2024/08/31

ブロードステアズの海岸

 

昨年の夏に夫婦でMargate マーゲートを訪れた後、未だ日没までは時間が十分あったので、隣町のBroadstairs ブロードステアズの海も見に行こうと言う事になりました。ブロードステアズは、その名の通りほぼ絶壁の崖の上から階段を通って浜辺へ出る町です。ここの訪問は二度目で、前回は浜へ降りる階段からかなり遠い場所に車を止めなければなりませんでした。しかし今回は、町外れの住宅街の海沿いの、階段のすぐ近くに駐車出来ました。

マーゲートはIsle of Thanet サネット半島の北側に位置しますが、ブロードステアズは半島の南東側です。

 

サネット半島は狭い地域ですが、海岸線は大きく様変わりし、南&東側にはブライトン近くからセブン・シスターズドーヴァー海峡を経て概ね白亜の崖が続いています。

崖の下には、カラフルなbeach hut 浜辺小屋が並んでいます。最初はこれを自分専用の着替えや休憩用の「海の家」として貸りるのだと思っていましたが、別荘のように買い取るのだそうです。そうすると、毎回同じ海に来る事になりつまらないと思いますが、しょっちゅうサーフィンを楽しむ人なんかには有効かも知れません。もっともイギリス海峡にはほとんど波がないので、サーフィンには不向きですけど。

ここのビーチには砂浜&岩礁のどちらもあり、またこの場所は町の中心部から結構離れていて混む事はないので、遊ぶのには持って来いに思えます。

未だ日没までは時間がありましたが、ここで丁度この時に天気予報通り大雨が降り出して来た為、浜辺に降りないまま慌てて車に戻り帰途に着きました。

 

 

 


2024/08/30

センターパートのペール・ピンク髪のBJD

今年初めてイギリスのフリーマーケットで、ペール・ピンク髪のドール・アイBJD(ball joint doll=球体関節人形)を手に入れた日は、同じくペール・ピンク髪のドール・アイBJDを手に入れました。

但しこちらは新品ではなく中古で、また髪型は前髪無しでセンターパートになっています。

恐らく、昨年ブルネット&ツインテのBJDを買ったのと、同じ売り手ではないかと思います。中近東の人らしきイケメンお父さんで、奥さんに窘められる程お調子者だったので記憶に残っています。

中古人形ですが、オリジナルのアウトフィットは着用したままでした。これまた夢可愛いデザイン…と言いたい所ですが、こちらは肩紐のないチューブトップ式なので、遊んでいる内に確実に胸からズリ落ちます。身頃中央のレース・テープはひん曲がっているし、スカート裾のレースも取れかかっているし、ズサンで安っちい造りなのは否めません。但し背面はベロクロ・テープ式で、ちゃんと着脱出来る仕組みにはなっています。

中古人形の宿命で、購入当初の髪は、デフォルトがどうなのか想像出来ない程に乱れ捲っていたましたが、水に濡らしてポリスリーブを被せたりで何とか整えました。

そうすると結構大人っぽく見え、頭でっかちの幼児体型のボディが相応しくないように思えました。

そこで、セリアのドル活コーナーで販売している大きい方の可動式素体(19)に交換してみる事にしました。元々同じメーカーで製造しているらしいから、流石に首穴の大きさや肌の色は問題なく合います。

こちらも子供体型ですが、幼児よりは成長していて、胸も少しだけあり、女の子仕様である事は明確になっています。狙った通り、このバランスの方が様になって見えるし、アウトフィットも断然作り易そう。

ついでに、唇もちょこっとリペしました。うっかりBeforeの写真を撮り忘れてしまいましたが、元のリップの色は、このシリーズの他のBJDと同じです。

着せているのは、随分前にリカちゃん用に作った、ビンテージのベビー服を再利用した白いレス。ボディはリカちゃんよりずっと太いのですが、身頃にゆとりがあり袖口も大きな服なら着用出来ます。

