2024/02/11

久々の城下町ライ 1

 

昨年の七月、古代ローマ時代に海の氾濫原の湿地帯を干拓されたロムニー・マーシュの、牧草地に孤立する独特な教会、そして田舎駅のアンティーク・モールを夫婦二人で訪れた後は、人気の観光地で港町&城下町のRye ライへ行きました。ライはお気に入りの町ですが、訪れるのは本当に久々です。距離的には然程ではなくとも、高速道路から遠く、片道二車線以上の速い道路が全く通っておらず、我が家からかなり時間が掛かるのです。

毎度ながら駐車場代をケチって、町外れに駐車しました。通りの名前が「Deadman’s Lane」と言い、絶対にかつて処刑場に通じる道だったのに違いない!と夫婦で話しました。しかし、左へ曲がると通り名は「Love Lane」…。

この日のお天気は今にも雨が降りそうで冴えませんが、この季節はあちこちの家が花いっぱいなのが楽しめ、歩くのは苦ではありません。

歴史の古い町だから、絵になる民家も沢山あります。

鉄道駅の脇の駐車場の中に在る、「Rope Walk Arcade」と言うちょっとみすぼらしい(失礼)ショッピング・モールの中を通って行きました。

 この中にも中古品屋が入っており、以前より数が増えていました。

アンティーク・ショップorモールと変わらなく見える店もありますが、埃被って薄汚れていたり壊れた商品が多く、アンティーク、ビンテージと言うよりは、セカンドハンド&ジャンク屋と呼んだ方が適切な店もあります。

スズランのエナメルの絵付けの水色+乳白色のガラスは、うっとりする美しさ。

このLord Nelson Potteryの「Gaytime」と言うシリーズは、ロンドン・スウィンギン時代を代表するようなデザインで根強い人気があります。

中々セレクトの良い古着屋も、新たに入っていました。
 

そして、この町の最も人気の観光スポットの一つでもある、「Strand Quay ストランド・キイ」と呼ばれる一角にやって来ました。ここは昔の波止場の倉庫街でしたが、今はアンティーク・ショップ等の入る商業施設にリノベーションされています。

数年間訪れなかった間に、パンデミックや都市封鎖があった事もあり、この一帯も随分変わっていました。

中国の悪趣味な置物とか、古物に関係ない商品を売るストールが増えてしまい、どんどんつまらなくなっていたアンティーク・モールは、やはり危惧した通り消えていました。
 
返ってアンティーク「ショップ」の方が生き残っていますが、そう言う店は大抵「モール」より価格が高く、今まで何か買った事は一度もありません。

東欧からでも仕入れているのか、古いホーロー用品の品揃えが目を引きます。

下に敷かれているクロスステッチの布は、ハンガリーのティータオル(布巾)のようで、他にも沢山バスケットに詰め込まれて売られていました。

こちらのショップは、ビンテージ・ドレスが充実していました。

中々美しい、ゴブランのビンテージ・バッグ。

勝手にイギリスの文化遺産にしたい手編みのティーコジー(下段)は、実にデザインが様々です。

小規模ながら女性的なアイテムを多く売り充実している、このCinque Ports通りのアンティーク・モールは健在。しかしこのお店で、恐ろしい事態に遭遇しました。日本でも良く知られた国からの旅行者の二十歳代の女の子二人が現金で支払おうとした所、偽札である事が発覚したのです。

店主の話では、その国からの観光客が偽札で支払おうとしたのは、その週だけで既に三回目との事。女の子達は、国立銀行でポンドに両替して来たのに、とショックを受けていました。国を挙げての偽札作りとは…、カリオストロ公国と同じだな。その国では、ATMからも自国通貨の偽札が出るそうです。


店主は親切にも、この偽札をイギリスの銀行に持って行けば即逮捕されるが、スーパーマーケットで支払えばまずチェックされない、と彼女達に教えていました。そもそも、このカード&キャッシュレス化が進んだイギリスに住んでいて、未だ一度も見た事のない高額紙幣で支払おうとするのは、★★人だけだからバレるようです。

その国からの観光客は日本にも非常に多いのですが、イギリスと違って自動販売機を利用する機会が多いから引っかかるはずので、日本円の偽札が出回っていない事を祈ります。

 

 


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