2024/10/11

蜘蛛の巣館の令嬢

 

今年もハロウィーン用のドール服を作り始めるのに当たり、姉へ送る27㎝のモモコ・ドール用のアウトフィットの分も考慮しなければならないのですが、どんなデザインを姉が欲しがるかは聞かなくとも分かっていました。答えは、絶対ずばり「ガチ・ゴシック」。

カボチャ提灯や白オバケや黒猫ちゃんと言った可愛いハロウィーン衣装は、姉は全く必要ないそうです。

ドールに着せるのならゴスは私も嫌いではありませんが、生憎うちにはピンと来るモデルのモモコ・ドールがおらず、つい真っ先にこの黒に近い髪色で真っ赤なリップのウェイクアップ・モモコ WUD-022に頼ってしまいます。

モモコじゃなくて人外人形なら、ゴスのばっちり似合うのは幾つか居るのですが、2729㎝ドールでもそれぞれ体形がかなり異なり、例え着用は可能であってもイメージが大分違って見えます。やはりモモコに着せるのでなければデザインが固まらないし、作るモチベも上がらないと実感しました。

しかし! ガチ・ゴスを目指したつもりだったのに、毒気や闇深さが全くないと言うか、どうも私が作ると単なる子供っぽい「ハロウィーン用のコスプレ」になってしまい……とほほほほ~💦 時間がないので、これで姉に送っちゃいましたけどね。ゴス道を極める為には、これからすっごく勉強が必要だと痛感しています。

スカート部分の白い蜘蛛の巣柄のレース・テープは、姉が昨年のハロウィーンの時期に百均屋のドル活コーナーで買った物。折角買って置いてくれたのだから、これを使わない手はないと思いました。こんな気の利いた手芸材料が百円で手に入るのだから、日本って本当に小憎らしい()。が、どうもこれが蜘蛛ながら相当可愛かったようで、全体的に子供っぽくなってしまった原因の一つです。

蜘蛛の巣レースやラインストーンは、布用ボンドで貼り付けてあるだけです。あちこちはみ出したボンドの跡が、結構目立つ(苦笑)。

ラインストーンは単なるプラ製ですが、ブラック・ダイアモンドと言う色名で、無色透明ながら微妙に黒ずんで見えるのがミソ。 

ドレスの黒い地布には、日本で買って来た綿サテンを利用しています。綿100%だから扱い易く光沢が強過ぎず適度に落ち感があり良い感じと思いましたが、1/6ドール用には若干生地が厚いようで、ギャザーをたっぷり寄せる等のデザインには余り向いていないようです。

そして、この布&色は猫の毛マグネット。ドール服を作っている間、何度もうちの可愛いタラちゃんが「撫でて」攻撃に来るので、猫を撫でながら作っているもんだから(無視すると荒らし回る)、当然猫の毛がドール服に大量にくっ付き捲り、尚且つ目立ちます。…姉の家でもどうせハイトの毛が付くのだから、まあいいか()

スカートの裾に縫い付けた風変りなフリル・テープは、多分アンティーク・モールかフェアで買った「ビンテージ・レース・テープの詰め合わせ」に入っていた物らしく、いつ手に入れたか出自も正しい使い方も不明。こう言う詰め合わせの中には、良く古着から切り取った端なんかも混じっているので、もしかしたらこれもそんな中途半端なテープなのかも知れません。透ける素材はオーガンジーではなく、スパークハーフで出来ています。

ヘッドドレスは、カチューシャ式の黒一色にしました。普段はドールの撮影には、顔に大きく影の掛かる帽子やヘッドドレスはNGですが、今回は返って顔が暗く見えて翳りの出る方が、雰囲気的に良さそうだと思いました。

背景の蜘蛛の巣柄チュール・レースは、数年前に1ポンド屋で買ったハロウィーン用のテーブル・カバー(クロス)。

こんな柄の上で食事するのは真っ平御免ですが(笑)、普通の布に被せるだけで確かにたちまちハロウィーンらしさは十分出るので、毎年かなり役に立ち買って置いて正解でした。もしその下の白地の花柄布だけだったら、黒いドレスとのコントラストが強過ぎて、写真が白飛びを起こす所でした。

姉の所では最近ゴスの似合う雰囲気のモモコ&「六分の一男子」が増え(吸血鬼エイト&ナインは両方買った!)、またモモコのロック・バンドのメンバーも揃ったので、ゴス及びゴス・パンク服の需要は益々高まると思われ、今後はドール用のゴス服を強化せねばなりません。

そう想定して、常日頃からレースやフリル等の黒い手芸装飾をコツコツ集めていたつもりなんですが…、作り始めたらてんで足りない事に気付きました。元々黒いレースとかって意外と種類が限られているし、ハロウィーンはイギリスではガチ怖い飾り物以外は基本的に手作りする習慣もないようで、ハロウィーン用の手芸材料なんてほとんど出回らないのです(クリスマスなら沢山出るのになあ)

