その前週末はフリマが中止されて行けなかった為、古物へのフラストレーションが溜まっていたのだと思います。山小屋風チャリティショップへ行った時、結構良さ目な顔立ちで、可動域も通常よりは広いバービー人形が50ペンスで売られていた為、つい買ってしまいました。勿論リペイント用としてですが、私にとっては「手を加えるしかない程酷いコンディション」「見ちゃいられない程好みに合わないフェイス・プリントのデザイン」の人形こそリぺしたくなるので、それ程の難点はないこの人形を改造するのは少々躊躇しました。
日焼け肌だし、いかにもぺたっと貼っただけのアイプリが安っぽいのは否めませんが、緑掛かったグレイの瞳は珍しく、リップの色も悪くなく、ついでにバカっぽくは見えず、このままでも十分美人なバービーさんには違いありません。しかし単なる中古バービーとしてなら、わざわざ買わなかったとは思います。元から美人なドールを、果たして自分のリぺで更に魅力的に出来るのだろうか?と言うささやかな野望にも、結局は挑戦と練習あるのみです。
ギミック的には、首は傾き、腕脚の付け根は球体式で広がり、肘と膝は曲がるが手首と足首は曲がらないと言ったところ。それとLOOKSのバービーと一緒で、何故か腕が脇にぴったり沿いません。いえ、LOOKSのバービーより更に腕が広がっている程で、余りに不自然な為に、もしかして関節が硬くて曲がらないだけか?と疑い、危うくバキッと腕を折る所でした。長い間(70年代後半~90年代)バービーは、こんな風に腕が曲がったままだったから、可動式にアップグレードしても、これが気になって直すと言う感覚はなかったんでしょうかねえ??
最初は、角度眉にしてメイクばっちりのモード系な顔にしようかと考えていましたが、描いている内にナチュラル系の方が良いなと言う事に。ゲジゲジ気味の眉にしました。
瞳の色は、オリジナルに則って一応グリーン・グレイっぽくしました。リップの色は、今までで一番薄くなっています。グロスに、ほんの少し色を加えただけ。元よりはひどくならなかった事を祈りますが、イメージ的には大して変わっていないかも知れません。
髪型の向かって左脇だけソバージュになっている所は気に入っていますが、髪質は熱に弱い非常に静電気が起き易いタイプで、まとまりにくく扱いにくいのです。
小麦肌なので、白っぽい服が一番似合うだろうと言う事は、すぐに想像出来ました。カジュアルでナチュラルな服装をさせよう…と、最初はギンガムチェックでハイウェストのゆったりした、いわゆるコンフィ・ウェアと言うのを縫いました。が、自分のデザインが悪かったのか、着せて見ると我ながら悲しい程似合わず、まるで妊婦にしか見えなくて却下。次にもっと体にフィットさせた服をと考え、割とドレッシーなワンピースを縫いましたが、それも違和感大ありです。三度目の挑戦で、このカジュアルなチュニック+パンツになりましたが、これも最初はどうにも可笑しく見えました。結局ボディの問題だと気付き、首を引っこ抜いて体を換えてみる事にしました。オリジナルのボディは、元から割と肩幅はある上に、脇の閉らない腕が更に幅広にガタイを良く見せていて、おまけに腕も短く見せていたのです。閉まらない脇が広がり過ぎて、着替えするのにさえ支障を来す程でした。
ボディを換えてから、先に作ったコンフィ・フェアもドレッシーなワンピースも一応試着させてみましたが、何だちゃんと普通に似合うじゃないかと思いました。換えたのは、マテル社のディズニーの姫人形の中古ボディ(メリダだった)で、フォルム的にはほぼ同じものの、可動域は更に広くなっています。とは言えこのアリエルと全く同じボディで、足首は不必要に360度回転するのに肘は90度にすら曲がらないと言う、精度が良いとは言えない可動式です。しかし服を普通に着こなせる点では、元のボディよりは遥かに使えます。少なくとも、最初は足首の関節のない爪先立ちオンリーだった為、これでヒール靴だけでなくフラット靴も履けるようになりました。
とは言え、もう秋だと言うのに、この人には夏服しか似合いそうもないような…(笑)。我ながら、ダ★ールとか通販で売っている、おばーちゃんラクチン服っぽいなあとは思います。
設定的には、英国ブライトンに住み環境問題には敏感で、最近はヴィーガンも気になるバーバラさん(二人の子持ち)とかのイメージ。いや、ブライトン在住者なら、もっと個性的なファッションを好みそう。
布とのコントラストと光のせいでもありますが、写真だと肌の地黒ぶりが一層目立ちます。
白飛びして見えにくいと思いますが、チュニックに使用した布は鳥(シジュウカラかアオガラ)柄です。鳥柄の布もボトムのストライプの布も、数年前にフリマで手に入れましたが、どちらも元はパッチワーク雑誌の付録のようで、この二つの布は良くマッチします。
チュニックの襟開きと裾には、シードビーズと竹ビーズを縫い付けています。
ところで山小屋風チャリティショップでは、今は玩具を余り扱っていません。お店の人と寄贈者との会話を聞いていたら、玩具の寄付は現在受け付けていないとの事。玩具の取り扱いを止めた、または玩具売り場の規模を縮小したチャリティショップは他にも見受けられます。チャリティ屋を無料の託児所と勘違いして、狭い通路いっぱいに子供に玩具(商品)を広げて遊ばせ、片付けもしないで去る親が多いので、そう言う決定にしたのではと思います。
元のボディは、服さえまともに着用出来ない、非常にイラ付く悪夢のボディでした。可動式とは言え、あんなに酷い素体がある事を初めて知りました。これなら、肘膝の曲がらない普通のボディの方が余程マシです。しかし、たった50ペンスで色々勉強する事は出来ました。脇を引き締めて生きる事の大切さを、一応身を持って学びました(笑)。
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