2025/06/30

秩父の旅 西武秩父駅

 

一昨年の姉との日帰り秩父旅行で、最後に帰路の西武秩父駅の土産物売り場で、時間が許す限り買い物をします。

実は秩父駅は二つあり、私達が利用したのは西武線の秩父駅。一方羽生と三峰口を結ぶ秩父鉄道の秩父駅は秩父神社の北東に在り、西武秩父駅との中間には(接続はナシ)秩父鉄道御花畑駅が存在します。

西武秩父駅の観光への力の入れようがまた半端なくて、土産物を売る「ちちぶみやげ市」もあれば、屋内飲食店街もあります。

そして、この駅には何と温泉まで付属しています。

ちちぶみやげ市にしても、売り場が相当広い。

そして、実際に秩父にはお土産になる物が豊富。

銘仙一つとっても、布そのものだけではなく、銘仙柄をプリントしたパッケージのお菓子とか工夫されています。

ここでは、まずは義兄用に地酒を買いました。試飲出来るバーも設けられています。秩父は酒処でもあり、酒蔵巡りツアーも用意されているとか。

食材に恵まれた秩父なので、地野菜・山菜もあり。 

気になっていた、秩父の御当地キャラ「ポテくまくん」グッズもずらり。

駅前に設置された顔嵌めは、「あの花」めんまちゃんとのコラボ。ポテくまくんとは、ジャガイモの串揚げ天ぷらに味噌ソースを付けた秩父のソウル・フード「みそポテト」の妖精だそうです。芝桜で有名な市内の羊山公園に住んでいるらしく、実際に公園内にはポテくまくんのおうちが立っているとか。

ここで見逃してはやはり心残りと、最後の最後に「みそポテト」を食べちゃいました~。甘い味噌は少しピリッとしていて、これは嫌いな人が居ない食べ物ですね。

帰りの便も、ラビュー号でラッキー♪ しかし、乗車中に千葉県で地震が発生し、乗客のスマホのアラームが一斉に鳴ったのには恐怖を感じました。結局大した地震ではなかったのですが、帰国中に北ちょーせんからミサイルが飛ばされてTVの緊急速報が流れた事も数度あり、日本も決して安全で平和な国ではないと実感しました。

先に買って置いた小さな洋菓子店「Spoonのクッキーを、車内で更に頂く私達姉妹()

今回も、たった一日とは思えない、物凄く濃ゆ~い充実した旅でした。秩父、期待した以上に楽しかった!! と言うか、現在日本の多くの土地でそうですが、老いも若きも地元の活性化に努力を惜しまないお陰ですよね。どんな施設、お土産、食べ物が人々に喜ばれるか、日々隈なく研究して観光に力を入れているのだと思います。人口の減少を避けられない日本では、今後益々観光が地元産業の生き残りのカギになる地方自治体も多いはずです。秩父は姉の家から日帰りで十分行けますが、一泊(以上)して山間部も含めて、もっとじっくり見て廻りたくなりました。

 

 

 

 

2025/06/29

秩父の旅 更に食べ歩く姉妹

 

一昨年の姉との日帰り秩父旅行で、是非観たかったちちぶ銘仙館の見学を終え、暑い中を随分歩いたし、小腹が空いたので飲食店で休憩する事にしました。と言うより、まだまだ秩父で試してみたい御当地食べ物があった為、それらを夕食代わりにしようと目論んだようです。何せ食い意地の息のぴったり合う姉妹なので、特にこう言うお出掛けの際は、食欲も食に対する好奇心も一緒で助かります()。それで番場通りに戻り、レトロな煙草店の建物をリノベした雰囲気抜群の「小池カフェ Cafe de KOIKE」に入る事にしました。

凄く洗練されたお洒落過ぎる店内に見えましたが、実は出来るだけ煙草店当時の古い内装を生かしてあり、返って好感が持て落ち着きます。

タバコを売っていた角のカウンター部分も、外装はそのまんま。 

黒光りする木材の神棚、古風なガラス戸棚や襖もそのまま残されています。

建物は昭和初期築で、登録有形文化財になっています。窓が素敵な二階は、古民家ホテルになっているそうです。小池カフェは、豆をベースにした和スウィーツや秩父産オーガニック茶等、地元産の材料に拘ったカフェです。ティラミス等の和スウィーツは、木製の酒升に入って出て来るのがユニーク。

先程見て来た銘仙の版型は、このように掛け軸風タペストリーとして使うと映える事に感心。

この後他で甘い物を食べる予定だったので、二人とも軽食の「本日のゴッフリ」と飲み物を注文しました。ゴッフリとは、クレープよりもガレットよりも薄いパリパリの皮に食材を挟んだ、イタリア・トリノのストリート・フードだそうです。もしかして、ゴーフルのイタリア語?