それで姉に、今後の為に日本でゴス手芸材料を今の内にじゃんじゃん集めておいて~と頼んだら、元々姉の得意分野な事もあり、「まかせろ」との頼もしい返事が即答で来ました()




2024/10/09

アンバー色カボションのオープン・バックのブローチ

 

ビンテージ・ジュエリーの当たり日だったフリマでは、このブローチも買いました。割と良く見掛ける、オープン・バックの大きなカボションが、一つだけ台座の中心にどどーんと嵌め込まれたブローチです。

ガラス製のカボション自体も重ければ、台座も分厚くて重さがあり、全体的にずっしりと驚く程の重量があります。ブローチなので、衣服に着けるとすれば、冬のコートのようにかなり厚手で丈夫な生地でないといけません。


この台座のデザインが…、美しいかと聞かれれば疑問な、単にグチャグチャとしていて投げ遣りな武骨さです。1970年代に「Lava Keramik(lava ceramic)」と言う、わざと表面を溶岩状にボコボコザラザラにした主に西ドイツ製の陶器が流行したらしいので、これも同時代の製品ではと思っています。力強さのみは、確かに感じられます。

この手のブローチは、写真で見ると不思議とカボションの傷が目立つのですが、実物は全く気になる程ではありません。何よりオープン・バックのカボションやラインストーンの透明感には、いつも逆らい難い魅力があります。

 

 

2024/10/07

フィリグリーの紫ラインストーンのネックレス

 

ビンテージ・ジュエリーが当たりだったの日のフリマでは、二番目にこのネックレスに出会って買いました。

恐らく、アール・デコ時代のチェコスロヴァキア製です。この時代のフィリグリーのアクセサリーの中でも特にネックレスは、ボリューム的には大げさ過ぎず使い易く、現在の普段の服装にも違和感なく馴染み、且つ良く見るとクラシックで凝った素敵なデザインの物が多くあります。それをフリマで1ポンド程度で手に入れられるのは、かなりラッキーです。

このネックレスも、透かし金具の台座の上に、カエデのような葉モチーフが乗り、その上にラインストーンが爪留めされている、充実した魅力的なデザインです。

葉の葉脈は、かなり細かく表現されています。

ラインストーンは、どんな服の色にも合わせ易い落ち着いたアメジスト色ですが、何故か肝心の中央の一番大きなラインストーンのみが、黄色味掛かって紫と言うよりはピンクに近い不思議な色をしています。

 

 

2024/10/06

アイリス・ガラス・ビーズとフェイク・パールのネックレス

 

その日のフリマは、雨天で中止された翌週の上に快晴、更に月初だったので、出店数満杯の大賑わいでした。インディアン・サマーと言うやつで、イギリスにしては日差しが強く相当暑い日でした。この日の私はビンテージ・ジュエリーの当たり日で、幾つかを手に入れる事が出来ました。その一方でドールは、一体も欲しい物に出会えませんでした。其処で最初に買ったのが、このアイリス・ガラスと模造パールのネックレスです。

透明なガラスに虹色の筋の入った、20世紀前半に製造されたアイリス・ガラスのビーズを使用しています。

この虹色が淡いので、アイリス・ガラスとしては比較的初期の製品だと分かります。虹色が淡いと透明感が一層映え、まるで水風船のようなノスタルジックな優しさがあります。

アイリス・ガラスのビンテージ・ジュエリーも随分手に入れて来ましたが、模造パールとの組み合わせは初めてかも知れません。黄色掛かったエクリュ色のパールで、傷は余り無く割と良い状態です。

ビーズは少な目で全体的なボリュームも控え目ですが、ちょっと変わったチェーンが目を引き、私にとっては割と使い勝手が良さそうなネックレスです。




2024/10/04

ゴスなヌン活

十月は、ハロウィーンがあるからゴスの月(笑)。今年の一時帰国中に姉の家で、誕生日に買って貰った「ゴシックノワール」リカちゃんで遊んでいた時に、髪色や雰囲気の似たCCS 20AN momoko、通称魔女モモコを姉が出して来て、テイストの近い恰好をさせ、ついでにアフタヌーンティーの設定もしてくれたので、一緒に撮影しました。

アフタヌーンティーのミニチュアは、リーメントのぷちサンプルシリーズの「My Secret Tea Time」。サマープディングやハンパー(食べ物を詰め合わせたバスケット入りギフト)まで用意されていて、中々本格的なセットです。

ゴシックな服装のお人形に合わせて、インテリアもダークな雰囲気に揃えました。言うなれば、ゴス・ヌン活。

イギリスに住んでいながら、実はアフタヌーンティーなんて一度しか経験した事がありません。しかも、姉夫婦が訪英した時。元々イギリスの外食がとんでもなく高い上、アフタヌーンティーはディナーより高く付く程で、うちのケチな旦那さんは充実感で言ったらディナーの方を取るに決まっているからです。アフタヌーンティーは内容的にはあくまで間食ですが、ボリューム的には食事と変わらなく、食べるタイミングも朝から考慮しないといけません。その日は遅い朝食、すなわちブランチをたっぷり目に食べ、夕食は抜きにするとか。

