2023/05/08

ソヴィエトのキツネのフィギュリン

昨年11月に訪れたArdingly アーディングリーのアンティーク・フェアの、私がシュタイフの縫いぐるみフィッギオの陶器を買ったストールで、P太にとっては魅力的なキツネのフィギュリン二つが売られていました。彼はVRの自身のアバターがキツネ少女なので、今キツネ・グッズに興味があります。しかし私が買った1つ5ポンド&3つなら10ポンドのコーナーではなく、それらフィギュリンは1体12ポンドと記されていました。「最後に現金が余ったら買おう」と彼は言いましたが、その後お目当ての銀貨を買うのに有り金全てを使い切ってしまいました。しかし私には未だ所持金があったので、お金を貸すからその範囲内に値切れるなら買おうと提案しました。売り主に尋ねると、二つで15ポンドとの事で交渉成立。晴れてP太の物になりました。

その内の一つはバックスタンプがあり、「Lomonosov ロモノーソフ」と言う陶器メーカー製です。ロモノーソフは1744年創業のロシア皇室の御用達どころか直轄だった老舗名窯で、かつては「Imperial Porcelain インペリアル・ポーセリン」と呼ばれていました。ロシア革命後に国有となり、ソヴィエト崩壊後には民間企業となりました。このキツネのフィギュリンは結構多く出回っていて、割と多く見掛ける物です。それもそのはずで、今も同じ型で製造され続けているからです。

しかしこれにはMADE IN USSRと記されているので、明らかにソ連時代製なのが分かります。

いかにも写実的なキツネのまんまの素直な表現ですが、ぽってりした優しいフォルムやまろやかな色味と釉薬に、雄ではなく雌の、しかも母キツネを想像させます。前足をきちんと揃えて、お行儀良さそうなキツネさんです。

P太はキツネ好きが高じて、良くキツネの動画も見ています。中には、保護キツネ・センター配信なんてのもあります。それらキツネの動画を見ていると、「きつねダンス(原題:What does fox say?)」の歌にある通り、キツネって人間がけたたましく笑うような、意外な声で鳴くのが分かります。

 

 

 


2023/05/05

甍の波

ドール用の和服は、1/6サイズにしては柄が大き目、または柄のクセが強くて洋服にするには扱い辛い位の布の方が、着物に仕上がった時に面白いと自分では思っています。

このアンティーク・フェアで手に入れた紫地のカット生地も、柄が奇妙で洋服のデザインは思い付きませんでしたが(せいぜい60年代風ワンピ位)、もし着物に仕立てたら、またもや昭和レトロっぽくて面白いかもと思いました。

実はお正月用に縫いましたが、柄の中の円が鯉のぼりの目を思い出させ、また地色の紫が花菖蒲っぽいので、後から端午の節句用の着物の方が相応しいと思いました。

しかし桃の節句なら未だしも、端午の節句に若い女性が着物…着ますかね? かどうかはさておき。

いや、きっと着物女子なら、どんな時も季節の行事や旬に合わせて着物をコーディネイトするのであろう!

この格好には、アヤメかハナショウブかカキツバタの類の花のミニチュアが、一輪でもあれば絵になるのにと思いました。勿論アイリスでも構わないのですが、例えその花季であろうとイギリスでは手に入るはずがありません。

じゃあ手作りするしかない? いやいや、まさか私がそんな緻密な作業をする訳ないでしょ…などと自問自答を繰り返し、結局和紙ででっち上げました。

拡大しては御見せ出来ないクウォリティですが、遠目にはこれでいいやと割り切っています。

この花を製作中、タラちゃんが机の脇で撫でろアピールを起こしていましたが、作業に夢中で無視していました。やっと完成し手を洗おうとほんの一瞬席を離れた隙に、やっかんだタラちゃんに造花を攻撃されてしまいました。机の上から床に叩き落され、あっと言う間に猫毛だらけになりました(とほほ…)

幾ら「性格:天使級」と親バカ絶賛中でも、やはり猫は猫。

今回の帯は、会津木綿です。多分、半帯と言うタイプにしています。それに、蜻蛉玉っぽい緑色のガラス・ビーズを帯留めとして合わせました。

 結びは普通に文庫。

もう初夏なので、本当はもっと衣紋を抜いて襟開きを広めにとった、涼しげな大人の着付けをしたいのですが、自分自身の着付けが出来ない私に技術と知識がないせいか、ドール用の簡易着物だからか、何度やっても思うように出来ません。
 
渋い色味の着物は、着付けを女っぽくしないと、雄々しさが増すように感じます。
 
今回はテーマが端午の節句なだけに、特に着こなしだけは本当は女性らしくしたかった処です。
 
 
 

