2023/02/10

大聖堂都市リンカーン 1


以前から大聖堂好きには外せないと思っていたLincoln リンカーン(リンカンとも表記される)を昨年10月に夫婦で訪れる際、前日に郊外の宿に一泊したので、朝からじっくり市内観光出来る段取りになっていました。お天気は、前日と売って変わり狙った通り快晴! リンカーンは人気の観光都市で、その日は土曜日でしたが、午前中の早い時間なら、中心部近くに駐車場の空きを見付けられるかも知れないと思っていました。しかし前以てネットで駐車情報を調べると、中心部の駐車場はどれもべらぼうに高い。ここは、PR(パーク&ライド。郊外に駐車して街の中心部にシャトルバスで行くシステム)を利用した方が、長時間滞在の場合は安上がりだと分かりました。

リンカーンのPRは一箇所のみで、大聖堂から北東2㎞位のスーパーマーケット脇にありました。…このスーパーの駐車場、時間制限有りで有料なんだけど…と最初は思いましたが、その駐車場の一部分がPR用で無料でした。バス料金は、往復で一人に付き2.5ポンド位だったと記憶しています。復路は、当日中の最終便までに間に合えば時間制限はありません。シャトルバスは15分毎に走っていて、ロンドン・バス同様に二階建てだった事に心が躍りました。当然、二階席の先頭を陣取りました(子供かよ?)

何故って、こーんな景色を眺めながら進むからです。バスは、大聖堂の東脇を経由し、主要駅近くのバス・ターミナルまで行きます。大聖堂とハイストリート近くで、途中下車可能。

ちと窓が汚れていますが、これは普通車の高さからでは眺められない迫力の景色です。うっひょーPRにして良かった~と思いました。

むむっ、まさかバスはこの中世の市外壁の名残りの門の下も潜るのか?と思ったら、本当に潜り抜けました。名前を「Priory Arch」と言い、再建だそうです。その次の「Pottergate Arch」は、流石に避けて脇を通りましたが。

この後、バスは急な坂道を下りました。我々は、終点の一歩手前の中心部の東で下車しました。

ここからは、先程脇を通ったリンカーン大聖堂を見上げる事が出来ます。リンカンシャーはイギリスの中でも特に平坦で海抜が低く、リンカーンの周囲も概ねFen フェンと呼ばれる低湿地が広がっています。しかし大聖堂は、その中で島のように一際飛び出た小高い丘の上に聳え立ち、一層ドラマティックな景観を作っています。

ここから西へ、目抜き通りであるハイストリートへ向かいます。これはSt. Swithins教会。

ハイストリートに架かるギルド・ホールには、すぐに到着。


これがリンカーンのハイストリートです。朝から結構混んでいます。

この通りは、River Witham ウィザム川を渡って橋が架かっています。

この橋の反対側は…、当然川の反対側が見えるかと思いきや、木組みの建物が在るだけで、川は全く見えず思わず目を疑いました。つまり、この建物は川の上に立っている訳です。建物は現在「Stokes High Bridge Café」と言う人気の飲食店になっていて、建物の裏側からの眺めもまた絵になるようです。

その側には、St.Benedicts教会が在ります。大聖堂都市なので、キリスト教関係の建物や教会は多いのかも知れません。

歴史が古いだけに、魅力的な建築物には事欠かない街のようです。


スーパーマーケットMSも、こんな素敵な建物に入っています。

ハイストリートは、ギルドホールのアーチの下を通過しています。こんな造りの街、他で見た事がありません。

現在ギルドホールの一階には、宝石店等の一般商店が入っています。

アーチの下は、ホームレスの人々の住処になっていましたが…。

ここから、ハイストリートは徐々に大聖堂の立つ丘に向かって坂を登って行きます。

この両脇にも、素敵な建物がいっぱい。一階は、つまらない在り来たりなチェーン店ばかりなんですけど。


アール・デコ時代の建物が多いようです。

ここで、ロリィタ・ファッションの女性を目撃しました! 英国でも服が売られているのを見掛けた事はありますが、実際着ている白人女性を見るのは初めてです。おまけに連れの男性も、忘れ難い強烈な髪型をしています。そして、その二人を見詰める左のおばちゃんの冷ややかな視線も、また忘れ難いのでした()

 

 

 


2023/02/07

リンカーンでの夕食 1


秋のリンカーン旅行では、郊外のBBに宿泊しました。P太は出来れば旅行中の夕食時にはアルコールを楽しみたい為、宿内に食事の出来る施設があるのに越した事はありません。しかし宿はBBなので、夕食は取れませんでした。でも歩いて行ける距離内にパブがあるのを確認した為、この宿を選びました。

