2025/01/07

タイニー・ベッツィー・マッコール「ジャパニーズブロッサム」

 

2018年にアゾンインターナショナルで、アメリカの大人のコレクション向けファッション・ドール・メーカーTonner Doll トナードール社から復刻された、Tiny Betsy McCall タイニー・ベッツィー・マッコール人形のアゾン特別版を販売していました。「Betsy Loves Bunnies ラブズバニーズ」と「Japanese Blossom Betsy ジャパニーズブロッサム」の2種で、どちらもトナー社から既に発売されていたデザインの、服の色や髪型を変えた特別限定仕様との事でした。

第一弾と謳っていましたが、その後アゾンでベッツィーが発売される事はなく、その内この2種も20%引きで販売されるようになりました。このお値段ならお迎えしたいな…と思っていたものの、とうとう売り切れたのか、それらもいつの間にかネットショップから消えていました。

しかし昨年一時帰国した際、ドール用品を購入しに何度か秋葉原と池袋のアゾンのショップに足を運びましたが(欲しい物がいつも売られているとは限らないので)、最初に訪れた秋葉原店で、そのベッツィー人形が半額以下で売られているのに遭遇。即決で買いました。

前から買おうと思っていたのは、この着物らしき服を着た黒髪ストレート・ロングの「ジャパニーズブロッサム」の方です。最初にトナーで発売された「ジャパニーズブロッサム」は、髪はボブだったそうです。髪型と服の可愛さで言ったら「ラブズバニーズ」の方が上だと思いましたが、プラチナ・ブロンドに黒い瞳と言うのがちょっと使い辛そうで、間違いなく和服の似合う、尚且つ自分に似ていて親しみを感じるこちらをお迎えしました。

こんな状態で売られていました。今時のアメリカ製の廉価ファッション・ドールが、夥しい数の梱包材の重装備、更にタグピンでばっちばちに痛々しく固定されているのに比べ、流石元値が高いだけあり、薄紙包まれリボンで固定され、何て古風で奥ゆかしい仕様…。と思いましたが、長年の在庫&長旅には耐えられなかったようで、髪はすっかりグチャグチャで癖が付き、梳かしてもストレートに戻りません。そもそも、元からかなり不揃いな髪です。

思っていたより肌色が濃い…と言うか、プラスティックの素材自体がくすんでいるようで、正直余り綺麗な肌の色じゃありません。そのせいもあるのか、茶色のはずの瞳がかなり赤っぽく見えます。

そして、最初の「ジャパニーズブロッサム」の衣装からデザインを変えないままだからか、いかにも一昔前までの西洋人が描いたようなインチキ着物具合。アゾンが日本中心で販売するのなら、この点は改善して欲しかった。

そもそもトナーで発売した頃でさえ、ネットでちょっとでも検索すれば、正しい着物の知識が得られたはずの時代ですが、恐らくきちんと調べる気すらなかったのでしょう。生地も日本の金襴ではなく、中華サテンのようです。

背面の帯の結びも、 凄まじくテキトウ。

やたら丸みの大きな袖には、裏地はあるものの、重ね着風の袂袖は無しなのが気になります。

一番許せないのは、袷が裾広がりになっている事。これは体形補正をして着付けをし直せば何とかなる…ってな問題ではなく、服の造り自体が直線ではないので無理でした。試しに着替えさせてみると、色写り防止の為か、裏地のような素材の長いスリップのような下着と、白いおぱんつは履いていました。

デフォルトのフットウェアは、こんなウレタンに甲が付いただけの簡素なサンダル+裸足だったのが、更にインチキ臭を高めていましたが、白い足袋を履かせ、以前マドレーヌちゃん用に作った草履に替えて撮影しています

スリープアイやボディの可動域は、50年代に発売されたタイニー・ベッツィー同様に受け継いでいます。膝は曲がり、椅子等に座らせる事は出来ます。この服装のままで膝を曲げると、裾が広がっちゃうのでしていませんが。

べち子ちゃんの黒々とした瞳とぷんぷくりんの豊頬に、どうにも他人とは思えない縁を感じます(笑)。

半額以下だったから未だ許せますが、もし元値(税抜き16,000)のままだったら、納得の行かない悲しいクウォリティのべち子でした。何とか髪の毛をもう少しマシに直し、可愛いおべべを作って上げなくてはと思います。




2025/01/05

緑系ラインストーンのブローチ

 

九月のアーディングリーのアンティーク・フェアで、少し大き目でちょっと変わったフォルムの、ラインストーンの美しいビンテージ・ブローチを二つ見付けた内、もう片方は緑系ラインストーンのブローチでした。

