2024/10/31

サブカル少女達のハロウィーン

黒いドレス服には少々飽きて来たし(:ドール用に作るのが)、黒レース等の装飾もいよいよ底を突きそうなので、ゴスでも仮装でもない、単なるストリート系と言うか病み可愛サブカルチャー系の服で、momoko DOLLにハロウィーンを祝って貰おうと思い立ちました。

モデルは、「ミモザの太陽」と「GIRL POP lime cat」のモモコ。どちらも、普通のモモコ・ドールのボディより背が低くて若いティーン・ボディです。

これらの服装自体は、黒が多いってだけでハロウィーンらしくは全くありません。ついでに、季節も合っていない(寒そう)。しかし背景布とカボチャ提灯で、無理矢理ハロウィーンらしさを演出しました。

こちらの猫プリントの黒ダボTシャツは、元々はリカちゃんのお友達人形つばさちゃんに作った物。モモコにも着せてみたところ、ティーン・ボディでさえ流石にぱんつが見えそうな程丈が短か過ぎたので、タータンチェックのキュロットを作って下に履かせました。

するとレッグカバーではバランスが悪くなってしまい、レース付き黒のハイソックスに替え、フットウェアは紫の編み上げブーツに変更しました。

猫耳帽は、モモコのヘッドに合う小さなサイズを新たに作りました。最近発売された「原宿のサブカルガール」リカちゃんも、WEGO コラボの#Licca もこんな猫耳帽を被っていますが、本当に原宿ではこんな帽子を被っている人が多いのか?? 今年久々に原宿へ行きましたが、ガイジンばかりで余り日本人を見掛けませんでした。

一方こちらの縞Tシャツは、黒Tより先につばさちゃん用に縫った失敗作。ダボダボ感が足りず、サブカルっぽさも足りなかった為に却下となりましたが、レッグカバーを着けてみるとそれなりに見えます。

レッグカバーは、もう一方の服装とのバランスを取る為に、キュロットと同じタータンチェック柄にし合わせました。これで原宿系と言うよりは、一応ロンドン系と言う事に(こんな格好イギリスで見ないけどw)

Tの胸には、クドい邑染め生地の蝶のプリントを切り取って貼りましたが、未だ毒々しさが全然足りなかったところ、上からドクロのネックレスを着用したら、やっと何とか落ち着いてくれました。

流行には捕らわれない、特定の嗜好や思考を持つ人々の、独自のファッション・スタイルがサブカル系。代表的なのはストリート系のオーバーサイズなスポーティー・カジュアルですが、広く見れば量産型や地雷系、ロリィタ、ゴス、パンク、着物、古着等もこれに含まれるようです。それだけ広範囲だとサブではなくメインになるんじゃあ?と一瞬思うものの、今の東京を見渡して、これらがマジョリティになる事は決してなさそうです。

今の大人服の流行が兎角退屈に見えるので、これら自分の好きな物を貫く若者のサブカル系ファッションは概ね嫌いじゃありません。勿論自分でする気はサラサラないものの、ドールに着せるのには打って付けの題材です。

今年はドールに使えそうな安価なハロウィーンのミニチュア小物が、イギリスでも割と出ているなと思いました。2、3年前に探した時は、どうにも見付からなかったのです。毎年同じハロウィーン小物を使うのもつまらないのですが、かと言って一年で一度しか用の無い物をあれこれと増やすのも気が引けて…、ドール沼の宿命です。

このカボチャ提灯は、同じく中空洞ポリ製のドクロと計六個セットでした。元は用途不明の単なるごろんとした物体でしたが、自分で勝手にハンドルを付けました。

同じボディのはずなのに、何故ミモザ(右)の方が背が高く見えるんだ?と思いきや、そりゃ思いっきり厚底のブーツ(lime catのデフォ)を履いているからに決まっていますよね。

ティーン・ボディ同士でも、雰囲気は結構違うモモコ・ドールだと思っていましたが、こうしてテイストの共通した格好をさせると途端に仲良しに見えます。ーーーそれでは皆様、Happy Halloween!





2024/10/30

イギリスの墓石ウォッチング 2

 

いよいよハロウィーンが近付いて来ました。仮装もパーティーも子供に菓子をバラ撒く事もしない私にとっては正直どーでも良い祭りですが、墓の写真の自分のコレクションをお見せするのには絶好の機会です(…要らんわ、そんなもん!)。撮影地は、ケント州のAylesford アイルスフォードと言う川沿いの美しい村。訪れたのは、丁度昨年の秋です。ここの教区教会を取り囲む墓地には、古い中々魅力的な墓石が残っていました。

まず、まるで遺体を覆い被せるような筒状の石の、私達夫婦が勝手にミイラ型と呼んでいるタイプが、ここには多く集まっているのが印象的でした。

旅行の先々で機会があれば墓碑を見て来ましたが、ヨーロッパの他のキリスト教国でも、こんな悪趣味な形の墓石は見た覚えがありません。イギリス特有の墓石の形ではと思っています。

