朝から大聖堂都市Lincoln リンカーンを観光し、丘の麓のハイストリートから歩き始め、急な坂道スティープ・ヒルをえっちら登って、とうとう大聖堂の立つ丘の頂上に到着しました。しかしまずは大聖堂ではなく、その向かい側に立つLincoln Castle リンカーン城から見学します。
城見学の前にまず公衆トイレを利用しましたが、人気の観光地で有料で、例に寄って一人50ペンス(約80円)も掛かりました。P太は小銭の持ち合わせがなかった為、カードで支払いました。しかしその直後、お城の敷地内に無料のトイレがある事に気付きガッデ―ム!!
東門から入りました。ゲート・ハウス(門楼)にある目を引くゴシックの出窓は、元はハイストリートに在った14世紀の裕福な商人の邸宅から移築された物。
リンカーン城は、11世紀にウィリアム征服王に寄って建てられた、典型的なノルマン時代のmotte-and-bailey モット&ベイリー様式の城です。ベイリーは堀や土塁に囲まれた城の敷地、つまり曲輪や要塞そのものを差し、モットは主にその中に築かれたkeep=天守が立つ人工的な小山を意味します。しかしリンカーン城に天守は残っておらず、代わりに明らかにノルマン時代よりもずっと新しい時代の建物が立っています。
それらの一つは、18世紀に建てられた牢獄。今は、博物館になっています。リンカーン大聖堂が保持するマグナ・カルタの写本は、現在この博物館に厳重に保管されているそうです。
そして、19世紀に建てられた裁判所です。こちらは、今も裁判所として現役です。
古城らしさはないものの、城の敷地内のみは入場無料で、心地良い公園にはなっています。
この場所は、元々古代ローマの要塞跡地でした。眺望が利く軍事に有効な立地は、いつの時代も重要なようです。イギリスでは、鉄器時代の要塞にローマ時代の駐屯地が築かれ、その後ノルマンの城が立ち、チューダー時代、ナポレオン戦争時代、第二次世界大戦時代、冷戦時代ですら軍事基地として利用された場所が結構在ります。
これが、本丸「Lucy Tower ルーシー塔」が立つモット。塔と言っても、今は城壁だけです。ルーシーの名は、12世紀の伯爵夫人に因むそうです。リンカーン城はモットが二つ存在する珍しい城郭で、英国内では他にルイス城しか例を見ないそうです。
城内の北東端に、何やら人(主に子連れ)が集まっていました。
近付いて見ると、こうなっています。
更にアップ。この竜はルーシーと言い(雌なのか…)、天守の塔から名付けられたようです。夜間は、ライトアップもされます。イギリスの子供は、兎に角竜が好き。
尻尾もあり。城壁内に巣をくっていると言う設定ですね。
実はこの竜の背後の城壁の塔で、牢獄の囚人の公開処刑が行われていたそうです。出来るだけ遠くからでも見える高い場所が、専ら絞首刑の場として好まれたようです。
城内に立つ、国王ジョージ三世の彫像。元々は気さくなお人柄で人気はあったものの、長年精神疾患に悩まされいた狂気の王様です。竜より怖い顔をしています…。
この立地そのものが見晴らし抜群の丘の上なので、城壁からの眺望はさぞ素晴らしいと簡単に想像出来ますが、博物館の入館者しか城壁の上を歩く事が出来ません。そしてその入館料は、一人18ポンド(約2900円)!。この後に大聖堂の拝観料9ポンドが待っているので、ここは見送りました。
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