2022/11/29

アナ雪のアナ人形をリペイント

リペイント&カスタム用の中古ファッション・ドールを買う際、元々の顔やボディの造形やギミックも大切ですが、勿論コンディションも重要です。子供に遊び倒された人形は、概ね悲惨な状態です。そんな中で、自分で修復可能かどうか、瞬時に見極めて買わなければなりません。

もし肌の色が退色・変色していたり、ペン等のインクが肌に染み込んでいれば、直しようがありません。また、私は植毛技術がないので、髪が刈られていたり抜け過ぎていたり、髪質が劣化しているのもNGです。単に髪型が崩れているだけなら、大抵は根気良く整えれば直せます。

フリマで中古ドール4体+ドール小物色々を全部で50ペンスで手に入れた時、その中で一番髪の状態の悪いのはこのアナ人形でした。恐らく元持ち主の女の子の一番のお気に入りで、一生懸命ブラッシングしたのではないかと思っています。髪は見事に擦り切れ乾き切ってこんがらがり爆発し、パサパサチリチリになっていました。こういう時、一応髪を濡らしらながら梳いて整え、ポリスリーブを被せてしばらく放置し、落ち着くかどうか確かめます。それでも駄目だったら、次の手を考えるしかありません。

やっぱり駄目だったので、傷んだ部分の髪はカットする事にしました。元々アナのキャラとは出来るだけ別な雰囲気にするのが目的だったのだから、ばっさりボブにする事に。今まで何度かドールをボブにカットし、専門的な知識は何もなくとも、そこそこ見られる状態には仕上がりましたが、これは非常に難しかった~。ポリスリープで数カ月寝かしておいたのにも関わらず、やはり髪の根元が凄く畝っていて切り辛いのです。

思えば、今まで自分がカットして来たドールは概ね新品で買った訳ですが、こちらの中古人形と言えば大抵子供にオールバック・ひっつめ結びにされている状態だし、アナ人形の場合はデフォルトは三つ編みだから尚更です。前髪も一部ちりちりに劣化していましたが、出来るだけ傷んだ部分を切り取ってこの状態に。

髪が短くなって庶民的になったアナのリぺは、普通に日本に居るような女の子を目指す事にしました。なので、丸っこい黒目勝ちな瞳で(色的にはヘーゼルだけど)、親しみ易い雰囲気にしたつもりです。ってかこのアナさん、肌色は日焼けっぽいし頬骨は張っているし、北欧の王族出身のはずなのに、フェイス・ペイントを落とした時点で、既にかなり庶民的な顔の骨格でした。

ディズニーと言うよりは、何だか少しジブリ・キャラっぽい顔になったような気がします。

最初は髪色&瞳の色に合わせ、服装は茶系で秋っぽく纏めようと思いましたが、それでは地味過ぎてボヤけてしまうとわかりました。彼女には、大柄ではっきりした色の若々しい元気なイメージの方が相応しいと思いました。

都会の普通の女の子を目指しているはずだったのに、これも違うあれも合わないと変えて行くうちに、まるでホビット村の住民のようなメルヘンな出で立ちに()

何はともあれ、彼女には緑が似合うのは確かなようです。

ラウンド・ヘムのチュニックは、momoko DOLL用の型紙で出来ています。袖がアナ人形には長過ぎた為、少し縫い絞ってくしゅくしゅにしています。後で糸を解くと、モモコが着用しても可笑しくないようになります。

海外のドールの多くは、手の平が大きくて指が開き気味な為、袖口は広めに作らなければなりません。momoko DOLLやリカちゃん人形用には大抵カフスは5cm幅(縫い代含む)で作っていますが、海外の人形はそれでは手が通らない物が多いのです。手の大きさから、袖口だけでなく袖ぐりさえ通りにくい場合もあります。モモコやリカちゃん用だって、袖口は広い方が着替えさせ易いんですけど、それではデザイン的に上手く行かない場合もあります。

靴は、ケン用の彩色したワーク・ブーツを履かせています。大きさ的には合いますが、爪先立ちの足の形には全く合っておらず、実は靴の中で踵が宙に浮いている状態です。撮影時はそれでは安定が悪いので、靴の中にブルータック(練りゴム)を入れて底上げし、言わばロンドン・ブーツになっています。

