このバービーは、夏に山小屋風チャリティショップで六体買った中古人形の内の一つです。
恐らく元は、一つ団子頭バービーと同じ体操選手のバービーだったと思いますが、既に団子髪が解けていました。すると、毛先は結構綺麗な外巻きカールになっていました。ボブやショートヘアでカール髪のバービー自体が兎に角珍しいし、根気良く整えればミッドセンチュリーの女優みたいな髪型になるんじゃないかと思い購入しました。
元のボディは、体操選手バービーと同じだからフラット足の可動式でした。素裸で家に来たので、テキトウな服を着せて撮影しています。
水で濡らしては整えてポリスリーブで固定するのを繰り返し、更にジェルで固めると、確かに昔の女優みたいな外巻きカールになりました(モーツァルトとかロココっぽいとも言える)。これなら50’sは勿論、アール・デコ時代のフラッパーやギャルソンヌ・スタイルもイケそうと、メイクは濃い目でリップは輪郭バッチリにしました。
デコ時代のスタイル画等を見ると、眼の周りが真っ黒~でパンダ状態な位アイメイクが凄まじいのですが、元々濃い顔の造りのバービーさんですし、ドールでは流石にケバ過ぎて其処までする気にはなれませんでした。
アール・デコ時代のローウェストのすとんとしたラインのドレスは結構好きで、今まで何回か作りました。
しかし、今までは主にクロッシュ帽を被るような外出着だったし、屋内用の華やかなパーティー・ドレスっぽいのはこれが初めてのように思います。本当は、手袋を嵌めるのがお約束なはずです。
こんな服装を見ると、「華麗なるキャツビー」や「ダウントンアビー」、アガサ・クリスティーの世界を思い出す人は多いかも知れません。
ボディは、バービー・エクストラとは真逆に、同じタイプの簡易可動式でもヒール足タイプに替えています。
ローウェストの切り替えを少し上目に、スカート丈は心持ち短くても良かったかな、と思っています。
アール・デコでも時代が下がるにつれ、更にスカート丈は短くなっていったようです。
当時大流行したチャールストンを踊る為に、寄り動きが激しく見えるよう、スカートの裾には揺れるフリンジを付けるのも好まれたそうです。
また、こんなデコのパーティー・ドレスには、頭には羽根が飛び出たような派手なヘッドバンドや、フリンジ付きのキャップを良く合わせていました。
このヘッドバンドは、百均で売っているフラット・ワイヤーに、同幅の銀色レースを貼り付けて作成しています。
そしてデコ時代のファッションと言えば、長~い被り込みのネックレスも定番です。しかも、二重三重になっている事が良くあります。
小さなビーズに糸を通してそんなに長く作るのが面倒臭かったので、パール・チェーンで手っ取り早く済ませようと思いましたが、小さなドールが着用すると、これがどう細工しても落ち着いて上手く下に下がってくれません。
こんな事なら、無精しないで糸に通して作るべきだった~。
アール・デコ時代のファッションは、女性をコルセット地獄から解放した画期的な服装でした。
また、社会的には経済不況と政治闘争が多く気の滅入る時代だった反動で、ファッションやデザインは享楽的な物が好まれました。それまで女性は脚を見せる事はありませんでしたが、1910年代から足首を見せるようになり、スカート丈は徐々に短くなって活動的になって行きました。こんなストレート・ラインのローウェストのドレスは、丁度百年前の1920年代の流行です。
その後いよいよ大恐慌が始まり戦況が近付く1930年代には、全体的なラインはほぼ同じストレートでも、再びウェストをマークするスタイルに変わりました。1940年代に入ると再びスカートの幅が広がり始めウェストを細く絞るようになり、1950年代にはスカートが大きく広がった女性らしいドレスが再流行しました。
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