昨年の夏に夫婦で初めて海辺の町Margate マーゲートを訪れ、まず商店街を歩き、正直アートとビンテージの人気のビーチ・リゾート地とは思えない寂れた様子に戸惑いましたが、海辺が近付くにつれ、それらしい雰囲気に見えて来ました。
海沿いには、外壁がカラフルにペイントされたヴィクトリア時代の建物が並びます。多くはホテルや飲食店になっているのが、観光地らしさを物語っています。
歴史的な町らしく優雅な時計台もありますが、時間が合っている事が滅多にないのもイギリスならでは…。
灯台に続く桟橋の上に、もう一つ時計台。
街灯の土台部分の彫像は、ヴィクトリア時代の想像上の造形のイルカ。
またイギリスの海辺の町と言えば、リベラル&開放的なのもお決まりで、LGBT+バーもあります。
安っぽい土産物屋やゲーム・センターが並んでいるのも、イギリスのビーチらしいと思います。ゲーセンは、イギリスでは18禁です。
浜辺に降りるのには、名物の「The King Steps」と呼ばれる、ひたすら横に長く続く階段を下ります。
満潮時には、この階段の真下まで波が来るようです。マーゲート・ビーチは、イギリスでは割と珍しい砂浜なので人気があるようです。一方お隣のMinnis Bayは岩礁つまり磯辺で、様々な生物が生息するから子供に人気だとか。
今にも雨が降り出しそうな天気でしたが、ビーチは結構人で賑わっていました。
浜辺に降りてみて驚いたのは、半数以上がアフリカ人やインド人やアラブ人、つまり非白人と言う事。勿論この人達が海に居て可笑しいと言う事は全くなく、また彼等のマナーが悪かった訳でもないのですが、イギリスの海辺で肌の色の濃い人達がこんなに集中しているのは、私にとっては初めて見る光景だったからです。
最初は、他の土地から団体旅行とかで押し寄せて来ている観光客かも?と思いましたが、服装からして地元民のようです。ロンドンからかなり離れているこの場所でも、移民及びその子孫がこれ程住んでいるのが意外でした。
P太の話では、政府が英国海峡沿いの幾つかの町に、大量の難民を押し付けて住まわせている為、ここ数年で雰囲気の様変わりした市町村も多いのだとか。とは言え、ここで見た彼等全てを難民だと見なすのは相当乱暴な話です。
イギリスには昔から沢山のアフリカ人やイスラム教徒が住んでいますが、今まで自然や庭園を楽しむ習慣は伝統的に余りありませんでした。それ故にナショナルトラスト等は非白人の勧誘を推進しているのですが、ここ数年で流石に彼等の意識が変わって来ているのかも知れません。
夏とは言え、また雲の合間に青空も少しは見えるとは言え、気温は20度程度で風が強く肌寒いのに、海で泳いでいる人は結構居ます。まあ、お好きなように…。
ここの風景を大きく損ねているのが、醜い高層アパートと1960年代に建てられたのに違いない娯楽施設のビル。日本ではタワマンに住むのがステイタスと思われているようですが、イギリスでは決してそんな事はありません。
この娯楽施設は、すっかり閉園している物だと夫婦揃って思い込んでいましたが、地図で確認したら未だ営業していて意外でした。ついディズマランド(※アーティストのバンクシーが企画・監修したディ★ニーランドをおちょくった「ガッカリの国」がテーマの期間限定遊園地)のような場所ではないかと想像してしまいます。
彼方の右端に見える二つの塔の建物は、「Reculver」と言う古代ローマ時代の要塞跡地に建てられたサクソン時代の教会の廃墟です。
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