アナのボディの上半身は、エルサより細く出来ています。交換前のムーランのボディも、これと同じでした。しかし腰幅はエルサと変わらない為、正直身頃が華奢過ぎて見え頭の大きさが目立ち、バランス的にはエルサのボディの方が自然に見えます。

エルサの魔法で白くなっちゃった髪の一部は、短い髪だと一層目立ってまるでハゲに見える為、コピック(アルコール系マーカー)で染めました。色落ちもせず、割とちゃんと染まっています。


このToo.のコピック(または類似模造品)、人気でイギリスでも売られているんですよ。かつて仕事で使用していましたが、結構高価なので、自分用に入手したのは、伊東屋メルシー券が廃止になる寸前に交換した時がやっとです。

普通の女の子にするはずだったのに、リぺしたら肌の浅黒さ、頬骨、口の大きさが返って目立ち、すっかり普通の(欧米の)男の子っぽくなってしまいました💦。この人形では、ピーター・パンの格好をさせた方が良かったかも。もう少し女の子らしく見せるられるかどうか、再度スタイリングに挑戦してみたいと思います。

 

 


2022/11/28

北イングランドの旅 ウェンズリーデール谷


9月に我々夫婦+義母と訪れた湖水地方の旅の滞在ホテルは、高速道路6号線の側と言う交通に便利な立地にありました。この場所は、湖水地方Yorkshire Dales ヨークシャー・デールズと言う二つの国立公園の丁度中間に位置します。それで、旅行最終日である三日目の行き先は、湖水地方とヨークシャー・デールズのどちらが良いか、義母に尋ねました。旅行に適した暖かい季節の天気の良い日の湖水地方が凄まじく混む事は、前日の道路の渋滞やホテルでの団体旅行者の多さで痛感したので、義母はヨークシャー・デールズへ行く事を希望しました。ヨークシャー・デールズの中でも、乳業で全国的に名の知れたWensleydale ウェンズリーデール谷に、チーズを買うのに持って来いの専門店が在る事を告げたのも、食いしん坊でチーズ好きの義母を魅了したようです。

そこで、帰路はヨークシャー・デールズを西から東へ横断し、最終的に高速道路1号線を南下して帰る事にしました。今回の旅の記事のタイトルを、「湖水地方の~」ではなく「北イングランドの~」にしたのはその為です。

ヨークシャー・デールズの景観は、一見湖水地方に似通っていますが、山は低くてなだらかで、氷河で形成されたドラマティックな湖沼はない為に地味です。世界中から観光客が押し寄せる湖水地方に対し、ヨークシャー・デールズを訪れるのは、同じ国立公園とは言え、せいぜいイギリス国内在住のアウトドア愛好者だけです。

前年ここを私達夫婦が訪れた際は、生憎旅行中のほとんどが雨に見舞われた悲しい天気でした。しかし今回は前日同様に快晴で、同じ山()並みも大分印象が違って見えます。

ここは前年滞在した宿Moorcock Innに続く線路沿いの谷で、その時は列車に一度も遭遇せず、もしやコロナ渦で廃線になったのかと疑いましたが、今回はちゃんと列車が走っているのを目撃しました。ロンドン育ちのP太は、列車が三両だけなのに驚いていましたが、田舎もんの私は、ローカル線で三両なら割と多い方だと思いました。

撮り鉄ならずとも、もしもっと早く列車が来るのに気付いていたら、橋のこちら側なら絵になる写真が撮れたかも~と、夫婦二人揃って思いました。恐らく一時間に一本程度の本数だと思いますが、単線ではなく複線なのが意外。

その後この谷からウェンズリーデール谷に入る際に、分岐点の角に立つMoorcock Innの前を通過しましたが、昨年からと違っていたのは、でっかいウクライナ国旗が掲げてある事でした。

そして、義母の目当てのチーズ屋…と言うかチーズのテーマ・パーク的な「Wensleydale Creamery」に到着。私達夫婦も、チーズやら地エールやらを買い込みました。義母はここでチーズを買い過ぎて、後から間違って我々が買った分まで混じってしまったのじゃないかと疑いました。

その後正午を過ぎ、義母が空腹を訴えたので、小腹を満たす為に、牧草地の中にぽつんと立つ17世紀築の歴史的な納屋の建物を利用した、前年訪れたアイスクリーム・パーラーを訪れる事を提案しました。

