このドール・アイ仕様のBJD(Ball Joint Doll=球体関節人形)は、身長は15cm強で、数年前からイギリスのアマゾンで5~8ポンド程度で販売されている中国製品です。多分、日本のアマゾンでも手に入ると思います。
またイギリスでは、高速道路のSAのトイレ(大抵建物の最奥に在る)脇の、決まってインドかアラブ系の男性が店番する、怪しいスマホ・ケースと安っぽい土産物や玩具を販売する売店等でも、この手の人形を良く見掛け、試しに買ってみようかと何度か思いました。しかし、そう言う店は帰路の夜間には閉店している為、今迄実行には至りませんでした。ところが、最近フリマで新品に近い良好な状態のを50ペンスで買う事が出来ました。
デフォルトらしき服も、着たままでフリマで売られていました。しかし、このデフォ服が余りにもズサンで投げやりな嘆かわしい造り。生地は、ペラペラのポリエステル100%です。
背面なんて、この状態です。服として成り立っているのが、最早不思議な程です。更にウェストのピンクのリボンが既に腕に色移りしており、これでは5ポンドですら払う気がしないと思いました。でもまあ子供にとっては、こんな服でも素っ裸よりはマシに映るのかも知れません。
買った当初は髪はポニーテールにされていましたが、解いて整えて見ると、ちゃんと後頭部に分け目があり、元はツインテール仕様だったのが分かりました。しかし植毛の密度が、これまた非常に疎らで稚拙で酷い。後頭部は、ほぼ禿げ状態です。デフォの髪型にしておくのが、最善策かと思われます。
この安さでも、手首も足首さえ曲がるフル可動式ボディなのは驚きですが…、以前から勘繰っていた通り、セリアのドル活コーナーで売られているあの可動式ボディと全く同じです! ヘッドの型も、多分セリアのアレと同じ。と言うか、恐らくセリアでこのメーカーから直接ボディとヘッドのみのままで購入し、独自にパッケージングしてドール好き向け商品として販売しているのではないかと思います。
そんな訳で、ヘッドとボディのバランスは流石にばっちり合います。更に当然、同じくセリアで販売されている、あの靴セットがぴったり入ります。
瞳は転写プリントではなくドール・アイ、すなわち樹脂製の義眼の入れ目式になっています。寝せると瞼を閉じるスリープ・アイや、睫毛が植毛されたリアル・アイラッシュではありませんが、ドール・アイとしては悪くない造りです。瞼には、薄く赤系のアイシャドーが入っています。
眉毛や睫毛のプリントの繊細さは、こんな安価人形としては特筆に値します。口の小ささも肌の色の白さも前髪付きの髪型も、現在イギリスで売られているファッション・ドールとしては貴重です。
型紙を起こして、最初にこんな服を作って着せてみました。一番初めに手掛ける服はAラインのワンピースが基本ですが、秋だからと袖付きにしたのが間違いでした。
腕の長さに対して手の平が割と大きい為、身頃と一体化した簡単袖でも、袖を通すのがちと大変でした。しかし何せ試作品なので、この失敗を元に改善出来ます。
次に、カントリー風のドレスを縫いました。この人形のデフォルト服としても、オーバーオール等のナチュラル系や、昔の物語に登場するようなクラシックな少女服等が多いように記憶しています。明らかに現代の西洋の子供の好みではなく、全てがアジア(特に日本)の女の子の好みに合わせてあるような仕様になっています。
当然寸法して型紙を起こしてから作っている訳ですが、縫っている最中でさえ、この袖絶対短過ぎないか?と自分でも思いました。しかし仕上がってみると、短いどころかちょっと長過ぎ。タイニー・ベッツィーの長袖を縫っている時も同様に思いましたが、その位幼児人形の腕って想像以上に短いのです。
しかし袖の縫い付けより、ウェストの縫い付けの方が手間取ったように思います。ややハイウェスト気味に仕上がったので、身頃の縦の長さは、もう少し下に伸ばしても良いかも知れません。そうすれば、袖付けとスカート付けは少し楽になりそうです。
例え5~8ポンドと安価でも、正規の値段で買わずに、フリマの中古で50ペンスで十分だったと思いましたが、可動式ボディでドール・アイで、何よりイギリスで販売されているファッション・ドールにしては珍しく、色白で顔が可愛い事は確かです。セリアのあのボディなので、可動域と強度は意外とあります。何よりクラシックな衣装は十分似合うし、アウトフィットに寄ってはそれなりに映えそうで、しばらくは十分遊べるお人形です。
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