但しこの19㎝ボディ用には、合うフットウェアがセリアで売られていないはずで、少なくとも私は持っておらず、一般の1/6ドール用の靴は足の幅が広過ぎて入りません。結局手持ちのドール靴で履けるのは、この以前買ったビスク・ドール用だけでした。

頑張って髪を整えたものの、未だクセが取れず、付け根が盛り上がって広がっています。植毛は相変わらず哀れな程疎ら&テキトウで、後頭部は地肌が覗くと言うよりキッパリ禿げています。

どんな髪色であろうと、やはりドール・アイ(入れ眼)の色はこれしかないようですが、黒々とした円らな瞳は日本人の感覚に馴染み易い可愛さ。ドールには珍しく、ちょっと顎を突き出し気味の角度が特に可愛く見えます。

ボディ交換のお陰で、まだまだしばらくは遊べそうなドールに生まれ変わりました。ある程度ボディが大きいと、着せ替え出来るアウトフィットの幅がグンと広がり、お洒落を楽しめそうです。




2024/08/29

アートとビンテージの海辺の町マーゲート 3

 

昨年の夏に、夫婦でケント州のほぼ最東端の海辺の町Margate マーゲートを初めて訪れ、想像していた雰囲気とは随分違い戸惑いましたが、人気のビーチ・リゾート地だと言うのは実感出来ました。では、「アートとビンテージの町」と言うのは一体何処に?と疑問が残りました。

しかし浜辺を訪れた次に、先程通ったハイストリート(目抜き通り)の少し北側に足を踏み入れると、古い建物の並ぶ雰囲気の良い一角があり、ビンテージ屋やお洒落な路面店が幾つか並んでいました。

名前をMarket Place 市場広場と言います。この建物が、本当にかつての市場だったからのようです。

実際この日は、屋外で小規模ですが骨董市が行われていました。

イギリスにはアンティークの町は数多くあれど、マーゲートはビンテージの町と呼ばれています。何故かと言えば、アーティストが多く住むからで、彼等はアンティークよりビンテージを好むものとイギリスでは相場が決まっている為、と勝手に解釈しています。そう言う点では、確かにブライトンもビンテージの町です。

この骨董市では、ビンテージ・ドレスは中々素敵な物が揃っていました。

いかにもビンテージらしいプリント生地を使用した、スパイラルな継ぎ合わせのマキシ丈スカート。

こちらは、最近日本でも注目されているらしいアフリカの生地専門店。

The Pickled Fox キツネの漬物」と言う、変わった名前のパブ。イギリスのパブ名は「王の頭」「王家の樫」「公爵の腕」とか、ドイツ語圏同様に「色+動物」とか、全国何処へ行っても割と決まり切っているのですが、たまに独特な名前があります。

そのお隣には、古着やジュエリー中心の中々充実したビンテージ屋さん。

ギャラリーや作家物を販売する店も、この周辺に集中しています。

このお店のビーズ細工のアクセサリーは、少し変わっていてお洒落です。


北欧or60年代風の陶器製のライト・スタンドを売る店も。

この建物には、カール(チャールズ)・マルクスが住んでいた事があるそうです。彼の墓所はロンドン市内にありますが、数年前に極右主義者に破壊されました。

町の博物館の建物には、二階に渡り廊下があって変わっています。この他ここには「カニ博物館」なんてのも在りました。カニを生物学的に展示するのではなく、カニの甲羅を並べたジオラマを展示しているそうです。

マーゲートで特に興味深かったのが、このアンティーク屋さん。

兎に角、日本物のコレクションが圧巻。こけしのコレクションもこの通り。

この日は私はマトリョーシカ柄のスカートを履いていましたが、店主さんから「一瞬こけしかと思ったらロシアの人形なんだねえ」と言われました。

この表札なんて、わざわざ水郡線から来たもんだ。

板金製の大きなアルファベットは、恐らく遊園地等のサインとして使われた物だそうです。

初めてのマーゲートの印象として、ちょっと前までは確かにアートとビンテージのお洒落な町だったのだろうけど、ここ最近は様々な社会状況に伴い急変したように感じられました。

