2024/05/31

ガラドリエル様、三度目の降臨


昨年の帰国時に姉の家に滞在していた時、姉のMidnight Rose」のmomoko DOLLにも、中世の姫君風、またはケルト風、もしくは「ロード・オブ・ザ・リング」のガラドリエルっぽいドレスを着せてみました。

すると、姉がノリノリでぴったりの背景セットを用意してくれました。

基本は今まで何度か登場した南欧風パティオの使い回しですが、現代っぽい小道具を全て取り去り、ちゃんとドレスの雰囲気に馴染むように変えてあります。

今回の背景セットは、2ブースに分かれています。こちらの背景は、古城か修道院の回廊風。

拡大して見ると、ヴォールトにつっかえ棒がしてあって、中世の修道院の遺跡なのがはっきり分かります()。細かい事を言えば、パティオは南欧風ですが、この遺跡は英国っぽい(多分ヘンリー八世がぶっ壊した)と思いました。

姉はお迎えしたモモコには、皆デザイン名に因むかイメージに合った日本風の名前を付けていて、この「Midnight Rose」は「真夜」と命名したそうです。私も、このモモコには「真夜」だと思っていましたよ。榊原真夜とかね。

しかし、この真夜さんも意外とモダンな顔立ちで、こう言うクラシックな衣装が思っていたのとは違う印象に見えました。どちらかと言うと5060年代の女優さんが、歴史物映画の中で中世の姫君を演じている感じ。多分彼女は、レトロな女優風ファッションの方が、違和感なくバッチリ着こなすのではと思います。

 

 



2024/05/29

三春「カフェーブリキイヌ」で癒しランチ

 

三春町城下(旧町内)でも現在特に評価と人気の高い飲食店は、「カフェアルバロ」の他に「CAFÉ BLIKJEINU カフェーブリキイヌ」があります。こちらはオープンしてから確か5年以上経っているはずですが、私は未だ行った事がありませんでした。しかし昨年の帰省中の自分の誕生日に、両親からうつされたノロ・ウィルスにやられて未だ体調が万全ではなかったものの、誕生日すら実家で只家事に明け暮れるのは余りにも惨めだからと、義妹(弟の妻)に付き合って貰ってカフェーブリキイヌでランチを取る事にしました。

三春町内には古い土蔵を利用した飲食店が何件かあり、ブリキイヌも蔵カフェです。

内装は、和クラシックに、アメリカン・レトロなミッド・センチュリーのビンテージ、そしてハンドメイド感やヲタ趣味の融合と言った、お洒落で若々しくも独特な雰囲気。

ルパン三世も居れば(二階には銀河鉄道999のポスターが飾ってあったな)…、

…リカ活もあり。このリカちゃん、服装も粋な上にボディは可動式(多分ピュアニーモ)に交換してあります。

その日は、我々は二階へ行きました。

ランチは、ライス・カレー、ドリア、オムライスやナポリタンと言った日本で御馴染みの洋食メニュー。とは言え、ここの料理は一味も二味も違います。

実はこのお店は薬剤師さんが経営している、「三春を日本一健康な町にしたい」と言う思いが詰まったカフェで、身体に優しく嬉しい健康志向の食べ物を提供しているのです。なので、定番の洋食メニューとは言え、脂っこくもなければ全くしつこくもありません。

私達は二人共、その日はオムライスを注文しました。まず、ランチメニューに付いて来るミニサラダとスープが運ばれて来ました。

野菜の旨味が溶け込んだ、優しい味のミネストローネ。体に、すうっ~と入って行く感じです。

サラダも、野菜そのものが新鮮で美味しく、更にオーツ麦の乗っている所が嬉しい。このカップは、プール・ポッタリーのツイントーンのようです。

そしてメインの、絵に描いたような完璧に美しいオムライスが出来て来ました~!!

スタッフさんの説明に寄ると、このトマト・ケチャップ、食塩&添加物&アレルゲン不使用なのだそうです。

しかし! 塩気がないとは信じられない位、ほぼトマトの濃厚な旨味だけで凄~く味わい深いのです。そう言えば、トマトって出汁としても優秀だと聞いた事があります。オムレツや御飯との相性もばっちりで、結果結構大きなオムライスなのに、夢中でするっと完食。ケチャップは、お店で販売もされています。

200円のコーヒーも美味~。このお店では、コーヒー豆も買えます。

このCSがまた素敵と思ったら、昔のナルミの製品でした。ビンテージの食器類の柄はてんでバラバラなのが返って面白く、不思議と統一感があります。

150円の、プチ・デザートも注文しました。この日は、甘酸っぱい特製チェリー・ソースの乗った、ふわふわでしっとり優しいシフォンケーキでした。

GW中も、姉夫婦と一緒にブリキイヌを再び訪れました。姉達は、帰省の度にこちらへお昼ご飯を食べに来ているそうです。この日私が注文したのはナポリタン。+200円の焼きチーズ乗っけにしています。

例のケチャップを使っているらしい、トマトの旨味が凝縮された、コクはあるけど全くクドく無い、正に理想的なナポリタンで旨~✨ ちょっと焦げ目の付いたチーズが、また美味です。