この日のゴッフリの中身は、ハムや秩父の地野菜でした。ゴッフリの食感が、軽快で独特で旨ッ! 具材とのバランスもばっちりでした。

小池カフェを出た後は、到着時から気になって仕方なかった芋菓子専門店「芋うらら」へ。

メディアでも度々取り上げられる人気店で、夕方近くなのに混んでいました。さつまいもと聞くと川越の名物だと思っていましたが、秩父も歴史ある幻のサツマイモ「太白芋」の産地だそうです。

私達が注文したのは、目の前でうにゅうにゅと絞り出してくれる様子が堪らん、看板商品の「いもんぶらん」。

お芋そのものの美味しさが存分に味わえ、秩父産メープルシロップ使用のクッキーと(秩父でメープルシロップが採れる事に地味にオドロキ)、アイスクリームがアクセントになっています。

そして、大学芋にソフトクリームを乗っけた「蜜いもソフト」。外側がカリッとした大学芋に、蜜とソフトクリームがとろ~りの組み合わせは確かに病みつき。

テイクアウト専門で店内に飲食スペースはありませんが、店の前のベンチ、または隣の蔵の前のベンチで食べる事が出来ます。勿論、二人で半分ずつ分けっこして食べました。

このすぐ近くには、甘酒カフェなんて心惹かれるお店も(甘酒好き)。流石にお腹に入らなくて買いませんでしたが、…本当に食欲への誘惑が多過ぎて、胃が幾つあっても足りない秩父。 

最後に、昼食に食べ損ねた秩父名物の豚の味噌漬けの樽詰めを、有名な「肉の安田屋」で義兄へのお土産として(勿論自分達も食うけどね!)買いました。




 

2025/06/28

赤い鼻緒

 

つばさちゃんが履いているぽっくり下駄は、一昨年に訪れた秩父市内の、特別に見せて頂いた民芸品のコレクションが見事だった和の履き物屋さん「たつみ履物店」で購入した物です。元は根付けでしたが、ミニチュアとしても良く出来ていて、1/6ドールが履けそうだと姉が買ってくれました。

お店に幾つかバリエーションがあった内、勿論一番可愛いと思うのを姉妹で選びました。地元の作家さんの総手作りだそうで、黒い下駄本体は木目の細かい木材で出来ています。 

黒地の下駄に最も映えて見えた赤い鼻緒は銘仙の端切れから出来ていて、良く見ると金糸が織り込まれています。ほんのちょっとだけ使われている銘仙なのに、存在感の大きさに驚きます。

普通1/6ドールの足には、鼻緒を挟む為の指の切り離しがない為、根本的に下駄や草履はすぐに脱げてしまい、履かせたままで立たせるのはとても難しいのです(オビツのビニール足袋を履かせない限り)。しかし、この下駄は履いたままでも結構ポーズを取れるのが意外でした。

これもそれも、このピュアニーモ・エモーションの足が若干幅広に出来ているからのようです。ただし、このボディは上半身がピュアニーモ・フレクションより更に華奢で、特に胸板が薄過ぎて着物の着付けは難しかった~。

体型補正は勿論していますが、首の太さに対して肩幅も狭過ぎるのも着付けし辛いと感じました。そもそも、このボディの扱いに今だ慣れておらず、真っ直ぐに立たせるのさえ安定が悪くて中々上手く出来ません。 

今回はこの下駄に合わせて、いかにも和風らしいしっとりはんなりな浴衣を縫おうと思いました。が、相変わらず浴衣に適した生地が不足しています。日本滞在中に、着物用も含めてドール服作りの為の生地を色々と買い集めますが、どうも毎回浴衣までは頭が回りません。

そこで、数年前に姉が日本から送ってくれた、和風プリントのカット生地を使う事にしました。

この矢羽根柄の他に、麻の葉、市松等の和柄の定番中の定番を送ってくれましたが、正直和服に仕立てると無難過ぎて面白みがないかもと思い、今まで手を付けませんでした。が、この矢羽根柄はドールにとってはかなり大きい為、結構華やかで粋に仕上がりました。 

矢羽根と言っても一色ではなく、濃緋、海老茶、蘇芳と赤系統色が幾つか組み合わせてあり、地色もクリームに近い生成りなのが、生地に面白みを出しているのかも知れません。

帯は、かなり昔から持っている和風リボン・テープから作りました。長い間ドールの着物の帯として使えそうと思っていましたが、やっと出番が来ました。

今までコットン・テープだと思っていましたが、実は化繊地で思いの外針通りが悪くて縫い辛く、更に接着心を何枚も重ねたから一層縫い辛く、こんな事なら普通の布の方が縫い易かったかも~と思いました。 

