2024/01/05

睦月媛

 

この振袖は、数年前にリカちゃん人形の元旦御挨拶用の撮影の為に縫いましたが、ボディをピュアニーモ・フレクションSに交換したリカちゃんに着せた為、袖が短か過ぎてサマになりませんでした。

おまけに悪天候続きで(イギリスでは毎冬の事だが)撮影時は非常に暗く、当時は真っ当な撮影用の照明器具もなく、帯の色も背景布も選択ミスで、我ながら新年早々相当ガッカリな写真の出来栄えになりました。

モデル(のボディ)を換えるなり、帯や背景布を換えるなり、普通だったら別な日に撮り直しする位の酷い写真でしたが、その時は余程時間がなくて切羽詰まっていたのだと思います。

例えこんなに稚拙なドール服でも、不器用者が並みの人より苦労して作ったのは確かだから、撮影=最後のプレゼンテーションを疎かにしてはいけない。綺麗に撮って上げないと、モデルになってくれたお人形だって可哀想だし、服が下手だからこそ、写真だけはマシに見えるように努めるべきだと思い、再度撮影に挑戦です。

その元旦時は、一応モデル&使用布のローテーションの関係で(出来るだけ同じ物はダブらせない)、リカちゃんキャッスルのお人形教室製の金髪三つ編みリカちゃんをモデルに選びました。しかし、振袖の布地の雰囲気から、いかにも和風な髪型・髪色のリカちゃんの方が、布の柄が締まって見えて相応しいのではないかと気付きました。

そこで、同じくキャッスルお人形教室製の、黒髪おかっぱリカちゃんの登場です。最近前髪を更に短くカットし、マットなオレンジ色だったリップもリぺしました。このリカちゃんはあくまで幼い雰囲気をキープしたいので、リップの色は極力薄くするつもりでした。が、思ったよりも濃くなってしまいました。スカーレットに茶系が微妙に混じった変な色で、後で再度塗り直すかも。

それでも、以前よりモデルとして使い易くなった気がします。黒髪おかっぱリカちゃんは、この他にもメイク濃い目のリカ・ビジュー「スノードロップ」ちゃんがうちに居るので、はっきりした差別化が必要だと思いました。

少なくとも市松人形のようなリカちゃんの黒髪、前回より大ぶりな柄の背景布のお陰で、着物のレトロなビンテージっぽい柄の魅力が、以前より映えて見えると自分では思っています。

帯は、元はruruko用の振袖に作った、金蘭のような洋柄のジャッカード生地。割とどんな着物にも合わせ易く、且つ重厚感があり結構重宝していて、昨年momoko DOLL用の振袖にも使用しました。

背景の黒地に椿柄の生地は、随分前にユザワヤで購入した全幅×半メートル位のカット生地で、勿論ドール用の着物にぴったりと思い購入しました。しかし今や背景布として活躍し過ぎで、最早着物を作る為に切り刻めない💦 面積が十分ないカット生地や端布の場合、そう言う事って結構あります。

折角の黒髪が、布の黒地に馴染み溶け込み過ぎて目立たないのが残念。

リカちゃんのオリジナルのボディでさえ、この着物ではやはり袖巾は短め、袷も足りないので、最初の撮影後に直ちにリカちゃん用の基本の着物の型紙を修正しました。

身丈はピュアニーモS用に合わていせた為、オリジナル・ボディには長めですが、おはしょりはそのまま調節せず、室内設定にして(布製足袋+草履だと単に立たせるのがめんどい)長めでもOKと言う事に。

勿論気に入ったからこそ買った布だったのに、最初の撮影以来何だか見栄えイマイチだなあと思い込み、その後は勝手にケチが付いて手を付けていませんでした。しかし、やはり単に自分の組み合わせが失敗しただけで、布自体は素敵だと今回改めて思いました。いつか27cm用の着物も、この布で作ってみたいと思います。

 

 


