粉雪のリズム

姉のmomoko DOLL用に縫ったものの、仕上がってみたら小さ過ぎ、リカちゃん人形かruruko用に払い下げになったボア・ヴェストとは、これの事です。

今は、リカちゃんと同じボディ・サイズの赤毛のパレットFちゃんに着せています。

一応モモコにも着せられない事はなく、特に前を開けっぱなしの場合この程度の身頃の大きさの方が丁度でしたが、丈がモモコにとっては短めなのが今年っぽくないかもと思い却下しました。

ボアの毛足と裏地がもっさり嵩張って、返ってリカちゃんボディにはボリュームあり過ぎに見えますが、ハード系ブーツや頭のキャップで何とかバランスを取っています。

二段ティアード・スカートは、例のクリスマス柄布端布の詰め合わせの中から、帯状ですらなく、ゴミになる一歩手前の小さな端布を、パッチワーク風に縫い合わせて作りました。

こちらには割と好みの柄も混じっていましたが、何せ一片が本当に小さく、ましてドール服に使える形の面積となるとほんの僅かしかなく、更にドール服自体がとても小さいので、最早柄が何なのか分からない状態に仕上がってしもーた…。辛うじて、色味でクリスマスっぽいとだけは分かる事を祈ります。

スカートを背中側から見ると、また柄の出方から印象が違っていると思います。

手に持たせた小鳥は、イギリスの国鳥でクリスマスの象徴の一つであるロビン(ヨーロッパ・コマドリ)。

このミニチュアは、元々はケーキ用の装飾品です。この国に住み始めた年に、レトロで可愛いと喜んで買って、一個20ペンス位だったと記憶しています。今は、もう一般の店舗では見掛けないアイテムかも知れません。

クリスマスとロビンの関係は、ロビンの胸の赤い色(実際にはオレンジ色だが)がキリストの血の色に因むとか、クリスマス・カードを送る習慣の始まった頃の郵便配達員の制服が赤くてロビンみたいだったから、ロビンがクリスマスを運ぶと連想させるようになったとか言われています。どちらにせよ、ロビンの羽根色は屋外の色味の乏しい冬場に映え、特に雪の上では絵になるので、クリスマス・カードのモチーフとしては持って来いだったようです。

しかし今改めて考えると、イギリスのクリスマスの伝統的なお菓子と言えば、装飾のほとんどないクリスマス・プディングとミンスミート・パイなので、このロビンの装飾の出番が何処なのかは謎です。