このリカちゃんは、元々は随分昔にイギリスの姪っ子への、日本からのお土産として買った物でした。簡易なミニ・ワンピースを着用して、値段は1500円位の一番安価なタイプのリカちゃんでした。
しかしその後、当時の姪の髪色&髪型に似たリカちゃんを見付け(確か学校制服を着た仕様だった)、そちらの方が姪が喜ぶだろうと確信したので購入し、このリカちゃんは自分用とする事にしました。
ところが、元は金髪のストレート・ロングに前髪はサイド・パートと言う、リカちゃんとしてはスタンダードで地味な髪型で、その割に、中国製のリカちゃんならではのボテッとキレのないフェイス・プリントな上、メイクは濃い目で暑苦しいと、価格以上に安っぽい女感が否めませんでした。どうも個性が感じられなくて、着せたい服装を考えられずにいました。実際何を着せてもパッとせず、長らくモデルとしてさっぱり採用していませんでした。
他に気に入った特徴のあるリカちゃん&フレンズを手に入れるにつけ、益々このリカちゃんの出番はなくなりました。しかし、ずっと箪笥と言うか収納ケースの肥やしになっているよりは、いっそカスタムの実験台になって貰おうと、髪型を変える事にしました。上の写真は、リップとチークを落として髪を後ろに纏めた状態↑。髪はショートにしてメイクは出来るだけ控えてナチュラルにし、いっそボーイッシュにしようか?と考えましたが、それもピンと来ません。思うにサイドパートの前髪が、私にとっては中途半端なのです。
そこで、ボブかショートのカーリーヘアなリカちゃんが前から欲しかった為、モールでカールを巻いてから短くカットしました。やはり期待通りには全く行きませんでしたが、自分が今まで持っていないタイプのリカちゃんには見えて、前よりは合わせたくなる服装が思い付くようになった気がします。ついでに、リップはリペしました。
更にボディもピュアニーモSフレクションに替えると、少し背が伸びて大人っぽくなり、返ってバランスが良いように思いました。元々フレクションかエモーションに替える事を想定していたので、着物の袖は長めにしています。
このバレンタインの着物コーデは、元々はリカ・ビジューの「スノードロップ」のブルネット・ボブのリカちゃんに着せるつもりでした。豆千代モダンで、こんな赤い縞の着物を扱っているのを見て、丁度似たような生地を持っているから、人形用に作ってみたいと思っていたのです。
が、どうにも「外し」や遊びや尖がり具合が全然足りなくて無難に纏めてしまい、豆千代のお洒落な(ぶッ飛んだ)着こなしからは程遠く仕上がりました。
それで色々試行錯誤し、モデルも代えてみたりしましたが、この髪型をカスタムしたリカちゃんの方が、「スノードロップ」よりは面白く着こなせるように感じました。
この赤いストライプの生地はビンテージで、綿100%のブロードのようです。シンプルながら赤の色味の深さや風合いに、ちゃんとビンテージらしさが出て気に入っています。
しかし!この薄さからは想像出来ない位、布地の目が詰まっていて針の通りが非常に悪く、手が痛くなって来る程縫い辛いのです。目が詰まっている割にはローンのような滑らかさはなく、多分織り糸が細くはないのでしょう。
ある程度の生地の硬さと言うか張りは、着物を仕立てるのには必要…と思っていましたが、これまた張りがあり過ぎる程で、待ち針を差した痕すら残るし、ゴワゴワして着付けも上手く行かず、おまけに変な皺が出来ます。
昔の布って、時々そんなとんでもなく針の通りにくい物があります。プリントのゴム系のインクのせいの時もありますし、何度も洗濯されて縮んで目が詰まってしまったり、糊が利き過ぎている場合もあります。
でもこのストライプ布は、未使用だし糊も付いておらず、プリント以外の部分も針通りが悪かったから、単に元からこんなに硬い素材のようです。どちらにせよ、もし実際に人間の衣料だったら、綿と言えど通気性が悪くて着心地は良くなさそうです。兎に角ビンテージ布、例え見た目が良くても要注意!!
付け襟の厚手のギャバジンでさえ、ストライプの布より遥かに縫い易かった…。
付け襟(と言うかケープ)を外すと、こんな感じ。一気に地味になる為、正直付け襟とハート型バッグの赤無地には大分助けられています。
帯は、幅広のチロリアン・テープを布で裏打ちして使いました。これまたお気に入りの、スウィンギン時代らしいレトロポップな花模様のビンテージです。しかし、強く擦った訳でもないのに、作成している内に異様に毛羽立って来て、更に刺繍糸も勝手に解れて来ました。
古い製品だけに、素材が既に劣化して弱っていたのかも。また帯の幅が心持ち広過ぎるのが、上手く着付け出来ない原因の一つになっています。
そんな訳で今回の着物は、材料選びから失敗して上手く行かずウンザリし、途中で投げ出したくなりました。
鮮やかな青を加えると、着こなしは少しだけピリッとして来ました。が、この色の組み合わせ、何かを思い出す…。
…そうだ! くいだおれ人形だー!!(笑)。
ヘッドドレスには、大昔(学生時代?)に多分吉祥寺で買った、謎のキッチュなプラ・パーツを使いました。今になってドールに使うとは、自分でも思っていませんでした。
リカちゃん自体は、以前よりモデルとして採用し易く改造出来たと思っています。髪はボリューミィな横広がりだけど、地味でちょっと寂しげに見えたこのリカちゃんには、それ位の元気の良さが必要に思えました。
赤い縞の着物は、もっとずっとお洒落に着こなせるはずなので、今後も色々コーデを考えるつもりです。しかし暫くは、柔らかい生地だけを縫っていたいなァとつくづく思いました。
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