2025/03/28

MTMのテニス・バービーをリペイント

 

バービー用の最も可動域が広いボディが欲しい為、新品で手に入れるしかないと考えていたMTM(Made To Move)バービーの内、普通(日焼け)肌の方は発注直前にチャリティショップで中古品を入手出来たので、東洋人用の色白肌の方のみAmazonで購入しました。MTMの東洋人バービーで一番安かったのが、テニス・プレイヤー仕様でした。

最もスタンダードな普通肌のMTMですら数年出会わなかったのだから、色白は今後も中古で出会う確率が更に低いと思いました。前にも書きましたが、MTMボディだけでも肌の色が10種類もあり、このテニス・バービーも果たして私が求めている色白肌なのかどうか、レビューを読んだり比較サイトを見たりで調べてから買いました。

レビューの中には、「このバービー、余りにも肌の色が白過ぎるんじゃない?」と文句を言っている投稿もあり、肌色の白さを確信したのと同時に、今の西洋人にとっては、やはり色白は価値がないんだなーと実感しました。

元は、こんなテニス・プレイヤーの仕様でした。テニス・ラケット、ボール、サンバイザーが付属していました。ラケットは人形の手に持たせられるようフックが付き、ボールには小さな穴が開いていて、ラケットの突起に差し込んで止まって見える仕組みになっています。して、何故テニス・プレイヤーを東洋人にしたのか? もしかしたら当時話題になった、母親が中国人のイギリスのエマ・ラドゥカヌ選手を少しイメージしたのかも知れません(顔は全く似てないけど)。このMTMバービーは、他に金髪のバレーボール・プレイヤーと同時に発売されましたが、そちらはプラチナ・ブロンドのLOOKSバービー同様に高身長ボディだそうです。

ボディだけが必要とは言え、まるで海苔を貼り付けたような眉毛が強烈過ぎ、鼻が大きく瞳の位置もバランス悪く、正直可愛くない顔ですよね~(苦笑)。どうせリペの餌食になるにせよ、出来ればクローズ・マウスの方が良かった。しかしクローズ・マウスのヨガ仕様の東洋人バービーは、生憎長い間在庫切れで手に入りません。更に東洋人だからって、こんな真っ黒&ストレート&ワンレン真ん中分け&後ろ一つ結びなんて地味ぃで貧乏臭い髪の若者、今時そう居ませんよ。まるで美容室に長らく行けない欧米在住日本人妻のよう…(※西洋人美容師は東洋人の髪をカットする技術がない為)。和服ならバッチリ似合いそうな髪なものの、オープン・マウスだし口と鼻の大きな雄々しい顔の型押しだから、それもしっくり来ず。

最初は水彩色鉛筆であっさり目にリペし、田舎の女子高生みたいな素朴な雰囲気になりましたが、仕上げにアクリル絵の具で描き加えたら、どんどん濃ゆくて逞しい顔立ちになり、何だかヅカの男役みたいに仕上がっちゃった。口や鼻の大きさから、もしかして顔のモルドは西洋人と同じか?と最初は疑いましたが、良く見ると瞳の型押し(アイホール)はなく眼部分の彫りは浅く、やはり東洋人専用のモルドのようです。

そしてにしも何故、こんなに鼻が大き目なのか?? 鼻が大きいと言うのは、西洋人にとっては顔のパーツとして実は最も気にするマイナス点だそうで、リペしている間もずっと気になりました。瞳の大きさや形は金髪バービーと変えていませんが(眼の大きな東洋人だって居るのさ)、色味は東洋人らしくし、二重は微妙に変えました。

髪型は、自分の着せたい格好をさせる上では変えるしかなく、前髪付きのボブにしました。これでも単に短くバッサリ切っただけではなく、大まかにカットした後、髪が浮き上がらないよう落ち着かせる為にお湯パーマをしています。その時の全裸に頭のみラップで包んだ姿は、まるで変態プレイみたいで、人形ながら気の毒に思いました。その後、ひたすらハサミを縦に入れてカットし整えます。前髪はやっぱり中央で割れ気味ですが、薄く短めにしました。これは自分の好みもありますが、リペするのに便利なのと、撮影時に顔に影が余り掛からないようにです。

肝心のボディの肌の色は、狙った通り一般の東洋人&赤毛バービーの顔の色に大体合います。バービー人形においては、赤毛が色白なのは現実通りですが、何故か東洋人バージョンの方が白人より色白設定なんです。ってか、白人バービーが異様に地黒過ぎ。その東洋人版バービーも、一昔前までは肝臓が悪いかのような黄色掛かった肌でしたが、流石にそれでは偏見過ぎると反省したせいかも知れません。少なくとも多くの欧米人よりは、確かに東洋人の方が日焼け対策に熱心です。

リペして改めて眺めて思ったのは、バービーの顔型=ヘッドのモルドって、日本のソフビの一般的なファッション・ドールに比べて複雑に出来ているんだなと言う事。

結構顎が出ていたり、頬骨が張って全体的に妙な凸凹があったり、寄りリアルな人間に近いと言う事なんでしょうけど、ドールにリアリティを求めない私としては、クセが強くてやっぱり好みに合わないなーと思いました。

リペ前は着物が似合うようには絶対なりそうもないと思っていたのに、意外にも着物を着せたい雰囲気には仕上がりました。そこでMTMボディではない、着物着用にはぴったりなBarbie Style Glam Nightボディに替えています。MTMは踵のジョイントが緩く過ぎて勝手に曲がり易く、足袋&草履では立たせるのが凄く難しい為です。

その点この「グラム・ナイト」のボディは、踵にジョイントがない上に、ヒール足ではなくフラット足なので、足袋&草履を履かせるのに適しています。膝は曲がりませんが、肘と手首は曲がる仕様です。しかし、着物の立ち姿には、膝を曲げる動作は余り必要ないはずだし、手の表情こそ重要なので特に問題ありません。

MTMと比べると腕が細過ぎるのは気になりますが、それも着物を羽織れば問題ナシです。

この和柄コットン生地では、以前22㎝ドール用の着物を縫いました。細かくレトロ可愛い柄だから、小さなお人形の着物こそ相応しいと思っていたのに、背景布や帯等の組み合わせが良くなかった事もあり、生憎余り柄の可愛さを発揮出来ませんでした。そこで大きなサイズのドール用に改めて着物を縫ってみた訳ですが、思いの外面積の広い方が柄が映える気がします。

しかし着物を作り始めてから、このバービーの顔をアクリル絵の具でどんどんキツくしてしまったので、柄の可愛い雰囲気が合わなくなってしまったあ。

モモコ・ドール用の着物の型紙を元に、着丈を2㎝長く、袖幅も少し広げています。袖幅は、未だ若干足りなかったかも知れません。

そして最終的に、思いがけず結構フォーマルな雰囲気に着付けてしまった為、袖幅だけでなく袖丈も長くすべきだったかも。モモコには中振袖ですが、2㎝背の高いバービーには中途半端な袖丈に見えます。

組み合わせるアクセサリー類や小道具も思い付かず、正直結構投げ遣りな撮影…。

元の顔が余り悪くないドールをリペする時、果たして元より可愛く出来るかどうか結構躊躇します。その一方で、元の顔が酷過ぎて、どう工夫してリペ&カスタムしても可愛くならない場合も、努力が報われなくてやっぱりガッカリします。安い中古人形だから(これは新品ですけど)、どうせ練習台だからと割り切っては居ても、やはり着せ替えしたくなる人形に改造出来るのに越した事はないのですから。

 

 

 


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