブルー色で印象的です。

立体的に組み合わさった透かし金具も、デザインに奥行きと優雅さを出しています。

写真で見るとカボションの表面の傷が目立って気になりますが、実物は全く気になりません。


この手のブローチは、主にアール・デコ時代にチェコで作られましたが、これは状態が良過ぎて裏のピンも新しいタイプなので、もしかしたら1950年代とか少し新しい時代の物かも知れません。




2024/09/24

ドール用の無地トップス強化

 

今年の三月に一時帰国する前、姉に今度はどんなモモコ・ドール用のアウトフィットを作って欲しいかと尋ねたらたら、即答で「兎に角無地のトップスが沢山欲しい」との事でした。トップも柄、ボトムも柄物が多いので合わせにくい!と言うのです。…いや、今までも随分無地トップスは送っているはずなんだけどなあ?? ドル活する時間ないし、奥底に仕舞っちゃってるんじゃないの? そもそもこのボトムにはこのトップと一応最良の組み合わせを考えながら作っている訳で、またドール服の場合は数ミリの長さの差でもバランスが悪く可笑しく見えるから、他のボトムにも合わせる事が出来たらラッキーな位で、何にでも合わせ易いトップとか基本的に考えないで欲しい、とモヤモヤ~と思いながらも、帰国一週間前に急遽ダダダと色々作って持って行きました。

身頃たっぷり目だけど丈は短目とか、オフ・ショルダーでベル・スリーブやバルーン・スリーブとかシアー感とか、一応日本の流行を意識しながら、また今まで私が姉に送ったボトムのデザインを考慮して作りました。今回作ったのは春夏物で、秋冬物はまた次回に。まあ冬物では、やはりタートルネックのシャツの使い勝手に敵うアイテムはなく、既に各色姉にも作って送ってあるはずなんですけどね。


自分的にドール用夏物の一番の万能トップは、この生成りのフレンチ・スリーブのシャツ。似合わないボトム無し。写真では分かりにくいでしょうけど、生地は皺加工になっていて、無地でも結構間が持ちます。

次位に良く使うのが、生成りレースのラグラン・ブラウス。自分のワードローブでもそうですが、本当に装飾の一切ない無地だけのトップスだと、余程形自体がお洒落で凝っているとか、素材感が面白いとか色合いが絶妙とかじゃない限り、幾ら合わせ易くとも退屈で飽きて来てしまいます。

それでレースや刺繍等の、ボトムの柄を邪魔しない程度の装飾が、つい欲しくなります。そもそも凝ったフォルムを作る技術が私にはないし、ニュアンスのある素材や色の布を手に入れるのがイギリスでは難しいのです。

で、肝心の試着例なのですが、帰国直前で撮影の時間が無くて断念。恐らく着替えさせている内に、このトップにはこんなボトムの方が似合うのになァとか、更にどんどん作りたくなっちゃう危険性大で手を出さずにおきました。試着例は帰国後に姉の家で実際ドールに着せて撮影すればいいや~と思っていましたが、思いの他その時間はなく、それ以前に滞在前半は撮影場所にさえ到達出来ない程モノが溢れていました。試着例は姉のインスタにその内登場するだろうから、そちらを御覧頂ければ幸いです。




2024/09/22

メドウが流行

 

この夏からNT(ナショナルトラスト)の会員に復帰し、数年間のギャップを取り戻すかのように、毎週のように夫婦でNTの庭園を訪れています。其処で必ずのように見掛けるようになったのがmeadow メドウです。

メドウとは、本来草原や牧草地、畑脇の自然の花畑の事。元々欧州の草原では野生の花を日本よりも多く見掛け、と言うか、根本的に花を咲かせる種類の野草や雑草が日本より多く育つのだと思います。それ故に、日本ならすぐに観光地化しそうな天然の花の群生地は、ヨーロッパではそう珍しくはないかも知れません。