ミイラ型自体には、埋葬者の名前や没年等の文字は彫られていません。中には情報の刻まれたヘッドストーンの付いたミイラ型もあり、もしかしたら元は全てヘッドストーンとセットになっていたのかも。

この薄っぺらいヘッドストーンが、土台も支えもなく、単に地面に直に刺さっている場合が多い為、イギリスの古い墓石は大抵派手に傾き捲って荒れて見えます。そもそも、区画の境界線のような物はほとんど見られません。

更に、多くが脆い砂岩で出来ている為、崩れて朽ち果てている墓石も多く見掛けます。これなんて、崩壊した上に地中に埋もれ、左端に辛うじて墓石だった痕跡が見られます。

墓地ではズバリ石棺にしか見えない、チェスト型やティーカディ(茶葉が高級だった時代の紅茶入れ箱)型と呼ばれるタイプも、イギリスならではの墓だと思っています。


棺桶型…いや箱型に、十字架の乗った物。

屋根のような形が乗ったタイプ。

箱型ではなく、正にテーブル型の墓石も。一体どんな理由でこんな墓石を建てたのか、そもそも何故こんな形の墓石が流行したのだろう?? もしかして、この上でピクニックをするつもりだったとか。

彫像の付いたタイプは、多くのキリスト教国の墓地で見掛けますが、凝っているのでやはり目を引きます。

しかし「Dr. WHO」を見て以来、天使の石像を素直に美しいとは思えない…。

ケルト文様の美しいケルト十字型も、やはり目を留めずにはいられません。


最も新しいタイプの墓石は、板碑を地面に寝せて嵌め込んだこのタイプ。多分正確には遺体を埋葬した上の「墓碑」ではなく、この土地に散灰した「記念碑」だと思います。日本同様に墓地不足&高騰のイギリスなので、これとて教会の墓地に記念碑の設置が許されるのは、相当お金が掛かっていると思われます。

教会の入り口脇にあった、鉄柵に囲まれた、この墓地で一番偉そうだった墓石。どなたかは存じ上げませんが、村の有力者のお墓と想像します

因みに、イギリスで一番古い墓石はと言うと、ーク地方南部のAlstonefieldと言う村の、1518年に亡くなったAnn Greenと言う女性の墓だそうです(注:上の写真ではありませぬ)。同村では、Ann Green祭りも行われるそうです。16世紀前半ですから、意外と新しいですね。もっとも、埋葬地なら遥か昔の石器時代の物もイギリスで沢山発掘されている訳で、墓「石」と言う点で最古なのだと思います。それ以前の時代は、王侯貴族なら教会や大聖堂、または城の礼拝堂の地下墓所(これは今でも)、一般人は土饅頭か木製の十字架とかの墓標だったのかも。

ところで、「お墓から見るニッポン」と言うTV番組が好きで見ています。民間放送のバラエティ番組ですが、中々真面目な内容で、考古学や民俗学、生死観や宗教観からも勉強になります。前半が偉人のお墓訪問、後半は昔の庶民のお墓に付いて説明され、日本でも墓地の形式に地域性があるのは凄く興味深いと思いました。






2024/10/29

モンスター・ハイの「ドラキュローラ」をリペイント

ハロウィーンこそ、人外人形モンスター・ハイを登場させるのに相応しい時期だと思いました。そこで、イギリスに戻って来て今年最初位のフリーマーケットで手に入れた、「Doraculaura ドラキュローラ」と言う準主役級のキャラクターを、リペイントしてドレスアップします。

ドラキュローラはドラキュラの娘で、血を見るのが苦手なお茶目な女の子と言う設定です。ドールでは前髪付きで割と可愛い雰囲気 (:モンハイとしてはw) な為、前から欲しいと思っていました。髪色は、漆黒に濃いピンクのメッシュ。色味&雰囲気的に、ライバル玩具メーカーMGA社のBratzillaz ブラッツィラズ」シリーズのCloetta クロエッタと被りますが、どちらが真似し真似されたのか、まあ私にとってはどちらでも構わんこっちゃです()

ボディは肘&手首の曲がらない簡易版ですが、オリジナルのアウトフィットも全て揃っていて、全体的なコンディションは中古人形として良好でした。どうせリペする為に買うのだから、マッパ状態でも不便ではないのですが、どの人形のキャラクターのどの仕様かを検索・確認する為には、デフォルトのアウトフィットが残っていると役に立ちます。特に、1/6スケールのドールと言えど足のサイズは様々で、このモンハイの足は独特な大きさ&形の為、フットウェアが残っているのは何かと有難いのです。