2024/01/04

ミッフィー×久谷焼きの小皿

能登半島地震に被災された全ての皆様に、心より御見舞い申し上げます。一日も早く状況が落ち着き、通常の生活に戻れますようお祈り致します。

昨年帰国した際、お友達のMちゃんからは、この九谷焼の小皿を頂きました。

 
九谷焼らしいカラフルでも渋い色彩の緻密な絵柄の中に、実はミッフィーが潜んでいます。

ファンシーなキャラクターなのに、日本の伝統柄の中でも浮く事無く、ちゃんと馴染んでいて、更に可愛さもそのままなところが中々のデザイン力だと思います。

縁の青海波模様の中にも、実はブルーナの鳥。

このミッフィー皿を受け取って見た時に、「あれっ?」と思いました。何故なら丁度その前日、義母への日本のお土産として、同じ位の大きさの九谷焼の小皿を偶然買ったところだったからです。

勿論こちらにミッフィーは居ませんが、柄の雰囲気は良く似通っています。転写プリントながら、久谷の繊細な図案は、正に日本らしさに溢れていると思います。日本なら真っ先に醤油皿だと思う大きさですが、小皿が食器として存在しない西洋の人なら、ピントレイ(鏡台でアクセサリー等の小物を入れる為の皿)として使うかも知れません。

 

 

 


2024/01/03

初春のステップ

 

作ったドールのアウトフィットの中でもmomoko DOLL用は、撮影後は出来るだけ姉に送るようにしていますが、この七夕用に縫った浴衣は、着物にして再度撮影してから姉に送ろうと思いました。

しかし元々和柄ではなく西洋の花柄布で、しかも夏に相応しい青系の涼し気な色合いだから、一体どうやって着物、しかも正月らしい外出着にしよう?としばし考えました。

結局柄の一部にも使用されている暖色系の濃いピンクを半襟や振り布に選び、赤い帯締め付きの金彩の入った華やか目の帯を合わせました。

背景も花いっぱいでめでたくし、何とか正月らしくなったかな~と。

特に破魔矢は、これぞ正月らしさの強力アイテム。これは干支の陶器の置物の付属品で、1/6ドールにも使える!と取って置いたものです。 

椿の髪飾りも、冬らしさをアップするのに一役買ってくれています。

モデルを「冬のバス停」ちゃんに替えたら、髪型は「選べるモモコ」ちゃんに似ていても若々しく見え、また着物の雰囲気も違って見えます。

姉が送ってくれた正月飾りも添えましたが、生憎これは背景布がうるさ過ぎて合わなかった…。

あくまで正装の大振袖ではなく、初詣等に行く程度の中振袖なので、この位の控え目な華やかさで十分だと自分では思っています。

そもそも新年早々豪華絢爛な大振袖一式って、せいぜいTVの中か、後は特別なイベントでしか実際見ないような?

着物として最も格式の高い大振袖は、確かに伝統工芸技術の結晶でウットリ美しいんですけど、動き辛そうだし汚したら大変とか、見ている方も重々しく感じるのは事実です。

たかがドール用とは言え、最正装の大振袖って、やはり裏地を付けたりと作るのも着付けるのも一番面倒なので、この程度のカジュアルな着物には正直ホッとします。




2024/01/02

飴入り張子の人形

 

昨年帰国した際、毎度ながら友達から可愛い物、美味しい物、嬉しい物を沢山頂きました。日本の物は大抵嬉しいものの、皆更にしっかり好みを考慮してくれているのが有難い限りです。キチ吉ちゃんからも嬉しい物をいっぱい貰いましたが、その中でもこの張子のお人形は、ユルさ&なごみ度ナンバーワン。

京都に行った際、買って来てくれたそうです。胡粉で堅め捲ったしっかり硬い張子で、帯部分で蓋が外れる入れ物になっています。こんなシンプルな造形とお顔なのに、素材感やマットな彩色の威力で何と愛らしいのでしょう。

最初は、こんな状態になっていました。可愛いだけでなく、中には飴ちゃんが入っています。

見た目も可愛いけど、食べてもちゃんと美味しい飴です。こう言うおもちゃのようなお菓子の味まで手を抜かずに、イギリスでは有り得ない繊細なおいしさなのが、日本ならではだなあと感じました。

 

 

 