やはりラインストーンの配置はアシンメトリーで、ラインストーンが大き目で爪留めになっています。それぞれの石の形は楕円、雫、丸。マーキスや四角はなく、全体的なフォルムはほぼ楕円形に纏まって見えます。大きさは、横4×縦3㎝程度です。

ラインストーンは、エメラルド風の濃い緑色と、ペリドット風の黄緑色の二種。こちらも台座を見ると、幾つかの石はオープンバック可能になっていますが、石が全て裏フォイル付きでオープンになっていません。

それでも石の透明感が美しいのは、一つ一つが割と大き目で高さがあり、側面からも光が入るからのようです。

 

 


2025/01/04

笑う門には猫来たる和三盆

昨年の帰国時、再び仲良しで集まって女子会を開く事が出来ました。その時可愛い物や美味しい物を色々持ち寄って交換し合ったりしましたが、Tさんからは可愛い猫モチーフの和三盆の詰め合わせを頂きました。和三盆は日持ちするので未だ開けていませんでしたが、年明けこそ食べるのに相応しいと思いました。

こんな大口開けた猫型の紙製ケースに入っていて、パッケージからして可愛くすっきりスマートです。


中には、パステル色の様々な形の和三盆が6つ。左上から鯛、丸まり猫、ヘソ天猫、見上げる猫、肉球、鈴型です。

一番大きな猫型には、トラ模様入りなのが可愛い。


和菓子って、材料が大抵は豆系や米粉等と限られているので、味はどれも似たり寄ったりですが、四季を意識した見た目の美しさや繊細な味わいは日本独特の文化。渋い緑茶と一緒にちびりちびりと少しずつ頂く風流さは、一般の欧米人には到底理解出来ないだろうから、P太には上げずに一人で食べ切るつもりです()

 

 

 



2025/01/03

巳年のお勧めコーディネイト

巳年の今年のお勧めファッションは、蛇と言えばこの人「鬼滅の刃」の鬼殺隊蛇柱・伊黒小芭内さん風コーデ(…いや無理)。コスプレをさせるのには、ぴったり合うドールも持っておらず難し過ぎましたが、現代のファッションに特徴や要素を取り入れた、あくまで「それ風コーデ」なら有りかもと思いました。

再現度の高いコスプレは最早芸術品ですが、街中でさり気なく推しをアピール出来る格好もまた尊いかと(笑)。数カ月前に地元の街で、オレンジ色のジャージの上下を着て、ヘッドバンドの上からツンツンの金髪がはみ出したジョギング中の男性を見掛けましたが、「絶対『だってばよ』のファンだろう」と夫婦揃って思いました。

これが伊黒小芭内です。蛇の如く木の上にだらーんと寝そべって登場し、見た目も不気味に蛇っぽければ、性格も執念深く疑い深く粘着質で蛇っぽい彼。原作漫画版では、背景に「ネチネチ」と擬音が付きます。ついでに、愛刀(日輪刀)もにょろにょろ。生まれつきオッドアイで、口は鬼に寄って裂かれた為に包帯で隠しています。

鬼殺隊員の主要キャラクターは、隊服の上に大抵は羽織を着てお(露出が高いとか裸族に近いキャラも居るが)、その羽織の柄がトレード・マークと言うか、テーマ&シンボル・パターンになっています。今年タカラトミーから発売される鬼滅×リカちゃんのコラボなんて、隊服リカちゃん+炭治郎含む七パターンの羽織セットだそうです。

伊黒小芭内の羽織は太目の縦縞柄で、愛しの甘露寺密璃にも縞ニーハイを贈っている所から、縞がお気に入りなのは確かなようです。その羽織は、羽織風の襟無しコートで表現しました。

隊服は、上が黒い学生服のような詰襟で、ボトムが黒いサルエルパンツ…と言うかクロップ丈ジョッパーズです。裾がかなり膨らんでおり、まるで飛び職か特攻服のようなので、今回は控え目な膨らみの裾絞りパンツにしました。

トップは、コートを羽織らせ易い為、普通の黒タートル・シャツで間に合わせています。

首には、巳年ならではのウワバミ・マフラーを巻くのが最大のファッション・ポイント。伊黒小芭内は、いつも「鏑丸」と言う名の白蛇を連れて可愛がっています。(注:念の為こんなにデカくはありません)

鏑丸は単なるペットではなく、実は視力の悪い彼の盲動蛇として、鬼との戦闘に非常に役立っているそうです。

昨年の正月も言いましたが、年賀状の図案に関する仕事を昔していて、毎年干支柄が一番人気だったのにも関わらず、辰&巳のみは嫌われ捲って売れなくて愕然としました。

どんなに可愛くファンシー化しても、「鱗系は生理的に駄目(…じゃあ魚も全滅?)」と、特に御婦人方から徹底的に忌み嫌われました。

そもそも何故そんな嫌われ者を、12年に一度は必ずやって来る干支に選んだのか、と言う事自体に今更ながら愕然とします。本当に代わりに猫だったらグッズが馬鹿売れしたかも知れませんが、現代のマーケティングに則って干支の動物を選んだ訳では当然ないのだから、仕方ないっちゅー事です。アジア(やエジプト)では古来から蛇を神として崇める事があり、多分見た目の怖さや不思議な動きからも畏敬の念を抱き、神格化したのかも知れません。