髪色髪型から、これは正に地雷ちゃん…と思い、地雷系女子を目指してリペイントしたいと思いました。地雷メイクの要と言えば瞳(コンタクトを入れてまで強調させる)の大きなタレ目ですが、モンハイの目はアイホールの型押しからして思いっ切りツリ目です。…いやいや、世の地雷ちゃん達の中にも実はツリ目が結構多いはずで、必死にメイクでタレ目を作り上げているのに違いありません。ここはリペで、何とか誤魔化さなければ。

兎に角メンヘラそう、幸薄そうなのが地雷系メイクです。オバチャンにしてみれば、目尻も涙袋も加齢と共に自然に下がって来る訳で、何故わざわざ老け急ぎメイクをするのか?と不思議に思う所です()。哀れな小動物っぽく可愛くメイクしている地雷ちゃんも勿論居ますが、中には作り過ぎ&盛り過ぎの余りに人工的で、笑かしてんのかと思える人も。可哀想を通り越して滑稽に見えるのは、地雷系の本望ではないと思います。

この人形の髪は整えてみると、改造の必要が全くない程良好な状態でしたが、サイドバングをカットし、つまり姫カットにしてみました。ついでにツインテも…と考えましたが、植毛が全く二つ分け向けには作られていない為、禿げ出来捲りで(例え地肌が黒くペイントされていても)不格好で諦めました。

当然ファッションのテーマも、「病み可愛い地雷系」。元々精神に問題アリとか、心に闇を抱えている地雷系女子なので、服装にも黒を多用するのがポイントです。ゴスロリとの共通点も多いのですが、寄りカジュアルで装飾&ボリューム控え目なのが地雷系だとか。

そして、地雷系の黒の割合が少なくなると「量産型」、言わば甘ロリのカジュアル控え目版。これらの違いや境界は割と曖昧ですが、「地雷系」も「量産型」も、ロリィタに比べれば敷居が低く取っ付き易い(廉価版とも言う)のは共通しています。

地雷系ファッションと言えばパフやバルーン等の膨らみ袖が定番ですが、モンハイは上半身や腕の細さの割に手の甲が大きく、また指が広く開いている為に、カフスを付けると手を通す事が出来ません。アームホールでさえ、広目にしないと手が通らない程です。

また、昆虫っぽい気持ち悪い体形も目立たせたくないので、露出の多いボディラインにぴったりした服のフォルムも厳禁です(そして出来ればmomoko DOLLサイズで作りたい)。なので、服をデザインするのに色々体形的にも制約があり、典型的な地雷系ファッションにするのは難しいと思いました。

腕が曲がらず付け根さえ開かず、その上片腕は曲がったままと言うのは、ポーズのバリエーションが極端に出しにくく、やはりファッション・モデルとしては凄く使い辛い人形だと実感しました。

地雷服は薄いピンクや水色と組わせてあることが多いのですが、この人形は肌が色白どころかピンクで(妖怪なのに血色いいね!)、ピンクの服では肌色に被り過ぎてしまい、水色もちぐはぐに見えました。で、結局黒メインの、地雷と黒ロリの中間みたいな半端な服になりました。

白い大きな襟は着け襟式で、これがないと一層半端に見えます。

スカートはもう少し短め、広がり控え目のほうが、地雷っぽかったかなと反省しています。

結局袖は一番腕を通し易いベル袖にして、モモコのサイズで作ったからモンハイには長過ぎます。

しかし後からよくよく考えると、モモコ・サイズには作ったものの、モモコも思いっ切りアーモンド・アイなのに、こんな地雷服の似合うモモコなんて私も姉も持っているだろうか??()

サイドバングは、植毛の都合上ハゲが見えないよう広めに取りました。

腕の仕様はチャチいのに、膝は関節式で曲がるのが意外です。つまり座らせる事は出来、バランス的に少し落ち着いて見えます。脚も、座ってもちゃんと閉じますし。←可動式素体でも、割と珍しいと思います。

何か座らせる為の椅子の代わりの黒い物を…と家の中を探して、我が家ではアルトマン&キューネのパッケージ位しか見付かりませんでした。今までハロウィーン位しか出番がないからと、見送っていたモンハイ用の中古家具類も、これからはゴス服強化の撮影に役立つので買っておかねば。

ミニチュアのドクロは、地元の量販店で買いました。頭のサイズ的にリカちゃんやモモコには大き過ぎて(そもそも彼女達には持たせたくないし)、モンハイにこそぴったり。

ヘッドが大き目で顔型の造形も結構良く出来ていて、リペイントの素材としては確かに面白いモンハイですが、体形のクセが強過ぎてアウトフィットのデザインには制約が色々あり、やはり「ファッション」ドールとしての魅力は、正直私にとってはイマイチだと実感しました。

ところで今秋は、モンハイからウェンズデー・アダムズ版が販売されています。元々が妖怪人形なだけに不気味で良い出来で、ファンじゃなくとも欲しくなってしまう程でした。