到着時はほぼ満席でしたが、一階席の先客が気遣って立ち去り席を開けてくれました。ここは店員さんもお客さんも、皆フレンドリーで幸せな雰囲気に溢れています。

義母は、この店で好物のクリーム・ティーを食べる事が出来て満足。一方私達夫婦は、ホテルのビュッフェ朝食をたらふく食べて未だお腹が全く空いていなかった為、アイスクリームだけで済ませました。

アイスクリームの種類は、相変わらず盛り沢山で選ぶのに迷います。

右が私のでアップル・パイ味、左はP太のベリー&エルダーフラワー味だったと記憶しています。この店で昨年からと違った事は、バターミルクのパンケーキはメニューから消えていました。

このアイスクリーム屋にせよ、チーズ屋にせよ、こう言う地元産業に密着しアピールした地産地消の商売が、もっと存在すべきだと義母は強く主張しました。全くその通りだし、日本では観光と地方活性化の為には当たり前の傾向ですが、イギリスでは本当に不思議な程少なく、そう言う発想に至らないのです。

旅費は出して貰ったにせよ、予め覚悟はしていたものの、正直言ってやはり何かとストレスの多い旅行でした。義母自身は喜んでいたので、使命は果たしたと信じていますが、こんなに風光明媚な場所でさえ、心の底からは楽しめない旅行ってあるもんなのだと改めて思いました。我々夫婦にとっても久々の本格的なお出掛けだったと言うのが、一層そう思わせたのかも知れません。私自身の忍耐も歳と共に益々減ったのも、その一因かもと思っています。車のトランク全てを占めてまで運んだ電動車椅子を、結局一度も使う機会がなかったと言うのにも、始終モヤモヤさせられました。高齢者との旅行の難しさや、真実のバリアフリーの難しさを、つくづく考えさせられた旅行です。

 

 



2022/11/27

湖水地方のトイレ事情

 

義母との旅行先が湖水地方と決定した際、私は義母に「旅行までに出来るだけ10ペンス、20ペンス、50ペンスの硬貨を貯めて置いて下さい。湖水地方の公衆トイレは全て有料だから」と告げました。義母は「小銭なら沢山持っているけど…、トイレに本当に50ペンスも掛かるのぉ?」と怪訝そうでした。確かに、排泄一回に付き50ペンス(80)って随分な値段です。前回我々夫婦が湖水地方を訪れた際は、公衆トイレには毎回20ペンス掛かりました。が、それは二年前の事で、毎年全てが値上がるイギリスで、更にインフレの凄まじい今となれば、現在トイレに50ペンスは有り得ます。事実ロンドンの主要駅のトイレは、随分前から50ペンスでした。


結局アルスウォーター湖北端のPooley Bridgeとウィンダミア湖畔のAmbleside近くで公衆トイレを利用しましたが、本当に50ペンスに値上がっていました! しかも、後者はコンタクトレス・(クレジットorデビット)カードでの支払いのみで現金不可!! イギリスの自動支払機はお金だけ奪って作動しないと言う事が良く起きるのですが、このトイレのカード読み機もしばらく作動せず、困惑していると去り際の女性が「大丈夫? これ、時々ちゃんと作動しないのよ」(ひえ~)と親切にも教えてくれました。結局1分位掛かってトイレの入り口はちゃんと開きましたが、実は誤作動で百倍の金額でも請求されるんじゃないかと、実際に銀行の支払い明細書が来るまで結構ドキドキしていました。

日本のスイカのようなプレペイド・カードなら、かつ日本の自販機なら未だ許せますが、クレジットやデビット・カードをイギリスのこんな場所で使用するのは正直怖いと思います。犯罪の格好のターゲットになりそう。そしてカード支払い可となったからには、これから心置きなくどんどん値上げ出来る訳です。トイレ一人一回に付き1ポンドと言う日も、そう遠くないと思います。これからイギリス旅行を計画している方は、是非コンタクトレス・カードを御用意下さい。トイレはなるべく宿泊施設か飲食店、車で旅する場合は出来るだけガソリン・スタンドか高速道路のSAで済ませて下さい。また、利尿効果が高い紅茶やコーヒーの量は、旅行中は絶対控え目に!

