2025/04/13

やはり布がくれる幸せ

 

週に一度訪れる山小屋風チャリティショップは、昔から布や端切れを売り続けていて、私が毎回真っ先にチェックするアイテムです。イギリスでは兎に角布地が高いから、それらを狙うライバルが多いのも事実です。今回行くと、パッチワーク用に集めていたらしい薄手プリント・コットン生地の端切れが多く寄付されていて、その中から気に入った八枚を選んで買いました。一枚50ペンスで、明らかに何かを作って切り取った形跡のある残りの変な形の端切れもあれば、ほぼ正方形の未使用のままのカット生地も混じっています。多分全て同じ人から寄付されたらしく、柄のテイストが共通して見え、制作していた目的が推測出来るのも面白い所です。

まず最初に選んだ、ドールの服作りにぴったりそうな、非常に細かい花柄が密に均等に散ったプリントの生地。色味はカラフルでも、トーンは落ち着いて子供っぽくはありません。素材はシーチングっぽく見えます。

次に選んだ、やはりドール服作りに役立ちそうな、茶系の渋い細かい花柄の生地。実はプリントにグレイも混じっていて、何気にデザインに奥行きが出ています。

懐かしくもダサいフルーツ柄の布は、最初はポリコットンかと思いましたが、単に糊がやたら利いて安っぽく見えるだけのようです。でもこの昭和の香りの垢抜け無さが、とても好き。

1980~90年代頃のリカちゃんやジェニーのデフォ服に使われたような、少し懐かしい雰囲気のチューリップ柄の布。日本でも見掛けそうな無難なデザインですが、花の大きさが丁度1/6ドールに使い易そうです。

意外とドール服作りに大活躍するストライプの布も、二種買いました。左は「Rose Hubble」と言う、上質で中々品の良い柄のパッチワーク用布を多く出しているイギリスのブランドの製品。

これのみ綾織で中厚の布で、少しトラッドな雰囲気。もしかしたら、化繊混かも知れません。

最後の一枚は、クリスマス用…と言うか冬柄です。プリントの中心は、何故かネズミちゃん! 実は欧米ではXmasにネズミのモチーフは割と定番だそうで、日本では絶対有り得ないネズミのイラストのへなちょこ具合に妙に愛しさを感じました。サッカー地のように、少しシボがある生地です。

山小屋風チャリティショップで、後日更に買い足した端布です。上記のフルーツ柄と同じ位、懐かしくもダサい柄。版ズレが目立ち、プリントの質も安っぽい。ただし、本当にビンテージなのかどうかは謎。

それとは真逆の、品の良いクラシックなアーツ&クラフツ調の花柄。ちょっとだけ東洋風にも見えますが、返って花柄のクセも色の渋さも日本では絶対考えなさそうなデザイン。ただし縦20㎝程度しかない帯状の端布で、ドール服でもスカート位しか作れそうもありません。

ローラ・アシュレイのビンテージ・ファブリックでも、こんな薄手の小花柄を手に入れるのは結構珍しいかも。 

柄の大きさも雰囲気も布の厚みや素材的にも上のローラ・アシュレイに似ているものの、布耳に文字がなくメーカー等は不明。全幅×1.5m位ありますが、値段はたった1ポンドでした。

日本製にも在りそうな、淡く優しい色合いの小花模様。柄の細かさも均一な散り具合もドール服に理想的で、どんなデザインの服にも対応出来そうですが、悪く言えば無難。

蝶以外の虫柄ってのは、結構珍しいかも知れません。モチーフは蜂のようですが、それを赤青で表現している所も斬新。しかし、この色の組み合わせは好きです。いかにもイギリスならではっぽい柄で、これでドール服を作るなら、日本のお人形ではなくビンテージ・シンディとかでないと合わなさそう。

また同じ頃、地元中心部の地方系チャリティショップでも、パッチワーク用の薄手コットン生地やカット生地、端布を安く手に入れる事が出来ました。端布は一枚50ペンス。

多分イギリス人(か英国連邦の人)にしかピンと来ない、「beach hut 浜辺小屋」柄の布。大き過ぎ&うるさ過ぎてドール服には不向きなプリントですが、パッチワークにも凄~く使い辛そうです。

浜辺小屋柄生地と同時に売られていて、どう見ても同じ人が寄付したようです。夏向けのマリン・テイストを目指していたのは明らかです。素材はブロードのようで、目が細かく張りがあります。

いかにも役立たずそうなロボットと、宇宙人??が愉快に戯れる楽しい柄の布。恐らく、男児用の需要の為にデザインされたと思われます。ドール服には不向きな柄の大きさですが、これでP太への誕生日カードを作りました。

正にイギリスに多いポリコットン(綿50%ポリ50)を代表するような、中途半端に古臭い安っぽい花柄。でも柄的にはドール服作りに適していて、案外使えそうだと思い購入しました。

このマリン柄の布は、最早端切れやカット生地とは呼べない大きさで、全幅×1m位あります。なのに、値段はたった1ポンドでした。柄が大きく間隔が飛び過ぎている為、ドール服ではなく背景布として役立ちそうです。

このロンドン柄の布も、全幅×1mあります。実は数年前に、布屋で同じ柄のカット生地を既に買っていました。つまりそれ程気に入った柄でしたが、この布と50㎝平方位のカット生地との値段が大差なかったのはちとショック。やはり背景布用かな。イギリスらしさを出す為には意外と必要な時が多く、その内出番は来るはずです。

イギリスのチャリティショップは、一時衣料品と工場のアウトレット品を中心に売る店が増え、一層詰まらなくなりました。しかし、EU離脱後に顕著に経済が低迷し不景気で、中古品であろうと何でも寄り安く買いたい客が増えたせいもあり、最近はブリック・ア・ブラック=食器等のガラクタを再び売り始めるチャリティ屋が増えて来ているように感じます。例えそうじゃないとしても、店側だって賃貸料や光熱費が高く厳しい状況なのだから、寄り収入を得たいのは当然で、寄付された物は選り好みせず全て売って利益を得るべきです。とは言え、ビンテージやアンティークと呼ばれるお宝が驚きの安さで売られているのは、流石にめっきり見掛けなくなりました。しかし私は、チャリティ屋で手芸用品やカード作り用品もちょくちょく買っていて、実際かなり役に立っています。それらがビンテージである必要はまるでないので、やはり何でも売るチャリティ屋が増えているのは有難い事です。

 

 

 


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