しかし、庭園や公園で見掛けるメドウは、あくまでナチュラルな雰囲気の草花を人工的に育てている場所で、言わば庭園形式の一つです。

大抵は種から簡単に育つ一年草の組み合わせで、「メドウ・ミックス」と呼ばれる、それらしい草花の混合種も販売されています。普通の小さな袋入りも買えますし、キロ単位で大袋入りも売られています。

典型的なメドウは、矢車草()の青、ヒナゲシの赤、マーガレット(オックス・デイジー)かカモミールの白の組み合わせ。それに、ムギセンノウの濃いピンク、アラゲシュンギクやハルシャギク等のキク科の花の黄色、フラックス(亜麻)の薄紫が加わる事もあります。これらは全て花付きが非常に良く、また開花時期や高さが大体揃うようになっていて、正に絵に描いたような景観を作ります。



 

こちらは、NTHatchlands Park ハッチランズ・パークのお屋敷前の、池の周囲をぐるりと囲むメドウ。

色数が多く、まるで宝石箱のような愛らしさ。メドウの背後にススキっぽいオーナメント・プランツを植えているのが、牧草地っぽさを高めています。


同じくハッチランズ・パークの、ここ数年の内に手入れされて公開され始めたらしい、駐車場脇のウォルド・ガーデン内に設けられたメドウ。

ピンクのゴデチアとオレンジ色のカルフォルニア・ポピーが主体で、メドウとしてはちょっと個性的です。

その中でも一際目を引いたのが、細かくフリンジの入ったヒナゲシ。一瞬、ポピーとは気付けません。

普通メドウは開けた日当たり抜群の平地に在りますが、このNTShefield Park シェフィールド・パークのメドウは部分的に木陰。

しかも、花壇部分が砂利敷きの一段高い小山になっているのが変わっていました。

つまり水捌けが良過ぎる程な訳で、乾燥に特に強い植物を混ぜているのかも知れませんが、実際に余り上手く育ってなく、地面が目立つ場所も場所も見受けられました。

こちらは、ロンドン中心部の日本大使館(父の死に伴って書類を申請しに行った)近くのグリーン・パーク内。

都会の中のオアシスに見えますが、実際には木々からの花粉が空気の霞む程凄まじく、周囲の車の排ガスも喉が痛む程の酷い環境です。しかし実はこのオックス・デイジーは、排ガスを好むと言われるタフさで、イギリスでは高速道路脇でも大量に元気に咲いています。

NTBasildon Park バジルドン・パークの、コスモス中心の秋らしいメドウ。

もっともイギリスでは、コスモスは初夏から咲き始め、特に秋を象徴する花でもなさそうです。そもそも矢車草とコスモスの花期が同じだなんて、日本では見た覚えがありません。


一方こちらは、牧草地の真正の天然のメドウ。場所は、やはりNT管理のDitchling Beacon ディッチリング・ビーコン(ブライトン近く)

良く見ると、黄色いのはマメ科のミヤコグサ(birdsfoot trefoil)の仲間で、同じくマメ科のピンクのアカツメクサの組み合わせのようです。

自然自体もナチュラル・ガーデンも好きなイギリス人からは、メドウは昔から愛されて来ました。しかし、何故ここ最近になってこうも一気に増えたのか? 環境問題が益々深刻化する今、多分野趣溢れてエコっぽく見えるからであろう、と言うのがP太の意見です。実際BBCのニュースに寄ると、土壌の栄養過多等の理由で、1930年代からイギリス古来の天然のメドウの97%は消滅したとか。

市販されているメドウの種の植物も、元々雑草同然に丈夫なので、肥料や水やり、手入れが無くとも逞しく育つ花ばかりです。例え人工のメドウであっても、昆虫の生息を助け、引いては昆虫を食べる鳥の生息をも支援し、つまり動植物の生態系を保護するのは確かです。

植物を育てる地面はあるけれど、ガーデニングに手間を掛ける時間はない、と言う人にとっては、メドウ・スタイルは打って付けかも知れません。メドウ・フラワーの種を買って来て、撒きさえすれば良いのですから。