日本に一時帰国する際は、毎回家族や友達用にお土産を買い込んで行きます。一人一人にとっては僅かなショボい土産でも、全体的に見ると相当な量になります。しかし、元々イギリスには魅力的な商品が少ないし、質の割に高いし、食品は不味いしで、正直わざわざ時間とお金を掛けてまで持って行く価値のある物は中々ありません。日本で美味しい菓子折りでも買って渡した方が余程喜ばれる訳で、またイギリスの物価高は日本以上に酷い為、今回の帰国では余りイギリスで買わない事にしようと思っていました。が、スーパーM&S(マークス&スペンサー)で見付けた、このいかにもイギリスらしい缶入りのお菓子は、お土産に打って付けと思いました。味の方も、M&Sなのでまずハズレはないと思います。これからの観光シーズンに向けて発売されたのだと思いますが、昨年のこの時期にはこれ程気の利いたデザインのお菓子缶はありませんでした。
四角い平べったい缶入りなのは、苺とクロテッド・クリーム味と言うそそられる組み合わせのショートブレッド。多分、乾燥イチゴの粒々が入っているはずです。缶のデザインは三つの中では最もシンプルですが、その分収納として再利用し易いと思います。
一見シンプルなようで、脇にメタリックな緑色の入っている所がお洒落な缶です。
赤い郵便ポスト缶は、今でもイギリス土産の王道ですが、これはイギリス好きじゃなくとも欲しくなる程イラストが抜群の可愛さ。中には、コイン型のミルク・チョコレートが入っています。郵便ポスト缶のお約束で、食べた後は貯金箱として使える仕組みです。タグが手紙型になっている所も、心にくいセンス。描かれた犬のお散歩中のずんぐりしたおばーちゃんは、暴風雨の為に傘は逆に反り、頭には多分ビニール製バブシュカを被っていて、兎に角イギリスらしさを徹底しています。
裏面は、風船と手紙を追い駆けているやんちゃそうな子供。すっかり男の子なのかと思ったら、髪が長くてスカートを履いているようです。
ハチワレ猫も描かれ、これは自分用にも欲しくなります。友達に上げたら、缶は卓上の使用済み切手いて入れとして使おうかなと言っていました。
バッキンガム宮殿の衛兵のsentry=歩哨(スタンド・ボックス)を模した缶には、プレーンなショートブレッドが入っています。ショートブレッドは、イギリスのお菓子には珍しく甘過ぎる事もなく(バターたっぷりで塩気は利いている)、何処で買っても大抵日本人に喜ばれるビスケットです。
絵柄は、部分的にエンボスされています。本物の歩哨と違い、四面とも衛兵入りで流石にみっちみちじゃろう。その上、それぞれ楽器やら傘、スコッチ・テリア等と一緒です。描かれた衛兵には様々な人種が起用されている所に、現代ならではのエシカルな配慮が感じられます。屋根の軒下に鳩が止まって巣まで作っている、細部までユーモアに溢れた微笑ましいデザインです。