姉も蛇が嫌いなので、この鏑丸くんマフラーは要らないと言うだろうなあ。…お利口さんな蛇なのにねえ()。一方私は、大蛇や毒蛇でもない限り蛇は割と平気で、虫の方が絶対嫌です。何度も言いますが、イモムシだらけに違いない蝶屋敷は真っ平だ。

ところで、丁度この撮影の最中に、モモコの左手首(向かって右)がいきなりポロッと壊れました! 亀裂が入っていた訳でも無理に曲げたり引っ張った訳でもなく、勿論直射日光を厳重に避けて保管していたのにも関わらず、突然いつの間にか折れていました。元々momoko DOLLのボディの素材は、プラスティックの中でも一際ヤワで劣化し易そうとは思っていましたが、本当にこんなにあっさり壊れるとは…。外れた手を、紛失しなかったのがせめてもです。この後接着するつもりですが、最早手首を曲げる事は出来なくなるだろうし、今後もモモコ達のボディはどんどん自然に壊れて行く一方なんでしょうね(トホホ)。

 

 

 

 


 

2025/01/02

千紫万紅

 

今年も、当ブログをどうぞ宜しくお願い致します。新年の御挨拶は出来ませんが、年の一番最初のブログは今年も着物姿のドールから始めたいと思います。

この着物の生地は、私が随分昔にベルリンの蚤の市で買ったビンテージのスカートの一部です。そのスカートはアメリカ製で、丈の長さは私にとってはフルレングスでした。

日本でマキシ丈が流行する遥か前の事でしたし、実際着用&行動し辛かった為に、数年後に自分で裾をカットしました。そのカットした切れ端で、この着物を仕立てた訳です。

色とりどりのケミカルな発色の花柄が黒地に映える、レトロ感たっぷりの、見るだけでもウットリ可愛い布です。

素材はコットン100%と表示されていましたが、その割にプリントは全く色褪せず、驚く程はっきりと発色が残っています。中厚で、少しシボのある不思議な織り地です。

この端切れでドール服を作るのであれば、やはりまずは着物をと考えていました。見込んだ通り、1/6ドールの着物に仕立てるのには程良くコシがあり、その割に肩部分はごわごわと強張らず、ちょっとウール地みたいで冬の着物にぴったりな雰囲気に仕上がったと、自分では思います。

帯まで蛍光色等のビンテージ生地で派手にすると、目がハレーションを起こしそうだと思い、帯や半襟、袂袖にはあくまで着物の柄を目立たさせる色を選びました。

また着物自体はカジュアルなので、帯等に寒色系を選ぶと、涼しげで浴衣っぽく見える為に避けました。

出来るだけ鮮やかな花柄の混んだ部分が目立つように配置しましたが、返って黒地の大きく見える部分がピリッとしたアクセントとして利いている程です。

それ程惚れ込んでいる生地なのに、また使い易いように丈をカットしたのにも関わらず、実はスカート自体は今だ余り履いていません…。全体的にかなり大きかったので、ウェストも詰めて調整しました。巻きスカート式だから、それは割と簡単に出来ました。

しかし、今度はヒップ部分がポコッと大きく余って変に出っ張ってしまい、結局形が余り可愛くない為に、今だ上手く着こなせないのです。

ところで、今回のモデルはmomoko DOLL「ラブリーフォークロア」ですが、元々リップの色が薄過ぎて色褪せて見え、更に経年で実際に退色して来たのか、兎に角顔色が悪く見え、写真が上手く取れずモデルとして使い辛いと思いました。それで、ちょっとだけリップに色を乗せてみました。

元のイメージからは出来るだけ変えたくなかったので、極力少しだけ色を乗せようと思いましたが、薄ーく色を付けるのも斑になり易くて中々難しいと実感しました。最後に、コーティング代わりにパール入りのメディウムを塗っています。写真は前より撮り易くなり、少し大人っぽく見えるようになった気がします。

カジュアルな着物で今年のブログの一年の始まりは控え目にしなくちゃあ、と思っていたのに、カジュアルでも華やかさは半端ない着物に仕上がってしまい、意外と目出度い雰囲気になってしまった…。皆様の心の中にも、沢山の色とりどりの美しい花々が咲き乱れるような、充実した一年となりますように。