2025/05/29

ビンテージの蛍光カラーのスカート

 

最近海辺の町Margate マーゲートに突然行く事になり、其処のチャリティショップで気に入った古着のスカートを買いました。何せマーゲートは、概ねチャリティ屋の衣料の値段が安い。このスカートも、3ポンド(600円以下)でした。目を引く蛍光ピンク&黄緑のプリントで、この色が今時の良くある蛍光色とは微妙に異なり、ビンテージっぽく良く出来ていると一目で思いました。また、蛍光色の服にしては、不思議と下品でも安っぽくもありません。

素材は、皺になりにくく乾き易いポリコットン柄の図案はアザミのようで、それも珍しいと思いました。派手な事は派手だけど、ボトムのように顔から離れているアイテムだと、それ程気になりません。実は最近ノリで増えてしまったアニメ柄Tシャツ(主にユニクロw)には、こんな大胆な柄のスカートを合わせるのが一番のコーディネイトだと思っていますが、昨年日本で探したら全く見付かりませんでした。

良く見ると、単に筒状に縫った布のウェストを絞っただけではなく、何枚もの縦長の布をはぎ合わせ、更にテープ状のピンクの細い生地を縫い付けた、かなり凝った造りです。この縦長の布が裾に向かって微妙に幅広くなっているようで、その為フレアが綺麗に広がり、意外とお洒落でフェミニンなシルエットです。

そして、裾はまつり縫いされていて、やけに造りが丁寧だなと思いました。また裾を捲って裏を見ると、何故か白いレースが縫い付けてあり、何気に可愛い装飾になっています。

タグには「Liza by Lilly Pulitzer」とあり、このロゴも60~70年代っぽいのを狙って選んでいると思いました。…が、実は本物のビンテージでした。Lillian Pulitzer リリー・ピュリッツアーはアメリカのファッション・デザイナーで、元はそれ程高級なブランドではなかったそうですが、フラワーパワー時代を象徴するようなデザインが当時一世風靡し、今はビンテージとして人気が高く高値で取引きされているそうです。

この色の組み合わせは、前から堪らなく好みですビンテージのドール服がこんな色だと、特に惹かれます。しかしそれが、実際に自分で着る事になるとは思いませんでした。ところでウェストはゴム仕様ですが、このゴムがシャーリング用のテープを縫い付けただけのようで、意外な程伸びません。それで、ウェストは丁度ジャストなのに、履く時にヒップを通すのがギリギリで焦ります(苦笑)。また、このゴムが劣化してしまっても最早交換する事が出来ない訳で、もしそうなったらドール服用に切り刻むしかないかも知れません。

 

 

 


2025/05/28

奥会津の旅 霧幻峡の渡し

 

一昨年の姉夫婦と訪れた奥会津への日帰り旅行は、只見川沿いを出来る限り上流に向かって進みましたが、結局時間切れで金山町で引き返しました。帰路の途中、行きに通過して気になっていた、只見川でも渓谷が狭まって特に眺めの素晴らしかった場所に車を止めました。

日本有数の豪雪地帯の豊かな水量を集め、険しい越後山脈の間を蛇行しながら進む只見川は、正に迫力の悠久の流れで絶景。実家と同じ県内と言えど福島県は広く、奥会津もここまで来ると本当に秘境だと感じます。

川岸の一部に、まるで船着き場のような場所が在るのに気付きました。

と不思議に思っていたら、実際に観光の渡し船が見えて来ました。

後で調べた所、ここは「霧幻峡の渡し」と言う場所だそうです。こんな汗ばむような好天の日には、川下り(&上り)はさぞ気持ちが良く、両岸を一辺に眺められるのも最高だろうと想像します。

右手の山の上には、実は沼沢湖と言うカルデラ湖が在ります。またこの近くには、日本では珍しい天然の炭酸水が湧き出る泉や、東北最大級の甌穴(ポットホール)群も在り、興味深い自然に恵まれています。

そしてこの近くの国道252号線上に、「奥会津シンフォニーロード」と言う、車が通ると道路が音楽を奏でる部分があり(曲は「カントリーロード」)、小耳に挟んだ事はあったけど、不意に実物を体験して感動しました。適切速度の車のタイヤの摩擦と、アスファルトの絶妙な溝で音を出す仕組みだそうです。単なる観光客へのサービスかと思いきや、速度抑制や運転中の眠気防止、路面排水性や凍結抑制機能を高める効果もあり、日本の技術マジすげえ(語彙力w)と思いました。

