2025/03/20

墓場で花見! 3

 

昨年の桜の時期に姉と二人で花見に訪れた青山霊園には、明治から戦前までの華族や軍人将校の墓が多く集まり、政治家や実業家、文化人や著名人の墓も多く見掛けます。言わば、近代日本史の縮図のような場所です。

ここに墓を持つ事は、資産家や著名人のステイタスだったのだと思います。

立派な鳥居を持つのは、明治時代に外交官としてポーツマス条約で活躍し、外相も務めた小村寿太郎の墓所。

しかし、偉人と言うのは分かるけど、具体的に何をして偉大なのかは正直知らないって場合もあるはず。そんな時の為に、今はQRコードで情報がすぐに獲得出来る仕組みになっています。結構前から欧州では、ボタンを押すと故人の声が再生される、なんて墓石を時々見掛けました。その内墓石の側を通るとセンサーが反応して、故人の4K・3Dホログラム映像を映し出す時代が来るかもとか言われていましたが……、何もそこまでしなくとも、任意で情報を読み取るので十分でございますよ。

小村寿太郎の墓の近くには、大きな本型の顕彰碑を持つ、外務省の法律顧問で小村と辛苦を共にした米国人ヘンリー・ウィラード・デニソンの墓。

遠くからも一際目立つ巨大な墓標を見掛け、これは是非近寄って確認しなくてはと思いました。


と思って辿り着いたら、やはり大物の墓所でした。

ほぼ四角柱の青銅製の大きな石碑は実は顕彰碑で、四面に漢文らしき文字がびっしり刻まれています。

大久保卿の墓石そのものは、その脇に在る亀型の台座に乗った物です。この形式は亀趺墓(きふぼ)と呼ばれ、長命の亀にあやかり、その上の碑が永遠に残る事を祈ったのだとか。かつては古代中国で皇帝から高位の家臣のみ許された形だったのが江戸時代に伝わり、日本では鳥取藩主や会津藩主等の大名の墓所に主に見られます。

更に卿の墓に寄り添うように、暗殺時に殉死した従者・中村太郎と馬の墓も在ります。大久保利通と聞いて、今まで髭がスゴイだの「るろうに剣心」では瀬田宗次郎に殺された(※史実に非ず)程度の関心しかありませんでしたが、身寄りのない従者を引き立て、その墓まで直ぐ傍らに立てられている事実からも、私欲のない立派な人柄だった事が伺えます。福島県の安積疎水も大久保利通の推進で実現したそうで、今まで知らなくてすみませんでしたあ。

そして大久保卿の墓所のすぐ隣には、その名もズバリ「茂吉之墓」。

斎藤茂吉の事か?と姉と二人で思いましたが、敷地内の墓誌には妻てる子や息子の茂太の名前も記してあったので確かです。もう一人の息子、北杜夫の墓はここではないようです。

因みに青山霊園の新規墓地、今でも若干売りに出されるそうです。当然物凄く高額ですが、誰でも大金さえ積めば買えるって物でもなく、一定年数都内に住んでいる資格と、物凄い倍率の抽選を勝ち抜く必要があるそうです。

 

 

 


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