昨年の八月に訪れたエセックス州の歴史的で絵になる村Finchingfield フィンチングフィールドでも、村を見下ろす丘の上に古風な風車が残っていました。
エセックスに風車が多いのは、この地が伝統的に小麦の主要な産地で、製粉に必要だったからだそうです。風車の白い羽は、やはり青空に映えます。
ただし、この風車は私有地の中に立っており、一般人は近付けないようになっていました。
バイクの多さには辟易しましたが、素敵な家並みの村なのは確かで、兎に角茅葺屋根の家を多く見掛けました。
茅葺屋根の田舎家は、イギリスでは度々紅茶やお菓子缶、ティーコジ―のモチーフとなる程愛されています。
茅葺屋根の上に壁がサフォーク・ピンク(写真ではオレンジに見えるが)は、更にローカル感が盛り上がります。
右に見える四角い建築物は、前出の風車の土台部分。
やはり茅葺の田舎家の前庭は、良く手入れされたコテージ・ガーデンでなくっちゃ。
しかし前にも書いた事がある通り、イギリスの茅葺屋根の住居用の専用保険はとんでもなく高く、また一般の住宅保険では拒否される事が多いと聞きます。
当然火災には一際弱く、特に今のように極度な乾燥が続いて自然発火も起こりうる季節は、もし近くで火災が起きたら一溜りもないと気が気でないかも知れません。
勿論茅を葺く材料も職人も不足している為、修理には多額が掛かるはずです。
そして、かなり定期的に修理しなくてはならない…。
茅葺の家は見る分、旅行で宿泊する分には素敵ですが、住みたいとは全く思いません。
更に、茅葺屋根の防腐・防虫・防水効果を保つ為には、暖炉やストーブ等の煙とヤニの出る暖房・調理機具を使い続けてなくてはならず、喘息持ちには根本的に不向きです。
この村には、ギルドホールを始めパージェティング建築も沢山あり、眺めて楽しめました。
村の中心の人気のパブも、外壁はパージェティング。
こちらの家は、屋根の形もちょっと独特です。
この水色の家の妻壁部分には、フクロウのレリーフが。
こちらはリス。壁の漆喰文様はなく、妻壁のレリーフだけです。
茅葺屋根でもパージェティングでもなく、単に飾り付けに熱心な家。住民は、きっとヒッピーに違いない。
こんな普通の民家を眺めるだけで楽しい市町村が、やはり自分にとっては訪れて嬉しい場所だと思います。
エセックス州の大きな町や都市部は、戦後南ロンドンの貧民窟の近代化開発の為に住民が大量に移住させられたので、正直ガラが悪いとイギリス人からも評判が良くありません。しかしエセックスの古い小さな町や村には、返って交通が不便で近代化から乗り遅れた為に、かつて羊毛産業が栄えて裕福な地であった頃の形跡や昔ながらの家並みが保たれ、訪れる価値のある場所が未だ多く残っているのだと思いました。
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