たった一日なのに、物凄く充実した楽しい小旅行でした。奥会津は自然も歴史的にも民俗学的にも見所に事欠かなく、本当に奥が深いと感じます。いつか夫婦で数日掛けて、この只見川の上流に向かって進み捲り、新潟県側まで出てみたいと言う夢はあります。しかし、自分達の年齢やら気力やら健康状態やら不安定な世界情勢とやらで、実現出来なくなる可能性は少なくなく、とっとと具体的に計画を立てないと、本当に一生機会を失うであろうと肝に命じなくてはなりません。


 

 

2025/05/27

セルロース・アセテート製のキツネのブローチ

 

今年三月に訪れたロンドンの北のEnfield エンフィールドのアンティーク・モールは、どちらかと言うとアンティークやビンテージよりはコレクタブルズの方が充実していました。其処に、一坪程の売り場の壁面を、全て樹脂製のアクセサリーを並べてびっしり埋めているストールがありました。その樹脂製アクセサリーは古くはなく、新品で既製品のようですが、他では見掛けた事のないようなデザインが結構多くありました。その中に、P太の好きなキツネのモチーフのブローチが幾つかあり、彼は一番気に入ったのを一つ購入しました。

ふさふさした尻尾を丸めて眠るキツネを、白と茶色で中々可愛く表現しています。この茶色部分に透明感があり、木目のような模様の付いているのが好き。男性だって、帽子やバッグに付けるバッジの一種と思えば、ブローチを買って着用しても可笑しくないはずです。

セルロース・アセテート(アセチルセルロース)と言う、イギリスで時々ブローチの素材として見掛ける合成樹脂で出来ているようです。何故見掛けるかと言えば、コレクタブルズとして人気が高いフランスのデザイナーLea Stein リア・スタインの同素材のブローチの、類似品が多く出回っているからです。セルロース・アセテートは、引火性・発火性の強いセルロイドの燃えにくい改良版として開発されたらしく、透明感や綺麗な発色等のセルロイドの質感を受け継いでいる繊維製の樹脂です。強度が有り肌に優しくアレルギー性も少ない為、眼鏡のフレーム等にも使用されるようです。映画フィルムや録音テープのベース素材としても、使用されるそうです。また生分解性が高いプラスティックとして環境を破壊しない為、近年再注目されていると聞きます。




2025/05/26

奥会津の旅 道の駅「奥会津かねやま」

 

一昨年姉夫婦とGWに訪れた奥会津で、昼食を取った道の駅「尾瀬街道みしま宿」から更に只見川の上流に向かって進み、金山町の道の駅「奥会津かねやま」で停車しました。

ここの道の駅も、地元産の食品や工芸品が充実していました。

日本は、何処も地元を盛り上げるのに熱心で頑張っていると思います。

この金山町は赤カボチャが特産だそうで、甘みの強いホクホクした食感が人気だとか。しかし赤カボチャを使用したお菓子類の多くは売り切れで、こんな秘境と言われる奥会津でさえ、GWの人出の多さを物語っています。

この道の駅は、只見川の展望台に隣接していました。

川とほぼ並行して走るJR只見線を丁度列車が通過した直後で、絶好のシャッターチャンスを逃してしまいました。何せ、列車の本数が極めて少ない路線なのです。近年やっと全線再開通した只見線は、抜群の眺めの良さから鉄道ファンからの人気が高く、私も一度乗って旅してみたい気持ちになります。

この展望台の右側には、宮崎館跡と言う戦国時代の支城跡が在るようです。眺望の聞く場所は、洋の東西を問わず軍事的に重要でした。また前方の川に半島のように突き出た土地に見える家々は、昔ながらの絵になる家並みとして人気のある大志(おおし)集落のようです。

そしてこの道の駅のすぐ脇に、公開保存されている昔の民家があります。名称は旧五十島家住宅で、県の重要文化財に指定されています。

この地方の気候に適した、母屋と厩(馬屋)が平面L字型に一体化した「厩中門造り」になっています。岩手県南部地方に多い「曲り屋」に近い形式です。

普通は母屋と離して建てる厩を、合体させる事に寄り母屋の暖を厩に送り、農耕馬を寒さから守った工夫です。

また、昔の農家のお手洗いは屋外に別個に建てるのが通常でしたが、この地方の冬は雪が深過ぎて屋外に出れなくなる為、この手の家では例外的に屋内に設置されています。

建立は恐らく18世紀前半以前で、1970年代にこの地に移築復元されました。

部屋は四間で座敷も有り、比較的大きな農家だった事が伺えます。

こう言った建物博物館や昔の室内を再現した展示は、何処でもかなり好きです。しかしここの説明書きの文章は、今読んでも分かり辛い…。

昔の豪雪地帯の厳しい暮らしぶりが、少しだけ垣間見られるように感じました。