昨年の春の夫婦のお出掛け先の一つに、大聖堂都市Salisbury ソールズベリーを選んだのは、この街に規模が大き目で良さげなアンティーク・モールが、もう一軒あるとネットで知ったからです。其処は街の中心からは少し外れ、店の脇に専用駐車も設けられているので訪れ易いと思いました。
それがこの「Phoenix Emporium フェニックス・エンポリウム」で、かつて市外壁が立っていたであろう幹線道路の、少しだけ外側に位置しています。元倉庫らしき大きな建物を利用しています。
店内には埃っぽさや黴臭さと言った不潔感はなく、きちんと整列され過ぎてもおらず、適度なゴチャゴチャ&充実ぶりにに見えます。
このキャビネットの中のビンテージ・ジュエリーは、どれでも一つ5ポンド、三つなら12ポンドだそうです。
古着も、割と好みの面白いデザインが揃っています。
単なるフォークロアなのか本物の民族衣装なのか、微妙なお洒落具合のジャケット。鮮やかな柄は、刺繍やアップリケではなくプリントです。
このモールは全体的に、写実的なバラ柄&金彩のテーブルウェアと言った典型的なイギリスのアンティークよりは、ビンテージやコレクタブルズ等のもっと若い感覚の商品の割合が高いようです。
手作り系やアーティスト系と言った、ブース自体がお洒落に纏まって見えるストールが多いのも特徴。
またはスピリチュアル系とかゴス系の、おどろおどろしい雰囲気のストールを幾つか見掛けました。
何故この絵を撮影したかと言えば、西洋人が西洋絵画の技法で日本人女性を描いた作品で、これ程東洋人と着物を(偏見無しに)的確に表現している絵は結構珍しいかもと、妙に印象に残ったからです。
一階の一番奥は人気のティールームになっており、賑わっていました。
ロフトのようになった二階もあります。
二階には、何故かチャリティショップのストールが幾つか集まっていました。
チャリティショップだって出店料が掛かる訳で、街の中心地の路面店よりは、こう言う場所の方が安いはず。そして、ここには古物やコレクタブルズを好む客層が集まるのだから、それらの売れ行きはそう悪くないはずです。
味のある、古いお土産人形。恐らくポーランド辺りの、三人の演奏者のようです。それが乗っている、花柄の紙箱がちょっと素敵。
その裏側には、多分ポーランドのダンスする男女人形。
北欧陶器も、ちらほらと見掛けました。元は寄付品のチャリティのストールな分けだから、他のストールよりは安いのかと思えば、そうでもありませんでした。
このアラビアの猫柄ピッチャーは、何故かその後割とあちこちで見掛けました。
写真では大きく色飛びしてしまいましたが、このちょっと珍しいソーイング用品柄のワンピースは、値段も手頃で着心地も良さそうなので一瞬惹かれました。
自作らしいパターンをシルク印刷し、そのグッズを販売しているストール。イギリスあるあるで、発想やデザインは悪くなく一見可愛いものの、アイテムが用途的に生憎日本人にとっては中途半端で実用し辛そうで、また値段的にも「買いたい」には至らない場合が多いのです。
古物より手作り品が目立つ、全体的にアーティスティックで若々しい雰囲気の少し個性的なアンティーク・モールで、私もP太も気に入りました。このモールで二人ともハンドメイドの素敵なトートバッグを買う事が出来、私のは日本の友達へのお土産として喜ばれました。
今までアンティーク・モールの新規開拓には、正直余り積極的ではなかったと反省しています。我が家から日帰りで行ける範囲内のモールの数は限られているのもありますが、わざわざ新しい店に期待して出掛けて、もしハズレだったら相当がっかりで嫌だったからです。アンティーク・モールと一言で言っても、中には自分達には無縁の家具中心だったり、高級な骨董美術品中心だったり、古物でもコレクタブルズでも珍しくもない現行品がほとんどだったり、自分達にとっては魅力的ではないモールもある訳です。
それで、既に訪ねた事のある、規模も充実具合も分かっている店ばかり再来店する、博打のない選択に偏っていました。どんな品揃えか規模なのかは、ネット上の情報や写真だけでは全く掴み切れません。これは本当に百聞一見で、実際に訪れてみて想像していたのと大きく違う事もあり、また古物との出会いは一期一会なので、最初はつまらなく見えた店でも、タイミングに寄っては思いがけず嬉しい収穫に出会える事はあります。
何度も行っている馴染みの店でさえ、訪ねるのはせいぜい年に一、二回なのだし、勿論毎回必ずしも収穫に恵まれる訳でありません。お気に入りのストールが次々に撤退してしまい、すっかり魅力がなくなってしまう事もあります。定番のリピ店から近い、または何かのついでであれば、初めてのモールに行くのだって躊躇する必要はないはずです。これからは、未だ行った事のないアンティーク・モールにも意欲的に訪れてみようと思っています。
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