2024/08/05

遺跡と眺望の丘ウィッテナム・クランプス 2

昨年の夏に訪れたオックスフォードシャーのWittenham Clumps ウィッテナム・クランプスで、鉄器時代の要塞遺跡「Castle Hill カッスル・ヒル」歩いた後は、もう一つの丘「Round Hill ラウンド・ヒル」を丘を歩きます。

Clump」は木立と言う意味で、Wittenham Clumpsは複数形になっているので、この二つの丘(の頂上に近代に植樹された森)を合わせた名称になります。本来の名称は、「Sinodun Hills」と言うそうです。

二つの丘の間は、要塞遺跡の深い堀のせいもあり、かなり急な坂道になっていました。

カッスル・ヒル同様に、ひたすら丘の周囲を歩きます。 

こちらの丘の頂上の森も、柵で囲まれています。かなり不気味に鬱蒼としていて、入れたとしても立ち入りたい雰囲気ではありません。

勿論こちらの丘からも、眺望は抜群。

北西には、House of Wessexと言うサクソン時代の家屋の復元が在るそうです。写真で見る限り、日本の茅葺屋根の家に良く似ています。

丘の北側には、リトル・ウィッテナム村のSt. Peter’s Churchが見えます。

そしてこの丘の北東には、かつて大修道院が存在したDorchester ドーチェスターと言う村が在ります。大修道院は例に寄って16世紀に解散され、今は教会部分のみが教区教会として残っています。

ここもいつか訪れたいと思っていますが、今回は時間がありませんでした。因みに、ドーセット州の州都ドーチェスターとは、同名ながら単なる偶然の一致で無関係だそうです。但し「~chester」の地名が示すように、どちらも古代ローマ時代から続く場所のようです。

更に北東の奥には、Oxford Wet’n Wild」と言うウォーター・パークになっている湖沼地帯が見えました。ここでは水上に浮かぶ様々な遊具を使い、トライアスロンのようなスポーツが楽しめるようです。

丘の周辺を、近年イギリスで保護されて増えて来ている鳶が飛び回っていました。鉄器時代の要塞遺跡だけではなく、二つの丘共に考古学的に重要で、青銅器時代から人類の痕跡が見られ、古代ローマ時代の住居跡やモザイクの床も発掘されたそうです。

また、これ程風光明媚で印象的な丘なので、今までも幾度か文学や絵画の題材にされただけでなく、BBCの人気ドラマ「Dr. WHO」の撮影も行われた事があるとか。

Wallingford  ウォリンフォードに到着時はどちらかと言えば曇天でしたが、気が付けば去り際の夕方には清々しい晴天に。

結局この日の小旅行では、古い家並みの町、城跡アンティーク・モール、古代遺跡、更に自然の中でのトレッキングまで楽しめ、我々夫婦にとっては理想的なお出掛け先となりました。

 


2024/08/04

遺跡と眺望の丘ウィッテナム・クランプス 1

 

昨年の夏に、テームズ河畔の城下町Wallingford ウォリンフォードを訪れた後は、その日のもう一つの目的地、「Wittenham Clumps ウィッテナム・クランプス」と言う眺望の良い丘を目指すことにしましました。

ウィッテナム・クランプスは、ウォリンフォードの北西約6㎞の田園地帯に在ります。ここも前から行きたいと思っていましたが、どうせ行くのならウォリンフォードとセットで、と思っていました。

眺めの良い自然豊かな丘と言うだけでなく、ここには大好きな先史時代の要塞遺跡=hillfort ヒルフォートがあるので、私にとって行かない手はありません。

ウィッテナム・クランプスには、丘の頂上が二つあります。駐車場から伸びる遊歩道に出ると、まず目に入る左手のこの木々の生い茂った場所が、要塞遺跡かと思い勝ちです。

しかし、鉄器時代の要塞遺跡なのは、ほぼ振り返った側の右手の丘の方です。やはり、頂上は木々に覆われています。「clump」とは、ここでは木立の意味です。

遺跡の丘の名前は、「Castle Hill カッスル(キャッスル)・ヒル」と言います。

 

一見二つとも似通った丘に見えますが、近付くにつれカッスル・ヒルの方には、土塁や空堀と言った結構険しい古代の土木工事跡が確認出来ます。

元々軍事要塞か防衛機能付きの居住区として、一早く敵が攻めて来るのを発見出来る立地に築いた訳で、ここからの眺望は今でも360度ばっちりです。オックスフォードシャーとバークシャーの一帯が見渡せます。

 

西に見える大きな建物は、Didcotの電力発電所。

考古学的に重要と言うだけでなく、貴重な動植物の保護区として、「Earth Trust」と言う地元団体から整備・管理されています。

鮮やかな青い花は、リンドウの仲間(…ピンボケ失礼)。

黄色い花は、キク科のラグワート。イギリス中何処ででも見られる雑草の上に毒草ですが、背が高く目立つし、群生すると割と見応えがあります。

イギリスの草原では、レース・フラワーのようなノラ・ニンジン、すなわち野生のパセリの仲間も多く見掛けます。ただし、こちらにも毒性を持つ種類が多いので要注意です。

フジバカマに似ているのは、多分Hemp agrimony(Eupatorium cannabinum)と呼ばれるハーブ。

薄青い花は、野生のスカビオーサ。総じてヨーロッパの自然の草原には、日本よりも花が多いと思います。

見るからにアグレッシブなアザミも、沢山生えていました。

こちらTeasel チーゼル(ラシャカキグサ)も、全体的にトゲトゲで過激。こいつは、零れ種で庭に勝手に生えて来た事があります。個性的な見た目なのでドライフラワーとして人気ですが、私は引っこ抜いてしまいました。

