2026/07/27

ひばりが丘の洋食屋さんでロールキャベツ

 

今年の三月に母が亡くなった後、すぐに福島県の実家に戻った姉は、私が帰国するまでの間は一人きりで母の遺体と暮らさなくてはなりませんでした。今時は田舎でさえ遺体を自宅に戻す事は少ないのですが、あれ程家を離れたくなかった母を、父の時同様に死後自宅に一度戻した弟の判断は間違っていなかったとは思います。が、その弟は、すぐ近所に住んでいるのにも関わらず、その間実家では寝泊まりせず、その上弔問客が突然訪問してくるかも知れないからと、姉に始終家を離れないように言い付けたそうで、姉は自分の食料の買い出しにすら行くのがままなりませんでした。更に、葬式まで線香を絶やしてはいけないとの決まりなので、家中が始終煙いのが喉と眼に相当辛く、挙句の果てに姉のスマホのカメラ・レンズは煙で白く濁ってしまいました…。

告別式を済ませると、姉は仕事で東京へ戻る事になり、その後は私が数日間実家で一人で母の遺骨と暮らしました。大量の遺品の片付けがあったからですが、やたら大きい実家に独りで居るのは途轍もなく寂しく(おまけに隣は事故物件だし)、何より弟に石油ファンヒーターは止められてしまい、暖房はエアコンだけだったので、古い日本家屋は耐え難い程寒かった‼ 特に脱衣所の寒さは尋常ではなく、高血圧症の私は、ここでは簡単に心筋梗塞とか脳溢血になり倒れるのではとマジで生命の危機を感じた為、早々に一度引き上げて東京の姉の家にお世話になり、暖かくなったら四十九日前に再び実家に戻る事にしました。

丁度東京は桜の時期で、数か所で花見を楽しむ事が出来ました。帰国時にはボロボロだった体調は、東京に滞在して日々美味しい物を食べ捲っている内に見る見る回復し、気が付けばここ10年位で最高位に体の調子が良くなりました。その日は「リカちゃんのON/OFF展」の東京開催の最終日に姉と見に行こうと言う事になり、その前に姉は保谷の眼科医院に行かねばならなかったので、西武池袋線経由の途中のひばりが丘で昼食を取る事にしました。

ひばりが丘に来るのは、本当に久々です。ひばりが丘は、昭和30年代に造成された、当時としては最先端の設備を持つ為に憧れの住まいだった住宅団地で発展した、今も駅前にはパルコと西友位しかない集合住宅の街で、言ってしまえば観光やショッピングで訪れる事はまずない場所です。目指したのは、雑居ビルの二階にある、ロールキャベツが美味しいので地元では知られた、かなり昔から変わらずに在る洋食屋さん「ココット」。 

赤いギンガムのテーブルクロスが敷かれた、いかにも正統派老舗洋食屋らしい良い雰囲気です。本日のオススメ・メニューもありましたが、ロールキャベツを食べに来たので二人共迷わずそれを選びました。

ランチメニューには、全てサラダとライスかパンが付いて来ます。プラス100円で、スープも頼みました。やはり日本は、野菜が美味しいと実感します。野菜に対する人気とリスペクトが段違いなので、素材そのものだけでなく、味付けや楽しみ方もイギリスより確実に美味しいのです。 

来ました、看板メニューの7時間煮込んだロールキャベツ。キャベツ好きな私にとっては大好きな料理の一つですが、イギリスのキャベツは向いていない(多分巻けない)為に長らく家では作っていません。

トマト系のソースに掛かったクリームがアクセントとなり、ローストされた甘い玉ネギとクリーミーなマッシュポテトが付けわせなのも嬉しい。

丁度良い塩梅の味が良く染み、キャベツも挽肉もとろっとろの理想的なロール・キャベツで、大変美味しゅうございました。これを再び味わう為だけでも、またひばりが丘を訪れたくなります。




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