デザートは、クリーミーなアイスクリーム。GWともなると三春も暑くなって来ますので、有難い爽やかさでした。

そして私は、実家を去る直前にも、ランチを食べにカフェーブリキイヌを独りで訪れました。

実はこの時私は、母の「自分の(不味い酷い)料理を食べろ」攻撃で食欲をすっかり失い、心身共にフラフラになっていました。母が責めれば責める程、胃がキリキリと傷みました。

そんな私が最後に選んだのは、「本日のブリキ・ランチ」のタコ・ライスでした。

そんなに胃腸が弱っていたのにも関わらず、美味しい物はすんなりとお腹に入りました。全く辛くない優しい味付けで、とは言えしみじみと味わい深く、消化にも良さそうで、正にこの日の体調にぴったりのお料理でした。

デザートの苺の乗ったシフォン・ケーキも、そんな味でした。

この日のブリキイヌの食べ物の有り難さには、正直涙が出そうになりました。本当に美味しい食べ物って、身体が弱った時でも食べられる物の事なのかも知れないと、今回の帰省で改めて痛感しました。

このカフェーブリキイヌも、同じ三春町内のカフェアルバロも、食べ物が優秀なだけでなく、スタッフさんが皆丁寧でフレンドリーで感じが良く、ホスピタリティを良く理解している。つまり居心地が抜群なのです。本当にレベル高いぜ、三春の外食。今年の帰省時も、絶対また行きます!


 

2024/05/27

三春町文化伝承館の紫雲閣

 

三春町に在る、昔の裕福な商人の瀟洒なお屋敷を修復・公開している「文化伝承館」のすぐ隣には、離れの「紫雲閣」があります。東日本大震災で建物が傷み、安全性に支障が出て長らく閉ざされていましたが、修復が進み昨年の桜の開花時期に合わせて一般公開する事が決まっていました。しかし、開花が予想より大幅に早まった為、お友達のキチ吉ちゃんの三春訪問時には公開が間に合いませんでした。そこで、後日私一人で紫雲閣を訪れました。

場所は、文化伝承館の北西の一段上。王子神社と紫雲寺の中間にあります。紫雲閣の名は、このお寺に因んだ物と思われます。

伝承館は数寄屋造りの木造建築ですが、この紫雲閣はなまこ壁の蔵屋敷。三春に土蔵は数多くあれど、蔵を座敷として利用するのは相当珍しかったそうです。

南向きの高台にあるので、見晴らしと日当たりは抜群。庭のシュロの木が、モダンな雰囲気を加えています。

すぐ隣の離れと言っても、母屋との間にはかなり急な段差(土手と言うかほぼ崖)があります。

その土手に私用の階段が設けられていたのでもない限り、母屋と離れを行き来するのは神社やお寺の参道を通らなければならず、結構面倒だったと思われます。

この離れは、元持ち主の商人・吉田誠二郎の趣味の謡曲の練習や披露の場として建てられたそうです。何はともあれ、離れとは言え母屋に負けない程贅沢で、随所に技術・意匠を凝らした内装が見られるのに違いありません。

やはりやはり、床の間の要、床柱からして物凄く高級そう。

伝承館でもそうでしたが、何故か床柱が途中でぶった切られているように見える造りがありました。

床近くに設けられた、小さな扉。

開けて確認はしていませんが、茶道の為の水屋や躙り口だと思います。

出ました、建具大工のプライドが感じられる、驚く程細かい桟の障子戸。

江戸後期から明治時代に掛けて三春藩一帯は和算が盛んで、図形問題を解いては算額(でかい絵馬のようなもん)を神社仏閣に奉納するのを競い合ったと聞きます。こう言う障子の凝った桟を見ていると、和算が影響しているのでは?と勝手に想像する程幾何学模様的です

階段の途中には、こんな明り取りの窓(…プライバシーはない)

二階へ来ました。ここの床の間も、圧倒的な高級感を放っています。

欄間の木彫は、宮大工レベルの立体感。

戸袋の襖絵は絵巻のようだし。

こんな小さな障子戸まで凝っているし。

和の粋を、凝縮したような丸窓。

丸窓の縁すら、この凝りよう。

そしてこの蔵屋敷のハイライト、中華風のお座敷です。

和風の座敷にこの煌びやか過ぎる装飾は、正直趣味が良いとは言い難いのですが()、工芸品としての技術的には目を見張る物があります。


もしかして鳴き龍の仕組みになっている?と疑うような天井。円に描かれた灰色は、雲を表しているようです。

東照宮を思い起こさせる欄間。

「キングダム」の背景に描かれているような(もうちっとマシな表現ないのか)文字。襖に木彫の文字をはめ込んだと言うアイディアは、今見ても斬新です。

襖紙(実は布製?)の意匠も興味深い。

文字がびっしり過ぎると、正直落ち着かない。

入館無料の伝承館と違い、こちらは入館料が掛かりますが(200円。郷土人形館と共通、更に歴史民俗資料館との共通券300円も有り)、伝承館と共に見応えはあり、歴史や建築、美術工芸に興味がある人には特にお勧めです。