 
 

2023/05/03

仙台油麩促進委員会


クリスマスに、姉が麩を始め日本の食料を沢山送ってくれました。私はお麩が大好き。しかし大型中華マーケットの日本食材コーナーでさえ売られていない為(ジャパセンに行けば入手出来るのだろうが…、ロンドンが怖過ぎて行けないよ)、久々に麩を食べる喜びを噛み締めました。そして姉が送ってくれた麩の中に、頼んでいないのに特に好きな「仙台麩」または「油麩」が混ざっていて、テンションが一層上がりました。麩と言うのは地味~な存在で、味噌汁か煮物、酢の物等の添えられるのが一般的な仕事で、生麩以外は主役にはなると言う事はまずありません。しかしこの仙台麩は、主役になれる麩なのです。


その名の通り仙台周辺の宮城県の郷土食で、棒状の麩を油で揚げた物です。その為調理すると生麩のようなモチモチした食感が出て、更に油のコクが加わります。その結果食べ応えがあり、肉にも劣らぬ満足感があります。私の育った福島県でも普通に売られていて、普段から食べていた記憶はありますが(ただし母の調理なので美味しかった記憶はない)、仙台麩と言う名称ではなかった為、郷土食と言う認識はありませんでした。

これは、姉が帰省した際に買った訳ではなく、近所で購入したはずなので、東京のスーパーでも普通に買える訳です。パッケージには「ヴィーガン」「ハラール」 (※肉不使用であってもイスラム教徒にとって合法、お勧めと言う意味らしい) とも書かれ、販売促進に熱心な商品である事が伺えます。ムスリムの住民が多く、更に空前のヴィーガン・ブームのイギリスにも、是非輸出して貰いたい物です。


この商品は棒状ではなく予めスライスしてある為、更に使い易くなっています。パッケージに載っていたレシピ、肉の代わりにお麩を使った「お麩じゃが煮」と言うのにそそられます。

また、親子丼の鶏肉をお麩で代用した「お麩丼」も美味しそう。今回は、昼食にこのお麩丼を作ってみました。


レシピでは油麩と玉ネギと卵とトッピングの三つ葉だけでしたが、副菜のないこの丼一つだけの昼食なので、他の野菜や冷凍枝豆、カニカマもどっさり入れ、栄養のバランスを一応考慮しています。パッケージのレシピでは味付けにつゆの素を使用しているので、更にお手軽のようです。また、レシピでは卵を半熟状態にしますが、P太でも食べられる用に(西洋人は生卵が駄目)しっかり目に加熱しています。

二人分だと一回で一袋を一辺に使い切ってしまう為、有難~く頂きました。干物とは言え揚げ物なので、開封後は早めに使い切るのに越した事はありません。いつも日本から送られて来る食材は独り占めしたいのですが、P太もこのお麩丼が大好きなので、分け与えない訳には行きません()。本当に、なんでこんな渋い和食まで好きなんだろ??

 

 


2023/05/01

鈴蘭の森

 

今年もミモザの日をドールで祝ったからには、今日五月一日のスズランの日も祝わなくちゃとは思ったものの、今年は新たにドール服を縫う時間がないので、以前作った服を着回しして利用します。

相変わらずスズラン柄の布なんて手に入らない為、単に緑と白でコーデしただけ。

それに加え、毎年ワンパターンのスズラン擬きブーケを引っ張り出して来ました。

薄い黄緑色地の細かい花柄のエプロン・ドレスは、以前復活祭用に縫った物です。それに、生成りのブラウスとチュール地のスカートを合わせています。

エプロンには元々揃いのボンネットが作ってある為、今ちょっと髪型崩れ気味のこのキャッスル製2013年版シンボル・リカちゃんには、頭を覆うのに丁度都合が良いと思いました。

ところで、タイトルの「鈴蘭の(生い茂る)森」って、何だか鬱蒼として物凄く暗そう…。スズランは、兎に角めちゃくちゃ日陰を好む植物ですので。

それでも、材料が手に入らずネタに困りつつも、毎年「ミモザの日」と「スズランの日」を祝いたくなるのは、この二つの花のイメージがとても好きだからです。

例え同じリカちゃん人形でも、髪型・髪色の異なるタイプや服の組み合わせ方次第で、ちょっとでもアウトフィットが違って新鮮に見えたら、着せ替え好きとしては嬉しい物です。それで何か季節の行事や記念日用に合うコーデが揃えられて、撮影に利用出来たら尚嬉しいし、少しは頭の体操にはなります。

そもそも、自分の服がワンピースばっかで、コーディネイト力が明らかに退化して来ている為、せめてドール服で頭を鍛えなくちゃとマジで考えています()