 

 

2022/11/25

花屋さんのシンディ人形

 

買って来ました、ビンテージ・シンディ人形の復刻版とも言える「Sindy Play」の今年の新作。

今年のシンディちゃんは、左からDance Star ダンサーのシンディ」Party Time パーティー大好きシンディ」Toy Vlogger 玩具ヴロガー(Youtuber等の動画ブロガーの事らしい)のシンディ」Music Star ミュージシャンのシンディ」「Flower Magic 花屋のシンディ」の人形五種類と、三種類の着替えが発売されました。その中から、「ミュージシャンのシンディ」と、この「花屋のシンディ」を買いました。パーティー・シンディにも惹かれますが、ケーキ屋さんのシンディと髪型が同じで被り過ぎて見え(髪色だけ違う)、購買を検討中です。しかし他のシンディ達が皆プロとしてせっせと働いているのに、パリピ・シンディだけはパーティー三昧なのか??()

仕様は昨年通りで、ドール自体は可動式ボディで、リアル・アイラッシュは無し。主に店舗の背景舞台として遊べ、また簡単に収納できる外箱にパッケージングされ、プラスティック製の小物や紙製組み立て式の背景小道具が付属されています。昨年より改善された点は、パッケージを留め付けてあるシールが断然剥がし易くなった事。ほんの僅かな差のようでも、実は昨年は結構剥がすのに苦労したので、随分有難く感じた改良点です。

花屋のシンディは、自然愛好家が高じて自らお花屋さんを経営していると言う設定です。肌の色は明るく、赤毛に水色の瞳をしています。ドールとしては非常に稀な事で、ウェブの写真で見るより実物の方が可愛いと思いました。

ウェブ上では、縦ロールっぽい髪型がボリュームあり過ぎでもっさり見えたのです。しかし実物は、縦ロールであった形跡はまるでなく、カーリーヘアですらなく、どちらかと言うと緩いウェイビーです

オリジナルのアウトフィットは、花柄の化繊のミニ・ワンピースにデニム・ジャケットと、頭には薄紫色のヘアバンドで、胸当て無しエプロンが付属しています。フットウェアは薄紫のリボン付きのパンプスで可愛いのですが、他のシンディのフットウェアに比べると抜け落ち易いのが難点です。

ジャケットを脱いでも、充分可愛いワンピースです。

付属小物はジョウロ、チューリップの切り花と謎花の鉢植え。そして、いつものシンディ・マガジン。ドール用のジョウロが欲しいと常々思っていましたが、頭の大きいシンディに合わせたサイズなので、他の1/6ドールには巨大過ぎて使い辛いようです。花の葉の緑が安っぽいビリジアンなのが気になり、後で塗り替えるかも知れません。

紙小物では、花用の什器を組み立てる事が出来ます。…花屋に蝶は要らん。

組み立てると、こんな風に仕上がるそうです。その他にも、お会計台やトピアリーの紙小物を、ウェブからダウンロード出来ます。

今着せている薄紫のギンガムチェックのワンピースは、実は元々リペイントしたバービー用に作った物でした。何を着せても悲しい程似合わないバービーで(結局ボディの問題でしたが)、いっそナチュラル・ファッションをと試しに作った服です。このシンディちゃんのほうが、遥かに上手く着こなしてくれます。

型紙自体はmomoko DOLL用で、ピンクのギンガムチェックのワンピとほぼ同じ。袖の長さと、スカートの丈だけが違います。一応前後着と言う事で、どちらを後ろ前にしても着られる設定にしています。また留め具を外して、一応羽織物にもなります。 

エプロン・ドレスも、以前モモコ用に作った物です。 こんなウェストの括れの無い恰好をさせると、童顔で腕がむっちりのシンディちゃんだから、ティーンネイジャー・ドールと言うよりは、最早幼児人形のように見えます。

お花屋さんは、洋の東西を問わず女の子にとって憧れの職業のようです。リカちゃん人形の母方のおばあちゃん(香山洋子さん)も、確か花屋兼ケーキ屋を経営していたはずです。しかし実際には立ち仕事&水仕事&肉体労働も必要で、一般人が考えるよりずっと大変な職業だと思います。義兄は学生時代に花屋でバイトしていた事があるそうですが、あの花の良い香りに一日中包まれるのは、実は意外と苦痛だったと言っていました。