2024/01/01

新年の御挨拶


新年明けましておめでとうございます。皆様にとって平和で明るく希望に満ちた一年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。また、こうして平穏にブログを続けられる事の有難さを噛み締め、世界から争いが少しでも減りますよう祈らずには居られません。本年も、当ブログを御愛読宜しくお願い致します。

辰年の元旦の着物は、青龍をイメージして青緑色の大振袖にしました。辰柄の着物も世の中には存在するらしいのですが、オラオラどころか「姐さん!」ってイメージしか思い浮かびません…。

この和柄生地は、以前27cmドール用の着物20cm用和ロリ+二部式着物に利用した事はありますが、22cmドール用着物は未だでした。

金彩が多く部分的には大柄で華やかな割に、柄の方向等の制約はないから、1/6サイズのドール用の着物としては使い易い生地だと思います。

黒をアクセントとして加え、裾にはオーガンジーのフリルを加え、今迄の着物とはちょっとだけ違う雰囲気を目指しました。 

今年のトップバッター・モデルは、姪から譲り受けたリカちゃんキャッスル「お人形教室」スタンダードの、ペパーミント色の髪+緑の瞳のリカちゃんを選びました。

元はセンターパートのワンレン・ストレート・ロングヘアでしたが、やはり髪質が結構傷んでいて切れ毛も目立ったので、緩め三つ編みお湯パーマにしてから少し毛先をカットしました。更に、額際の両側の髪を後ろ結びにしています。本当は、「湖畔のアリス ruruko PS」のような幻想的で儚げな雰囲気を目指したかったのです。

唇のペイントも荒れてガサガサに見えたので、その上に渋めのパープル系+パール・メディウムでリぺしています。ついでに目元にアイシャドーも入れ、ちょっとだけ大人っぽい雰囲気に。

変色でもしたのか、ペパーミントの髪は部分的に黄色っぽくなっています。ボディも、実は肩の腕の付け根部分に亀裂が入っています。

その割に顔やボディの退色等はありませんが、キャッスル製のボディでこんな風に傷むなんて初めて見ました。私のもっと古いリカちゃんのボディでも、そのように傷んでいる物は見当たりません。

一緒に写っている辰の置物は、日本を代表する郷土玩具の三春張子。昔一時帰国した際に、福島県中部の郷土玩具の里・高柴デコ屋敷で義父へのお土産として購入し上げた物を、今回義母から借りて来ました。買った時から、既に12年も経ってしまった訳です。

年賀切手の図案にもなった事のある、有名な「辰車」を上げた物だとすっかり思い込んでいましたが、これって車輪がないんですね。

三春張子は工房に寄って意匠が異なり、これは大黒屋さんの辰のようです。張り子の中には球が入っていて、降るとカラカラと鳴ります。

昔、年賀状の図案に関わる仕事をしていて、大抵の年は干支柄が一番人気でしたが、辰と巳のウロコ系は気持ち悪いと(特に女性から)嫌われました。しかしこれはコロンとしたひょうきんな顔の全く怖くない辰で、まるでリカちゃんのペットみたい。お供の辰之助くん(いきなり命名)を従えた、竜王の娘の姫君と言う設定で。

小野町出身のキャッスル製リカちゃんと、三春町(本当は隣の郡山市だけど)出身の三春張子の田村郡共演です。…去年の元旦もそうだったか。

昨年は私にとって何かと落ち着かない年でしたが、今年も日本に三カ月間一時帰国するので、再びバタバタと慌ただしくなります。昔は毎年帰国出来る事に憧れていましたが、実際そうなってみると相当キッツイなと感じます。

やはりP太やタラちゃんと離れて暮らすのは辛いですし、昨年の実家滞在での体験を考えると非常に気が重く、また長期間自宅を空ける為の前準備が大変で気を揉むのです。

昨年と違い、入国時の面倒なコロナ規制は撤退されましたが、これから出発までの間、または日本滞在中も、何処か体を壊しては一大事…と考えると、またしても緊張して返って体調崩しそうです(苦笑)

帰国の間と前後は再びブログの更新が飛び飛びになりますが、出来る限り間が開かないように努めたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。