そして値段の割に、絶対日本程の美味しさは期待出来ない…(元も子もないw)。更に大抵要予約なので、ヌン活するなら日本の方が余程気軽に出来そうです。イギリスならではのバラの咲き誇る庭園の綺麗な古城やマナーハウス・ホテルでもない限り、本場のアフタヌーンティーを体験する価値はないと勝手に考えています。

サマープディングにしたって、イギリスの不味いパンを使っているから、本来そう美味しい物じゃありません。現在の美食の分かるイギリス人なら、あえてイギリスのパンは使用しないはずです。

結果、イギリスでのティータイムは、紅茶+スコーン+ジャム+クロテッド・クリームのクリームティーで十分だと感じています。スコーンは自分で甘さを好みに調節出来る為、イギリスでは堅実に外れのないお茶菓子と言えます。クロテッド・クリームの量と質は、流石に日本より上です(時々生クリームとバターを出す酷い店もあるが…)。しかしクリームティーでさえ、午後のお茶として取ると、夕食が入らなくなっちゃうボリュームです。

ところで、このリカちゃんとモモコは、雰囲気は確かにぴったりなものの、頭の大きさが結構違う為、ちょっと離して並べて撮影したりとかで誤魔化しています。




2024/10/02

一家に一つ、ラベンダー・バーム

 

昨年も今年も、義母の希望でケント州のラベンダー畑「Castle Farm キャッスル・ファーム」に連れて行きました。ここはラベンダー畑自体に入るのは有料&ガイドツアー制だし、どちらにせよ義母の電動車椅子では進めないのですが、中々充実したファーム・ショップがあるので義母のお気に入りのようです。

義母は毎回このお店で高い食材をここぞとばかりに買い込みますが、私の目当てと言ったら専らラベンダー・アイスクリームとラベンダー・バーム。ラベンダー・バームは、花から抽出された精油を軟膏化した物で、勿論この農園産のラベンダーから作られています。

これは何に使う物かと言えば、ラベンダーの鎮静効果の高い芳香から、不眠症、ストレス、頭痛や乗り物酔いにマッサージすると効果的、と容器ラベルには記してあります。実際ラベンダーには、血行を良くする効果があるそうです。また保湿性が高いので、手や肘、膝等の肌にも有効(ちとベタ付きますが)です。

しかしその他にも、ラベンダーには高い殺菌&消炎効果があり、初期の軽度の火傷(流水等で冷やした後)や虫刺されに使用すると、まるで無かった事のように、痛みも痒みも跡も消し去ってくれるのです。ただし、これは火傷&虫刺され直後に限ります。予め肌に塗って置けば、虫除けにもなります。

ただし油から出来ているので、古くなると効果が無くなるだけでなく臭くなります。勿体ぶらずに、12年の内に使い切るのに限ります。

日本に比べて夏が冷涼なイギリスでは、国中のあちこちにラベンダー畑があります。ラベンダー・バームは、ナショナルトラストや大聖堂内のショップ等、大きな(品の良い)お土産屋等でも良く見掛けるアイテムなので、もしイギリス旅行中に出会ったら、買って置くのを是非お勧めします。

大抵はガラス製の容器に入ってはいますが、小さく嵩張らず、そう割れ易く運びにくい物ではありません。イギリスらしい上に実用的で役に立ち、自分用には勿論、この香りが嫌いで貰って困る人はそう居ないと思うので、イギリス土産として最適な一つと言えます。

 

 

 


2024/10/01

紫ラインストーンのブローチ

 


姉に誕生日プレゼントを発送する直前に、フリマでこのビンテージ・ジュエリーを買いました。其処はケバめの(余計なお世話ですね…)おばあさん二人が販売しているストールで、古いジュエリーを結構多く扱っていました。

何一つ対称ではない動きのある不思議な構図の金色の台座に、紫色のマーキス型のラインストーンを中心に並べたブローチです。製造年は、多分1950年代。

ボリュームは十分あり色調も揃っているので、一目で姉の好みに合いそうだと思いました。

全く抽象的なフォルムですが、この部分は↑ラインストーンの色も相まって、姉の好きな葡萄っぽく見えます。

ラインストーンは全て接着式ですが、直径1㎜程度の細かい石ですら欠けが一つも無いのは結構凄いかもと思いました。特に元持ち主の扱いが良かったからとも思えず、現に同じストールで売られていた他の古いジュエリーは、何処かしら石が欠けていました。

今回の姉の誕生日に贈ったビンテージ・ジュエリーは、このように揃いました。今回は、何故か青系が重なりました。結局アンティーク・フェア後にフリマで幾つか手に入れる事が出来ましたが、やはりいつもよりは少な目です。しかも、左上のオープン・バックの青いカボションのブローチを梱包し忘れていました。発送した後、机の端にこれが残っているのに気付き、「どうしてお前がここに未だ居るんだ?!」とビビりました。