昨年の秋のウェセックスの一泊旅行からの帰路、未だ当分は明るかったので、主要道路A303号線にそのまま入らず、ウィルトシャー西端の丘陵地帯の合間の田舎道を通って行きました。
途中、やけに印象的な丘が目に入り、しばし車を止めました。
この丘はCley Hillと言い、頂上には鉄器時代のHillfort 丘砦跡、すなわち要塞遺跡が在り、今はNT(ナショナルトラスト)の管理になっています。元々孤立した丘で眺望抜群な立地の上、麓からでも溝や土塁等の古代の土木工事跡が伺え、明らかに不自然な形に見える為、眼に留まるのも道理です。
その後も勿体ない程のお天気が続いていたので、A303号線に真っ直ぐ進まず、寄り道して日没まで時間が許す限りSalisbury Plain ソールズベリー平原のド真ん中を通って行きました。
ソールズベリー平原は、ウィルトシャーの州都の大聖堂都市ソールズベリーの北に位置する広大な平原です。実際には全くの平地ではなく、なだらかな丘陵地帯になっています。丁度ここで、日没を迎えました。
一方東には既に月が登っていて、「月は東に日は西に」の平原の広さを一層実感させます。
空には、凄まじい数の鳥の大群が。恐らく、Starling ホシムクドリの群れだと思います。
イギリスでは全く珍しくない鳥ですが、ここまでの大群を見るのは初めてでした。作物を荒らし騒音や糞害も出る上に繁殖力が凄まじく、多くの国で害鳥とされています。
これだけ広大な平らな土地が今だ都市開発されずに残っているのは、多くの部分が演習地等の軍事施設に使用されているからです。
また、この平原はストーン・ヘンジやエイヴベリーを始め、古代遺跡の宝庫になっています。返って軍用地だからこそ、多くの遺跡や自然が保たれているのかも知れません。
結局朝から晩までお天気に恵まれ、旅行に最適な二日間でした。一日中の快晴はイギリスの秋冬では非常に稀ですし、天気は旅や風景の印象を大きく左右します。こんな日に旅行に出る事が出来、本当に幸運でした。
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