2025/09/19

ビンテージのハスブロ・シンディ

キャシー人形の記事を書いていた時、そう言えばハスブロのビンテージ・シンディ人形にも、とんと出会わなくなったと思いました。そんな矢先、いつものフリマでそのシンディをに出会い手に入れる事が出来ました。

買った時は、髪はこんな風にこんがらがっていました。

オリジナルと思しき、古風なオールインワンの下着を着ていました。

売主から、「水着も一緒に持って行って」と言わてました。この激しい蛍光ピンク色の水着も、シンディのオリジナルのようです。 試しにこの水着を着せると、確かに80年代以外の何物でもなく見えます。

髪は家に帰ってから整えると真っ直ぐにはなりましたが、髪質自体が経年で傷んでチリチリしています。また、前髪は大きく開いたままです。 

ビンテージ・シンディに良くある事で、両脚の付け根をヒップの中で繋ぐ専用ゴム・パーツが劣化しており、文字通り腰砕け状態です。それ以外は、コンディションは割と良好です。アクティブ・シンディと同じボディをしているらしく、腕の付け根が開き手首が曲がります。

元々シンディ人形を製造していたイギリスの玩具メーカーPedigree ペディグリーでは、アメリカから入って来たバービー人気に押されてシンディが売り上げが落ちたのか、1986年にシンディの顔をそれまでのおちょぼ口のレトロ少女漫画風から少しリニューアルしました。ヘッドも、少しだけ小さくしたようです。

それが微妙に微笑んでいるような通称「Smirky face ニタニタ顔」で、恐らく口をほんのちょっと大きくしただけなのに、バランスが崩れ今までのシンディより確実に老けて見え可愛くなく、結局更に売り上げを落としたようです。とうとうペディグリーは、1987年に長年イギリスの少女達に愛されたシンディの製造を諦めて、版権をアメリカの玩具メーカーHasbro ハスブロに売り渡しました。

その時ハスブロで生まれたのが、このシンディ人形です。頭の大きさやムッチリ体型はペディグリー社のシンディからそのまま受け継ぎ、フェイス・デザインだけがはっきり違います。写真では真剣過ぎて怖い顔に見えますが、媚びないクローズ・マウスで軽薄さはなく頭は良さそうな顔をしており、当時の西洋のファッション・ドールとしてはかなり良いデザインだと改めて思います。

このドールは、前髪付きなので更に可愛く見えます。肌の色は、現在の金髪バービーのスタンダードより若干明るい位。同じタイプで肌色のもっと濃い日焼けバージョンも当時販売されていましたが、正直やたら瞳の三白眼が目立ち凄く怖く見えます。

このシンディは、デフォルトのアウトフィットのファッション性も、当時としてはかなり頑張って販売されていました。丁度バービーから契約が切れて、名前を変えた頃のジェニーのファッションを髣髴とさせます。

しかし、80年代の八頭身でガングロで白い歯をにっかり見せて笑う本家バービーが、世界中のファッション・ドール(※日本以外)を席巻していた時代の流行には乗れず、シンディは1989年に小顔でオープン・マウスで日焼け肌にリニューアルされ、アウトフィットは軽薄な蛍光色オンリーの、言わばイギリスらしさのまるでない、単なるバービーのバチモンに成り下がりました。

そのバービーと区別の中々付かないシンディ(顔がエラ張り気味)も、1996年には製造販売を終了し、今ではチャリティショップ等でさえビンテージとして高く売られている事があるので、こちらのシンディを見掛ける機会がめっきり無くなったのも道理です。

このハスブロ・シンディちゃんには、瞳に合わせた色のワンピースを作って着せました。以前チャリティショップで手に入れた、ドール服作りに最適な細かい花柄の綿生地で、厚さも縫い易さも適切でホッとします。

つい今までのビンテージ・シンディ用の身頃の型紙で作ってしまいましたが、良く考えればこれは特別なアクティブ・ボディなので、肩の関節が盛り上がっており、正直アームホールがギリギリでした。首の接続も独特なので肩のラインにも合っておらず、首が一層短く見えてしまいます()

緩過ぎる股関節は、輪状にした幅広ゴムテープで固定し何とか撮影しています。ただし足を大き目に開かないと安定が悪く、支えを使用しても中々立たせる事が出来ません。

足はペディグリーのシンディと同じサイズなので、他の1/6ドールの靴は合わない事が多く(入ってもストラップは閉まらないとか)、ペディグリー・シンディのを履かせています。しかし、もしかしたらヒールの角度は違うのか脱げ易く、ブルータックで固定しています。ソフビ製の安定の良い靴を履かせると、それが滑り止めとなり立たせるのを少し手伝う事もあります。

ところで、このアクティブ・シンディのボディは、手首は曲がるものの肘が曲がらないので、余り意味がないなあと今の今まで思っていました。しかし、この撮影が終わった直後、他の人のインスタの投稿を見て、実は肘が曲がる事に初めて気付きました。それなら花束を抱えたりとか、かなりポーズの幅が広がるはずです。

リカちゃんのように腕の中に針金が入っていて(ただし中空洞ではない)6070度まで位は曲がるようです。そんな仕様は海外の人形では全く見た事がなかった為、思い付きさえしませんでした。なので、これは追加で撮影しました。今まで知らなくて御免ちゃいっ。




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