2023/09/13

ヘレンドの「ロスチャイルド」の小皿

 

毎週金曜日と土曜日にだけ開店する、近所の住宅地の合間にポツンと立つ、元ボーイスカウトの集会場のような山小屋みたいな、小さな木造建築を利用した超ローカルなチャリティショップへは、コロナ規制が落ち着いて通常営業に戻って以来、一週置き位には通っています。例え何も買う物がなかったとしても、歩くだけで丁度良い運動量になるからです。都市封鎖直後の再オープンの際、コロナ規制で社会的距離間を設ける為か、以前に比べると商品が少なくなり小ざっぱりしてしまいました。しかし、やはり街中の一般のチャリティ屋に比べると、ありとあらゆるアイテムが売られてバラエティが豊富だし、手芸用品は良く手に入れられるし、衣料等は安目に設定されています。今回は其処で、ハンガリーのHerend ヘレンドの鳥柄の小皿を50ペンス(90円弱)で買ってみました。

直径5cm程度で、イギリスの一般的なピントレイ(アクセサリー類を入れて置く皿)よりも、日本の醤油皿よりも更に小さい程です。「ヘレンド」「鳥」で検索してみて、すぐに「Rothschild ロスチャイルド(ロートシルト)」と言うデザイン名が見付かりました。詳しくは分かりませんが、あのユダヤ系の富豪一族に由来しているのには違いありません。ハンガリー大好きな私ですが、国を代表する高級陶器のヘレンドには、ほとんどと言って良い程興味がありませんでした。

バックプリントには、シリアル・ナンバーや絵師名らしき物と共に、「Handpainted」と記しあります。いや、どう見てもこれ手描きじゃないだろと思いましたが、よくよく観察して見ると、多分主線はプリントで、彩色のみは手描きなのではと思いました。eBay等で検索すると、このタイプは中古でも2050ポンド程で売られています。

細かい写実的な絵柄で、枝に留まる二羽のカラフルな鳥、何か逸話があるらしい枝に絡められたネックレスが描かれています。このデザインは、当時ハプスブルク帝国の首都ヴィーンに本拠地を置いていたロスチャイルド(ロートシルト)家の注文で、1860年に生まれたそうです。

何故今までヘレンドに興味が湧かなかったかと言えば、デザイン的にハンガリーの大衆or民俗文化、すなわちフォークロアに影響されている部分はほとんど見られず、また自分の食生活にも合うとは思えなかったからです。ただし、最近はHerend Village Potteryと言う手頃な価格のカジュアルな日常使用路線も存在します。ヘレンドでは今は日本の節句飾り等も制作しているらしく、日本は格好のお得意先のようです。ハンガリーのビンテージ陶器であれば、ユーゲントシュティール時代のハンガリー建築に貢献したZsolnay ジョルナイ、愛らしい民俗調のデザインの多いHollóháza ホロハーザ、庶民的なAlföldi アルフェルディの方が余程魅力を感じます。しかしこれは鳥柄だし、余りに小さくてドール用のインテリアに使えそうと思い買いました。

 

 

 

 

 

 


0 件のコメント: