昨年の今頃夫婦で初めて訪れた、ハンプシャー州のNT(ナショナルトラスト)のお屋敷&庭園「Hinton Ampner ヒントン・アンプナー」で、続いて二階を見学します。
廊下にも、収集品の食器類が所狭しと飾られています。
ここはラルフ・ダットンの寝室で、彼の一番のお気に入りの風景である、サウスダウンズの田園風景を眺めるのに最適な部屋になっています。
こんな豪華な四柱ベッドなのに、ベッドカバーがイギリスらしい素朴なヘキサゴン・パッチワークなのが微笑ましいと思いました。
豪華屋敷では、つい浴室に注目してしまいます。どんなに物語や映画の中のような御屋敷でも、浴室が旧式で使い辛そうだと現実に戻れるからですが、流石にここは1960年代築なので、十分モダンで快適そうです。特に、浴槽の真上の天窓が素敵。
ダットン卿は独り暮らしだったはずで、他の寝室は客室だったと思われます。
どの部屋も、それぞれ意匠が凝らしてあります。
そして、あちこちにブルー・ジョン石の装飾品が置かれています。
石象嵌テーブルの上に、まるでメトロノームのような形のブルー・ジョン石のオブジェが。こちらは、貝で出来た立体モザイク画…?
姿見の枠に東洋風の竹の使われているのが、返って面白いと思いました。
多くのイギリスの裕福者のカントリー・ハウス同様に、第二次世界大戦中は、ここも寄宿学校として使用されました。市街地から遠く離れているので、疎開の為だったと思われます。
ダットン卿の美術収集品は、莫大な財力があったからとは言え、庶民には全く理解出来ないレベルのセンスではなく、興味深い物も多く楽しめました。ラルフ・ダットンは生涯独身で直接的な後継者が居なかった為、死後この館は彼のコレクションと共にNTに寄贈されました。しかし例え子供が居たとしても、引き継ぐのが必ずしも有難い訳ではないどころか、負担になる事の方が多いだろうし、親の趣味に理解があって収集品の全てを手元に残し続けたとは思えません。返ってこうして今でも大事に展示され沢山の人に鑑賞して貰っている方が、コレクターにとっては本望だったかもと想像します。現在亡くなった父母の遺品が、まるで彼等の生きていた痕跡を全て消し去りたりが為のように、根こそぎ処分されている(しかも母が存命だった頃から)自分の実家を考えると、尚更そう考えます。
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