2024/12/03

円型ルーサイトのクリノリンのインタリオのブローチ

地元のチャリティショップのガラス製キャビネットの中に、一つ2ポンドと記された中古ブローチに混じって、大好きなルーサイトのインタリオが在るのが見えました。ルーサイトのインタリオがこの値段では、即「買い」決定です。キャビネットには鍵が掛かっているので、レジに行ってスタッフに開けて貰う必要がありました。スタッフは一人しか居らず、私の前に並んでいた一人の客の対応をしており、待たねばなりませんでした。たった一名の客なのに、単独で衣料や雑貨を10アイテム以上購入し、チャリティ屋で60ポンド(約一万二千円)近く費やしていました。やっと私の番が回って来て、スタッフにキャビネットの鍵を開けてくれるよう頼むと、何と彼は鍵を見付ける事が出来ず、失くしてしまっていたのです。合鍵はなく、閉店間際まで鍵が発見されるのを待ちましたが、店員は彼一人だからお客の対応もしなけらばならないので、鍵を探してばかりも居られず、結局見付かりません。

では来週また来店するからと、どのブローチが欲しいかを指定して、予約として取り置きしておいてくれるようお願いして店を去りました。名前と電話番号を残して行こうか?と、そのスタッフに尋ねましたが、「君の顔は憶えたから大丈夫だよ~。鍵が見付かってキャビネットが開いたら、あのブローチは取り出して確保しておくよ」と言います。しかし、多分彼は他のスタッフに告げるのも忘れ、うっかり誰かに売っちまったりするんだろうなあと不安に思いながらも(根本的にイギリス人を信用していない)、そう言われてはその時は諦めるしかありませんでした。

翌週そのチャリティ屋に行くと、その日は他の女性のスタッフが店番していて、かのブローチはキャビネットの中に残ったままでした。あの後キャビネットは業者に頼んだかで何とか開けたものの、結局鍵は行方不明のままなので、キャビネットは鍵が掛けられず開けっ放しの状態になっていました。女性スタッフが予約取り置きの話を聞いていた様子も全くなく、危うく他の誰かに買われてしまう所でした。あぶねーあぶねー💦 そんな訳で、値段的には超お買い得だったのにも関わらず、手に入れるのには相当気を揉まされ精神的に疲れたブローチです。

直径は4㎝位の円型で、モチーフはルーサイトのインタリオの定番の一つ、ヴィクトリア時代の下に枠を入れて大きく膨らませたスカート姿の女性、すなわち「クリノリン(ドレス)」です。このアバウトな彫り方で、女性がボンネットを被り髪は背後に編んで垂らし、パラソルを差して一応見える所が凄いと思います。、両脇に描かれた草花は、葉や茎まで細かく表現されています。

もしかしたら元はもっと濃い色だったのが経年で色褪せたのか、全体的に淡くパステル・カラーで彩色されていますが、蛍光ピンクの強めに残っている所が、何ともレトロキッチュで愛おしいと思います。

また、良く見ると彩色部分はパール掛かっています。女性の編んで垂れ下がった髪なんか、パールの粒に見えて可愛い。こんな仕様は初めて見た物で、彫り方が特別なのか塗料が特別なのかは分かりません。

クリノリンのルーサイトのインタリオの中では抜群の可愛さで、無事手に入れる事が出来てつくづく良かったと思います。紛失したままのキャビネットの鍵は、レジ台にいつも置いていたと言っていたので、多分お客の買った商品に紛れ、買い物袋に一緒に入って持って行かれたんじゃないかと疑っていますけどね…。




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