2026/09/25

月を渡る兎

 

今夜は中秋の名月なので、お月見用のドール着物を縫いました。

最初は単なる着物と小道具だけでそれっぽくして撮影を済ませるつもりでしたが、後からどうも余り月見らしく見えないと不満に思い、ギリギリの手前で突然月見用の着物を作る事に決めました。

月見用と言っても、帯留めをウサギにしただけ。お月見着物(人間用)で検索すると、着物が兎+ススキ柄で、帯のお太鼓部分が月柄だったり、もっと月見限定の着物が存在するようです。

この単衣の着物は、以前momoko DOLL用の七夕の浴衣に使ったフリマで手に入れた端切れで、丁度リカちゃんの着物を作れるだけの面積が残っていました。

純粋な和柄に見えますが、イギリスでデザインされた生地のようで、KASURIと題名が付いています。ローンかポプリンの薄手で滑らかな綿生地で、本物の絣ではありません。 

肝心のウサギの帯留めですが、出来れば白ウサギのボタンとかを利用したいと思ったものの手元になく(おいおい)、急に思い立ったので買いに行く時間もなく、どーしたものかと頭を抱えていました。

そもそも、イギリスでは白ウサギのボタンが手に入りそうもありません。日本で文様や伝統意匠的なウサギと言うと、必ず白兎で表現されますが、イギリスではウサギが白く表現される事は余りないのです。

と言うのも、一般的なイギリスの野ウサギは、冬になっても保護色の白毛に変わる訳ではないからです。スコットランドのハイランド地方なら、そんな冬毛に変わるウサギが生息しているらしいのですが、ここ数年は温暖化で変わらなくなって来ているとか…。ええ?じゃあ、その内日本のウサギも白くならなくなる??  

ウサギは西洋では復活祭のシンボルの一つですから、ウサギ・モチーフのグッズ自体は多く見掛けますが、香港や中国デザインの輸入品とかでもない限り、大抵茶色で表現されます。

色々考えた挙句、帯留めのウサギはプラバンで手作りすると言う考えに到達。プラバンなんて試すのはウン十年ぶりで、果たして出来るんかいと不安でしたが、不格好なものの結構思い描いた通りには仕上がりました。オーブントースターが家にあって、つくづく良かった~(※普通はイギリスの家庭にはありません)。

予備として二つ作ったので、残り一つは髪飾りにしました。本当はこの上にレジンを乗せると、補強にもなり見栄えが良いんですけど、百均のレジンで十分だから買って置くべきでした。

プラバンは今後もドル活に色々と役立つはずで、クリカットも3Dプリンターも買えない私ですが、これでちょっとだけはドール服作りの幅が広がりそうです。

この際だから、月見団子もススキも縁台用の毛氈(綿だけど)も作りました。団子を乗せる木製の三宝は前から持っていましたが、団子はなかったので、ウッドビーズを白く塗って積み上げました。

最初は粘土で団子を作る方が楽だろうかと思いましたが、粘土が古くて硬くて(おまけに素材が劣化して臭いw)上手く丸まらず、そもそも乾かす時間もなさそうでした。

ビーズはビーズで、穴をアクリル絵の具で塞ぐのが中々大変で…。塗っても塗っても塞がらず、最終的に凄い厚塗りになってゴルフボールのようなボッコボコに。最初に木工ボンド等で穴を塞いでから、彩色すべきでした。

ススキを生ける為の和風の花瓶すら無く、棗型の大きなウッドビーズと木製チェスゴマで急遽でっち上げました。本当に気付いた時に、何でも買って置かないと駄目ですねえ。 

もっとも、こう言う物が後からドール撮影の背景小道具として必要になるとは、実際に必要になってみないと中々気付けないのです。そして、コレはもしかしたら後々役に立つかも?と思い何でも取って置くと、たちまち膨大な量になって仕舞う場所に困って来るドル活地獄。

ところで、布の大きさから、最初からリカちゃん(以下)のサイズの着物しか作れないとは分かっていた訳ですが、モデルをどのリカちゃんにするかでも最後まで中々決められませんでした。

黒地の着物だから、黒髪ロングのリカちゃんでは重くなり過ぎそうだし色も被る。でも、明るい淡い髪の色のリカちゃんでは、着物の色目が強過ぎて負けてしまう…。 

割とキリリとした組み合わせの着こなしにしたかったので、そうなると顔立ちもはっきりした子の方が合いそうでしたが、うちに居る金髪のリカちゃんはふんわり優しい幼い雰囲気の子が多いのです。 

そこで、青いアイシャドーが目立っても凛として涼し気で、黒髪でもすっきりアップにしていて重く見えない、浅田真央ちゃんリカちゃんに御登場願いました。これがまー、期待通り和服が最強に似合うこと。

お月見にわざわざ和服を着る人は、余程の着物好きか普段から着慣れている人に限るとは思いますが、ドールで表現するとなると、やはり和装じゃなければと思ってしまいます。

帯は、毎度愛用の会津木綿。赤系に見えますが、実は緑の糸も織り込んである生地で、純和風のしっとりはんなりした柄の着物が、この帯で少しだけ賑やかに見えます。

オリジナルのボディは、立ったままでも脚も閉じない酷い品質だったから、ピュアニーモSに替えています。リカちゃんのデフォ・ボディより身長が高い為、おはしょりの丈を調節し直さなければなりませんでした。

そんなこんなで時間のない中を行き当たりばったりで進めた割には、何とかお月見を祝う雰囲気に見えるようには揃ったと思います。…いや、少なくとも、モデル人形は最初に決めてから制作始めた方が良いはずです(苦笑)。

今夜はイギリス南部でも晴れるらしく、美しい中秋の名月が拝めそうです。

 

 

 

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