本来浴衣には半襟や伊達襟、帯締め、帯留め、帯揚げも必要ないのですが、今回は帯揚げ以外は加えています。半襟は浴衣の襟部分の汚れ防止になって実用的な為、今は浴衣にも使用する人が多いようです。しかし写真を撮ってから気付いた事には、半襟を詰め過ぎちゃって暑苦しく見える💦

本当は、浴衣だから涼しげに髪は結い上げたかったのですが、中古人形なので切れ毛も多く、元々ドールの髪のアレンジは超苦手で上手く出来ず、結局単に一つ結びしただけに

髪飾りは、自分のピアスのキャッチを取って髪に差し込んだだけ。こんな摘まみ細工がドール用に自分でも作れれば素敵なんですけど、人間用でもクロバー社のプレートを使ってさえ私には難しいもんな…。

浴衣自体は下駄に似合うように何とか仕上がったと思っていましたが、いざ撮影してみると思い描いた通りには色々と行かず、悔いが沢山残ります。少なくとも、エモーション・ボディは二度と和装には使いたくないかも、と勉強にはなりました。そして、つばさちゃんが和服美人だと言う事が分かっただけでも収穫はありました。




2025/06/27

秩父の旅 履物屋さんの私設民芸博物館

 

一昨年の姉との日帰り秩父旅行で、ちちぶ銘仙館での見学を終え、再び番場通りに戻る途中、東町通りに「たつみ履物店」と言う、いかにも老舗らしい古めかしい店構えの、和装用の草履や下駄を売る素敵なお店があるのを見掛け、思わず足を止めました。

中を覗かせて頂くと、センスの良い粋な履物がズラリ。店主さん、女将さんのお話では、東京からも着物愛好者が買いに来るそうです。

しかし、ガラス・ショーケースには、履物とは関係ない根付も並んでいます。日本の根付には、返って西洋人に凄く熱心な収集家が居る人気のアイテムです。 

こちらには民芸品が。不思議に思い、私達姉妹の故郷には三春駒や三春張り子と言う郷土玩具があると話すと、そう言う物に興味があるならと、特別に店主さんのコレクションの民芸品を見せて頂く事になりました。

お店とは別の入り口の、秘密基地のような迷路のような小部屋に、圧巻のコレクションがズラリ。

元々は店主さんが好きでコツコツと集めていた物ですが、その事が次第に周囲に広まって、御近所や御親戚、お友達からも受け取って欲しいとどんどん集まり、膨大なコレクションとなったとか。

限られた空間に出来るだけ多く収納出来るよう、良く考えられた備え付けのガラス戸棚には、文字通り所狭しとコレクションが並んでいます。

正に、天井近くまでぎっしりと。個人でこれ程の収集は、日本中を見渡しても中々無いのではないでしょうか。 

昔の手描きの羽子板にしても、凄い数です。

伝統的な郷土玩具、民芸品は勿論、明治・大正・昭和初期時代の玩具として貴重な物も沢山混ざっています。写真で見た事はあったけど、アール・デコ時代のモガ・スタイルの市松?人形とか。

アメリカのキャラクター、ベティさんの和製人形なんてのもあります。  

ほとんどが日本の物ですが、たまに海外の工芸品や、現代の玩具もちょろっと混じっています。

ビンテージと呼ばれるブリキの玩具も。 

江戸東京たてもの園の特別展示で以前見掛けたような、1/6ドールにぴったりそうなままごと玩具も多く、やはり日本人って昔からミニチュア好きなんだなーと思いました。小さき物は皆うつくし。

これだけの郷土玩具を集めて保持するのも勿論偉業ですが、改めて日本にこれ程郷土玩具の多い事に驚きました。

人形にしても、こけしのような木製、陶製、木目込み、陶製、土人形、和紙製の姉様人形、張り子等、実に多くの素材&形式が日本には存在します。

 全く怖くない、穏やかな表情の大きな正統派市松人形。

イギリスにも輸出されていたのを、アンティーク・モール等で何度か見掛けた事のある鬘人形。 

スピリチュアル好きな姉が後からこっそり話す事には、邪悪さはないけれど、魂が宿っていると言うか、念の籠った物もいっぱい感じ取れたそうです。これだけ古く、多くの人と関わって様々な経緯を辿って来た物達ですから、それも不思議ではないのかも知れません。

世界には魂を持つのは人間だけと信じられている宗教もある一方で、日本では昔から人形供養をしたり、「付喪物」と言う無機物でさえ時を重ねると魂を持つと信じられている、独特な文化、宗教観があります。人形や鏡等の人間の姿を「写す」物は、特に魂が宿り易いと言う人も居ます。

幸か不幸か私には霊感らしき物はないけれど、これだけ店主さんに大切にされ愛されているここの民芸品達には、きっと幸せな念が籠っているのではと想像します。見ず知らずの私達に、貴重な素晴らしいコレクションを見せて頂き、本当に有難うございました。