昨年の秋に、念願の英国屈指の紅葉スポットの景観庭園Stourhead ストウヘッドを見学した後、同じくホーア家に寄って建てられ今はNT(ナショナルトラスト)に管理されている「King Alfred’s Tower アルフレッド大王の塔」に立ち寄りました。同じ敷地内に在る訳ですが、かなり離れた山の上に立っており、既に日没近く時間もないので、一度ストウヘッドの駐車場を去って車で搭専用の駐車場へ向かいます。
駐車場からこんな草地を歩いて行くので、やはり靴がびしゃびしゃに濡れます。
すぐに、異様に巨大な建造物が目に入ります。逆光で、実態はまるで見えませんが。
近付くと、こんな姿になっています。高さは50mで、日本のビルなら17階相当。この巨大さなのに、普通サイズのレンガを積み上げて建てられている所がまた驚きです。
外壁には、アングロ・サクソン時代のウェセックス王国の9世紀に実在した偉大な王、アルフレッドの彫像が嵌め込まれています。と言っても、大王自身が建てた搭では当然なければ立地も無関係で、単に歴史好きで大王に憧れたストウヘッドの当主ヘンリー・ホーア二世が、名前だけ肖って18世紀に建てました。
18世紀から19世紀に掛けて、イギリスの特権階級の間では、Follyと呼ばれる展望塔を敷地内で最も見晴らしの良い高台に建てるのが流行ったようで、今でもあちこちで見る事が出来ます。しかし、その中でもこの規模は圧巻です。
が、専用駐車場から歩いて来て最初に目に入る東側からは気付けないのですが、南側~西側へ回ると、すっかり四角柱の建物だと思っていたのに、実は三角柱なのが分かります。
そりゃズバ抜けた資産家とは言え、四角柱よりは三角柱の方が壁の面積が少ない分、コストを大幅に削減出来ますもんね…。建築学的には、三面でもこの高さを保つ強度が十分だと証明されたのだから、当時としては大いに価値があったのかも知れません。
豪華屋敷を見ても常々思いますが、こんなに只自分達の娯楽の為に金を湯水のように使っても、フランスのように革命を起こす程の庶民からの反感を買わなかったのが本当に不思議。
もし日本の大名であれば、個人的な贅沢の為に大金を費やせば、幕府から敵視されて不可能だった訳ですが(財産を貯めさせない為にも参勤交代があったし)、英国王室からは苦情は出なかったのか??
この塔、NT会員なら無料で登る事も出来ます。しかし、ストウヘッドのお屋敷と同様に、11月から3月の平日は閉鎖されています。この立地自体が崖のように急に切り立った丘の端な上、この塔の高さですから、眺望は例えようがない素晴らしさだと想像します。
しかし地上からの眺望は、…生憎樹木が多くて視界を遮って大して良くありません。標高が、かなりある場所なのは分かります。
ここもやはり、搭に登れる季節に再びいつかは訪れてみなければと思います。展望台は西を向いているので、午前中のこんな快晴の日がベストに思えます。
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