リンカーン観光の筆頭リンカーン大聖堂で、これから内部を見学します。
入り口からこの身廊のみは無料で眺める事が出来、「もしもっと探検したければ料金をお支払い下さい」とサインがあります。つまり、興味が深い人のみ有料と言う事です。イギリスの大聖堂の入場料と言うか拝観料は、無料、寄付金制(大抵カード可)、定額制で5ポンド程度からとありますが、このリンカーン大聖堂は9ポンド(約1500円)でした。10年以上前にYork Minster ヨークの大聖堂で、やはり拝観料が9ポンドだった為(現在は16ポンドだそうだ!)、P太はショックを受け怒って入場を拒否しました。私の分は払ってくれましたが、その時は特に最大の見所である世界最大級の中世のステンドグラスが回収工事中だった為、ボッタクリな程高い…と痛感しました。この体験を踏まえ、今回は予めリンカーン大聖堂の拝観料を調べておいて、大丈夫かどうかP太に尋ねておいたお陰かOKが出ました。
丁度午後一時前に入り、拝観窓口には私達夫婦の前にせいぜい3,4組程度の入場者が並んでいました。しかし、単に拝観料を払うのに、何だか物凄く時間が掛かっています。我々の後ろには、あっと言う間に長蛇の列が出来、皆怪訝そう&イライラし出していました。実はイギリス在住納税者であれば、拝観料から免税として少額が後日返還される為、料金の支払いと共に、住所氏名等を書類に書き込む等の免税の手続きをしているのです。これでは、例え窓口が二つあっても時間が掛かり過ぎて当然です。やっと我々の番となり、同じく免税の手続きをするかどうか尋ねられた処、P太は「いえ、結構です。時間が掛かり過ぎて、後ろで待っている人達に迷惑ですから」と痛烈な嫌味を言い放ちました。返金と言っても、せいぜい1,2ポンド程度ですからね…。
そして拝観料を払いさえすれば、任意で一日二回のガイドツアーに参加する事も出来るのですが(※屋根巡りツアーは別料金)、P太は私に確認せずに「参加する」と即答しました。これだけ高い料金を払ったのだから、元は出来るだけ取って当然!と言うのは、いかにもケチな彼の考えそうな事です。
私はじっとしているのが大の苦手なので、自分の思った通りに動き回って見る方が好きなんです。ガイドツアーは、確かに自分だけでは気が付けない興味深い話もいっぱい聞けました。しかし、この日の大聖堂の中は異様に底冷えがして、動かないでガイドさんの話を聞き続けていると、余計に寒くあやうくお腹を壊しそうな程でした💦
この時のツアー参加者には30~40人程度で、白人ばかりの概ね中高年者でしたが、中には二十代らしきカップルも混じっていました。総じて熱心な人達が多く、かなり食い入った質問をする人も居ました。
この大聖堂は、映画「ダビンチ・コード」や「ヴィクトリア女王 世紀の愛」等の撮影にも使われました。
大聖堂の床石には、実は化石がいっぱい。これは、地味に大聖堂あるあるです。石材は、イギリスの大聖堂としては割と珍しく地元産だそうです。
こちらは、身廊の天井。様々な天井のヴォールトも、リンカーン大聖堂の見所の一つです。ヴォールトは単なる装飾ではなく、ゴシックの高い天井を支える構造上の重要な建築技術である事を考えると、一層興味深く見えます。
巨大な中世のステンドグラスも、多くの大聖堂で見所になっています。ここでは、翼廊(袖廊)の両端に、興味深いバラ窓のステンドグラスがあります。
北翼廊のバラ窓は、「Dean’s Eye 首席司祭の瞳」と呼ばれています。これは言わば、典型的な中世のバラ窓です。
一方南翼廊のバラ窓は「Bishop’s Eye 司教の瞳」と呼ばれ、私は最初は近代の作かと思っていました。しかしガイドさんの説明を聞いていると、元は14世紀の古いステンドグラスでしたが、17世紀の英国内戦で清教徒軍に破壊されたとの事。それを後に修復しましたが、素人がテキトウに破片を繋ぎ合わせた為、まるでモダン・アートのような斬新なステンドグラスに仕上がってしまい、以後そのままだそうです。
しかし南から陽が差すと、出鱈目な配色が返って息を飲む美しさでした。P太は、リンカーン大聖堂でこの「司教の瞳」が最も印象に残ったそうです。
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