ところが、当日の夕食時は酷い土砂降りで、数百メートルでも歩ける状態ではありませんでした。そこで宿の女将さんに、多少運転しても構わないので、近場でお勧めの飲食店があるかどうか尋ねました。彼女の一番のお勧めが、この「CENTURION」と言うパブでした。この周囲で最も雰囲気が大人っぽく、評判も良いとの事です。私も前もって宿周辺の飲食店を調べていた所、ここが一番期待出来そうに思っていました。しかし、徒歩で行くにはちと距離があり過ぎ、ここで食事する事はないだろうと思っていました。思わず私は女将さんに、「其処は何か郷土料理が食べられるパブですか?」と尋ねました。彼女は一瞬戸惑って、「…あの、有るのは普通のパブ料理ばかりよ?」と答えました。私はすぐに、「このイギリスで大変バカな質問をしましたあああ」と反省しました。


かなり広い店内でしたが、金曜の夜と言う事もあり、ほぼ満杯に近い状態に非常に混んでいました。数組の家族が誕生会らしき物を祝っていて、子供も多く騒がしいのは否めませんでした。

まず通されたテーブルに、でっかいQRコードが貼ってあるのに気付きました。これをスマホで読み込むと、パブのメニューがダウンロードされて料理を選べ、ウェイターorウェイトレスが来なくても注文&支払いが完了し、誤注文もなくスムーズに給仕が運ぶ仕組みです。こんなシステム、イギリスでも初めて見ました。こんなに混んでいてウェイトレスが中々回って来ない日には有効だと思い使用してみましたが、自分で支払いのカードの番号を入力するのが中々手間で、更に実際に料理の量を確認してから追加注文出来ない点が面倒だと分かりました。

確かに、飲み物は注文後ただちに運ばれて来ました。「Black Sheep」と言うクラフト・エールで、大変美味でした。しかしヨークシャー産で、地ビールと言う訳ではありません。「あれ、車で来たんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、念の為イギリスでは、ビール一杯位で飲酒運転で逮捕される事はないのですよ。


そして、料理自体は待てど暮らせど来ませんでした。これだけ混んでいるから仕方ないとは自分達に言い聞かせましたが、結局一時間以上待たされました。その間壁の音声無しTVのニュースを見ているしかありませんでしたが、お粗末な政治ニュースばかりを繰り返していて余計ウンザリしました。

やっと運ばれて来た私が注文した料理は、正に典型的なパブ・メニューの「スカンピ」。宿の女将さんの言う通り、在り来たりなメニューばかりで、地方料理や独特な創作料理は何も見当たりませんでした。しかし「スカンピ」は、ハーブやガーリック等で味付けした小海老に細かいパン粉を塗して揚げた物で、大抵は何処で食べても外れの無い美味しい料理です。


ところが、ここのは正直余り美味しくありません。海老の身がショボくて、ぷりぷりしていないのです。そしてあろう事か、量が足りない!  空腹で散々待たされたせいかも知れませんが、P太の皿から少し恵んで貰う程でした。不味い事はないのですが、こんな悲しいスカンピ、生まれて初めて食べました。

一方P太が注文したのは、肉のグリルの盛り合わせでした。外食となると、本当にここぞとばかりに肉を選ぶP太。

ソースがクリーミィ―・ペッパーコーン・ソースでちょっとだけ変わっていると思いましたが、こちらも全般的に可もなく不可もなくの極在り来たりな味と質だったそうです。


デザートには、ワッフルを二人でシェアしました。硬めでモッサリした家庭風の素朴なワッフルで、以前ノーリッジのベルギー・ブラッセリーで食べたワッフルとは全く食感が違いました。

掛ったチョコレート・ソースも準チョコのような、懐かしくも安っぽい味でしたが、ホイップ・クリームと生のフルーツがたっぷり乗っているので楽しめました。

結局美味しかったのはエールとデザートのワッフルのみで、給仕と料理は満足に至りませんでした。QRコードの注文システムも、店側にとって都合が良いだけで、客にはメリットがほとんどないように思います。しかし最初に行く予定だった、宿から歩ける距離のパブは、ウェブ上で見ても肉食系ファミレス・チェーン店っぽかったから、ここより更に質が良くなかったであろうとは安易に想像出来ます。イギリスは外食が非常に高く付くので我々は滅多にしない分、また散々料理を待たされた分、期待が大き過ぎたのかも知れません。どうせ車で行かなきゃならないのなら、もっと遠くても良さげな店を選ぶべきだったと思う程、ちょっとガッカリの夕食でした。

 

 

 


2023/02/05

リンカーンの宿

 

昨年10月の大聖堂都市リンカーン旅行は、出発の2日前位に急遽日帰りから一泊に変更しました。その為に予約した宿が、リンカーンの南西郊外に在る、宿泊予約サイトでスコアが最高級得点の評判の良いBBです。

