イギリスでの今年4回目のフリマで久々に2冊買ったビンテージの絵本の内、もう一冊はこれです。タイトルは「Animal Houses いきもののおうち」で、幼児の一番最初の図鑑的な教育絵本ですが、昔絵本として私の大好きなGolden Pleasure Booksです。
見返しのデザインからして、くぅぅぅと来る可愛さ。
20×15cm位の、薄いソフトカバーです。昔絵本らしい画用紙みたいなマットな紙質の印刷と、平面的で可愛く単純化された好みのタッチです。出版は1962年のロンドンで、印刷はオランダですが、所々に最初の出版元のアメリカらしさが表れています。
まずは、ネズミのおうちから。左頁の構成がお洒落です。ところで最近唐突にP太から、「日本語でmouseとratの違いって何なの?」と聞かれ思わずググりました。すっかりratはドブネズミ(と聞くと必ず「リンダリンダ」が脳内に流れる)を差すと思い込んでいましたが、単に大きいネズミをrat、小さいのをmouseと呼ぶそうです。
続いて、またしてもネズミかと思いきや、実はハムスターのおうち。野生のハムスターが存在するとは、当然と言えば当然なのですが、今迄思いも寄りませんでした。オバサンが読んでも面白いのは、ハムスターの巣には、敵に狙われた際の緊急避難用のほぼ垂直な通路、余り急でない一般の通路、居住部屋、食料貯蔵庫が在ると言う事。
ビーバーの巣も紹介されているのが、アメリカの絵本ならではです。イギリスではヨーロッパ・ビーバー(※アメリカのより一回り大きいらしい)が16世紀に絶滅しましたが、ここ数年は起源不詳で若干復活して来ています。
哺乳類だけでなく、ミツハチの巣も紹介されています。タイトルを「どうぶつ」ではなく「いきもの」と自分で勝手に訳したのは、その為です。
続いてアフリカのゴリラなんですが…、これ、本当にゴリラなのか?? そしてゴリラはバオバブの木の上に巣を作る事もあると書いてあるんですけど、ゴリラの生息する熱帯雨林にはバオバブは生えないはず。そもそもネットで何でも簡単に調べられる現代でさえ、子供向けのアフリカの野生動物のイラストって、ジャングルにアフリカ象が居るとか、いい加減な内容が多いと聞きます。
鳥の巣も紹介されています。キツツキ、ツバメ、カワセミ等は、イギリスにも生息する鳥です。キツツキはロンドン郊外でも見掛ける事がありますが、ツバメは日本程は居ません。
最後は、なんて事はない犬小屋で締め括り。と思う所ですが、実はイギリスでは犬を屋外の犬小屋で飼う習慣はないそうです。アメリカだと、確かにスヌーピーは犬小屋に住んでいますね。こんな単純で基本的な内容なのに、意外な所にイギリスとアメリカの違いが見られる興味深い絵本です。
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