頂上の森には、立ち入り禁止の柵が巡らされていました。この森は元から在った物ではなく、近代になってから設けられたようです。

そして、「遺跡の側に遺跡在り」なのは鉄則です。要塞遺跡を訪れる際は、必ず周囲に他にも遺跡がないか確認します。カッスル・ヒルのすぐ南東の丘の頂上の木立が在る部分は、実は新石器時代~青銅器時代の古墳なのです。

青銅器と鉄器時代では大雑把に言って2000年以上の開きがありますが、何時の時代も特別な場所は特別で、取り分け眺望の利く場所が重要視されたのは変わらなかったようです。

丘の北と東側には、テームズ川が蛇行しながら流れています。

カッスル・ヒルをほぼ一周したので、続いて北側のもう一つの丘、ラウンド・ヒルに向かいます。

 



2024/08/02

リカちゃんのお友達、きらちゃん

 

タカラトミー社のお馴染みのファッション・ドール、リカちゃんには、昔から沢山のお友達人形が存在します。現在はタカラトミーで製造・販売していないフレンズでも、リカちゃんキャッスルで髪色や髪型、瞳の色やメイクを変え、今でも販売している場合もあります。きらちゃんは、その歴代の多くのお友達人形の中で、最も人気があるかも知れません。中にはリカちゃんではなく、このきらちゃんばかりを買い集めてモデルにし、撮影してSMSに投稿しているファンも居るようです。インスタのリカ活者の間で、一時きらちゃんブームが起こったとも聞きます。

そんな人気のきらちゃんなのに、私は今まで一体も持っていませんでした。何故ってアウトフィットのテイストのバリエーション的に、リカちゃんで間に合っていて特に必要なかったからです。そう、きらちゃんはリカちゃんフレンズの中でも、一番リカちゃんに似通って見えます。ドールに詳しくない一般人にとっては、どのお友達も皆同じ顔に見えるんじゃないかと思いますが、きらちゃんは、余程リカちゃん中心にドル活している人じゃない限り、リカちゃんとの区別が殊更付きにくいのではと思います。

まずアイ・プリントが似ていて、瞳の向きもリカちゃんと同じ。慣れて来ると、リカちゃんよりも心持ち目が離れ気味のようで、きらちゃんの方が少しだけ寂し気で賢そうに見えます。実際、きらちゃんは勉強の得意な優等生キャラクターだそうです。私の中では勝手に、勉強より食べ物が好きなおっちょこちょいキャラのリカちゃんに対し、きらちゃんは鋭いツッコミ役に見えます。

しかし、今年福島の実家に帰省してリカちゃんキャッスルを訪れる際には、もし気に入った仕様に出会えたら、きらちゃんを一体購入しようと決めていました。そこでお迎えした、私にとっての「初きらちゃん」がこの子です。

ライト・ブラウン(アンティーク・ブロンド?)の髪色の内巻きセミロングで、「2016AWカジュアルコレクション」モデルと言うようです。シックな髪色や髪型、瞳、リップの色から、一層落ち着いて大人しく見える仕様で、これなら華やかで甘めのリカちゃんとの、テイストの差別化が出来るかも知れません。

実際撮影してみて、やはりリカちゃんとは結構違うんだなと実感。例えばリカちゃんでは定番のこのポーズも、きらちゃんだと妙に違和感あります。私が慣れていないだけなのか、リカちゃんより可愛く撮るのが難しいような。

カタログで見るAWきらちゃんは、もっと内巻きがくるんと丸まっていて、長さはボブに近いようです。前髪も本来はラウンド・ヘムみたいですが、何だか散切りに乱れています。通販ではなく店頭で買ったのですから、これでも見比べて出来るだけ可愛い子を選んで買ったつもりでしたが、実際に外箱から出して頭のポリスリーブを外してみると、結構髪型の印象が違うとは思いました。まあ今が可愛ければ、構わないんですけど。

着せているアリス服っぽいドレスも、同時にリカちゃんキャッスルで買ったリトル・ファクトリー製で、前から欲しいと思っていました。ドール自体に出費が嵩む分、普段は既成のアウトフィットにはお金を掛けたくないと思っていますが、このアリス風ドレスの魅力には逆らえず、また自分では絶対再現出来そうもないと観念しました。

何と言っても、細かいピンタックが施された生成りのエプロンが素敵。透け感のある生地やレースの選択も、繊細さを高めています。また、非常に可愛いドロワーズもセットされています。同じく付属の縞ソックスを合わせるコーデも、好みにどんぴしゃ。これが細かい縞なので、ドレスの繊細さを邪魔しない所もマルです。

エプロンを取ってワンピースだけにすると意外な程シンプルで、エプロンの効果の絶大さを実感します。しかし、きちんと立体裁断されボディにフィットするワンピースで、スカートの丈や袖の膨らみ具合等が絶妙です。

また、渋いサックス・ブルーの地色や素材感のお陰で、シンプルでも安っぽく見えないのは流石です。

そして、背面はボタン留めに見えるよう(実際にはベロクロ留めだが)、細かいビーズが沢山縫い付けてある繊細さ。

本当はこのアリス服セットには、黒いサテン・リボンも付属していますが、ヘアバンド式のゴムで髪型がヘンに跳ね上がってしまう為、代わりにバービーのカチューシャを着けています。

リカちゃん向けとは一味違った、このきらちゃんの特性を生かせるような、きらちゃんならではのアウトフィットが作れるように、今後は励みたいと思います。