2025/02/10

いつも布がくれる幸せ

 

最近冬には珍しく良く晴れた日に、久々にエセックス州のアンティークの村Battlesbridges バトルズブリッジを訪れました。まず最初に一番大きな「Old Granary Antiques & Crafts Centre」を訪れ、屋外トイレの周囲のガーデン用品売り場(かつて悪趣味の館が在った場所…)に、新品の小物等を売る山小屋風の店舗が幾つかオープンしていました。その一つがファブリック&手芸用品店で、パッチワーク用の薄手コットン100%のカット布を何枚か販売していました。一枚だと2.5ポンドはイギリスとしては普通ですが、5枚だと10ポンドで結構お得。更に、中々素敵な柄布が揃っています。バトルズブリッジのアンティーク・ショップを全て見て回り、結局買いたい物がなかったので、最後にその布屋でカット生地を買う事にしました。

5枚で10ポンドの内で、真っ先に選んだのがこのグスタフ・クリムトの「接吻」柄! 他にもゴッホやマティス柄の名画プリントがありましたが、ドール服に一番生かせるのはこれだと思いました。母屋のレジで支払う時、スタッフさんが「あら~この布素敵ねえ。何て言うんだっけ?この絵」と興奮していました。

金彩は使われていないものの、ちゃんとそれらしく見える精密に再現されたプリントです。メインの接吻の図案自体も勿論インパクトあるけれど、こうして見ると丸い花模様の可愛さに関心します。クリムトの花模様だけの柄布も、作って欲しいぐらい。これでドール服を作るのなら、真っ先に着物を思い浮かべました。

いかにも70年代風のパステル調のサイケデリックなキノコ柄も、パンチが十分利いています。こちらでも、着物を作ってみたくなります。

次がこれ、P太の好きなキツネ柄です。地色が白の色違いもありましたが、茶系で纏まり子供っぽさが緩和され落ち着いて見えるベージュ地を選びました。

何より、ちゃんとキツネが可愛く描かれています。キツネのポーズは、線対称も含めて全部で六種かな。イギリスでキツネやリス、野兎等の身近な野生動物柄と言うと、秋向けと言うのが定番なようで、私もこの布でドール服を作るのなら、秋のドレスが良いと考えています。

くすみオレンジ地に、雪の結晶かウィルス(…おいっ)のような白抜き柄は、色数も少なくシンプルですが、こう言う柄がドール服には一番使い易いと思います。意外とカジュアルな和服にも向きそう。

最後の一枚は、どう見てもドール服には柄が大き過ぎる為、選ぶべきか悩みました。が、6070年代調のポップな花柄は大好きで、結局見逃せませんでした。この布でも、何とか浴衣か着物を作れないもんかと考えています。どの布も半幅×縦4050㎝位でカット生地としては大きく、これで一枚2ポンドはイギリスとしては十分お得でした。

更にこの店で、シーズンが終わって安くなっていたXmas用の布も買いました。こちらはカット生地と言うよりは端切れで、大きさも様々で値段は40ペンスから1.5ポンドでした。

Xmas柄布の中でも、ツリー柄は特に好み。この布は柄が一方向のみですが、柄が細かく均等に散っている点では、今回選んだ四枚の端布の中では一番使い勝手が良さそうです。

一瞬Xmas用とは思えない、夢可愛いトナカイの柄。織りの粗目のオックス程の厚みの、多分綿麻混生地で出来ています。色違いが数種ありました。作るのであれば、ドールのコートか着物の帯なんかに良さそうだと思いました。

赤とネイビーの組み合わせの冬っぽいハート柄なので、バレンタインにも使えると思って選んだ布。やはり、粗目の織りの中厚の綿麻生地で出来ています。

こちらは、どう見てもドール服には柄が大き過ぎ&飛び過ぎ、また柄の向きが縦一方向のみなのに長さが足りない為、背景布としても役立ちそうもありません。しかし、それでも捨て難いと気に入った柄でした。実際に手芸材料でツリー柄を刺繍&アップリケしたような柄が、精密にプリントされています。

どんなデザインにするか即座に想像力を掻き立てる、ドール服に適した薄手のコットン・プリント生地を何枚か手に入れた時のワクワク感は、やはり格別です。チャリティショップでも薄手布を見掛ける度にコツコツと買っていますが、綿100%の布自体が割と貴重で、更にイギリス人とはセンスが大きく違う為、使えそうな好みの柄布には中々出会えません。こんな日本では当たり前の買い物の楽しみとは、本当に縁遠い生活です。

 

 


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