幹線道路沿いにありますが、室内は防音が完備され、また田舎なので夜間は交通量が少なく十分静かでした。

部屋はシンプルなものの、機能性は十分で、文句の付け所が無い程清潔。ベッドのマットレスの硬さも丁度良く、寝心地は上々で安眠出来ました。


BBなので、朝食込みです。朝食室はこんな感じ。

昔の家具みたいな大きなラジオや…、

…ビンテージの調理器具等が飾ってあります。

東側の壁には、60年代の新聞の一コマ漫画の切り抜きがびっしりデコパージュされています。

朝食は典型的なイングリッシュ・ブレックファーストですが、全体的に味付けが優しく軽めで、朝でも無理なく完食出来ました。

焼きトマトに、ハーブの乗っているのがちとお洒落で嬉しい。

ソーセージには、「リンカンシャー・ソーセージ」と言う地元の農家産のが使われています。リンカンシャー・ソーセージは、元々はここリンカンシャーで開発されましたが、今はカンバーランドと同様にどちらかと言うと種類名で、イギリス中の何処でも売られています。ハーブ強めなのが特徴だとか。

その他、ジュースやシリアル、フルーツ・サラダ等も選べます。

建物がイギリスとしては古い訳でも趣がある訳でもありませんが、立地も便利で女将さんも感じが良く、評判通りに快適に過ごせました。

 

 


2023/02/03

苺ちゃんのお帽子

昔あるところに、苺ちゃんと言う苺が大好きな小さな女の子がいました。苺ちゃんは苺を食べるのが好きなだけではなく、苺柄のお洋服や苺型のお帽子を被るのも好きでした(主演:タイニー・ベッツィー・マッコール)

この苺型のニット・キャップは、当然私は編んだのではありません。私は今だ編み物が鎖編みすら出来ないし、やってみようと言う気持ちもサラサラありません()

こう言う状態で、山小屋風チャリティショップで買いました。小さなニット帽が全部で12個ビニール袋に詰められ、一袋1ポンドでした。元々着せ替え人形用に編まれた訳ではなく、多分エッグコジー(茹で卵用の保温カバー)でもなく、全てぶら下げる為の紐がついていたので、クリスマス・ツリー等の飾り用だったのかも知れません。

デザインも全て違えば、大きさも様々です。概ねmomokoruruko、リカちゃんには大き過ぎます。中には頭囲は合う物もありますが、どれも深さとボリュームがあり過ぎるようです。

しかし今は頭の大き目のドールも何体か我が家にいますので、どれかは合うであろうと言った具合です。

べち子には、サイズ的にもデザイン的にも合う帽子が多いようです。

この帽子には絶対苺柄ワンピが必要だと思い、縫ってみました。襟は付け襟です。

こちらは苺ミルクちゃん。どちらかと言うと、クロッシュに近い形をしています。

ビンテージ・タイプのシンディモキシー・ガールズにも、合うサイズの物が多いです

このマルチカラーのキャップは、この中では一番お洒落なように思います。

やはり頭囲は合っても大抵深過ぎる為、こう言った尖りタイプのキャップの方が可笑しくないようです。

その点ショートヘアのドールは、キャップを深めに被れる為、比較的納まりが良く見えます。

このキャップはシンプルな分何にでも合わせ易いし、実はラメ入り毛糸でキラキラします。
 

凄くシンプルな物には、自分でトッピングを加えても良いかも知れません。

ニット帽だけを単にミニチュアとして只眺めていても楽しいし、実際にドールの着こなしに色々活用出来そうです。

 

 

 


2023/02/01

バラのル―サイトのインタリオの八角形ブローチ

秋に訪れたニューアークのアンティーク・モールでは幾つか買い物をし、その中の一つが、このコレクションしているルーサイトのインタリオのブローチです。例の、ビンテージ・ジュエリーの圧巻の品揃えのストールから買いました。このモールでは結構多くのルーサイトのインタリオを見掛け、もう一つのストールの商品も気になっていましたが、其処では他の客がスタッフと対応中で、時間が掛かりそうだったので諦めました。ビンテージ・ジュエリーは概ね鍵の掛かったガラス・キャビネットに入っていて、多くは外から値段が見えず、スタッフに頼んで鍵を開けて貰い値段や状態を確認して見比べてから買うので、元から時間が掛かります。アンティーク・モールでは、我が家にも数台あるIKEAの鍵付きガラス・キャビネットを利用するのが定番ですが、そのビンテージ・ジュエリー圧巻ストールでは、古い大きなキャビネットを使用しており、更に古風な南京錠を掛けていて鍵が上手く回らなかったので、店員さん二人掛かりでも開けて貰うのに非常に手間取っていました。

直径は4cm弱で、ルーサイトのインタリオのブローチとしてもやや小さ目です。モチーフはこの手のブローチに良くあるバラですが、優しいピンク色に砂糖菓子のような甘さがあります。八角形のような全体のフォルムとエッジのカットがちょっと変わっていて、コレクションに加える価値が十分あると思いました。表面に傷は多いのですが、10ポンドとルーサイト・インタリオとしてはまあまあ安目のお値段。このストールの他のルーサイトのインタリオは、もっと高く15ポンド位だったのです。

苦労してキャビネットを開けさせたからには、ここから何か買わないといけない的な気持ちがあった事は否めません。と言うか、ストール主は、この開け辛い鍵を早急に何とかすべきで、お店の人にとっても迷惑です。