しかし何だかんだ言って、距離の割に我が家から高速道路経由で比較的簡単に来られるのと、町の中心近くに無料で駐車し易く、寂れて来てはいるけれど治安が悪い訳ではなく、またギリシャ・ベイカリーの魅力で、その後もこの町を何度か訪れています。

 

 

 


2024/08/28

アートとビンテージの海辺の町マーゲート 2

 

昨年の夏に夫婦で初めて海辺の町Margate マーゲートを訪れ、まず商店街を歩き、正直アートとビンテージの人気のビーチ・リゾート地とは思えない寂れた様子に戸惑いましたが、海辺が近付くにつれ、それらしい雰囲気に見えて来ました。


海沿いには、外壁がカラフルにペイントされたヴィクトリア時代の建物が並びます。多くはホテルや飲食店になっているのが、観光地らしさを物語っています。

歴史的な町らしく優雅な時計台もありますが、時間が合っている事が滅多にないのもイギリスならでは…。

灯台に続く桟橋の上に、もう一つ時計台。

街灯の土台部分の彫像は、ヴィクトリア時代の想像上の造形のイルカ。


またイギリスの海辺の町と言えば、リベラル&開放的なのもお決まりで、LGBT+バーもあります。

安っぽい土産物屋やゲーム・センターが並んでいるのも、イギリスのビーチらしいと思います。ゲーセンは、イギリスでは18禁です。

浜辺に降りるのには、名物の「The King Steps」と呼ばれる、ひたすら横に長く続く階段を下ります。

満潮時には、この階段の真下まで波が来るようです。マーゲート・ビーチは、イギリスでは割と珍しい砂浜なので人気があるようです。一方お隣のMinnis Bayは岩礁つまり磯辺で、様々な生物が生息するから子供に人気だとか。

今にも雨が降り出しそうな天気でしたが、ビーチは結構人で賑わっていました。

浜辺に降りてみて驚いたのは、半数以上がアフリカ人やインド人やアラブ人、つまり非白人と言う事。勿論この人達が海に居て可笑しいと言う事は全くなく、また彼等のマナーが悪かった訳でもないのですが、イギリスの海辺で肌の色の濃い人達がこんなに集中しているのは、私にとっては初めて見る光景だったからです。

最初は、他の土地から団体旅行とかで押し寄せて来ている観光客かも?と思いましたが、服装からして地元民のようです。ロンドンからかなり離れているこの場所でも、移民及びその子孫がこれ程住んでいるのが意外でした。

P太の話では、政府が英国海峡沿いの幾つかの町に、大量の難民を押し付けて住まわせている為、ここ数年で雰囲気の様変わりした市町村も多いのだとか。とは言え、ここで見た彼等全てを難民だと見なすのは相当乱暴な話です。

イギリスには昔から沢山のアフリカ人やイスラム教徒が住んでいますが、今まで自然や庭園を楽しむ習慣は伝統的に余りありませんでした。それ故にナショナルトラスト等は非白人の勧誘を推進しているのですが、ここ数年で流石に彼等の意識が変わって来ているのかも知れません。

夏とは言え、また雲の合間に青空も少しは見えるとは言え、気温は20度程度で風が強く肌寒いのに、海で泳いでいる人は結構居ます。まあ、お好きなように…。

ここの風景を大きく損ねているのが、醜い高層アパートと1960年代に建てられたのに違いない娯楽施設のビル。日本ではタワマンに住むのがステイタスと思われているようですが、イギリスでは決してそんな事はありません。

この娯楽施設は、すっかり閉園している物だと夫婦揃って思い込んでいましたが、地図で確認したら未だ営業していて意外でした。ついディズマランド(※アーティストのバンクシーが企画・監修したディ★ニーランドをおちょくった「ガッカリの国」がテーマの期間限定遊園地)のような場所ではないかと想像してしまいます。

彼方の右端に見える二つの塔の建物は、「Reculver」と言う古代ローマ時代の要塞跡地に建てられたサクソン時代の教会の廃墟です。