2025/06/28

赤い鼻緒

 

つばさちゃんが履いているぽっくり下駄は、一昨年に訪れた秩父市内の、特別に見せて頂いた民芸品のコレクションが見事だった和の履き物屋さん「たつみ履物店」で購入した物です。元は根付けでしたが、ミニチュアとしても良く出来ていて、1/6ドールが履けそうだと姉が買ってくれました。

お店に幾つかバリエーションがあった内、勿論一番可愛いと思うのを姉妹で選びました。地元の作家さんの総手作りだそうで、黒い下駄本体は木目の細かい木材で出来ています。 

黒地の下駄に最も映えて見えた赤い鼻緒は銘仙の端切れから出来ていて、良く見ると金糸が織り込まれています。ほんのちょっとだけ使われている銘仙なのに、存在感の大きさに驚きます。

普通1/6ドールの足には、鼻緒を挟む為の指の切り離しがない為、根本的に下駄や草履はすぐに脱げてしまい、履かせたままで立たせるのはとても難しいのです(オビツのビニール足袋を履かせない限り)。しかし、この下駄は履いたままでも結構ポーズを取れるのが意外でした。

これもそれも、このピュアニーモ・エモーションの足が若干幅広に出来ているからのようです。ただし、このボディは上半身がピュアニーモ・フレクションより更に華奢で、特に胸板が薄過ぎて着物の着付けは難しかった~。

体型補正は勿論していますが、首の太さに対して肩幅も狭過ぎるのも着付けし辛いと感じました。そもそも、このボディの扱いに今だ慣れておらず、真っ直ぐに立たせるのさえ安定が悪くて中々上手く出来ません。 

今回はこの下駄に合わせて、いかにも和風らしいしっとりはんなりな浴衣を縫おうと思いました。が、相変わらず浴衣に適した生地が不足しています。日本滞在中に、着物用も含めてドール服作りの為の生地を色々と買い集めますが、どうも毎回浴衣までは頭が回りません。

そこで、数年前に姉が日本から送ってくれた、和風プリントのカット生地を使う事にしました。

この矢羽根柄の他に、麻の葉、市松等の和柄の定番中の定番を送ってくれましたが、正直和服に仕立てると無難過ぎて面白みがないかもと思い、今まで手を付けませんでした。が、この矢羽根柄はドールにとってはかなり大きい為、結構華やかで粋に仕上がりました。 

矢羽根と言っても一色ではなく、濃緋、海老茶、蘇芳と赤系統色が幾つか組み合わせてあり、地色もクリームに近い生成りなのが、生地に面白みを出しているのかも知れません。

帯は、かなり昔から持っている和風リボン・テープから作りました。長い間ドールの着物の帯として使えそうと思っていましたが、やっと出番が来ました。

今までコットン・テープだと思っていましたが、実は化繊地で思いの外針通りが悪くて縫い辛く、更に接着心を何枚も重ねたから一層縫い辛く、こんな事なら普通の布の方が縫い易かったかも~と思いました。 

本来浴衣には半襟や伊達襟、帯締め、帯留め、帯揚げも必要ないのですが、今回は帯揚げ以外は加えています。半襟は浴衣の襟部分の汚れ防止になって実用的な為、今は浴衣にも使用する人が多いようです。しかし写真を撮ってから気付いた事には、半襟を詰め過ぎちゃって暑苦しく見える💦

本当は、浴衣だから涼しげに髪は結い上げたかったのですが、中古人形なので切れ毛も多く、元々ドールの髪のアレンジは超苦手で上手く出来ず、結局単に一つ結びしただけに

髪飾りは、自分のピアスのキャッチを取って髪に差し込んだだけ。こんな摘まみ細工がドール用に自分でも作れれば素敵なんですけど、人間用でもクロバー社のプレートを使ってさえ私には難しいもんな…。

浴衣自体は下駄に似合うように何とか仕上がったと思っていましたが、いざ撮影してみると思い描いた通りには色々と行かず、悔いが沢山残ります。少なくとも、エモーション・ボディは二度と和装には使いたくないかも、と勉強にはなりました。そして、つばさちゃんが和服美人だと言う事が分かっただけでも収穫はありました。




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